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四国河川ニュース
《10/5(土)〜10/11(金)》617号
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【2013.10.15発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.253
○「香川県 吉田川(高松市)の治水事業『広域河川新川(吉田川)改修事業』」 香川県高松土木事務所長 竹内 克宜
○「地震・津波対策の推進」 高松市長 大西 秀人
○今週のニュース
○土器川で「第3回 大規模水害対策ワークショップ」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)
○重信川河口で小学生による「鳥類・カニの観察」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.253
1.「香川県 吉田川(高松市)の治水事業『広域河川新川(吉田川)改修事業』」 香川県高松土木事務所長 竹内 克宜
○吉田川は、その源を香川県木田郡三木町の讃岐山脈に発し、途中小村川の支川を合わせ、二級河川新川に合流する、流路延長11.8km、流域面積26.0km2の河川です。その流域は、高松市、三木町にまたがり、川沿いに形成された平地は水田として広く利用されているほか、下流部では住家が連たんし、大型商業施設が立地するなど市街化が進んでいます。
○本河川は、昭和53年度から、新川合流点から琴電電車橋までの650m区間で局部改良工事を行っていましたが、昭和62年10月の台風19号により、浸水面積約8ha、浸水家屋76戸の被害を受けました。この時、新川水系全体では、浸水面積約703ha、浸水家屋4,831戸にもおよぶ甚大な被害を受けたことから、昭和62年度に新川河川激甚災害対策特別緊急事業(以下、激特事業)に着手することとなり、本河川においても改修区間を新川合流点から市道川島吉田線吉田橋までの約3.5 kmに延伸し、そのうち県道太田上町志度線小村橋までの延長約1.6 kmの区間を激特事業により整備を進めてきました。
○しかし、未整備区間においては、平成16年10月の台風23号により、浸水面積約54ha、浸水家屋292戸におよぶ浸水被害が発生したことから、未整備区間の早期改修を実施するため、平成21年4月に新川水系河川整備計画を策定し、河道拡幅(引堤)や河道掘削、護岸、築堤による河川改修工事を進めているところです。
○現在、新川合流点から亀田橋下流までの整備が完了しており、今後は、引き続き吉田橋までの未整備区間について、住民の安全安心を確保するため事業の進捗を急ぐとともに、河床は澪筋や寄石による瀬や淵の確保を図り、自然環境の保全に配慮した河川整備に努めていきます。
○今後も環境に配慮しつつ、浸水被害を早期に軽減できるよう、河川改修に取り組み、災害に強い快適な郷土づくりを目指します。
2.「地震・津波対策の推進」 高松市長 大西 秀人
○高松市は、多島美を誇る波静かな瀬戸内海に面し、これまで人々の暮らしや経済・文化など様々な面において、瀬戸内海との深いかかわりの中で、県都として、また、四国の中枢管理都市として発展を続けてまいりました。
○これまでに、大正、昭和、平成を通じ、8回にわたる合併により現在市域の面積は、375.17km2となり、北は瀬戸内海から南は徳島県境に至る、海・山・川など自然を有する広範な市域の中に、にぎわいのある都心やのどかな田園など、都市機能・水・緑が程よく調和し、豊かな生活空間を有する人口約42万人の中核市です。
○市中心部には、堀に瀬戸内海の海水を引きこんだ、日本三大水城の一つである史跡高松城跡の玉藻公園、市東部には、源平合戦の古戦場で有名な屋島が位置しているほか、海上4kmには,女木島(鬼が島)、男木島、大島が浮かび、市南部には塩江温泉郷などがあります。
○本年は、第2回目となる「瀬戸内国際芸術祭2013」を高松港周辺と女木島、男木島、大島などの瀬戸内の美しい島々を舞台に、開催しております。この芸術祭は、「海の復権」をテーマとして、「民俗、芸能、祭、風土記
という通時性」と「現代美術、建築、演劇という共時性」を交錯させ、瀬戸内海の魅力を世界に発信するプロジェクトです。前回と同じ期間で比較し、約1.6倍の来場者数と大変賑わいを見せております。
○現在,秋会期(10月5日〜11月4日)を開催しておりまして、御来場の皆様に、錦秋の色鮮やかな瀬戸の島々とともにアート作品を御堪能いただいております。また、秋会期では、新しく開設しました高速バスターミナル待合所に新たな作品を展示し、玉藻公園では、春・夏会期と同様に、夜間無料開放やライトアップを行う予定であり、更なる盛り上がりを期待しているところでございます。
○さらに、10月14日には、「現代源平屋島合戦絵巻」を開催し、800年の時を越えて現代の源平合戦を再現いたします。
○本市は、平成16年の台風16号によって、市街地が甚大な高潮被害を受け、香川県が18年3月に策定した「津波・高潮対策整備推進アクションプログラム」に基づき、これまで計画的に防護施設の整備を進め、昨年度末で84%(県・市管理施設)の進捗率となっております。加えて、本年3月に南海トラフの巨大地震に関し、香川県が公表した「香川県地震・津波被害想定」も踏まえ、引き続き、防災・減災対策を着実に推進してまいりたいと存じますので、今後とも、国や県の更なる御支援をお願いいたします。
今週のニュース
1. 土器川で「第3回 大規模水害対策ワークショップ」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)
○10月6日(日)に、丸亀市民会館において「第3回 大規模水害対策ワークショップ」を開催しました。
○ワークショップでは、丸亀市やまんのう町等約70人の地域住民、約60人の香川県防災士会や土器川氾濫地域市町の防災担当者が参加し、香川大学危機管理研究センター長である白木会長の挨拶の後、「水害に強いまちづくり」「地域の生き残り」のために”いつ、だれが、なにをするか”について、私たちの考える大規模水害対策のアイデアを抽出しました。
○住民からは、「堤防決壊のリスクを下げるためにも河道内に堆積した土砂の掘削をお願いしたい」「国管理区間上流の河川氾濫を含めると、もっと大きな被害が予想される」「下流では浸水が長時間続くため、事後の行動が取りにくい」等、住民目線での意見が数多く出されました。
○ワークショップは終了しましたが、今後はこの意見集約結果を基に、香川大学危機管理研究センターや行政機関で構成される「大規模水災害に適応した対策検討会」を開催し、「水災害に適応した強靱な社会作り」を検討していきます。
2.重信川河口で小学生による「鳥類・カニの観察」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○10月4日(金)に、重信川河口において、松山市立堀江小学校5年生児童97名(3クラス)が参加し、鳥類の観察、カニの観察、カニの生態及び河口ヨシ原再生事業の学習を実施しました。
○鳥類を観察する班は、渡り鳥であるシギ・チドリ類等の生態を学習し、双眼鏡の使い方の指導を受け、遠い中州にいる鳥を観察しました。コンディションが悪くシギ・チドリ類は確認できず、ダイサギ、アオサギ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、キジバト、ハクセキレイ、トビを観察しました。
○カニを観察する班は、カニがどこに潜んでいるか説明を受け、スコップ片手に泥だらけになりながらアシハラガニ、ハマガニ、ユビアカベンケイガニ、チコガニなどのカニを捕獲しました。
○カニの生態及び河口ヨシ原再生事業の学習をする班は、河口ヨシ原はオオヨシキリという鳥や様々なカニ等のすみかになっていることを学習し、カニの生態に関する○×クイズに挑戦しました。
○時間が短い(各20分)中、4種類以上の鳥類を観察できた児童が26名、5種類以上のカニを捕まえた児童が11名、カニの生態○×クイズでは、10問全問正解の児童が2名いました。
○児童たちはいつもの学校の教室を離れて楽しかったようで、生物を追いかけることに夢中で目を輝かせながら取り組んでいました。重信川では、自然再生事業を実施した箇所が3箇所有り、それぞれの場所で、様々な環境学習に取り組んでいます。今後も河川管理者として、河川体験活動をサポートしていきたいと思っています。
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■連絡先■
四国地方整備局 河川部 河川管理課 洪水予測専門官 内山 俊浩
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(内山) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
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