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四国河川ニュース

9/7(土)〜9/13()615

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2013.9.17発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.251

○「高知県 岩戸海岸侵食対策事業」 高知県室戸事務所長  仙頭 久也

○「室戸市の海岸について」 室戸市長 小松 幹侍

 

 

○今週のニュース

○「エンツァイ収穫会」  (肱川水系 野村ダム管理所)

○「重信川再生松原泉で秋の虫を探そう!!」を開催  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.251

 

1.「高知県 岩戸(いわと)海岸侵食対策事業」 高知県室戸事務所長  仙頭 久也

 

■地形の概要

○岩戸海岸は、土佐湾に面した高知県東部の室戸市に位置しており、県東部の唯一の幹線道路である国道55号と平行している海岸線延長1,468m、海岸保全区域延長1,468mの海岸です。

 

■事業の概要

○当海岸は、広大な砂浜を有していましたが約50年間で40m程度も砂浜が後退し、台風等の高波時には越波によって、幹線道路であり地域の生活道として重要な国道の通行止めが頻繁に発生していました。

 

○このため、平成13年度より侵食対策事業に着手し、砂浜の安定を図ることになりました。特に、当海岸はウミガメの上陸産卵場所として有名な海岸で、高知県うみがめ保護条例に基づく生育地等保護区として指定されているため、ウミガメの上陸を妨げず自然環境に配慮するとともに、波の打ち上げ高を低減できる人工リーフの工法を採用しました。

 

○この結果、今年度までに人工リーフ8基(L=960m)が暫定完成し、背後への越波被害の解消や砂浜の回復が見込まれています。

 

○事業実施にあたっては、地域住民、関係機関の皆さまにいろいろご協力いただきました。厚くお礼を申し上げます。今後も引き続き、堤体の点検、補強など地域の安全安心向上に取り組んでいきたいと考えています。

 

 

2.「室戸市の海岸について」 室戸市長 小松 幹侍

 

○室戸市は、県都高知市の東方78kmに位置し、太平洋にV字形に突出した日本八景の室戸岬を中心に東西53.3kmの海岸線を有しており、市域面積は248.25km2、人口約1万5千人の市です。

 

○地形は、面積の約8割以上を山林が占め、南北に山脈が縦走し、海岸近くでは特異な海岸段丘を形成しています。この特異な海岸を含めた半島地域全体が、平成23年9月に「世界ジオパーク」に認定されました。

 

○地質遺産とともに文化遺産や生態系の多様性などを楽しむ場所がジオパークです。室戸半島では、古第三紀(約5千万年前)から現在にかけて、地球のダイナミックな営みによって生じた地質や地形を見る事ができます。

 

○また、珍しい亜熱帯植物や天然記念物(県・国)指定の植物を観察することができます。

 

○さらに、自然に育まれた歴史や文化に触れたり、地形を活かした農業、海流と深層水に影響を受ける漁業と産業など特異な地形、地質と共に育まれた人間の営みを実感できます。

 

○今後とも、自然との共生を図り、安心して暮らせる地域づくりに努めてまいります。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「エンツァイ収穫会」 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○野村ダムでは平成16年より毎年、アオコ発生の要因である栄養塩類を除去する目的で、地域の方々の協力のもと、中国野菜の一種であるエンツァイをダム湖面に水耕栽培しています。

 

○今年は、7月22日に植生会を実施し、約2ヶ月後の9月13日に収穫しました。

 

○収穫会には、地域及び下流住民団体の他、関係機関にも参加していただき、肱川流域全体でのイベントとなり、大変賑やかに実施することが出来ました。

 

○今年は、昭和57年のダム完成以来、稀に見る渇水の影響もあり生育が悪く、収穫量は昨年(67.3kg)の約1/7の約9kgでした。

 

○今年の収穫量から推定したダム湖内の栄養塩類の除去率は、リンを約2g(貯水池内の0.0004%)、窒素を約25g(貯水池内0.0003%)除去できた結果になります。

 

○また、計量後は、地域住民団体主催のもと肱川上下流交流会として収穫祭を開催しました。

 

○収穫祭では、エンツァイを使ったチャーハン、サラダ、グラタンの他、今回は新たにペースト状にしたエンツァイを生地に練り込んだうどんもあり、参加者に大好評を得ていました。

 

○今回収穫したエンツァイが吸収したリンと窒素は僅かな量ですが、流域の方々が「水をきれいにしよう」という心がけへの意識啓発に繋がれば幸いであり、野村ダムでは今後も引き続き、このイベントを実施していきます。

 

 

2.「重信川再生松原泉で秋の虫を探そう!!」を開催  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○9月14日(土)に、平成18年に完成した松原泉・小川周辺の簡易モニタリングの位置づけで地元小学校の児童及び保護者に参加いただき、「松原泉で秋の虫を探そう!!」と題した昆虫採集を実施しました。

 

○当日は、9月も半ばというのに30℃を超える熱い日となりましたが、松山市立浮穴小学校の1〜6年生の児童等24名が、ていぼうエリア、森エリア、泉と小川エリア、かわらエリアの4箇所のエリアそれぞれで、合計1時間30分にわたり網を振り回しながらトンボ、バッタ、チョウの仲間などを中心とした昆虫をたくさんつかまえました。

 

○参加した児童たちは、汗を流しながらも、カゴ一杯になるまで昆虫を捕まえ、トノサマバッタ、クルマバッタ、ショウリョウバッタ、エンマコウロギ、マツムシ、ミヤマアカネ、マユタテアカネ、ギンヤンマ、アオモンイトトンボ、ハグロトンボ、ナミアゲハ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン、コガネムシ、ナナホシテントウなどなどたくさんの昆虫が確認できました。

 

○昆虫をどのエリアでつかまえたか資料にとりまとめ、各班で発表を行い、解散となりましたが、その後も児童たちは、網を片手に虫とりを行い、保護者の方が疲れ果てた状態でした。

 

○今後も重信川自然再生事業箇所を子供たちの環境学習の場として活用するとともに、適切に維持管理していくため、「重信川の自然をはぐくむ会」等と連携して様々な活動を行っていきます。

 

 

 

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