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四国河川ニュース

8/17(土)〜8/30()613

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2013.9.2発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.250

○「愛媛県立岩(たていわ)海岸津波・高潮危機管理対策緊急事業『立岩海岸 〜津波・高潮につよい海岸づくり〜』」 愛媛県中予地方局建設部長 坂本 次男

○立岩海岸と道の駅「風早の郷 風和里」 松山市長 野志 克仁

 

 

○今週のニュース

○「野村ダム『森と湖に親しむ旬間』イベント等の報告(その2)」(肱川水系 野村ダム管理所)

○「水難事故防止講習会(上流編)」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

○「(法皇湖)湖水まつり」を開催 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)

○「渓筋川まつり」を実施 (肱川水系肱川 野村ダム管理所)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.250

 

1.「愛媛県立岩(たていわ)海岸津波・高潮危機管理対策緊急事業『立岩海岸〜津波・高潮につよい海岸づくり〜』」 愛媛県中予地方局建設部長 坂本 次男

 

○立岩海岸は、高縄半島の西部、伊予灘に面し前方に「鹿島(かしま)」を望む延長1,670mの風光明媚な海岸で、背後には平地が広がり人家等が建ち並ぶほか、幹線道路である国道196号やJR予讃線が走っています。

 

○また、当海岸は「波妻(はずま)の鼻」と呼ばれる景勝地であることから、海岸環境整備事業で整備した海浜を中心に、海岸背後に複合運動施設である「北条スポーツセンター」や「道の駅風和里(ふわり)」が整備され、人々の交流拠点として賑わいを見せています。

 

○当海岸では、沿岸域の保全のため設置された護岸や樋門等については、昭和30年から40年代に整備されたものが多いため、老朽化が進み、樋門の作動不良や護岸の損傷等、施設の機能低下が見られておりました。 

 

○このため、東南海・南海地震に伴う津波や台風による高潮・波浪等の発生時には、背後地に甚大な被害が発生する恐れがあるとして、地元から施設改良の強い要望が寄せられていました。

 

○このため、津波・高潮危機管理対策事業により、樋門の扉体の更新や巻上げ機の交換に併せた電動化への改良、護岸の補強等を実施し、平成24年度に完了しており、背後地の安全性の向上を図ることができました。

 

■事業の概要

○事業名:津波・高潮危機管理対策緊急事業

○事業期間:H23〜H24

○事業内容:樋門改良N=3基、護岸破堤防止L=200m

 

 

2.立岩海岸と道の駅「風早の郷 風和里」 松山市長 野志 克仁

 

○松山市は、北西部の瀬戸内海に浮かぶ中島から高縄山系のすそ野の平野を経て、重信川と石手川によって形成された道後平野へと広がっています。また、気候は温暖な瀬戸内海気候で、全体に降水量は少なめで、積雪もごく少量、台風の通過も太平洋側の高知県や徳島県に比べれば少なく、穏やかで恵まれた気候条件です。

 

○本市では、この気候を利用し、温暖化対策等のために太陽光発電システムへの補助を行っていますが、中核市では最多の補助実績を誇っており、また、市民一人当たりのごみ排出量は、50万人以上の都市では、平成18年度から6年連続で日本一少ない都市となっています。このような取組実績から、温室効果ガスの大幅な削減など、低炭素社会の実現に向け、先駆け的な取組に挑戦する環境モデル都市として、選定を受けています。

 

○穏やかな瀬戸内海と、自然豊かな高縄山に囲まれている立岩海岸は、本市北部に位置しています。その区域内には、海岸環境整備事業として整備が行われ、長さ約300mの砂と小石が入り混じった渚があり、利用者からは親しみを込めて「長浜海岸」と呼ばれています。現在では、夏場の海水浴スポットとしてにぎわうだけでなく、ビーチバレーなどのスポーツイベントにも利用されています。

 

○また、立岩海岸は、美しい夕日が見られるドライブスポットとしても親しまれています。国道196号を挟む向かい側には、道の駅「風早の郷 風和里」があり、ドライブ時の休憩だけでなく、取れたての新鮮な野菜や柑橘、特産品なども購入でき、年間を通して多くの方が立ち寄られています。

 

○また、道の駅「風早の郷 風和里」に近接する北条スポーツセンターは、平成29年に開催される「愛顔(えがお)つなぐえひめ国体」のサッカー・ハンドボール競技会場に内定しています。この機会に、長浜海岸と道の駅、そしてスポーツ施設の連携による相乗効果も含めた、効果的な活用方法を模索するとともに、地域の魅力を高め、にぎわいづくりに努めていきたいと考えています。

 

 

 

 

今週のニュース

 

1.「野村ダム『森と湖に親しむ旬間』イベント等の報告(その2)」 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

(1)水生生物調査を実施

○ 野村ダムでは7月24日(水)に、「森と湖に親しむ旬間」の取り組みの一つとして、ダム湖流入部付近の西予市宇和町明間(昭和橋付近)において水生生物調査を実施しました。この調査は、川にすむ生物を観察し、その生物指標から川のきれいさを調べるもので、今年で27回目となります。

 

○当日は、西予市内の小学生や保護者23人が参加し、この調査のアドバイザーとして参加されている河野先生(元中学校教諭)と一緒に川底の石に付着した生き物を採取しました。

 

○「ややきれいな水(水質階級2)」の指標生物であるスジエビやキイロカワカゲロウが多く、この他に同じ水質階級のコオニヤンマ、マシジミ、カワニナ、テナガエピが捕れました。また、間近にある観音水(全国名水百選)が流れ込む地点では、宇和川本川の水温29℃に対して、水温が19.5℃と冷たく、「きれいな水(水質階級1)」の指標生物であるカワゲラやトビゲラが見られました。

 

○参加された児童らは、河野先生の生き物の説明〔ゲンジボタルの幼虫が餌とするカワニナを食べる様子(貝蓋の隙間に頭を入れ、口から毒を出し痺れさせてから肉を溶かす等)の他、肱川の水質状況(肱川の水は野村ダム上流より、下流の大洲市内の方が良い。)などを、熱心に聞いていました。また、参加者の中にはテナガエビやヨシノボリを捕まえた児童もおり「楽しい。」という感想も聞こえました。

 

○今回調査に参加された児童らは、自分の生活を通して、きれいな川になるよう普段から心掛けていただけるものと思っております。

 

○本調査は、次年度以降も引き続き、河川環境に関心を持っていただくため、実施して行きますので、よろしくお願いします。

 

(2)「野村ダム見学会」を実施

○野村ダム管理所では、要請があれば適宜、「ダム見学会」を開催していますが、「森と湖に親しむ旬間」における取り組みの一環として、地域住民の方に野村ダムの役割や重要性を理解していただくことを目的として、7月30日(火)〜31日(水)の2日間にかけて、各々午前・午後の2回づつ見学会を開催しました。

 

○見学会では、はじめに野村ダム建設の経緯、ダムの役割や機能を簡単に説明した後、ダム操作室→コンジットゲート室→ジェットフローゲート室→ダム天端の順に案内し、機器類やゲートの放流能力などについて、見学者に説明しました。

 

○見学者からは、「ダムの中は涼しいですね。」、「トンネル (監査廊)が迷路みたいで楽しい。」などの感想が出されたり、見学記念に写真撮影をされる方もいました。また、ジェットフローゲート室を出てすぐの広場では、ダムを間近で見ることができ、子ども達からは「大きい!」「すごい!」と歓声が沸き上がりました。 

 

○旬間の見学者は、全4回で41名であり、昨年(88名)に比べて減っていますが、今年度4/1〜7/31の間の累計見学者数は、241名と昨年(214名)を上回っています。見学された方は、みなさん満足されている様子でしたが、次年度には、「ダム見学会」の見学内容や広報手法を見直し、見学者数が増えるよう工夫したいと考えています。

 

 

2.「水難事故防止講習会(上流編)」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○8月4日(日)に吉野川交流推進会議主催「交流体験inよしのがわ(上流編)」が早明浦ダム・吉野川水系汗見川で開催されました。

 

○28名の親子連れの参加者が早明浦ダムを見学後、水難事故防止講習会を受講しました。今回も、鮎喰川梁瀬橋下流の(下流編)に引き続き、福山平成大学の小谷寛二教授にご指導していただきました。

 

○座学講義では、「川のきけんなところ」「もしおぼれそうになったら・・」「正しい服装」など、川で遊ぶうえで大切な事をたくさん学びました。

 

○また、スローバックを使った講習では、おぼれている人だけではなく助ける人も冷静な対応が必要であることを学びました。

 

○午後からは、汗見川で野外講習を行いました。まずは、参加者全員がライフジャケットを着用し十分な準備運動を行いました。

 

○その後は、川に入っての実技講習です。まずは、川に流されてしまった時の浮き方や流され方を学びました。

 

○次にペットボトルを使った講習を受けました。浅瀬とはいえ、ライフジャケットを脱いでの練習に、子ども達は少し緊張した表情をみせながらも、すぐにコツを得て上手に浮かびました。

 

○スローバックの講習に差し掛かったところで、雨が降り出しそうな天候になったので、一旦講習を中止して近くの屋根のある広場に移動しました。間もなく雨が降ってきましたが、危険が伴う前に安全な場所に移動することが出来ました。午前中の講義で約束した「危ないと感じたらやめる勇気をもとう」という教訓が生かされました。

 

○スローバックの講習は、投げ方や紐の収納方法などを学びました。初めて扱う方がほとんどでしたが、一生懸命に練習して正しい使い方を身につけました。

 

○途中、天候の変化により演習会場を移動するアクシデントがありましたが、より本講習の重要性を知ることができました。今後も多くの方々に、安全に楽しく川と親しんでいただけるように、水難事故防止に関する正しい知識と心構えを伝えていきます。

 

 

3.「(法皇湖)湖水まつり」を開催 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○第27回湖水まつり(主催:四国中央市実行委員会)が、8月3日(土)に、てらの湖畔広場(富郷ダム法皇湖)において開催されました。

 

○この祭りは、宇摩地域発展の礎となった水資源開発に伴うダム水源地域への感謝の気持ちと、嶺南地域の活性化の一助として始まったものです。

 

○当日は約2,000名の方が来場し、催し物として、バザー、各種ステージイベント、カラオケ大会、花火大会などが行われ大変盛況でした。

 

○柳瀬ダム管理支所からも広報ブースを設置し、銅山川ダムに関するアンケート、パネル展示、ダムクイズ、柳瀬ダム周辺で採集したカブトムシの展示を行い、多くの子ども達に喜んで頂きました。

 

○湖水まつりは、富郷ダムと柳瀬ダムで交互に開催しており、来年は平野公園(柳瀬ダム金砂湖)での開催を予定していますので、是非ご来場頂ければと思います。

 

 

4.「渓筋川まつり」を実施 (肱川水系肱川 野村ダム管理所)

 

○野村ダムへ流入する支川稲生川沿いの西予市野村町鹿野地区において、8月10日(土)、「渓筋川まつり」が盛大に開催されました。

 

○この祭りは、渓筋地区振興のために、渓筋川まつり実行委員会が開催しており、今年で23回目となります。

 

○祭りのプログラムでは、稲生川の浅瀬を締め切った生け簀の中に、石に番号を記載した宝探し、アマゴ(500匹)・アユ(400匹)の魚つかみの他、「森と湖に親しむ旬間」の取り組みの一つである水生生物調査が実施されました。

 

○水生生物調査には、渓筋小学校の全校生徒(29名)と四国内外から帰省されている児童ら約50人(保護者除く。)が参加し、この調査のアドバイザーとして参加されている河野先生(元中学校教諭)と一緒に川底の石に付着した生き物を採捕し観察しました。

 

○参加した児童らは、河野先生から水質クイズなどを通して「川をきれいにするには、まず、生活排水に気をつけること」をしっかり学んでいただいたと思います。

 

○野村ダム管理所では、このような地元の祭を支援し、今後とも引き続き、地域と連携したダム管理に努めて行きたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

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