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四国河川ニュース

7/27(土)〜8/9()611

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2013.8.12発行】

                                           

○四国・水こぼれ話談話室Vol.248

    ○「正木ダム堰堤改良事業」 徳島県県土整備部 東部県土整備局長 近藤 文彰

    ○「『住民の目線に立ったまちづくり』に向けて」 徳島県上勝町長 花本 靖

                                           

○今週のニュース

    ○「土器川水生生物調査」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所、四国技術事務所)

    ○土器川で「第1回 大規模水害対策ワークショップ」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

    ○「川の生き物たちが教えてくれる 〜水生生物で河川の水質を調べました〜」 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○「水難事故防止講習会(下流編)」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.248

 

1.「正木ダム堰堤改良事業」 徳島県県土整備部 東部県土整備局長 近藤 文彰

 

■正木ダムの概要

 

○勝浦川は、雲早山・高丸山を源流とし、上勝町・勝浦町・小松島市・徳島市を流れて紀伊水道に注ぐ全長49.6km、流域面積224km2の二級河川です。清流として知られる上流域では、鮎やアメゴなどの渓流釣りが楽しめます。ダム完成前は台風等による大きな水害を沿川住民に与えており、中下流域においてはしばしば干ばつに悩まされていました。これらを解決する施策として、昭和48年にダム本体の建設工事に取りかかり、昭和52年に完成しました。

 

1)目 的:洪水調節、河川環境保全、かんがい・工業用水、発電

2)経 過:昭和48年着工、昭和52年竣工

3)位 置:徳島県勝浦郡上勝町正木

4)河川名:二級河川勝浦川水系勝浦川

5)諸 元:重力式コンクリートダム

   ・堤高67.0m,堤体積248,800m3

   ・総貯水容量15,050千m3

 

■事業の必要性・効果

 

○正木ダムは勝浦川の洪水被害を軽減し、中下流域への農業用水の補給並びに発電用水を確保している重要な施設です。放流操作時に必要な情報処理装置や放流警報設備について毎年保守点検等を実施していますが、前回更新から長期間経過しており故障箇所が目立ち始め、交換部品の確保が困難になってきています。このため堰堤改良事業により各施設の改良及び更新を行い、管理の適正化及び効率化を図っております。

 

○事業概要

  ・事業費:915百万円

  ・事業期間:平成20年度〜平成25年度

  ・内 容:ダム情報処理設備改良、放流警報設備改良、ゲート放流設備改良、管理棟耐震化etc

 

 

2.「『住民の目線に立ったまちづくり』に向けて」 徳島県上勝町長 花本 靖

 

○本町は、徳島県庁から南西方向に約40km(車で約50分)のところにあります。四国山脈の南東山地にあり、標高1,439mの高丸山を最高峰とする山脈が重なり、東流する二級河川勝浦川は深い渓谷をなし、その流域にごくわずかな平地が見られるほかは大部分が山地で、山腹斜面に棚田を形成し、標高100m〜700mのところに大小55の集落が点在しています。

 

○総面積は、109.68km2でその内89%が山林であり、その中に人工林が83%を占めています。

 

○重要文化的景観及び日本の棚田百選に選ばれた「樫原の棚田」や、にほんの里百選に選ばれた「八重地地区」、かおり風景百選に選ばれた「上勝晩茶」など、自然が豊かで「日本で最も美しい村」連合に加盟する美しい町です。

 

○観光資源として、殿川内渓谷の紅葉や、剣山ス−パ−林道起点(全長87.7km)や灌頂ケ滝(落差80m)、穴禅定のお寺・慈眼寺(四国八十八ケ所、第二十番札所 鶴林寺の奥の院、四国別格霊場第三札所)、高丸山のブナ原生林、月ケ谷温泉や、月ケ谷温泉村キャンプ場、正木ダムなどが有名です。

 

○徳島県においても高齢化が進んでいまして、なかでも本町の高齢化率は約49%で、人口も2,000人を切り、急速な少子高齢化や近年の社会情勢の変化等により様々な影響が出てきていますが、先人が築いてきた町をいかに継続させていくか、また、集落の活性化がどこまで図られるかが大きな課題となってきています。

 

○とりわけ、全国の過疎地域でも大きな反響をいただきました、映画「人生・いろどり」、この映画を生かして地域に観光客を呼び込もうと、ロケ地マップ、ロケに使われた古民家を改修した飲食店、農家民宿や、シェア喫茶店が登場するなど、たくさんの方々に応援していただいていることから、町には元気が見え始めています。

 

○しかしながら、過疎を背景とした集落住民が抱えている問題等は複雑でありますが、それぞれの観点から正面から向き合い、住民の目線に立った持続可能な町づくりをめざして参りたいと考えております。

 

 

今週のニュース

 

1.「土器川水生生物調査」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所、四国技術事務所)

 

○7月30日()に、土器川において「水生生物による水質の簡易調査」を丸亀大橋、祓川橋、長炭橋の3地点で実施しました。

 

○この調査は、毎年7月の河川愛護月間行事として、香川河川国道事務所と四国技術事務所の合同で実施しており、今年で30回目を迎えます。   

 

○当日は、朝に雨が降ったにもかかわらず、小学生や保護者を中心に約70名の方々が調査に参加してくれました。

 

○参加者はテキストを片手に採取した生物の分類や数を真剣に記録していました。子供達からは「こんなにたくさんの生物がいるとは知らなかった」、「全く知らない生物を観察できてよかった」などの感想が聞かれ、土器川に興味をもってもらう一助になったのではないかと思います。

 

○調査結果は、丸亀大橋地点が「とてもきたない水」、祓川橋地点が「きれいな水」、長炭橋地点が「ややきれいな水」となりました。

 

○今後とも、地域の方々と協力して、土器川の環境保全に努めていきたいと考えています。

 

 

2.土器川で「第1回 大規模水害対策ワークショップ」を開催 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○7月28日()に、丸亀市民会館において「第1回 大規模水害対策ワークショップ」を開催しました。

 

○近年の地球温暖化などの気候変動により、豪雨の発生頻度が高くなっていることから、土器川で大規模河川氾濫が発生した際の被害想定や対策及び「水災害に適応した強靱な社会」作りのとりまとめを目的として、土器川氾濫地域の関係機関がメンバーとなり「大規模水災害に適応した対策検討会」を設置しました。

 

○本ワークショップは、「大規模水災害に適応した対策検討会」の意見集約の場として開催したものです。

 

○ワークショップでは、丸亀市やまんのう町等約70人の地域住民、約60人の香川県防災士会や土器川氾濫地域市町の防災担当者が参加し、香川大学危機管理研究センター長である白木会長の挨拶の後、色々な立場(自治会長・防災担当者・ライフライン関係者等)を想定して「土器川で氾濫が起こったとき何が困るか」等について、話し合いました。

 

○住民からは、「避難方法をどうすればよいか」、「どうやって被害情報を得るか」、「家族との連絡をどうするか」等の意見が出されました。

 

○ワークショップは今後2回開催される予定で、我々も土器川が氾濫した場合の対策を住民の方とともに考えていきたいと思います。

 

 

3.「川の生き物たちが教えてくれる 〜水生生物で河川の水質を調べました〜」 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○水生生物の生息状況を調べることによって、水質の簡易評価を行いました。

 

○7月2日(火)に穴吹新橋付近、7月9日(火)に美馬橋下流、7月22日(月)に学島橋下流で実施しました。

 

○講師には小藤美樹先生(穴吹新橋付近)、徳山豊先生(学島橋下流、美馬橋下流)、川越幸一先生(美馬橋下流)にお越しいただき、穴吹小学校・重清西小学校・三庄小学校の児童や一般参加者を含め、参加総数79名の方々と一緒に河川の水質状況を確認しました。

 

○参加者は、川の中で大小さまざまな川底の石を持ち上げて、水生生物を採取しました。調査結果はいずれの調査場所でもカワゲラやヒラタカゲロウといった「きれいな水」に住む水生生物が確認されました。

 

○今回の水生生物による簡易調査を体験された皆様には、「もっといろいろな生きものを見てみたい」「川で遊んだり、生物調査をまたしたい」「川がすごくきれいだった」など、貴重なご意見をいただきました。

 

○今回見つけた生き物たちがこれからも住み続けられるように、みんなで河川を大切にしていきましょう。

 

 

4.「水難事故防止講習会(下流編)」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○7月21日(日)に吉野川交流推進会議主催「交流体験inよしのがわ(下流編)」が、鮎喰川梁瀬橋下流で開催されました。午後の部では約30名の親子連れが福山平成大学の小谷寛二教授の指導のもと、水難事故防止について学びました。

 

○川の中に潜む危険な箇所の説明や川へ行く時の注意点、救命に使うスローバックの使用方法等について、パネルを見ながら学習し、水遊びの時は“ライフジャケット着用が原則!!”とした講習が行われました。

 

○その後実際に川に入って、流されたときの体勢の取り方や救命に使うスローバックの投げ方の実技指導を受けました。

 

○救助される側においても、ロープの握り方や、救助者と反対側の肩でロープを持たないと、引っ張られる時に体勢を崩して腹這いになってしまい、川底の障害物でおなかを切ってしまう。など実際の体験にもとづく方法について学びました。

 

○大人が子供を救助する実技の後、子供達も大人を救助する実技を行いました。最初は上手くいかなかった子供達も小谷先生の指導で上手に投げられるようになってきました。

 

○身の回りにある物を使って救助する方法も学びました。ペットボトルは、おへその位置で持つと大人でも浮くことが出来ることを確認しました。

 

○「水難事故を無くしたい」という小谷先生の思いが伝わって、子供達の眼差しが真剣になってくるのが手に取るようにわかりました。先生におかれましては、厳しい中にもユーモアのある講義をありがとうございました。

 

○また、午前中に行われた「おさかな博士の川魚かんさつ」においては、カジカの小卵型が吉野川水系鮎喰川では40年ぶりに発見されました。(徳島県立博物館自然課長 佐藤陽一先生 談)

 

○この発見を機に、多くの人が川に関心を持ち、川をきれいにする心と、水難事故に対する正しい知識を身につけ、安心して遊べる環境づくりをしていきましょう。

 

 

 

 

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