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四国河川ニュース

7/13(土)〜7/19()609

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2013.7.22発行】

                                           

                                            

○四国・水こぼれ話談話室Vol.247

    ○「高知県 鏡川 神田川(こうだかわ)広域河川改修事業」 高知県高知土木事務所長 吉村 浩司

    ○「自然災害に備え市民とまちの安全を高める。」 高知市長 岡崎 誠也

                                           

○今週のニュース

    ○「樋門等操作説明会」を開催 (物部川・仁淀川水系 高知河川国道事務所)

    ○「河川管理施設等安全利用点検」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

    ○「河川水難事故防止啓発活動(子供達への出前講座)」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所・香川県)

    ○「東アジア太平洋諸国の学生が中筋川ダムを見学 〜JENESYS2.0事業の一環〜」 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.247

 

1.「高知県 鏡川 神田川(こうだかわ)広域河川改修事業」 高知県高知土木事務所長 吉村 浩司

 

○神田川は高知市の市街地を横貫する二級河川鏡川の右支川で、流域面積13.09km2、流路延長6.1kmの小河川です。

 

○神田川の流域は、鏡川右岸平地部に位置し、古くは高知市内を洪水から防ぐための遊水池機能を持つ耕地でありましたが、近年、高知市への人口集中化に伴う宅地化等が著しく、加えて河床勾配も緩やかで低地が多く、洪水時の鏡川の高い水位が影響し、昭和50年8月の台風5号や昭和51年9月の台風17号では甚大な被害が発生しました。

 

○その対策として、鏡川本川及び神田川中下流部については、激甚災害対策特別緊急事業や高潮対策事業等により改修を行い完了しておりますが、神田川上流の針木地区についてはまだ未改修区間が残っており、平成13年5月豪雨、平成16年10月の台風23号、平成22年10月豪雨では浸水被害が発生しています。

 

○このため県では、広域河川改修事業により流下能力が不足している上流部の未改修区間について現在改修を進めており、未改修区間は残り200m程となっています。今後も引き続き、関係機関や地元住民のみなさまの協力を得ながら早期完成をめざし整備を進めてまいります。

 

 

2.「自然災害に備え市民とまちの安全を高める。」 高知市長 岡崎 誠也

 

★お詫び:岡崎市長の「サキ」の字は、機種により表示しないおそれがあったため、変更させていただきました。★

 

○高知市は、四国南部のほぼ中央に位置し、市域面積は309.22km2、人口約34万3千人の市です。市の北方には急峻な四国山地があり、市域北部の北山に源を発するシンボル鏡川の下流域を中心に都市が形成されています。

 

○市街地の平野部は、鏡川や国分川などによって形成された土地ですが、海抜ゼロメートル地帯も多く、ゼロメートル区域は約7km2に及んでいます。

 

○本市は、太平洋に臨む地形的な特徴から台風の進路にあたり、年によっては3,000mmを越す降水量があります。

 

○これまでに経験した風水害の特性を分析し、ハード・ソフト両面から水害に強いまちづくりを進めています。

 

○市の西南部に位置する朝倉・鴨田地区は、急速に市街化が進み、昭和50年、51年の連年台風では集中豪雨とともに、神田川を中心に高潮災害により甚大な浸水被害が発生しました。

 

○このため、激甚災害特別緊急事業等により抜本的な河川改修が進められ、浸水による被害は飛躍的に解消されてきており、関係者の皆様に感謝申し上げます。

 

○都市の防災力の強化に向けて、気候変動などに伴い多様化するゲリラ豪雨災害や南海地震などの大規模災害に対応するためには、被害を最小化する減災対策が重要となります。

 

○現在、市民の皆さんとともに「災害に強いまちづくり」をめざして、防災リーダーの育成や防災意識の向上を図るとともに、地域防災力の向上に取り組んでおります。

 

○巨大地震などの災害発生時に迅速かつ的確な対応を可能とするため、さらなる災害対応能力の強化をめざします。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「樋門等操作説明会」を開催 (物部川・仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○6月10日(月)から7月8日(月)にかけて、高知河川国道事務所管内の管理施設(水門・樋門、排水機場等)の操作員を対象にした操作説明会を、市町村毎に計4回、総勢90名の関係者に参加をいただき開催しました。

 

○当説明会は、今年度から新たに操作員になられた方はもちろん、昨年より継続して操作を行っている方にも、改めて樋門や排水機場の構造、操作要領の背景等を説明し、出水時の適切な操作のための知識や理解を深めていただくことを目的としています。

 

○近年は、出水による大きな災害は生じていないものの、大規模地震や津波も想定されており、被害を最小化するためにも河川管理施設等の操作は重要です。

 

○また、操作員の責務も大きなっており、各操作員におかれては、真剣に説明を聞いていただきました。

 

○樋門等の操作に関することのみならず、現場の状況など活きた意見や要望が寄せられ、非常に有意義なものになりました。

 

 

 

2.「河川管理施設等安全利用点検」を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○松山河川国道事務所では、7月12日(金)に重信川、石手川、及び石手川ダムにおける12箇所の河川管理施設、許可工作物を対象とした安全利用点検を実施しました。

 

○近年、河川の水辺は、都市化の進展等により水と緑の貴重な空間として、安らぎや憩いを求める場、スポーツやレクリエーション活動の場として多くの人々に利用されています。

 

○従来より河川巡視等で堤防などの河川管理施設の点検を実施してきたところですが、今回は、河川に大勢の人が集まる夏休み前に、一般の利用者が安心して川に親しむことができるように、河川管理者、占用者、河川愛護モニターが合同で点検を実施しました。

 

○今回の点検により、樹木の手入れ、親水護岸の崩落、河岸浸食、注意看板等の要補修箇所等が発見されました。

 

○これらを利用するうえで安全が懸念される箇所については、夏休み前までに、許可工作物は占用者が、河川管理施設は河川管理者が補修の実施や応急対策として立入禁止柵や注意看板等の設置を実施して行きます。

 

 

 

3.「河川水難事故防止啓発活動(子供達への出前講座)」を実施 (土器川水系 香川河川国道事務所・香川県)

 

○7月5日(金)に、まんのう町立長炭(ながすみ)小学校にて、河川愛護月間期間中の「河川水難事故防止週間」の取り組みの一つとして、香川河川国道事務所と香川県の共催で、水難事故を未然に防ぐために子供達への出前講座を行いました。

 

○本講座は、平成21年度から開催しており、土器川流域の小学生を対象とし開催したのは5回目となりました。

 

○出前講座の講師は、福山平成大学 福祉健康学部 教授の小谷寛二(こたにかんじ)先生にお願いしました。また、講座への参加は、長炭小学校の4年生の児童14名でした。

 

○最初に体育館にて、小谷先生による講義で、川の恐ろしさや水難事故に関する注意点などを学習した後、スローバッグ(水難事故発生時の救助用ロープ)の使用方法などを学びました。

 

○続いてプールに移動した後、児童たちは「ライフジャケット」を身に付け、川の流れの体験やスローバッグなどを使った救助の練習、服やズボン、空のペットボトルを使った水難事故に遭った時の対処方法などについて学んでもらいました。

 

○児童たちは皆、小谷先生の説明を熱心に聞き、何度も実践にて経験していました。

 

○また当日は、プールの水を排水ポンプ車を使って流水を作り実施したので、川の流れも模擬的に体験できました。

 

○児童たちも、はじめは少し緊張気味でしたが、練習を積んでだんだん上手にできるようになったことで、水難事故時の対処方法などがよく習得できたと思います。

 

○今後も引続き、地域の方々が川で水難事故に遭わないよう、このような取り組みを通じて「水難事故防止」に取り組んで行きたいと思います。

 

 

 

4.「東アジア太平洋諸国の学生が中筋川ダムを見学 〜JENESYS2.0事業の一環〜」 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○「21世紀東アジア青少年大交流計画 『JENESYSJapan-East Asia Network of Exchange for Students and Youths )』は、「我が国に対する潜在的な関心を増進させ、訪日外国人数の増加を図ること」などを目的に、平成19年より外務省事業として実施されています。

 http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/jenesys/

 

○この事業では、東アジア諸国の青少年を招へいし、日本各地で我が国の先端技術や伝統文化に触れてもらうことで、日本ブランドや日本的な「価値」に関する理解と関心を深めることが期待されています。

 

○今回7/8〜7/23の間には、太平洋島嶼国・地域から約110名が来日し、そのうちの一つに高知県(幡多地区コース) が設定され、「川と海(伝統文化、防災)」をテーマに様々な体験をされました。

 

○幡多地区コースの中では、太平洋島嶼国・地域とは異なる日本の水事情を学んでいただくと共に、治水、利水に大きく寄与する大規模構造物のダムを紹介したいというコーディネーターの強い希望もあり、中筋川ダム見学がコースに含まれることになりました。

 

○中筋川ダムには、7/13(土)に約40名の学生(高知大学学生を含む)と通訳の方が来所され、最初に日本の気候や水害との闘いの歴史、その中でダムが建設されてきたことなどの概要を説明し、その後、操作室や堤体内部の計測器、管理用水力発電機などを見学しました。

 

○学生からは、「何故この場所にダムを造ったのか?」など計画論について、また見学中にも施設に関してたくさんの質問がされるなど、知識を吸収して帰ろうという積極的な姿勢が感じられました。

 

○中筋川ダムならではの堤体下流面での洗浄放水では、「グレート!」「ビューティフル!」と言った声が上がり、大変感動されていました。

 

○また、全体を通してダム事業の必要性を伝えることが出来たとともに、当事業(JENESYS)の目的の1つである「日本的な価値への国際理解」を、公共事業という側面からアプローチし、寄与できたのではないかと考えています。

 

○今後もダム事業について理解を深めるために、国内外・老若男女問わず、たくさんの方々にダム見学に来て頂くよう取り組んで行きたいと考えています。

 

○なお、中筋川ダムの見学は5名から受け付けています。皆様も是非ご来所ください。 見学のお問い合わせは、中筋川総合開発工事事務所 管理課(TEL:0880-66-2501)までご連絡をお願いします。

 

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 洪水予測専門官  内山 俊浩

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3522(内山) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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