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四国河川ニュース

5/11(土)〜5/17()600

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2013.5.20発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.242

    ○愛媛県魚神(ながみ)山地区(愛南町)地震対策急傾斜地緊急避難路整備事業「急傾斜地崩壊防止施設を利用した津波避難対策について」 愛媛県南予地方局愛南土木事務所長 中川 新六

    ○「次世代に引き継ぐ災害体験」 愛南町長 清水 雅文

 

○今週のニュース

    ○吉野川水防演習の開催 (吉野川水系吉野川 四国地方整備局・徳島県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.242

 

1.愛媛県 魚神(ながみ)山地区(愛南町)地震対策急傾斜地緊急避難路整備事業「急傾斜地崩壊防止施設を利用した津波避難対策について」  愛媛県南予地方局愛南土木事務所長  中川 新六

 

■箇所の概要

○魚神山地区(愛南町)は、愛媛県南西部の宇和海に長く突き出た由良半島の中ほどに位置し、リアス式海岸の海と山に囲まれた集落です。

 

○東日本大震災発生時、当地区を含む宇和海沿岸にも津波警報が発令され、住民が山に避難しようとしましたが、避難路が整備されておらず、同様の大規模な地震による津波の備えに不安の声がありました。

 

○また、愛南町は、南海トラフ巨大地震の震源に近く、昨年8月の内閣府の被害想定結果では、最大の津波高さが17m、到達時間も19分と想定されています。

 

■事業の概要

○東日本大震災の津波襲来時に、急傾斜地崩壊防止施設の管理用通路を利用して避難し、住民が被害を免れた事例を参考にして、本県でも、津波被害の恐れがある地域において避難路としても活用できるよう管理用通路の整備に県単独事業で取り組んでおり、当地区において、平成23年度9月補正により、階段及び手すりを設置しました。

 

○当事業により整備した階段等が、津波からの緊急的な避難路として効果が発揮され、付近住民の円滑な避難の一助となり、被害を最小限に抑える減災につながるものと考えています。

 ・事業名:地震対策急傾斜地緊急避難路整備事業

 ・事業費:3,488千円

 ・事業期間:平成23年度

 ・工事内容:階段工1式、手すりL=60m

 

 

2.「次世代に引き継ぐ災害体験」 愛南町長 清水 雅文

 

○愛南町は愛媛県の最南端に位置する人口2万4千人、面積約240km2で、北は篠山から由良半島に至る稜線で宇和島市と接し、東は松田川の支流篠川で高知県宿毛市と接しており、南は黒潮が流れる太平洋、西は豊後水道に面し、海岸部はリアス式海岸で、山・川・海の豊かな自然に囲まれ、温暖な気候に恵まれた地域で、また「へんろ道」の接待で培われた人情が溢れる町です。

 

○防災上の危険区域としては土石流危険渓流296箇所、急傾斜地崩壊危険箇所383箇所と数多くあり、また海岸部のほとんどの集落は南海トラフ地震による津波災害を被るため、その対策が急務となっています。このため、愛南町は「安全で快適に暮らせる美しいまちづくり」の基本目標に沿うよう地域防災に配慮し、ハード・ソフトの両面で防災事業に取組んでおります。

 

○ハード事業の中で、砂防事業や急傾斜地崩壊対策事業等につきましては、愛媛県愛南土木事務所により計画的に整備をしていただき、危険箇所の改善が進んでおります。また地形上海岸部に多い急傾斜地崩壊防止施設を利用した避難路の確保も数多く進めていただき、町及び関係地区住民は大変感謝いたしており、今後も継続して整備をお願いしているところです。また、町事業としても海岸部における避難路整備には特に力を入れており、愛媛県の補助を得て整備を鋭意進めております。

 

○ソフト事業としては現在、自主防災組織の育成や町民の防災意識の向上を図るべく、様々な施策を展開しておりますが、特に防災教育には力を注いでおり、防災教育事業の一環として、現在「災害体験談集及びハザードマップ開発」に取り組んでおります。これは、町内で過去に発生した地震・津波、水害、土砂災害、高潮、渇水といった被災者の体験を地域のお年寄りから小中学校の児童生徒が伝え聞きして調査を行い、「災害体験談集の編纂とハザードマップ(被災区域図)」を作成するものです。この「災害体験談集」は、今後防災教育のテキストとして使用されることとなっております。

 

○このように愛南町としてはハード・ソフトの事業を両輪とし、また行政・住民が一対となり、防災減災の施策に取り組んでおりますが、住民も個人として身を守るためにはまず、災害の恐ろしさを学び、危険な箇所を知り、どう行動するべきなのか、どう備えなければならないのかを考えておかなければなりません。今回作成するお年寄りから伝え聞いた教訓としての「災害体験談集」が子供たちの心にきっと残り、防災意識として備わり、次の世代に引き継がれて行くものと思っております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.吉野川水防演習の開催 (吉野川水系吉野川 四国地方整備局・徳島県)

 

○5月12日(日)徳島県三好市三野町芝生(しぼう)地先の吉野川左岸河川敷において、関係機関や一般見学者を含め約1,300人が参加し、平成25年度吉野川水防演習を開催いたしました。

 

○演習は、大規模洪水が発生することを想定し、国土交通省、徳島県、吉野川上流域の4市町と各水防(消防)団、警察、陸上自衛隊、日本赤十字社、四国電力、NTTなど44団体から約600人が、吉野川の洪水被害の防止・軽減、早期復旧のための「水防工法の習得、情報伝達、人命救助、ライフライン復旧等」を中心に行いました。

 

○また、地元の自主防災会や王地小学校児童に参加して頂き、洪水により既存の橋が流出し対岸に取り残された住民が救助を求めているという想定で、陸上自衛隊が仮設橋を架け、その仮設橋を渡って避難する避難訓練も行いました。

 

○演習会場では、家庭で出来る水防工法やロープワーク、降雨体験などの体験コーナーを設置し、多くの一般参加者に実際に触って体感してもらいました。

 

○まもなく四国地方も梅雨入りし、出水が多くなる季節になります。今回の水防演習を活かし、今後とも関係機関と連携して、防災に万全の備えを行っていきたいと考えています。

 

 

 

 

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