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四国河川ニュース

1/19(土)〜1/25()585

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○四国・水こぼれ話談話室 Vol.235

    ○高知県 波介川(土佐市)の治水事業 『波介川(火渡川)広域河川改修事業』  高知県中央西土木事務所長 永野 善清

    ○「波介川河口導流事業」 土佐市治水事業百年の大計の完成  高知県土佐市長 板原 啓文

 

                                           

○今週のニュース

    ○「第16回重信川フォーラム」を開催  (重信川水系 松山河川国道事務所)

    ○平成24年度 大谷川第1号堰堤安全対策工事  (吉野川水系 四国山地砂防事務所)

    ○平成24年度 野津床止修繕外工事  (土器川水系 香川河川国道事務所 土器川出張所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.235

 

1.高知県 波介川(土佐市)の治水事業 『波介川(火渡川)広域河川改修事業』  高知県中央西土木事務所長 永野 善清

 

○波介川は一級河川仁淀川の右支川で、流域面積73.3km2、流路延長19.0km、29の支川を有し土佐市内を東西に横断しており、仁淀川合流点から2.2kmまでが直轄管理区間、上流が県管理区間になっています。土佐市は、洪水時に波介川の水位より仁淀川本川の水位が高くなることや、上流に行くほど地盤が低い低奥型の地形をしているため、中心部は過去に多くの洪水による浸水被害を被ってきました。特に昭和50年、51年の台風による連年災害は未曽有の浸水被害をもたらしました。このため、直轄激甚災害対策特別緊急事業、補助激甚災害対策特別緊急事業、災害復旧助成事業などの採択により、全体延長17.5kmに及ぶ工事を実施しましたが、その後も台風等による浸水被害の発生が続きました。

 

○こうした浸水被害を軽減するため、国土交通省により、波介川と仁淀川との合流点を仁淀川河口部に付け替え、波介川の洪水を流れやすくするための河口導流事業が実施され、平成24年に流域住民の悲願であった事業が完成しました。

 

○今回紹介する火渡川は、流域面積5.7km2、流路延長3.6km、土佐市の北部から市街地を貫き、波介川に合流しています。

 

○平成10年の高知豪雨災害では、22戸の床上浸水被害が発生し、波介川の流下能力の向上とともに早急な整備が望まれています。

 

○県では、著しく流下能力が不足していた上流部の改修に着手し、平成23年度に暫定改修が完了しております。今後も引き続き、関係機関や地元住民のみなさまの協力を得ながら、更なる流下能力の向上を図るため、下流部より整備を進めてまいります。

 

 

2.「波介川河口導流事業」土佐市治水事業百年の大計の完成  高知県土佐市長 板原 啓文

 

○土佐市は、四国三大河川の一つ、仁淀川河口、高知県南央部に位置し人口2万9千人で仁淀川の豊かな水を利用し、地味肥沃な多角的近代農業が発展しており、キュウリ、ピーマン、しょうが等の野菜、土佐文旦、スイカ、メロン等の果物も多く栽培されています。

 

○また、国の伝統工芸品に指定されている土佐和紙を始めとした紙産業、宇佐のうるめいわし、かつお節等に代表される水産加工品など多彩な産業が成り立っています。

 

○今回整備した波介川は、土佐市を東西に横断し、土佐市中心部の高岡町を東に向けて南下して、仁淀川へ合流しております。

 

○この波介川は上流に行くほど土地の低い、低奥型という特異な地形であり、合流部ではこの特異な地形の影響もあり仁淀川本川水位の上昇に伴う逆流で浸水被害が多発していました。

 

○過去の浸水被害の中でも、特に昭和50年8月に来襲した「台風5号」は浸水面積1,590ha、浸水家屋3,354戸と土佐市未曾有の被害に見舞われました。

 

○こうした中で、波介川の新川改修の動きが強まり、国、県、市が一体となって、「波介川河口導流事業」を推進し、地元住民の深いご理解とご協力によりまして、平成24年5月19日に無事通水の日を迎えましたことは、土佐市の「安心、安全で暮らしやすいまちづくり」の基礎ができたと確信しております。

 

○しかし、今回の完成でも土佐市における浸水被害がなくなるわけではありません。今後とも地元、関係機関の協力を仰ぎ、引き続き安心安全のまちづくりのため、治水対策を推進してまいります。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「第16回重信川フォーラム」開催について  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○2月18日(月)に愛媛大学南加記念ホールにおいて「第16回重信川フォーラム」が開催されます。

 

○重信川フォーラムは、重信川の現状や自然保護・再生について考える機会を創出し、多くの住民の方に情報提供をするために平成15年度から開催しています。

 

○今回は、松山市立椿中学校、愛媛県立松山南高校、愛媛県立伊予農業高校、重信川エコリーダーの中・高・大学生をはじめ、NPO自然環境復元協会川越幸一理事、愛媛大学防災情報研究センター二神透准教授及び事務局である松山河川国道事務所、合計7団体(個人含む)の発表があります。

 

○みなさんご参加ください。参加希望の方は事務局である松山河川国道事務所調査第一課までTEL089-972-0034)を!

 

【参考】重信川の自然をはぐくむ会HP(http://www.soil.cee.ehime-u.ac.jp/shigenobu/index.html

 

 

2.平成24年度 大谷川第1号堰堤安全対策工事  (吉野川水系 四国山地砂防事務所)

 

○工事名:平成24年度 大谷川第1号堰堤安全対策工事

 

○工 期:平成24年4月1日〜平成25年1月31日

 

○請負業者名:ミタニ建設工業(株)

 

○工事場所:高知県安芸郡北川村平鍋地先

 

○工事概要:砂防土工1式 土石流防護工1式 仮設工1式

 

○工事の目的

 本工事は、北川村平鍋地先において、平成23年7月19日に発生した大規模な土石流により壊滅的被害となった大谷川の災害復旧に伴う安全対策工事です。工事箇所周辺は河床部に現在も尚不安定土砂や巨礫が大量に堆積した状態であり、渓岸部においても土石流による浸食が著しく、浸食面が不安定な状態であり多数の浮石も確認されています。このため、対象流域に安全対策工(リングネット)を設置して建造予定の砂防堰堤工事の安全性を確保するとともに土砂流出や落石に対処できることを目的とした工事、及び第1号堰堤の掘削を行う工事です。

 

○現在の紹介

 本工事の安全対策工(リングネット)施工箇所は、土石流により浸食された法面下での工事の為、現場浸食法面からの倒木のずり落ち・浮石の落下から作業員を守らなければなりません。その為、浸食法面の浮石の調査を行い、危険と思われる浮石は除去し又、倒木についてもずり落ちる可能性のある倒木については、切断し除去を行いました。法面からの崩壊等が発生した場合に作業員が速やかに退避出来るように、安全通路・階段の設置を行いました。又、浸食法面には飛散落下対策として、落石防止ネットの設置を行いました。リングネット設置については、設置完了まで、浮石の落下、法面の崩落の発生は無く無事に工事は完了しました。

  次に第一号堰堤の掘削箇所については、土質が玉石交じりの堆積層の為、コンクリートブレーカーを使用して玉石を破砕する作業は、法面をほぐすことから使用は極力控え、慎重な作業で掘削を行っています。又、土砂掘削からの浮石の落下が危惧される為、法面保護としてラス網を設置し落下対策を行いました。岩掘削箇所については、流盤の為法面の掘削勾配及び、脆弱部分の確認を行い、法面の崩壊及びすべりに対して細心の注意をはらい作業を行っています。

 今後の掘削作業に対しては、安全第一を基本として、無事故・無災害で工事完成となるように職員及び作業員が一丸となって工事を行います。

 

 

3.平成24年度 野津床止修繕外工事  (土器川水系 香川河川国道事務所 土器川出張所)

 

○工事名:平成24年度 野津床止修繕外工事  

 

○工 期:平成24年9月6日〜平成25年3月15日

 

○請負業者名:横田建設(株) 

 

○工事場所:香川県仲多度郡まんのう町長尾地先

 

○工事概要:河川土工 1式、擁壁護岸工 1式、法覆護岸工 1式、根固工 1式 等

 

○工事の目的

 土器川の河床勾配は、1/100〜1/300と急勾配な河川です。野津床止め付近は、河床の洗掘が著しい箇所であり、平成17〜18年度にかけて左岸側の護岸が整備されましたが、右岸側の護岸が整備されていない状況です。また、左岸側の根固めブロックも、河床洗掘の影響で崩壊している状況です。このため、野津床止めの浸食・洗掘対策として、右岸側の護岸・護床の整備、左岸側の根固工の補修を行います。

 

○現在の施工状況

 現在、根固めブロック製作、逆T式擁壁が完了し、今後は、コンクリートブロック護岸、根固めブロック据付を施工します。12月末の工事進捗率は約74%で、平成25年3月中旬に工事完了予定です。

 

○現場での取り組み、工夫、目標など

 漁業への影響等の関係から施工時期が限られているため、仮締切を全川締切として、右岸側と左岸側を同時に施工する仮設計画を立て、工期短縮に努めました。今後は、ますます寒くなりますので、安全対策に十分留意し、無事故、無災害で1日も早い工事完成を目指しています。

 

 

 

 

 

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