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四国河川ニュース

12/22(土)〜1/11()583

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                                                                                                                                                            2013.1.15発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室 Vol.233

    ○愛媛県(二)関川水系 関川河川災害復旧事業  愛媛県東予地方局四国中央土木事務所所長 山下 勝徳

    ○関川ふるさと広場の芋炊き  四国中央市長 井 原  巧

 

                                           

○今週のニュース

    ○「肱川上下流交流 第8回 だんだん肱川」を開催  (肱川水系 愛媛県)

    ○夜間パトロールを実施  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○平成24年度 那賀川左岸堤防維持工事  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

    ○平成24年度 那賀川右岸高潮堤防工事(その1)  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

    ○平成24年度 仁ノ海岸堤防改良(その4)工事  (高知海岸 高知河川国道事務所 高知海岸出張所)

    ○平成24年度 善徳地区アンカー工工事  (四国山地砂防事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.233

 

1.愛媛県(二)関川水系 関川河川災害復旧事業  愛媛県東予地方局四国中央土木事務所所長 山下 勝徳

 

■河川の概要

○二級河川関川水系関川は、愛媛県の東部四国中央市土居町東赤石山を源とし、旧土居町中心部を流下し燧灘(瀬戸内海)に注ぐ延長12.69km、流域面積61km2の中小河川です。

 

○関川では、過去昭和20年10月の台風をはじめ、浸水被害がたびたび発生し、洪水のたび住民は危険にさらされていました。

 

○これら浸水被害の解消を目的として愛媛県では、昭和32年から55年まで国庫補助事業の中小河川改修事業により整備を行い現在に至っています。

 

■23年台風12号による被害

○その中で、平成23年9月1日から4日にかけての台風12号により、関川流域を含む四国中央市は激しい雨に見舞われ、特に9月2日未明から3日夜までに関川に近い天王橋雨量観測所において、総雨量277mmを観測しました。この雨の影響で関川の水位が上昇し続け、2日23時50分に避難判断水位(H=2.2m)を超えたため、3日0時50分四国中央市は周辺地区200世帯に避難指示を発令しました。

また、河川施設については避難判断水位に達するころから、出水のため関川右岸堤防の空石張護岸が崩壊し始め、翌朝には堤防は決壊しなかったものの、延長約120〜130mの間で堤防の半分程度まで影響が及びました。                      

 

■災害復旧事業の概要 

○被災直後、次期出水による堤防のさらなる崩壊が被災箇所の背後人家等に多大な被害を与える恐れが大きいことから、崩壊した堤防法面保護のため大型土のう積を応急工事で先行して実施し、その後災害復旧工事により周辺の被災箇所と合わせて練石張護岸にて復旧しました。

 

○なお、工事にあたっては、早期完成を図るため、堤防上の市道を通行止めにして行ないましたが、地元四国中央市及び関係住民の理解や協力を得ながらトラブルを生じることも無く復旧しました。

 

(工事概要)

○被災年月日 平成23年9月1日〜4日(台風12号)

○工事内容 復旧延長 L=199m(右岸)、石張工 A=1,837m2

         植生工 A=505m2、アスファルト舗装復旧 A=268m2

○工事費 53,326千円

 

 

2.関川ふるさと広場の芋炊き  四国中央市長 井 原  巧

 

○四国中央市の平野部(土居・伊予三島地域)では、主に春先から初夏にかけて「やまじ風」が吹きます。このやまじ風は、山形県の清川だし、岡山県の広戸風と並ぶ日本三大局地風の一つです。この風は山陰沖の日本海を低気圧が通過する時に発生するもので、低気圧に向かって吹き込む風が法皇山脈を越えて吹き降ろし強風になって、数時間に渡って吹き荒れます。ひどい場合には、風速が30m/sを超えるため、やまじ風対策協議会においては、一般財団法人日本気象協会四国支店に委託して、やまじ風の発生が予想される場合には連絡をいただくようにしており、その予報でやまじ風が風速8m/sを超える場合(年間8〜12回程度)には、発生する日時等について市内一斉放送を行い農作物等への適切な処置を取るように呼びかけています。

 

○このような局地風が吹き荒れることから、農業面では、転作作物も収穫物が地面の中にあり、風の影響をあまり受けない里芋が多く作られています。この里芋も、従来の品種「女早生」に代わって平成18年からは県農業試験場が育成した新品種「伊予美人」が作られるようになり、収量が多く粘りが強くて濃厚な甘みが特徴です。

 

○地産地消の取り組みとしてこの里芋を利用し、平成2年から土居庁舎南側のすすきが原で芋炊きが始まり、平成10年からは関川河川敷のふるさと広場に会場を移し地元運営委員会により芋炊きが始められました。平成11年には豪雨出水によりプロパンガス等設備一切が流失したものの、地元の熱心な皆さんのご尽力により、翌年には河川敷の一段高いより安全な場所で再開しました。また、昨年は上流の護岸が出水により洗掘されたものの愛媛県四国中央土木事務所により早急な復旧工事が行われ、本年も安心して開催することができました。土居の芋炊きは毎年9月に行われ、手間をかけた美味しい出汁と素材を生かした丸ごとの里芋が人気を呼び、県外からも多数お越しいただき、例年、大変な盛況となっており、完全予約制とさせていただいております。皆様も是非とも一度お越しください。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「肱川上下流交流 第8回 だんだん肱川」を開催  (肱川水系 愛媛県)

 

○平成24年12月8日(土)に、今年度末に閉校を迎える愛媛県立中山高等学校で「肱川流域会議水中めがね」の主催による『第8回 だんだん肱川』が開催されました。

 

○『だんだん肱川』では、〜自然災害から自分の命を守る from中山高校〜と題して、肱川流域内にある全ての高校10校の生徒39名が参加し、午前中は伊予市中山町内の地すべり防止区域などの危険箇所を見て歩き、意見交換会にて討議を行い、みんなの意見を取り入れ各班毎に結果をとりまとめました。

 

○昼からの基調講演会には流域内外から約110人が来場し、愛媛大学防災情報研究副センター長の板屋教授による基調講演があり、パネルディスカッションへと移りました。

 

○パネルディスカッションには、パネラーとして各校から代表1名が登壇し、アドバイザーとして、愛媛大学の板屋教授、国土交通省四国地方整備局の三戸河川調査官、愛媛県土木部河川課の杉本課長が参加し、各班毎にとりまとめた成果を発表、それに対する意見交換が活発に行われました。

 

○最後に、前回の「肱川宣言2011」を具体的に取り組んでいけるよう【肱川防災心得十箇条2012】として、中山高校代表の西岡大将さんが、読み上げました。

  

○地域防災力の向上のため、流域内の未来を担う高校生が一同に集い、共に考え、共に悩み、一つの目標に辿り着く。このような取り組みを企画し実行した「肱川流域会議水中めがね」に、感動と感謝の意を表したいと思います。

 

 

2.夜間パトロールを実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○平成24年12月20日に吉野川、今切川、旧吉野川において、「夜間パトロール」を実施しました。

 

○夜間パトロールは12月の不法投棄防止強化月間に合わせ、平成9年から実施しており今年で16回目になります。

 

○当日は、徳島河川国道事務所、那賀川河川事務所、徳島県合同の56名16班体制で実施し、小規模な野外焼却を2件発見、いずれも小規模だったため巡視員により消火しました。

 

○今後も不法投棄・野外焼却の撲滅に努めてまいります。

 

 

3.平成24年度 那賀川左岸堤防維持工事  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○工事名:平成24年度 那賀川左岸堤防維持工事

 

○工 期:平成24年4月1日〜平成25年3月31日

 

○請負業者名:()湯浅土建

 

○工事場所:徳島県阿南市那賀川町出島地先〜徳島県阿南市深瀬町地先

 

○工事概要:河川維持工 一式、河川修繕工 一式

 

○工事の目的

 本工事は、那賀川左岸の直轄管理区間の維持管理を目的として河川管理施設等の維持修繕を実施しています。

 

○現在の施工状況

 現在は那賀川左岸において2回目の堤防除草の施工と根固め工の根固ブロック製作を進めているところであり、除草は年内、根固め工は2月下旬の完了を目標にして施工を行っています。

 

○現場での取り組み、工夫、目標など

 本工事では、除草や樹木伐採で発生する刈草・伐採木を一般の住民に無料配布することで処分費の削減を図っています。平成23年度は、刈草・伐採木において多くの需要があり、ほぼ100%の配布が達成されています。また那賀川河川事務所のHPに無料配布場所・施工時期を掲載し、利用者の拡大・更なる協力をいただきコスト縮減に取り組んでいます。

 

 

4.平成24年度 那賀川右岸高潮堤防工事(その1)  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○工事名:平成24年度 那賀川右岸高潮堤防工事(その1)

 

○工 期:平成24年7月7日〜平成25年3月29日

 

○請負業者名:阿南経常建設共同企業体(株式会社藤建設、長野建設株式会社)

 

○工事場所:徳島県阿南市辰巳町地先

 

○工事概要:海岸土工、地盤改良工、護岸基礎工、護岸工、根固め工、構造物撤去工、仮設工

 

○工事の目的

 当現場辰巳地区は、那賀川沿岸右岸の三角州であるため一帯が砂地盤からなり、液状化の起こりやすい場所であります。今後、発生が予想される東南海・南海地震対策として、液状化による堤防の沈下を防ぐ対策工事として、静的締固め砂杭工法(サンドコンパクションパイル)にて地盤改良を行い、津波対策として堤防の嵩上げを行っています。

 

○現在の施工状況

 現在、施工においては静的締固砂杭打込み工事が堤外側がφ700*20.3m〜21.4mN=462本、既存堤防を挟んで堤内側をφ700*21.4mN=174本、打込み工事中です、並行して根固めブロック製作が完了し、護岸張りブロックの製作中です。両工事共1月下旬までに完成させ、次工事の護岸基礎工、根固め工護岸工と順次工事を進めているところです。

 

○現場での取組

  当現場は冬季の、北風が強く吹くところにより、作業員には防寒、防塵めがね等保護具の装着を徹底しています。現地点では地盤改良工事における静的締固め砂杭工事の最盛期であり、隣接する企業等への防塵対策等、細心の注意をを払いながら工事完成に向かって安全最優先で臨んでいます。

 

 

5.平成24年度 仁ノ海岸堤防改良(その4)工事  (高知海岸 高知河川国道事務所 高知海岸出張所)

 

○工事名:平成24年度 仁ノ海岸堤防改良(その4)工事

 

○工 期:平成24年6月6日〜平成25年3月29日

 

○請負業者名:協業組合 竹内・新輝 

 

○工事場所:高知県高知市春野町仁ノ地先

 

○工事概要

 海岸土工:1式、護岸基礎工:1式、護岸工:1式、付属物設置工:1式、構造物撤去工:1式、仮設工:1式

 

○工事目的

 東南海・南海地震発生時に液状化沈下等により海岸堤防の沈下が発生し、その後に来襲する津波が住居側へ流入する恐れがあるので、堤防前面に消波ブロック(8t型)を設置し、堤防護岸にはコンクリート被覆等を行う堤防改良工事を行います。 

 

○現在の状況

 変位抑制のための消波ブロック(8t型)の製作を行い、海上より起重機船を用いて現場に据付を行っている。 また、対象としている津波に耐えられるよう既存海岸堤防へのコンクリート被覆を行い、既設堤防との一体化を図っている。

 

○今後の流れ

 既設海岸堤防へのコンクリート被覆を実施した後、所定の高さまで消波ブロックの据付を行う(8t型 約1000個) また、管理用通路を兼ねた堤防天端には、全体的に現況堤防天端高までコンクリート被覆を実施し、新たに転落防止柵を設置する。

 

 

6.平成24年度 善徳地区アンカー工工事 (四国山地砂防事務所)

 

○工事名:平成24年度 善徳地区アンカー工工事

 

○工 期:平成24年8月3日〜平成25年3月15日

 

○請負者:()姫野組

 

○工事場所:徳島県三好市西祖谷山村善徳地先

 

○工事概要

 本工事は地すべり地域である善徳地区において、抑止アンカー工及び集排水ボーリング工を施工する工事で、アンカー工施工後の斜面には植生及び連続繊維補強土工で緑化を行う計画です。

 抑止アンカー工:L=18.55m〜21.55m N=45本

 集排水ボーリング工:L=60mN=6本

 

○現在の施工状況

 作業をするための仮設構台の設置が終わり、法面の掘削と現場打受圧板の施工及びアンカーの削孔・注入・緊張を行っています。

 

○現場の取り組み

 本工事においては、施工に先立ち県道32号線沿いに仮設構台の設置を行いました。この箇所は県内有数の観光地である「祖谷のかずら橋」に近いこと及び、東祖谷から山城町に抜ける唯一の生活道であるため交通量が多いことから、通行規制を行う時間帯を少なくするよう配慮をしました。

 また、近隣住民へ規制実施予定の案内を配布したり、ソーラー式電光掲示板を設置すると共に、交通整理人の配置人数や配置箇所を工夫して第三者対策を行って施工をしたことで、第三者災害や通行トラブルもなく仮設構台の設置が出来ました。

 今後も法令順守を心掛けると共に、安全対策に万全を期すことで、無事故で工事を竣工出来るよう努めてまいります。

 

 

 

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