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四国河川ニュース

12/8(土)〜12/14()580

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2012.12.17発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室 Vol.232

    ○徳島県 坂野海岸 海岸侵食対策事業  徳島県県土整備部 東部県土整備局局長 石本 昇

    ○『安全・安心・信頼のまちづくり』を目指して   徳島県小松島市長 稲田 米昭 

 

 

                                           

○今週のニュース

    ○国土交通分野における生きものにぎわいづくり「四国地方セミナー」を開催  (重信川水系 愛媛県)

    ○「朝霧ロードイルミネーション」の点灯式について  (肱川水系 愛媛県)

    ○「平成24年度 波介川一斉清掃」を開催  (仁淀川水系 高知県)

    ○土器川河口のヨシ原を移植します!  (土器川水系 香川河川国道事務所)

    ○平成24年度 第3久保谷上川堰堤管理用道路工事  (吉野川水系 四国山地砂防工事事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.232

 

1.徳島県 坂野海岸 海岸侵食対策事業  徳島県県土整備部 東部県土整備局局長 石本 昇

 

○坂野海岸は、徳島県の東端の紀伊水道に面した小松島市に位置しており、南に繋がる今津海岸とあわせて、南北に延びる延長約6.6kmの海岸線です。当海岸は一級河川那賀川の河口の北側にあって、那賀川から供給される土砂が堆積し形成された海岸ですが、漂砂のバランスが崩れ海岸侵食が進行し、激浪時には波しぶきが飛散し背後地の生活に脅威を与えています。文献等によれば、明治初期(約150年前)の推定海岸線は、現在の海岸線より約150m先の海上にあったと言われており、海岸侵食の激しさを伺えます。

 

○当海岸及び沿岸域は主に漁業に、背後地は農地及び宅地として利用され、魚介類及び農作物の供給地となっています。このような海岸利用形態の維持を図るため、昭和36年から海浜の安定を図る目的で海岸堤防、離岸堤、突堤および養浜等を計画し、今年度は、3基目の大型突堤を完成するべく事業を進めているところです。

 

○今後は、ウォータフロントの思想や海浜空間の形成および効率的な面的防護などの考え方も取り入れながら、かつてのなぎさを取り戻すと共に、一刻も早くみなさま方に安全・安心が得られる海岸づくりを目指して事業に取り組んでいきたいと考えています。

 

 

2.『安全・安心・信頼のまちづくり』を目指して   徳島県小松島市長 稲田 米昭

 

○小松島市は、徳島県の東部に位置し、面積45.30km2、市北部は県都徳島市と接し、海を隔てた近畿圏との海陸交通の要衝として栄えた港湾都市であります。近年は、本州四国連絡橋の開通による交通手段の多様化によりフェリー航路は廃止されたものの、赤石地区には大型公共埠頭やコンテナターミナルの整備が進み、物流の拠点として今後の役割が期待されています。

 

○徳島県により実施されている坂野海岸侵食対策事業の背後地の平野部は、那賀川の沖積により形成された肥沃な土壌であることから農業地帯となっており、また、目前にある紀伊水道を漁場とし、高級食材として知られる「ハモ」や「和田島チリメン」などの水産加工も盛んに行われています。

 

○このように、坂野海岸の背後は農業のみならず水産業も盛んに行われ、本市にとって一次産業の中心地ですが、過去には海岸侵食による海岸線の後退が進み、台風時には、海岸堤防が崩壊するなど大きな被害を受けてきました。しかし近年では、大型突堤や離岸堤などが整備されてきていることから、その被害も徐々に少なくなってきております。

 

○また一方、内陸地域においては、地盤高が低い地域が多く、これまでに度重なる浸水被害を受けております。このため、本市は、まちづくりの柱である総合計画に「安全・安心・信頼のこまつしま」というテーマを掲げ、緊急かつ効率的に災害の防止と浸水被害の最小化を図るため、これまでに3箇所の雨水ポンプ場を整備し、現在は金磯地区において金磯南雨水ポンプ場の整備等のハード対策と、地域の防災体制の構築などのソフト対策を組み合わせた「金磯地区下水道総合浸水対策緊急事業」に取り組んでおります。

 

○今後とも、市民の皆様の尊い生命と貴重な財産を守るため、雨水ポンプ場や雨水幹線などの整備を推進するとともに、県と連携した護岸工事などの河川整備や海岸堤防、突堤などの海岸保全施設の整備等の総合的な治水対策、地域と連携した自主防災組織への支援など、行政と地域が一体となって災害に強い都市づくりを進めてまいります。

 

 

 

今週のニュース

 

1.国土交通分野における生きものにぎわいづくり「四国地方セミナー」を開催  (重信川水系  愛媛県)

 

○生物多様性保全活動の促進のため、国土交通分野の河川や港湾、都市公園等において、事例の報告や視察、専門家の講義を通じて、保全活動の方法論や多様な主体との連携のあり方等について、知見を広く普及することを目的として、毎年、全国各地で開催されています。本年度は、11月20日(火)に四国において、重信川の自然再生事業をフィールドとして、行政機関、市民団体等が約50名参加のうえ開催されました。

 

○午前は、重信川河口部のヨシ原の再生、干潟の保全活動及び、松原泉の再生事業の実施フィールドの視察と水辺の生きものの観察等を行いました。現地での説明は、伊予農業高等学校の生徒、重信川を育む会のメンバー等にも協力を頂きました。

 

○午後からは、愛媛県武道館の大会議室に場所を移して、生物多様性保全の取組5事例について報告が行われました。

  ・「生物多様性保全といい川について」(福永 秦久)

  ・「野山北・六道山公園・生物多様性でつなぐ、市民のいきがいづくり」(片山 雅男)

  ・「重信川における市民・大学・行政の連携による流域再生活動」(三宅 洋)

  ・「中津干潟における生きもの調査による高潮対策と干潟保全の実現」(清野 聡子)

  ・パンフレット「生きものにぎわいづくり」活用ポイント(竹田 純一)

 

○その後パネルディスカッションでは、生物多様性に関する動向と社会的関心の高まりや、民参加の必要性等について活発な議論が行われました。

 

コーディネーター: 竹田純一(株式会社森里川海生業研究所 里の所長)

パネリスト: 福永秦久(NPO法人全国水環境交流会)

                片山雅男(夙川短期大学教授)

                三宅  洋(愛媛大学大学院理工学研究科 講師)

                清野聡子(九州大学大学院工学研究院 准教授)

                山道省三(株式会社森里川海生業研究所 川の所長)

                木村  尚(株式会社森里川海生業研究所 海の所長)

                三戸雅文(四国地方整備局河川部河川調査官)

 

 

 

2.「朝霧ロードイルミネーション」の点灯式について  (肱川水系 愛媛県)

 

○野村ダムの周辺を利用した旧野村町の三大イベントの一つである「朝霧ロードイルミネーション」の点灯式が、11月22日に実行委員会主催により野村ダム左岸公園において開催されました。

 

○「朝霧ロードイルミネーション」は、水源地としての「水の恵み」を大切にし、ダムを活かして地域の活力を高め、豊かな自然環境のもと水源地域の自立的・持続的な活性化を図ることを目的に、平成21年より野村町内の各種団体と連携し、乙亥の里・ホワイトファームなどと時期を合わせて実施しています。(平成6〜19年は、野村ダム単独実施)

 

○イルミネーションは、ダム左岸公園大駐車場、展望所及び遊歩道に、桜やマメツゲなどの高低木に約3万個のLED等を飾り付けて点灯しています。

 

○点灯式には約600名が参加され、主催者である実行委員長の挨拶後、点灯セレモニーとして野村高校吹奏楽部による野外コンサート、乙亥太鼓保存会の演奏と続き、最後に参加者全員でカウントダウンを行いました。

 

○点灯期間は、平成24年11月22日〜平成25年1月14日の17時〜24時ですが、その内、12月21〜25日、12月31日〜1月3日の間は、17時〜3時となっていますので、皆さんも是非一度見に来てください。

 

○昨年は、点灯期間中の見学者が約17,000人と聞いており、今年もたくさんの方に見に来ていただき、本イベントを通じて流域内外の交流と連携の役割が果たせれば幸いと考えています。野村ダム管理所では、今後も引き続き、地域と連携したダム管理を目標に、地元の地域イベントを支援して行く所存です。

 

 

3.「平成24年度 波介川一斉清掃」を開催  (仁淀川水系 高知県)

 

○12月2日(日)「波介川環境美化促進協議会」主催による「波介川一斉清掃」が行われました。

 

○「波介川一斉清掃」は、波介川沿川(東太郎丸橋〜仁淀川合流点までの約12km)の河川環境の保全と住民の美化意識の向上、並びに波介川に対する地域の理解と関心を高めることを目的として毎年12月の第一日曜日に開催されています。

 

○清掃には、波介川沿川住民約750人が参加し、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」別に集められ、約3tのゴミが回収されました。

 

○当日は曇りで手がかじかむほどの寒さでしたが、清掃に参加された方々は、熱心にゴミを拾っていました。

 

○今年6月から運用開始しております波介川河口導流路により土佐市の浸水被害が大幅に軽減されるとともに、この清掃活動によって波介川の環境改善が図れるものと期待しております。

 

○今後も、国・県・市の行政機関はもとより、流域住民等が一体となり、総合的な環境美化活動に取り組んでいきたいと考えています。

 

 

4.土器川河口のヨシ原を移植します!  (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○土器川では、湾曲部で深掘れが進行している河口から1.6km付近の蓬莱(ホウライ)橋右岸の局所洗掘対策を実施中です。

 

○この地区は砂州上の全面にヨシ原が繁茂し、オオヨシキリの採餌場やカヤネズミの繁殖場となっています。

 

○このため、治水対策の実施にあたっては、モニタリングを実施して、水際にヨシ原が再生できるよう、移植によるヨシ原の保全を実施することとしています。

 

○ヨシ原の移植は平成25年1月頃を予定していますが、それに先立ち、学識経験者や香川大学工学部の学生を交え、下記の通り現地調査を行いました。

 

  日時 : 平成24年12月7日() 14:00〜15:00 

 

  場所 : 土器川右岸約1.6km 蓬莱橋右岸付近高水敷

 

  参加者 :元香川大学農学部 教授  吉田重幸先生

           香川大学工学部 准教授  石塚正秀先生

          香川大学工学部学生    9名

 

○現地調査では、学識経験者から「バックホウで掘削したときにバケット中のヨシの節の数を数えて密度を把握しておけば、再生の数が想定でき移植の省力化につながる」等との助言を得ました。

 

 

5.平成24年度 第3久保谷上川堰堤管理用道路工事  (吉野川水系 四国山地砂防工事事務所)

 

○工事名:平成24年度 第3久保谷上川堰堤管理用道路工事

 

○工 期:平成24年7月18日から平成25年3月22日

 

○請負業者名:西部開発経常建設共同企業体(昭和工業、井下建設) 

 

○工事場所:徳島県三好市東祖谷久保地先

 

○事業、工事の目的

 本堰堤は吉野川水系祖谷川右支渓第3久保谷下流にある東祖谷と西祖谷山村の集落間唯一の連絡道路(国道439号)を土砂流災害から守るための施設で、本工事は当該堰堤への工事用進入路を兼ねた管理用道路を施工するものです。

 

○現在の施工状況

 ・国道上部であるため、斜面掘削作業時の安全対策として現場で伐採した木材や立木を利用した防護柵を設置し、土石等の落下防止に努めています。

 ・工事で伐採した支障木の処分に際して、売却出来ない雑木についてはコスト縮減・資源有効活用の観点から当該地域住民を対象に無料配布を行いました。

 

 

 

 

 

 

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          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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