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四国河川ニュース

12/1(土)〜12/7()579

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                                                                                                                                                            2012.12.10発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.231

    ○南海地震対策の加速化と抜本強化の取り組みについて 急傾斜地崩壊対策事業(津波避難階段等の整備)  高知県安芸土木事務所長 高田 等

    ○人いきいき地域が美しい町 なはり   高知県奈半利町長 齊藤 一孝

 

                                           

                                           

○今週のニュース

    ○第16回吉野川上下流交流大会を開催  (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

    ○「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催  (重信川水系石手川 松山河川国道事務所)

    ○平成24年度 吉野川現地(フィールド)講座「吉野川の竹林の役割を知り竹とんぼを作ってみよう」を開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○「平成24年度 堤防決壊時の緊急対策に関する意見交換会」の開催  (四国地方整備局)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.231

 

1.南海地震対策の加速化と抜本強化の取り組みについて  急傾斜地崩壊対策事業(津波避難階段等の整備)  高知県安芸土木事務所長 高田 等

 

○3月31日に内閣府が公表した「南海トラフの巨大地震による震度分布・津波高について」では、高知県の海岸部では、所によって30mを超す津波に襲われるとの想定が出されています。

 

○特に、海岸部まで急峻な山地が迫る海岸部では、背後の高台へ、いかに早く避難できるかが課題となっています。このため、本事務所では、急傾斜地崩壊対策事業を活用した、安全な避難路の確保に取り組んでいます。

 

1 沿岸部の急傾斜地崩壊対策事業の促進

  人家を保全するだけでなく、津波が発生した際の避難路をがけ崩れから保全する役目も果たすことから、沿岸部における急傾斜地崩壊事業に優先して取り組んでいます。

2 急傾斜地崩壊対策擁壁への避難階段の整備

 

○急傾斜地崩壊対策擁壁に設置した維持管理用の階段を活用して、速やかに高台へ避難できるようにしています。今年度より、急傾斜地崩壊対策事業が完了している地域においても、既設の擁壁に津波避難階段を整備する取り組みを始めました。

 

○「急傾斜地崩壊対策事業が完了している奈半利町加領郷地区における整備計画」

 

○奈半利町加領郷地区は、高知県東部にある人口262人の漁村集落であり、10mを超す津波に襲われるとの想定が出されています。地形的には、海岸部の間際まで急峻な山地が迫り、津波が襲来した場合、海岸付近における津波の最短到達時間の予測が約4分との想定が出されていることから、背後の高台に直ちに逃げる必要があります。しかしながら、高台の避難所である加領郷小学校と住家の間には、急傾斜地崩壊対策事業で整備された擁壁があり、迂回しないと避難できない状況にあります。

 

○そこで、本年度内に、この擁壁に避難路の整備を図るべく、取り組んでいます。整備計画の策定にあたっては、地元の方々と協議し、スロープの形式で整備することとしました。

 

○なお、本事務所では、安芸市伊尾木地区でも、避難路の整備に取り組んでいます。

 

○これからも、このような防災事業を推進していきます。海沿いにお住まいの皆さまにおかれましては、避難路の確認を行うなど、日頃の備えをしていただくようにお願いします。

 

 

2.人いきいき地域が美しい町 なはり   高知県奈半利町長 齊藤 一孝

 

○奈半利町は、高知県の東部にあり、県都高知市より東へ約60kmのところにあります。

 

○北東に野根山をのぞみ、起伏に飛んだランドスケープを特徴とする奈半利の町は海、山、川と三拍子そろった見渡す限りの自然郷。澄んだ水、山々にこだまする小鳥たちの声、まっすぐな日射しの気持ちよさ、町のいたるところ四季折々の草花が咲き競い、空気のおいしさも、また別格です。町のあちこちに点在する旧跡や寺院、数々の滝、由緒ある民家の建ち並ぶ町並みなど、自然と歴史がミックスされた南国特有の明るく美しい町です。

 

○平野部は奈半利町川の東部一帯に広がる穀倉地帯であると共に、商工業、教育文化施設等がまちの中心になっています。集落は、平野部の他に海岸沿いや、海岸段丘、あるいは、谷川に沿って散在しています。耕地の狭い海岸部では漁業が盛んです。山間部では農林業を営むなど、自然条件に適合した産業が行われています。

 

○加領郷地区は、県内の沿岸部の多くにみられる太平洋と急峻な山に囲まれた狭隘な土地に、住宅が密集した漁業集落であり、近い将来起こると言われている南海地震では、海岸付近に約4分で津波が到達すると想定されているため、高知県に対して、迅速かつ安全に地域住民が高台まで避難できるよう避難路整備の要望をしてきました。

 

○この度、県により同地区の避難場所である加領郷小学校と最短距離で結ぶ避難階段等の整備がされることとなり、地域住民の安全確保対策が前進しました。

 

○今後は、自主防災組織とともに避難訓練等を行い、1人も人的被害を出さない取り組みを実践していきます。

 

 

 

今週のニュース

 

1.第16回吉野川上下流交流大会を開催  (吉野川水系  吉野川ダム統合管理事務所)

 

○平成24年11月18日(日)早明浦ダム左岸の湖畔林(高知県長岡郡本山町吉野)において第16回吉野川上下流交流大会を開催しました。主催は、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」で、水源地域のいの町(旧本川村)、大川村、土佐町、本山町、大豊町、三好市の6市町村、民間機関代表者、受益地域の四国4県、国土交通省及び水資源機構で構成しています。

 

○吉野川上下流交流大会は、「受益地域の人々が感謝の気持ちを込めて水源地域への貢献と水源地域との交流」を基本理念として実施しており、受益地域の方々に水の源を訪れていただき、「ダム湖畔林の整備作業」、「ダム見学」を通じ、水資源の有限性や水資源施設、水源林の重要性について考え、「地元産業文化祭への参加」により地元の方々との交流を図り、さらには水源地域に対する理解を深めることを目的に開催しています。

 

○開会にあたって、主催者を代表して開催地本山町の今西芳彦町長にあいさつをいただき、本山町森林組合の橋本浩一専務に作業上の安全指導をしていただきました。その後、四国4県から参加いただいた約140名の方々は2グループに分かれて作業を行い、お互いに協力しながら要領良く間伐を進めて、一部からは早明浦ダムの満々とした湖面が見通せるようになりました。

 

○参加者からは「孫に自然に触れてほしくて参加した。孫もとても楽しそうだった。」や「ダムにたくさん水が貯まっていて安心した。」等の感想をいただきました。また、本山町産業文化祭では、土佐あかうしの牛串やおそば、つきたてのお餅など地元特産品を頂いたり、小学生の書いた絵や生け花などの展示品を鑑賞するなど楽しく交流を図りました。

 

○より良い水源地域創造のため、今後も関係者の協力を頂き、上下流の交流がより一層促進されるよう本会を継続して実施してまいります。

 

 

2.「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催  (重信川水系石手川 松山河川国道事務所)

 

○12月2日(日)、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催致しました。

 

○石手川ダムの水源地域における「放置竹林」についての竹の有効活用の取り組みとして、竹林の間伐を行い、間伐した竹を使用して竹加工教室等により有効活用を行い、水源地域の自然環境の向上を目指すものです。

 

○松山市内等の親子連れ等約45名に参加して頂きました。

 

○はじめに竹の切り出し方等の説明を受けて4班に分かれて竹林の間伐作業を行いました。次に、切った竹を使った竹加工教室では竹の行燈等を作成し、昼食には竹串を使い炭火で焼くツイストパン作りを行いました。最後に事前に作っておいた竹炭を炭窯から取り出し、参加者に持ち帰っていただきました。

 

○今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。

 

 

3.平成24年度 吉野川現地(フィールド)講座「吉野川の竹林の役割を知り竹とんぼを作ってみよう」を開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○12月2日(日)に第3回「吉野川現地(フィールド)講座(吉野川の竹林の役割を知り竹とんぼを作ってみよう)」を美馬市の「四国三郎の郷」で開催し、18名の方々がご参加くださいました。

 

○今回の講座では、まず、河川環境課長から吉野川の竹林の役割(防災機能)について説明があり、参加者の方々は興味深そうに説明を聞いておられました。

 

○続いて、竹細工指導員の長江順次さんから竹灯籠の作り方についての説明があり、吉野川の竹を使って竹灯籠作りを行いました。保護者の方に切ってもらった竹に、子ども達が思い思いの絵を描いた和紙を貼り付け、かわいらしい竹灯籠がたくさんできました。

 

○次に行った竹とんぼ作り体験では、火で竹を熱すると曲げることが出来る不思議を体験しながら、みなさん一生懸命に竹とんぼを作っていました。

 

○その後、長江先生から竹とんぼのとばし方を教わり、子供たちは自分で作った竹とんぼのテスト飛行を行いました。自分で作った竹とんぼが遠くに飛ぶと子供たちから歓声があがりました。

 

○参加者からは「楽しかった。」「子どもと一緒に体験できて良かった。」などの感想が寄せられました。今後も、このような機会を通して、竹林の機能を知って頂くとともに、吉野川の自然環境に関心を深めて頂けたらと思います。

 

 

4.「平成24年度 堤防決壊時の緊急対策に関する意見交換会」の開催  (四国地方整備局)

 

○「平成24年度 堤防決壊時の緊急対策に関する意見交換会」(以下、「意見交換会」という。)をサンポート合同庁舎(高松市)において、平成24年12月6日に開催しました。

 

○当会議は、逼迫した状況下での堤防決壊時に対する危機意識の保持と技術水準の維持・向上を目的に、堤防決壊時に発生する様々な状況を想定した上で、各事務所において実施した「堤防決壊時の緊急対策シミュレーション」を踏まえ、それから得られた課題に対して四国地方整備局内で共通認識をもってその対応策を議論する場としての開催しているものです。

 

○なお、「シミュレーション」及び「意見交換会」は、平成19年度より実施してきており、今年度は本省治水課や事務所長を含む整備局職員の約30名が参加しました。

 

○堤防決壊の要因となる洪水と地震に対して具体的対策事例として、洪水決壊は土器川、地震による堤防被災は仁淀川の2つの河川の実施報告をもとに、復旧工法の選定、調達可能な備蓄資材、重機を含む資機材運搬路の交通確保などについて意見交換が行われました。

 

○今回の「意見交換会」での議論を踏まえ、来年度以降の「シミュレーション」の実施要領を見直しを行い、実践的な堤防決壊時の緊急対策技術の維持・向上を図っていくことにしています。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 建設専門官  柳 忠和

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(柳) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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