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四国河川ニュース

10/20(土)〜10/26()573

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                                                                                                                                                           2012.10.29発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.229

○香川県大束川(宇多津町)の治水事業『大束川新町水門特定構造物改築事業』  香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄

○「安心・安全のまちづくり」  香川県宇多津町長 谷川 俊博

 

 

○今週のニュース

○「自然観察会〜秋の虫の声を聞く会〜」を開催  (重信川水系 愛媛県)

○「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催  (重信川水系 愛媛県)

○水防工法技術講習会を開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.229

 

1.香川県大束川(宇多津町)の治水事業『大束川新町水門特定構造物改築事業』  香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄

 

○大束川は、香川県中讃地域に位置しており、その源を丸亀市綾歌町とまんのう町の境界に位置する山地に発し、丸亀市飯山町、坂出市において支川を束ねながら北へ流下し、宇多津町で瀬戸内海に注ぐ流路延長約17km、流域面積約59km2の二級河川です。

 

○その上流域は本川と並行する国道438号を中心に市街化が進行し、また、その下流域では瀬戸大橋の起点として社会基盤が形成されています。

 

○本河川においては、昭和初期より河川改修事業として河口から我楽橋に至る約 6.6km間の引堤や掘削による河積の拡大ならびに護岸の整備を実施しており、現在に至っています。

 

○これまでに大束川では、流下能力不足のため、度々台風などの大雨によって氾濫を繰り返し、浸水被害が発生してきました。

 

○このような現状において、概ね50年に1回程度発生する規模の洪水を安全に流下させることを目標として、平成13年度から我楽橋から富士見橋までの約1.7km間を飯山工区とし、掘削、築堤、護岸整備、狭窄した橋梁等大規模構造物の改築を進めております。

 

○また、河口部には塩水遡上を防止することを目的として設置された「大束川新町水門」があり、昭和29年より供用を開始しており、今年度で供用年数は59年を迎えます。

 

○感潮区間といった厳しい環境の基、供用年数も長く、老朽化対策が喫緊の課題となっており、今後施設の老朽化により補修・更新費用が増加することから、計画的かつ効果的な維持管理が求められています。

 

○そのため、平成21年度より特定構造物改築事業にて、施設の長寿命化計画を策定し、計画に基づいた延命化措置を開始したところです。

 

○平成22年度は機側操作盤の更新を、平成23年度からは扉体の塗り替え、堰柱の電気防食、門柱及び上屋の断面修復等を、治水機能を確保した上で数年に分けて実施しています。

 

○こまめな塗装の塗り替えや機器の分解整備等を行うことで、既存インフラ施設の信頼性を確保し、機器の延命化に努めることで、保全コストの縮減を目指します。

 

 

2.「安心・安全のまちづくり」  香川県宇多津町長 谷川 俊博

 

○宇多津町は香川県のほぼ中央に位置し、東は坂出市、西は丸亀市に隣接する人口約18,600人、総面積8.07km2 の県下で最も小さい町です。7世紀後半にはすでに、海上交通の港()、“鵜足津”と呼ばれる自然港が現れた歴史ある街です。室町時代には将軍足利義満の側近だった細川頼之公の居館が置かれ、四国の政治・経済の中心地として栄え、古くは28ヶ寺が建立されていました。今も旧市街地には四国八十八ヶ寺霊場の一つ郷照寺をはじめとした1社9ヶ寺や町家など往時を偲ばせる古い町並みが残っております。

 

○また瀬戸内海特有の気候を利用して、江戸時代中期から昭和47年の塩田廃止までは、全国屈指の塩の町でもありました。こうして古くから、政治経済文化の拠点として発展を遂げてきた本町は、臨海部の塩田跡地を土地区画整理事業により、瀬戸大橋架橋を機に、新宇多津都市という新しい町の表情を生み出しました。平成20年には町制施行110年を迎え、これを節目にさらに新たな歴史を築こうとしています。

 

○さて、現在の治水事業に関しますと、宇多津町を横断する2級河川、大束川の新町水門の老朽化が懸念され、香川県において延命化措置を実施いたしております。もう一方の2級河川である鴨田川についても、内水氾濫の課題であり、香川県と住民の皆さんとの協議を進めている所であります。

 

○災害対策に関しますと、平成16年に多発した台風や土砂崩れなどでの被害や、近年危惧されている南海トラフの大地震に備え、今年から危機管理課を設置いたしました。去年の3月11日に起きた東日本大震災を教訓に、自主防災組織単位で防災訓練をしながら、危機意識の高揚を図っています。

 

○宇多津町の平成24年10月現在の自主防災組織数は35です。まだまだ他の市町村に比べると組織率が低いのですが、自主防災組織拡充への支援を行いながら、組織率アップを目指しています。また、防災訓練や広報を通して住民の皆さんに「自助・共助」をお知らせしておりますが、最後の砦「公助」にも力を注ぐべく、いざ大災害が起こった際の初動対応により、住民の生命と安全を守るために、職員一同「安全・安心のまちづくり」を目指して参りたいと考えております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「自然観察会〜秋の虫の声を聞く会〜」を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

○9月8日(土)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で、「自然観察会〜秋の虫の声を聞く会〜」を開催致しました。

 

○今回のイベントは松山市野外活動センター(レインボーハイランド)で行い、松山市内の小中学校や盲学校から児童・生徒とそのご家族合計20名に参加していただきました。

 

○講師として東雲女子大学の石川和男名誉教授と愛媛大学の小川次郎特定研究員・愛媛大学の小林修准教授をお招きし、最初に虫の声の聞き方や生態などについての講義を行い、その後センター敷地内でクツワムシ・ウマオイ・スズムシなど秋の虫の声を聞き、最後にまとめの講義として、捕まえた虫に触れながらの質疑応答等を行いました。

 

○参加者からは、「普段市街地で見ることのできない秋の虫を見られてよかった。虫の大きさやきれいな声に驚いた」等の感想を頂きました。今後もこのような活動を通じて、水源地域の自然環境の保全、重要性をより一層広めていきたいと思います。

 

 

2.「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催  (重信川水系 愛媛県)

 

○10月20日(土)に、「重信川の自然をはぐくむ会」の主催で、13回目となる「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)が行われました。

 

○「重信川クリーン大作戦」は、平成17年1月に「重信川エコリーダー」(愛媛大学生)の呼びかけにより開催され、年に2回(6月、10月)継続的に実施しています。

 

○清掃場所は、下流左岸【松前町】(重信川河口)、中流右岸【松山市】(重信橋周辺)、上流右岸【東温市】(拝志大橋周辺)の3箇所で約750名の参加があり、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「粗大ゴミ」別に集められ、約540袋のゴミが回収されました。その中には、古タイヤ・大型カン・農業用ビニール等の不法投棄もありました。

 

○秋晴れの中参加頂いた方々は汗をにじませ、清掃後のきれいになった重信川を見て、すがすがしい気分となっていましたが、不法投棄されたタイヤ、大型カンなどの粗大ゴミやペットボトル、空き缶などの多くのゴミが集まった状況に驚きを感じるとともに、重信川の美しい河川環境を守り育てていくために、一人一人がゴミを捨てないよう意識向上を図るためにもたくさんの方々が清掃ボランティアへ参加する必要があると感じていました。

 

 ※「重信川の自然をはぐくむ会」:環境悪化が進む重信川の保全・再生を目指し、地域の大学、学生、NPO、行政の協力・連携を図るため平成15年1月に設立された団体。現在11のNPO等団体で活動。 http://www.soil.cee.ehime-u.ac.jp/shigenobu/

 

 ※「重信川エコリーダー」:松山在住の大学生の環境学習等を実施しているサークルであり、「重信川の自然をはぐくむ会」の構成メンバーで子供と大人を繋ぐ橋渡し的な存在。 http://sigenoburiverecoleader.web.fc2.com/

 

 

3.水防工法技術講習会を開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○平成24年10月21日(日)「美馬市穴吹町口山の宮内小学校校庭」において、美馬市の防災訓練が行われました。その訓練の中で、水防工法技術講習会(ロープワーク)を開催しました。当日の参加者は、美馬市の消防団員及び美馬市民や宮内小学校の生徒約130名が参加しました。

 

○消防団員を中心にロープワークに関心のある住民約80名が、水防工法指導職員の米田貞光出張所長と河川管理課の近江指導員及び防災エキスパートの武市寛さんの指導のもとロープワークについて講習を行いました。

 

○基本の本結び、ふな結び、もやい結び、いぼ結び、かみくくし等のロープワークを実演を交えながら説明をしていきました。

 

○各参加者は、慣れないロープの結び方に悪戦苦闘しながらも、実際に災害が起こったときにあわてないように熱心に指導職員の説明を聞きながら、何度も練習を繰り返していました。

 

○災害は、何時やってくるのか分からないので、実際にやってみて初めて普段からの訓練が重要であるとの感想が参加者からは聞かれました。

 

 

 

 

 

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