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四国河川ニュース

10/6(土)〜10/12()571

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                                                                                                                                                           2012.10.15発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.228

    ○宮川内ダム堰堤管理事業  徳島県県土整備部 東部県土整備局局長 石本 昇

    ○「安全・安心のまちづくり」を目指して  徳島県阿波市長 野崎 國勝

 

 

○今週のニュース

    ○新型の排水ポンプ車納入時に訓練を実施  (肱川水系 大洲河川国道事務所)

    ○重信川・石手川で小・中学生が水生生物による水質の簡易調査を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

    ○「平成24年度 四国河川技術伝承会」(那賀川地区)の開催について  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

    ○河辺川下流部での「水生生物調査」を実施  (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.228

 

1.宮川内ダム堰堤管理事業  徳島県県土整備部 東部県土整備局局長 石本 昇

 

○宮川内谷川は、徳島県阿波市の阿讃県境に源を発し、旧吉野川に注ぐ延長19km、流域面積75.7km2の河川です。

 

○古くから水害による甚大な被害を受け、治水が早くから要望され、また一方ではしばしば干ばつにも見舞われ、用水の不足も訴えられていました。

 

○これらを解決すべく、[宮川内ダム]が昭和39年に多目的ダムとして完成しました。

 

○その後、ゲートの改良、底部放流設備の設置等、施設設備を行い、平成15年度に完了し、現在に至っています。

 

〈ダムの概要〉

 目的 洪水調整、かんがい

 諸元 型式:直線重力式コンクリートダム

      堤高:36.0m、堤頂長:130.0m

      総貯水量:1,350,000m3

      集水面積:23.14km2

 

《安全・安心のためのダム管理》

○当ダムは昭和39年完成後、堰堤管理事業によりダム管理施設の点検・修繕、及びダム湖内の流木撤去、水質・堆砂量調査等、治水・利水のため適切なダム管理に努めています。

 

《親しまれるダム》

○近年、自然環境への住民意識が高まり、地元ボランティアによる保全活動も行われ、水と緑の自然に囲まれたダム湖周辺は散策の場、あるいは湖面レクリエーション等々に利用されて人々の憩いの空間となっています。

 

○また、ダム施設は小学生等の環境学習の場として活用されている他、町内会等の幅広い層の人々のダム見学会にも応えています。

 

 

2.「安全・安心のまちづくり」を目指して  徳島県阿波市長 野崎 國勝

 

○阿波市は、讃岐山脈を背に、吉野川を望み、水と緑の豊かな自然に恵まれ、温暖な気候と肥沃な土地を生かした農業は数々の農産物で県内生産量1位となっています。また、学術的にも希少な特殊地形で国の天然記念物でもある「阿波の土柱」は、自然の雄大さを満喫できる絶景であり、七番から十番までの「四国霊場札所」は人々を癒してくれます。

 

○阿波市の宮川内谷川には、徳島県で管理を行っている宮川内ダムがあり、治水、灌漑を目的として昭和39年にできた人造湖です。宮川内ダムはダム公園として、春には新緑、秋には紅葉、四季折々に周辺の山々の姿を湖面に写し出し、美しい風景を生み出しています。

 

○このような地域資源を活用して、魅力ある未来を築くため、阿波市総合計画を策定し、本市の将来像「あすに向かって人の花咲くやすらぎ空間・阿波市」を実現するため、市民と一体となったまちづくりを進めています。

 

○本計画では「安全・安心のまちづくり」を重要目標の一つに掲げ、市民の生命と財産を守る災害に強いまちづくりを推進するため、消防団施設の充実や女性消防班の結成、自治会単位での自主防災組織の結成や訓練等活動の支援など様々な防災・減災対策に取り組んでいるところです。

 

○また、平成26年度末の完成を目指しています新庁舎は、市民の安全と安心を守る災害時の拠点施設となるため、免震構造の採用や非常用発電設備を設けるなど、災害に強い庁舎となります。併設する交流防災拠点施設は、多目的ホールや研修室などを設け、平常時には市民の交流拠点として、災害時には各避難所への支援物資の搬送や災害ボランティアの活動等、人と物資の拠点機能としての役割を担い、災害時に柔軟な利用ができる施設として整備します。

 

○今後も引き続き、市内の災害時に利用できる井戸の調査、防災マップの作成など安全・安心のまちづくりに積極的に取り組んでまいりたいと考えています。

 

■消防団の活性化

○広報・啓発活動等を通じて消防団活動に対する市民の理解と協力を求めながら、団員の確保対策の強化や研修・訓練の充実による資質の向上など、消防団活性化対策を推進します。(平成23年4月から阿波市消防団では女性消防班を組織し、女性の視点に立ち、地域の安全・安心を守る担い手として活動しています。)

 

■防火・防災意識の高揚と自主防災組織の育成

○広報・啓発活動の推進や防火・防災訓練の実施を図るとともに、地域防災の要となる自主防災組織の育成及び活動支援を重点的に行い、市民の防火・防災意識の高揚と自主的な備えの促進、地域ぐるみの防火・防災体制の確立に努めます。

 

 

 

今週のニュース

 

1.新型の排水ポンプ車納入時に訓練を実施  (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○9月26日(水)に、新しい排水ポンプ車が大洲河川国道事務所に納入されました。

 

○新しい排水ポンプ車は、昨年4月に東日本大震災の津波被害復旧作業で活躍した排水ポンプ車の後継機となる車両で、排水能力は毎分30m3で、軽量型水中モーターポンプ式の排水ポンプ車です。

 

○特徴は、排水能力こそ従前の機種と変わりませんが、ポンプを6台搭載しており、ホースの途中にポンプをもう1台直列に接続することによって、中継ポンプのように使用し高い揚程の排水を行うことも可能な機種で、四国地整では徳島と並び初めて導入される方式の機械です。

 

○当日は、午前中に車両納入時の完了検査を行い、午後からは担当する業者への操作説明も兼ねた操作訓練を、肱川緑地公園下の河川敷(大洲城の対岸付近)にて行いました。

 

○おおまかな操作方法や排水ポンプの設置については従前とほぼ同様ですが、直列接続時の注意点や操作方法などの独特な点について、メーカーの設計者から指導を受けながら、運用を担当する業者の作業員が取り扱い方法を習熟するべく、真剣に取り組まれました。

 

○また、バルーン型の照明装置やその他の車両装備品の使用方法についても熱心に学んでいました。

 

○台風シーズン本番に向けて、排水ポンプ車6台+照明車2台で万全の態勢で臨みます。

 

 

2.重信川・石手川で小・中学生が水生生物による水質の簡易調査を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○9月26日(水)に、石手川の松山中央公園橋(松山市市坪)で松山市立椿中学校の生徒約180名が、9月28日(金)に重信川中流の重信橋(砥部町高尾田)で松山市立浮穴小学校5年生の児童約100名が参加して、水生生物及び水質パックテストによる水質の簡易調査を実施しました。

 

○調査にあたっては、川越先生にご協力いただき、川には魚以外にエビ、カニ、タガメ、カゲロウなどいろいろな生物が生きていること、川のきれいな水には下敷きにあるように緑っぽい生物が、きたない水には赤っぽい生物が棲んでいること、水生生物がどのようなところで生きているか、捕まえ方などについて説明いただきました。

 

○その後、児童・生徒たちには水に入り水生生物を探しましたが、最初はなかなか見つけることができませんでしたが、慣れてくると指標生物だけでなく、タニガワカゲロウ、ヌマエビ、マシジミ、スッポンなど様々な種類の生物を捕まえることができました。

 

○椿中学校が実施した石手川の松山中央公園橋では、きれいな水の指標生物ウズムシ、少しきたない水の指標生物コガタシマトビケラもみつかりましたが、ヒル、ミズムシが多く、結果「きたない水」ということになりました。また、パックテストを用いPH、COD、NH4−N、DOといった水質の簡易調査も実施しました。

 

○浮穴小学校が実施した重信川中流の重信橋では、きれいな水の指標生物カワゲラ、ヒラタカゲロウが多く、少しきたない水の指標生物コガタシマトビケラ、きたない水の指標生物ヒルなどもみつかり、結果「きれいな水」ということになりました。また、パックテストを用いた水質の簡易調査も実施しました。

 

○調査後、児童・生徒から「学校ではできない貴重な体験ができた」、「この体験を活かし、水質や環境に関心をもって学習に取り組みたい」、「重信橋はきれいな水の判定で地域の川がきれいで良かった」などの意見・感想を聞くことができました。  

 

○今後もこういった取り組みにより、川の自然環境に関心を持っていただけるよう活動していきたいと思います。

 

 

3.「平成24年度 四国河川技術伝承会」(那賀川地区)の開催について  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○平成24年9月25日(火)那賀川河川事務所において、四国河川技術伝承会(那賀川地区)が開催されました。

 

○今回の伝承会は、伝承者として那賀川河川事務所初代副所長である川田通氏、最後の那賀川出張所長である大澤敏之氏、事務局からは田村猛氏に参加を頂き、整備局から林河川工事課長、事務所からは嘉田所長を始め事務官、技官合わせて22名が参加しました。

 

○伝承者の皆様からは、現役時代、特に那賀川勤務時代のエピソードや工事、設計等の品質の確保に関する苦労話などを伺い、事務所からは現在実施中の那賀川地震・津波対策の事例発表を行いました。

 

○その後、事例発表に関して、伝承者の皆様と意見交換をさせて頂きました。又、職員からは伝承会参加の感想や様々な質問があり、伝承者から現役時代に培った経験を基に、親切丁寧に回答を頂きました。職員一同感謝をしております。

 

○今回の伝承会では、我々の知らない貴重なお話をたくさん伺いました。今後那賀川で事業を実施していく上で非常に参考となるものでした。現役である我々も諸先輩方を見習い、このような技術を伝承出来るよう、日々努力していきたいと考えています。

 

 

4.河辺川下流部での「水生生物調査」を実施  (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

○9月28日(金)に、肱川の支川河辺川の下流部において大洲市立中野小学校1、2、3、4年生29名の参加を得て水生生物調査を実施しました。

 

○調査に当たり、職員から川には魚以外にいろいろな水生生物が棲んでいること、川のきれいさによって棲んでいる種類が違うことや捕まえる時の注意点などについて説明し、児童たちは水に入り水生生物を探しました。

 

○調査にあたっては、これまでに水生生物調査を経験している上級生が下級生を助けながら調査を行い、冷たい水にも徐々に慣れ、最後には多くの種類の生物を大量に捕まえることができました。

 

○調査では、ヒラタドロムシなどの少しきたない水の指標となる生物も見られましたが、ヒラタカゲロウ、カワゲラなどのきれいな水の指標となる生物が多数確認できました。

 

○山鳥坂ダム工事事務所では、今後もこういった取り組みにも積極的に取り組み、川に関心を持っていただけるよう活動していきたいと思います。最後になりましたが、ご協力いただきました大洲市立中野小学校関係者の皆様に御礼申し上げます。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 建設専門官  柳 忠和

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(柳) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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