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四国河川ニュース

9/15(土)〜9/21()568

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                                                                                                                                                            2012.9.24発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.226

    ○高知県 香宗川特定構造物改築事業  高知県中央東土木事務所長 依岡 偉夫

    ○南海トラフの巨大地震に備えて  高知県香南市長 清藤 真司

 

 

○今週のニュース

    ○野村納涼花火大会について  (肱川水系 愛媛県)

    ○「平成24年度 四国河川技術伝承会」(香川地区)を実施  (土器川水系 香川県)

    ○河辺川で「水生生物調査」を実施  (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

    ○ラブリバー仁淀川パートナーシップに新規団体加入  (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.226

 

1.高知県 香宗川特定構造物改築事業  高知県中央東土木事務所長 依岡 偉夫

 

○高知県の穀倉地帯高知平野の東端に位置する香宗川は、その源を香南市香我美町別役峠(標高292m)に発し、南流しながら5つの支流を合わせつつ、海岸線近くで砂丘に遮られるように流向を変え、同市赤岡町、吉川町に至り、烏川と合流し土佐湾に注いでいます。

 

○当河川は、河川延長20.55km、流域面積58.8km2、計画高水流量410m3/sの二級河川です。

 

○香宗川放水路は、市街地を流れる本川と流量を配分し香宗川治水事業の骨子として昭和46年度に着手し、平成2年度に完成しております。

 

○本放水路の最も重要な役割を果たす香宗川防潮水門(昭和50年3月完成)は、設置から約40年が経過した施設で、近年では老朽化による度重なる不具合に頭を悩まされていました。このため、昨年度、河川管理施設機能確保工事により開閉装置を更新いたしました。

 

○この度の更新により、開閉機能は正常に戻りつつありますが、水門施設そのものは老朽化が進んでおり、これまでの治水に加え、南海地震・津波への備えとして、防潮水門の機能を最大限発揮できるよう、本年度は長寿命化計画を策定することとしています。

 

○今後は、計画に基づく適切な維持管理と施設の延命化に努め、関係機関や地域住民との連携を強化しながら治水及び防災への取り組みを行っていきたいと考えています。

 

 

2.南海トラフの巨大地震に備えて  高知県香南市長 清藤 真司

 

○香南市は、高知市の東部約20〜30kmに位置し、東西約20km、南北約15kmの広さを持つ面積126.51km2、人口約3万4千人のまちです。

 

○南部地域は太平洋に面する12kmの沿岸部と肥沃な平野部が東西に広がり、北部地域は標高約300〜600mの四国山地の一部を構成し、その山を源流とする一級河川の物部川、二級河川の香宗川、夜須川などが流れる豊かな水と緑に包まれた地域です。

 

○本市は、これまで次期南海地震に備えた取り組みとして、自主防災組織の育成、防災学習、防災訓練などのソフト対策、避難場所でもある学校等公共施設の耐震化や津波避難階段整備などのハード対策を行ってまいりました。

 

○しかし、昨年3月11日に発生した東日本大震災により、国や県の想定の見直しが行われ、市の防災計画も見直しが必要となりました。

 

○海に面した本市は津波対策が必須で、付近に高台がある地域については避難道の整備を行い、高台がない地域については早急に「津波避難タワー」を整備する必要があります。この津波避難タワーについては、現在、住民の方を中心としたワークショップで必要箇所や規模を協議しており、協議が完了した場所から順次整備を行っていく予定です。

 

○そして、津波被害を出さないための事前対策として「ツイン区画整理事業」と「立体換地」も計画していきたいと考えております。「ツイン区画整理事業」とは、平面的にはつながらない離れた2つの地域を一体的な地域として扱う区画整理事業のことで、具体的には、津波被害が予想される海側の地区から津波被害のない高台に換地を受け住宅移転を行うものです。高台地区では移転住宅用地のほか、地権者の住宅地、区画整理事業費を捻出する保留地、避難場所となる公共施設などを整備します。また、津波被害が予想される海側地区では、高台移転により確保できる用地を活用し、地域の活性化にも繋がる商業施設や観光施設を整備すると共に津波防潮堤などの防災施設を建設することも可能となります。

 

○そして、「立体換地」とは、地区内にばらばらに立地する宅地を区画整理事業で1箇所に集約して換地することで、具体的には、集約された換地に再開発ビルを建設し、低地の住宅の代わりとして津波被害に遭わない高層階の権利を受け取り移住するものです。この2つの事業は住民の合意形成が必要なため、実施には10年前後の期間が必要となりますが、津波対策としてぜひ実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 

○その他ハード対策として、河川や海岸の堤防と橋梁の耐震に向けても取り組む必要があると考えており、国土交通省や高知県の皆さんと一致団結して早期な対策の実施を行ってまいりたいと思っております。関係機関の皆さんのご協力をよろしくお願いいたします。

 

 

 

今週のニュース

 

1.野村納涼花火大会について  (肱川水系 愛媛県)

 

○8月14日(火)に野村地区三大祭りの一つである「野村納涼花火大会」(西予市観光協会野村支部及び西予市商工会野村支部主催)が、盛大に開催されました。

 

○当日は、日本海に停滞する前線の影響で、南から暖かく湿った空気が流れ込み、開会直前の午後六時頃、10分間雨量で5mmの降雨があり、出鼻をくじかれましたが、開会式には雨も上がり、実行委員会の皆さんも安堵されていました。

 

○しかし、午後八時からの花火の打ち上げに先立ち、野村ダム右岸に特設された水上ステージで予定していた「湖のコンサート」第1部である劇団『みかん星』による演劇・演奏は、段ボールで造っていた小道具類が雨で濡れたため使えず、やむなく中止となりました。劇団の方はもとより、コンサート鑑賞を楽しみにされていた方も多く、大変残念なことになりましたが、一方で、水上ステージの隣の商工会青年部・女性部によるガーデンパーティ会場では、たくさんの方が缶ビールを片手に、焼きそばや牛焼きに舌鼓を打っていたほか、対岸(野村ダム管理庁舎側)の駐車場では、ふれあい市や露店がたくさん出店されており、夏休みに帰省されている子供たちで賑わっていました。

 

○花火の打ち上げは、前打ち30分、本打ち30分の1時間でしたが、見学に来られた方々は、5,000発の花火の数もさることながら、野村町ならではの澄みきった夜空に輝き、周辺山々に“こだまする”音響効果抜群の花火を体感されていました。

 

○また、打ち上げ花火の他に、ダム湖には長さ300m、高さ30mに渡る“ナイアガラの滝”が仕掛けられ、湖面に映る見事なシチュエーションを醸し出していました。

 

○フィナーレでは、上空の風向きが悪く花火の煙で、少し見えなくなり残念でしたが、「ドドーン」と体に伝わってくる迫力満点の花火に満足した次第です。

 

○その後、花火の余韻が残る中、『PINK ONE NECK』による生バンド演奏を聴きながら、花火大会は幕を閉じました。

 

○今回の花火大会には、野村町全人口の倍以上に匹敵する約20,000人の見学者が訪れ、帰り際に少し混雑しましたが、何もともあれ事故もなく大盛況に終わり、実行委員会の方々も大変喜んでいました。

 

○野村ダム管理所では、このような地元の地域おこしイベントを支援し、今後とも引き続き、地域と連携したダム管理に努めて行きたいと思っています。

 

 

2.「平成24年度 四国河川技術伝承会」(香川地区)を実施  (土器川水系 香川県)

 

○9月5日(水)に、香川河川国道事務所において、「平成24年度 四国河川技術伝承会(香川地区)」を四国地方整備局(本局)、香川河川国道事務所、四国技術事務所などの職員約25名が参加して開催しました。

 

○「四国河川技術伝承会」は、四国地方整備局で長年培われてきた河川に係わる技術を次世代に伝承することにより、新技術と相まって、四国新時代における安全で安心できる社会資本の整備に生かすことを目的として、平成18年に発足したものです。原則四国各県1回、年4回開催しており香川地区では今回で7回目の開催となります。

 

○今回は、「災害復旧にあたっての配慮事項」をテーマとして、国土交通省を退職された3名の先輩諸兄に技術の伝承をお願いしました。

 

      伝承者  工藤 建夫 氏

              藤堂 卓英 氏

      連絡員  小野 重充 氏

 

○会議では、伝承者の方から主に災害申請や災害査定における配慮事項についての留意点や過去の経験談をお話していただきました。特に「災害査定官としての心得」について、豊富な経験を基にした話は非常に参考になりました。

 

○その後、参加者から伝承者の方々へ質問させていただくなど、忌憚のない意見交換をさせていただきました。

 

○この度は、伝承者の方々から貴重なご意見、ご助言をいただくことができました。これらのご意見をこれからの土器川の整備事業、維持管理に役立てていきたいと考えています。ご指導いただきました伝承者の方々に、改めて御礼申し上げます。

 

 

3.河辺川で「水生生物調査」を実施  (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

○9月11日(火)に、肱川の支川河辺川において大洲市立河辺小学校3、4年生7名の参加を得て水生生物調査を実施しました。

 

○調査に当たっては、川越先生にご協力いただき、川には魚以外にいろいろな水生生物が棲んでいること、川のきれいさによって棲んでいる種類が違うことやその捕まえ方などについて説明いただきました。

 

○その後、児童たちは水に入り水生生物を探しましたが、最初はとまどいながらも徐々に慣れ、最後には多くの種類の生物を大量に捕まえることができました。

 

○調査では、ヒラタカゲロウ、カワゲラなどのきれいな水の指標となる生物が多数確認できました。

 

○山鳥坂ダム工事事務所では、今後もこういった取り組みにより、川に関心を持っていただけるよう活動していきたいと思います。最後になりましたが、ご協力いただきました大洲市立河辺小学校関係者の皆様に御礼申し上げます。

 

 

4.ラブリバー仁淀川パートナーシップに新規団体加入  (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○ラブリバー仁淀川パートナーシップに新たに「日本風景写真協会高知支部」様が加入され9月12日に認定書の交付を行いました。

 

○ラブリバーパートナーシップとは、河川を取り巻く住民と行政が一体となり、清掃ボランティア活動によって美しい河川環境を創る取り組みです。

 

○日本風景写真協会は、写真文化の発展だけでなく自然保護等に寄与することも目指している組織です。10月2日(火)〜7日(日)の写真展(香川県文化会館)では、美しい仁淀ブルーの写真が見られるかもしれません。

 

○「ラブリバー仁淀川パートナーシップ」については、平成15年から行われており現在、この主旨に賛同し活動に協力いただける15の団体・企業が活動し大きな成果を上げております。

 

○また、河川だけでなく、高知海岸においても活動が行われており、河川・海岸一体となった取り組みが行われています。

 

○10月20日(土)には、第2回仁淀川一斉清掃が予定されています。今後も各団体と協力し仁淀川の環境美化に取り組んでいきます。

 

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 建設専門官  柳 忠和

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(柳) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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