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四国河川ニュース

8/25(土)〜8/31()565

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                                                                                                                                                             2012.9.3発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.224

    ○香川県 坂口川(観音寺市大野原町)の砂防事業『坂口川 通常砂防工事』  香川県西讃土木事務所長 西川 英吉 

    ○「災害に強いまちづくり」 香川県観音寺市長 白川 晴司 

 

○今週のニュース

    ○第1回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川河口干潟の海浜植物を守ろう!」開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○大規模停電、計画停電時等に備えたダム放流警報訓練を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

    ○平成24年度水質事故情報伝達訓練・水質事故処理訓練を開催  (重信川水系 愛媛県)

    ○「柳瀬ダム 湖水まつり」を開催!  (吉野川水系銅山川 愛媛県)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.224

 

1.香川県 坂口川(観音寺市大野原町)の砂防事業『坂口川 通常砂防工事』  香川県西讃土木事務所長 西川 英吉 

 

■事業箇所  観音寺市大野原町

   事業期間  平成21年度〜平成23年度

   全体事業費 114百万円

   事業計画  砂防堰堤1基

            堤高10.0m

            堤長47.0m

            堤体積1,466m3

            貯砂量3,370m3

   流域面積   0,09km2

 

○本渓流は、二級河川柞田川に流れ込む流域面積0,09km2、平均渓床勾配1/4.0の土石流危険渓流であり、下流には人家4戸、耕地1.6haに加え、主要避難路である県道が存在しています。

 

○当流域では、平成16年9月に発生した台風21号の影響で山腹崩壊、渓岸浸食が発生したほか、流域内に不安定土砂が堆積しており、今後の降雨により更なる土石流災害の恐れがありました。

 

○このような状況に鑑み、土砂災害の発生を未然に防止し、住民の方々の生命、財産を守るための砂防堰堤建設を計画しました。

 

○当事業は、平成21年度に事業着手し、地元住民の皆様のご協力のもと、平成23年度に完成しました。

 

 

2.「災害に強いまちづくり」 香川県観音寺市長 白川 晴司

 

○観音寺市は、香川県の南西部に位置し、北東部は三豊市、西部は瀬戸内海の燧灘に面し、沖合には伊吹島等の島しょを有しており、南部は讃岐山脈の雲辺寺山、金見山を境に徳島県三好市及び愛媛県四国中央市に接している。

 

○市の中央部には三豊平野が広がり、東部から西部に向かって財田川、柞田川等の河川が貫流し、豊かな田園地帯を形成している。また、河口付近は、市の中核となる市街地が形成されている。東部から南部にかけては山間地が、北部には七宝山等の丘陵地が連なっている。

 

○気候は、「瀬戸内海気候区」に属し、比較的温暖で年間を通じて降水量は少なく日照時間数が多い気候特性から、ため池が多数点在し、観音寺市の地勢の大きな特色となっている。

 

○中でも大野原町田野々地区の、昭和4年に完成した「豊稔池」は農業土木施設として史上価値が高く、国の重要文化財に指定されており、現在でも500haの水田の水がめとして重要な施設で、市の観光資源ともなっている。特に夏に行われるユル抜き(放流)風景は季節の風物詩となっている。

 

○しかし、この温暖少雨の地域においても、近年の気候変動により短時間に過去経験の無い程の集中豪雨が発生し、この田野々地区も、平成16年には台風15号をはじめ、度重なる集中豪雨により、農地を中心に宅地も多数被災したところである。この坂口川は「豊稔池」の上流部に位置し被災した地域で、この「坂口川通常砂防事業」により地域の安全性が確保されるものと期待されている。

 

○また、市内を流れる財田川、柞田川等が重要水防河川に指定されており、河口近くでは平成16年の台風豪雨による河川からの越水、高潮による浸水等の被害も発生しており、今後は地域の特性を考慮した防災対策を推進するとともに、施設整備等のハード面での防災対策に加え、地域住民の自主防災活動、災害時の避難路・輸送路や避難場所の体系化等、ソフト面での防災対策も含め、災害に強いまちづくりを進めることが必要である。

 

 

 

今週のニュース

 

1.第1回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川河口干潟の海浜植物を守ろう!」開催  (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○本講座は、吉野川河口の中洲に繁殖している特定外来生物(植物)のナルトサワギクを駆除し、ハマヒルガオ、コウボウシバといった海浜植物などを守ることを目的に7月14日(土)に実施しました。開催にあたっては、徳島県自然保護協会会長の森本康滋先生に指導員としてご協力頂きました。

 

○参加者皆様には、熱心に駆除作業を行っていただき87袋330kgのナルトサワギクを除却することができました。昨年除却した箇所は、ナルトサワギクの分布が疎らでしたが、その外側に群生地が広がっており、根絶には至りませんが毎年の活動がナルトサワギクの繁殖に制限をかけており、貴重な在来生物であるルイスハンミョウ等を保護することとなっています。

 

○当日は、日を遮るものの無い干潟での作業でしたが、特に体の不調を訴える人もなく、無事活動を終了しました。その後、講評として森本先生より干潟で生息する植物についての講義があり、海水に近い水である河口干潟において植物が生息する不思議を解説していただきました。

 

 

2.大規模停電、計画停電時等に備えたダム放流警報訓練を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○8月1日(水)石手川ダムにおいて、大規模停電、計画停電時等に備えたダム放流警報訓練を実施しました。

 

○ダム放流警報所は、石手川ダムの下流河川周辺28箇所にあり、ダムから放流を行う際には「サイレン」を鳴らして、河川利用者や周辺住民の方に、「川から離れる、川に近づかない」事をお知らせしています。

 

○これらの放流警報所は、停電時・故障時等にも対応できるように、蓄電池等により「ダム放流警報」を行うことが出来るシステムとなっていますが、使用できる電力に制限が出てくるため「電子音(通常時と異なる音)」が鳴ることになります。また、通常時の「サイレン」に対して、停電時・故障時等の「電子音」は伝達範囲が小さくなります。

 

○今回の訓練で電子音を確認していただき、今後この音を聞いたときにも通常時のサイレンと同様の「川から離れる、川に近づかない」行動をしてもらうために実施したものです。

 

○ダム放流警報は、夜間・早朝になることも予想されることから、今後もご理解・ご協力をいただきながら、適切なダム管理に務めていきたいと思います。

 

 

3.平成24年度水質事故情報伝達訓練・水質事故処理訓練を開催  (重信川水系 愛媛県)

 

○平成24年8月2日(木)に、重信川水系水質汚濁防止連絡協議会(略式:水濁協)による、「平成24年度 水質事故情報伝達訓練及び水質事故処理訓練」を開催しました。

 

○この水質事故情報伝達訓練と水質事故処理訓練をセットにした訓練は、重信川水系水濁協では平成22年度よりはじめて実施しており、平成22年度は砥部町、平成23年度は東温市、今回の平成24年度は松前町が主体となって実施しました。

 

○水質事故における被害をできる限り抑制するためには、各関係機関との速やかな情報伝達、油等の適切で速やかな処理が必要です。

 

○当日は、『松前町の自動車修理工場において、軽油タンク排水口が破損し、軽油40〜50リットルが隣接の農業用水路に流れ、重信川支川新田川に流出した。』との想定のもと、午前10時より水質事故情報伝達訓練、午後2時30分より水質事故処理訓練を実施しました。

 

○水質事故情報伝達訓練は、水濁協連絡系統図に沿って、各関係機関へFAXにより資料を送信し、電話により受信時間及び受信者を確認しました。関係16機関への所要時間は、1機関のFAX不調により50分でした。訓練により不調が発見されましたので、今後改善を行います。

 

○水質事故処理訓練は、松前町職員が松前町福徳泉公園内水路(駐車場及び見学場所の関係より場所代替)において、オイルフェンス設置、吸着マット敷設及び油処理剤散布(訓練としてはバケツの水を撒くのみ)の作業を実際に行いました。

 

○重信川流域の市、町並びに国、県の職員56名、維持業者2名、計58名が水質事故処理訓練に参加しました。

 

○暑さが厳しいなかでの訓練でしたが、多くの方にご参加いただき、参加者からは『昨年度までの中河川から今年度は小河川において実施することで、川の幅によるオイルフェンス(長)の使い分けがよくわかり、勉強になりました。』と感想をいただきました。

 

 

4.「柳瀬ダム 湖水まつり」を開催!  (吉野川水系銅山川 愛媛県)

 

○第26回湖水まつり(主催:四国中央市実行委員会)が、8月4日(土)に、金砂湖畔公園(柳瀬ダム金砂湖)において開催されました。

 

○この祭りは、宇摩地域の発展の礎となった、水資源開発に伴うダム水源地域への感謝の気持ちと、嶺南地域の活性化の一助として始まったものです。

 

○催し物として、各種バザー、エレクトーン演奏、カラオケ大会、フラダンス、ソプラノ歌手スペシャルステージ、花火大会などが行われ、約3,000人の方々を魅了し大変盛況でした。

 

○柳瀬ダムも広報ブースを設置し、パネル展示、ダムクイズ、柳瀬ダム周辺で採集したカブトムシの展示を行い、多くの子ども達に喜んで頂きました。

 

○来年は、富郷ダム法皇湖の「てらの湖畔広場」で開催される予定です。

 

 

 

 

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