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四国河川ニュース

7/28(土)〜8/3()561

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                                                                                                                                               2012.8.6発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室 vol222

    ○土砂災害から生命・身体を守る啓発活動  徳島県県土整備部砂防防災課長 岩野 泰三 

    ○「自主防災組織の育成・強化」  徳島県 阿南市長 岩浅 嘉仁 

 

○今週のニュース

    ○那賀川一斉清掃の実施  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

    ○水難事故防止出前講座について  (物部川水系 高知河川国道事務所)

    ○「第5回ゆきかう那賀川推進会議」を開催  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

    ○吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(吉野川上流部会)開催  (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

    ○重信川で小学生が水生生物による水質の簡易調査を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

    ○「第14回 われらDOKIDOKI土器川体験隊」を実施  (土器川水系 香川県)

    ○小学生による渡川水系の水質簡易調査の実施  (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.222

 

1.土砂災害から生命・身体を守る啓発活動  徳島県県土整備部砂防防災課長 岩野 泰三 

 

○本県においては、土砂災害危険箇所が約1万3千箇所あり、これは全国で19番目となっています。土砂災害警戒区域については、平成23年度末現在で、2,078箇所、そのうち、土砂災害特別警戒区域は、1,907箇所を指定しています。

 

○近年、本県では、土砂災害による犠牲者は出ていないものの、平成16年には2人が亡くなるなど大きな被害を受けたこともあり、土砂災害から県民の生命や身体を守ることに対する啓発活動は、非常に重要であると認識しています。

 

○こうした状況に鑑み、本県では、土砂災害警戒区域等の指定に係る住民説明会や土砂災害防止月間の統一避難訓練の場をはじめ、様々な機会を捉えて啓発活動を行っています。

 

○主なものとして、自主防災組織(地域の自治会・町内会を含む。)を対象とした「寄り合い防災講座」と、職員の取り組みによりゼロ予算事業で行っている、災害時要援護者関連施設を対象とした「とくしまトクトク事業(土砂災害に関する啓発活動)」が挙げられます。

 

○「寄り合い防災講座」は、主に南海地震の特徴などを説明するもので、その他のメニューとして土砂災害の分野があり、自主防災組織等から土砂災害についての説明を希望する場合には、当課から出向いています。平成23年度は、10回の講座に参加し、「土砂災害に備えて」のタイトルで、土砂災害の種類や特徴、土砂災害防止法の概要、警戒避難体制の整備、土砂災害警戒情報などについて説明し、早期の避難についてのお願いをしているところです。

 

○また、「とくしまトクトク事業」は、土砂災害警戒区域内にある高齢者福祉施設や医療機関、保育所等に出向き、土砂災害についての説明を行っています。主に施設管理者や職員に対して、警戒避難体制の整備についての意識向上を図るために説明しているものです。平成23年度末現在で、66施設に対して、実施しました。

 

○このような啓発活動と併せて、徳島大学での防災リーダー養成講座において、土砂災害の講義を行っているほか、県消防学校や県シルバー大学校においても同様の講義を行う予定です。

 

○講義では、土砂災害の種類・特徴に加えて、危険箇所の点検項目、警戒避難の事例、災害時要援護者の避難支援などについて解説しています。

 

○また、平成23年度には要請のあった公立小学校で、防災教育の一環として教壇に立ちました。

 

○土砂災害に関する講義のほかにも、土砂災害防止月間の際に、土砂災害防止絵画や作文の優秀作品を展示するなどのパネル展も開催しているところです。

 

○今後とも、土砂災害から「助かる命は助ける」という減災の視点で、より一層の啓発活動に努めていきたいと考えております。

 

 

2.「自主防災組織の育成・強化」  徳島県 阿南市長 岩浅 嘉仁 

 

○平成23年3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震及び大津波により、亡くなられた皆様に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお悔やみを申し上げ、一日も早い復興を願っております。

 

○災害はいつ発生するかわかりませんし、広域で大規模な災害が発生すると、道路の寸断や救助要請の集中など、公的機関による迅速な救援活動が期待できない状況が予想されます。このような事態が起こったとき、「自分の命は自分で守る、それぞれの地域で助け合う」自助と共助の2つが中心となります。東日本大震災の被災地においても、住民の安否確認、要援護者の支援、避難所の運営などに自主防災組織が大きな役割を果たしており、自主防災組織の存在とその充実が改めて重要視されております。

 

○本市における自主防災組織率は、207組織、90.12%(平成24年6月1日現在)であり、100%の結成率に向けて、取り組みを進めており、自主防災会の中には、独自の避難マニュアルの作成、避難誘導看板の設置、また安否確認のための「防災会員札」の全世帯への配布など実効性のある取り組みを行っている団体もございます。

 

○このような日頃からの取り組みが多くの尊い命を守り、被害の軽減につながると考えております。

 

○これからの防災対策は、行政だけでなく地域での活動が非常に大切であり、今後も未組織の地区への結成促進や定期的な訓練や講習会の実施をお願いするとともに、市民一人ひとりの自主防災組織の重要性に対する認識を深め、地域の自主防災組織の育成・強化に努めてまいります。

 

 

 

今週のニュース

 

1.那賀川一斉清掃の実施  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○那賀川河川事務所では、河川愛護月間の行事の一環として毎年7月の第1日曜日(今年は7月1日(日))に、ゴミの不法投棄防止や河川愛護思想の普及を目的として、那賀川・桑野川沿岸の方々やボランティア団体等のご協力で、那賀川・桑野川の河川一斉清掃を実施しました。

 

○当日はあいにくの天気でしたが、アドプト団体や一般の皆様の25団体・総勢1300人の方々が清掃に参加しました。

 

○収集されたゴミの量は、約25m3(資源ゴミの缶・ビン・ペットボトル、その他のゴミ)で、4tトラック5台分のゴミが収集されました。そのうち5m3は資源ゴミとして分別し、処理費の削減も図っています。

 

○那賀川では、一斉清掃などの行事を通じて、地域の皆さん一人一人が「ゴミを捨てない」「河川を汚さない」「ふるさとの川を大切にする」などの、モラルの向上を図っていきたいと考えています。

 

 

2.水難事故防止出前講座について  (物部川水系 高知河川国道事務所)

 

○平成24年7月9日(月)に、高知県香美市立舟入小学校の5年生24名を対象に水難事故防止の出前講座を実施しました。

 

○福山平成大学教授の小谷教授に講師をお願いして、最初は体育館にて川の楽しさと怖さについての講義を行い、次にスローバックの投げ方等の練習を実施しました。

 

○その後、近くの物部川の河原に移動して実際にスローバックによる救助等を体験しましたが、梅雨時ながら天気も崩れることなく無事に終了することができました。

 

○地域の子供達に、川の楽しさを伝えるとともに、川の怖さも理解してもらい、水難事故を回避する能力を身につけてもらうことを目的に例年実施しておりますが、今回についても子供達にとって楽しくかつ意義有る出前講座になったのではないかと感じています。

 

 

3.「第5回ゆきかう那賀川推進会議」を開催  (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○那賀川河川事務所では、平成24年7月9日(月)「第5回ゆきかう那賀川推進会議」を開催しました。

 

○「ゆきかう那賀川推進会議」は、那賀川の流域内交流の活性化、上下流連携の推進による流域振興を目指して、流域関係者を中心に平成20年3月に発足しております。

 

○今年度の取り組みとして「ダム見学会」、「徳島阿波おどり空港 那賀川写真展」等の開催、「那賀川源流碑開き」、「那賀川源流コンサート」等の支援を行うことにしました。

 

○また、「那賀川の日」を「阿波の八郎(86)」(那賀川の愛称)から8月6日と定めました。

 

○そして、「那賀川風土探訪マップ」を発行し関係機関と連携して活用すること等が決定されました。

 

○那賀川河川事務所では、「ゆきかう那賀川推進会議」を通じて今後とも更なる上下流連携を進めて参りたいと思います。

 

 

4.吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(吉野川上流部会)開催  (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○平成24年7月12日(木)、吉野川ダム統合管理事務所において、四国4県及び関係市町村等の担当者33名が参加し「吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(吉野川上流部会)」を開催しました。

 

○この部会は、吉野川上流において水質事故等が発生した場合、又は発生する恐れがある場合における関係機関等との連絡体制の強化を図ることを目的として開催しています。

 

○部会では、水質事故等発生時の連絡体制を確認するとともに、最近の水質事故等発生状況や関係機関の水質事故対策資材保有状況の周知を行いました。

 

○昨年度実施した「水質事故等に関する情報伝達訓練」を今年度も引き続き実施することについて確認しました。

 

 

5.重信川で小学生が水生生物による水質の簡易調査を実施  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○平成24年7月10日(火)に、重信川最上流の東温市山之内【木地堰堤キャンプ場】と重信川下流の松山市余戸南【出合橋】で、松山市立さくら小学校4年生の児童約140名が、7月13日(金)に東温市下林【拝志大橋】で東温市立拝志小学校4〜6年生の児童約40名が参加して、水生生物及び水質パックテストによる水質の簡易調査を実施しました。

 

○調査にあたっては、さくら小学校は川越先生、拝志小学校は土居先生にご協力いただき、川には魚以外にいろいろな生物が生きていること、川のきれいさによって棲んでいる生物が違うこと、水生生物が何を食べて、どのようなところで生きているか、捕まえ方などについて説明いただきました。

 

○その後、児童たちには水に入り水生生物を探しましたが、最初はなかなか見つけることができず困った状況の中、関係者から具体的な採り方を教えてもらい、かなりの数、種類の生物を捕まえることができました。

 

○さくら小学校が実施した最上流の木地堰堤キャンプ場では、サワガニ、ヒラタカゲロウ、ヘビトンボなどのきれいな水の指標生物及びきたない水の指標生物であるヒルが確認され、結果「きれいな水」、下流の出合橋では出水の影響及び調査時間が短かったこともあり、きたない水の指標生物であるヒルだけしか確認することができず、結果「きたない水」と判定されました。また、パックテストを用いた水質の簡易調査も実施しました。

 

○拝志小学校が実施した拝志大橋では、ヒラタカゲロウ、カワゲラなどのきれいな水の指標生物、コオニヤンマ、コガタシマトビケラなどの少しきたない水の指標生物、ヒル、タニシなどのきたない水の指標生物及び大変きたない水の指標生物であるエラミミズまで幅広い指標生物を確認できました。また、パックテストを用いた水質の簡易調査も実施しました。

 

○調査後、児童から「学校の外で貴重な体験ができて楽しかった」、「カニやおたまじゃくし、魚もとれて楽しかった」、「上流のきれいな水が下流まで続くようごみがを捨てないようにしたい」、「生物から水のきれいさが分かるのに驚いた」などのなどの感想が聞かれました。  

 

○重信川では今年度さくら小学校、拝志小学校を含め小学校3校、中学校1校の水生生物による水の簡易調査が予定されており、今後もこういった取り組みにより、川の自然環境に関心を持っていただけるよう活動していきたいと思います。

 

 

6.「第14回 われらDOKIDOKI土器川体験隊」を実施  (土器川水系 香川県)

 

○平成24年7月14日(土)に丸亀市の土器川左岸の川西親水護岸周辺(高速道路橋下周辺)において、「われらDOKIDOKI土器川体験隊」を開催しました。

 

○本体験隊は、河川愛護月間の行事として、香川県、丸亀市、土器川生物研究会、丸亀市淡水漁業組合、()四国建設弘済会の協賛、協力を得て実施しているもので、今年で14回目となりました。

 

○今年度は、一週間前の7月7日(土)に予定していましたが、早朝の豪雨により土器川が増水したため急遽中止となり、その順延での開催となりました。

 

○また、当日も朝のうちは時折小雨が降る中での開始となりましたが、そのような悪条件が重なったにもかかわらず、丸亀市内の小学生や園児とその父兄など約70名が参加し、フナなどの稚魚の放流、魚のつかみ取り、川遊び、水生生物調査、災害対策車両等(排水ポンプ車、照明車、河川パトロール車、トンネル点検作業車、高所作業車)の試乗などのメニューを体験いただきました。

 

○子供たちは、会場で展示していた水槽の中の生物をのぞき込んだり、自らが稚魚を放流したり、自らが採取した水生生物を観察したりして、笑顔で楽しくまた熱心に川のことについて学んでもらいました。

 

○「われらDOKIDOKI土器川体験隊」は、地域との協働で開催しており、地域に定着した行事となりつつあります。今後も今回の体験隊なども通じて、地域の子供達が「土器川」に関心を持ち、ふるさとの川として大切にする気持ちを養ってもらえることと思っています。

 

 

7.小学生による渡川水系の水質簡易調査の実施  (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

○平成24年7月9日(月)は中筋川会場、17日(火)は後川会場で「小学生による渡川水系の水質簡易調査」(以下、水生生物調査)を実施しました。

 

○水生生物調査は、流域住民の方々に調査を通じて身近な河川の水質状況を知っていただき、水質改善の必要性や親水性の向上を図ることを目的に行っており、今年で29回目の調査になります。

 

○中筋川会場と後川会場において、3つの小学校の児童約70人がとても楽しそうに調査をしてくれました。調査の結果は、中筋川が「少しきたない水」、後川が5年連続の「きれいな水」で、今後も河川への関心を持ってもらい、きれいな川を保ってもらうよう呼びかけを行いました。

 

○今年は梅雨時期の降水量がとても多く、川の増水による延期や、四万十川会場では残念ながら開催することが出来ませんでした。来年は全会場で実施できる事を願っています。ご協力頂きました学校関係者の皆様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 

 

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