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四国河川ニュース

7/14(土)〜7/20()559

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2012.7.23発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.221

    ○愛媛県玉川ダム堰堤改良事業  愛媛県東予地方局玉川ダム管理事務所長 武智 省三

    ○「緑のダム(水源の森)の再生・保全について」  愛媛県今治市長 菅 良二

 

○今週のニュース

    ○「平成24年度 樋門等操作員研修会」を実施 (渡川水系 中村河川国道事務所)

    ○「防災システム稼働講習会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○「渡川水系横瀬川周辺の環境保全(植物編)勉強会及び意見交換会」を開催  (中筋川総合開発工事事務所)

    ○「水生生物調査」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

    ○「ツルの自然体験学習会」を実施  (渡川水系 高知県)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.221

 

1.愛媛県玉川ダム堰堤改良事業  愛媛県東予地方局玉川ダム管理事務所長 武智 省三

 

■玉川ダムの概要

 1.目  的 多目的ダム

 2.経  過 昭和41年着工、同46年3月竣工

 3.位  置 今治市玉川町龍岡下

 4.河川名 二級河川蒼社川水系蒼社川

 5.諸  元 重力式コンクリートダム

           堤高:56.0m 堤体積:187,000m3

           総貯水容量:9,900千m3

           集水面積:38.1km2

 

■事業の必要性・効果

○玉川ダムは、蒼社川の洪水被害を軽減するとともに、今治地域において、農業用水の補給を行い、更に工業用水、上水道用水を確保している重要な施設です。

 

○前回の施設の更新以来長期間経過し、毎年、情報処理設備や放流設備などの保守点検等を実施しているものの、施設の老朽化に伴い部品の交換を伴う故障が目立ち始め、さらには、部品の確保も年々困難な状況が生じてきました。

 

○このため、堰堤改良事業によりダム管理施設の改良・更新を行い、放流操作・情報伝達の確実性・信頼性を向上させ、ダム管理の適正化及び効率化を図り、平成23年度に事業が完了しました。

■事業の内容

 全体事業費 687百万円

 事業期間  平成18年度〜平成23年度

 工事概要  ダム諸量情報処理設備更新

           テレメータ・放流警報設備改良

           放流設備改良

 

 

2.「緑のダム(水源の森)の再生・保全について」  愛媛県今治市長 菅 良二

 

○今治市は、愛媛県の北東部に位置し、瀬戸内海式気候に属し年間を通じて降水量が少なく(年間降水量約1,200mm)、比較的温暖な地域となっております。

 

○このような地域条件の中、平成6年の夏は全国的に平年の4〜7割程度の降雨量しかなく、本市においても市制始まって以来という断水に追い込まれました。このような経験から、緑のダム(水源の森)の機能を再認識し、官民一体となって森林の育成、管理の機運が醸成されました。本市におきましては水道事業会計に「水源の森基金」を設置し、ダム上流の約10,000ha(内民有林約7,000ha)におよぶ森林において、これを財源として平成11年から23年までに民有林約680ha、公有林約60haの除間伐を実施しております。また、愛媛県においては、平成20年度より26年度までの7ヶ年間で、水源かん養機能等を向上させ安定的な水資源の確保を目的として、土砂流出防止の谷止工等の設置、荒廃森林の本数調整伐等を組み合わせた森林整備事業を実施しています。

 

○今治市は昭和48年に全国第1号の緑の少年団が誕生した場所で、緑を愛し、緑を守り育てる意識の高い地域であり、今治市森林管理事務所指導のもと「今治地方水と緑の懇話会」が平成18年度から将来を担う小・中学生と枝落としや苗木の植栽作業を実施し、森林及び林業への理解を深める森林体験教室を毎年開催し多く児童・生徒の参加を得ております。さらに平成19年度からは、愛媛県・今治市・企業の三者協働による企業の森づくりを実施し、市民や一般企業等が“より良きパートナー(協働者)”として参加、活動しやすい環境づくりに努めています。

 

○今後も愛媛県・民間ボランティア・企業のご協力を得ながら、「水と緑」の源泉を守り育てて、緑のダム再生・保全に努めてまいりたいと考えております。

 

 

 

今週のニュース

 

1.「平成24年度 樋門等操作員研修会」を実施 (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

○中村河川国道事務所では、平成24年5月23日(水)に樋門操作員等研修会を実施しました。

 

○この研修会では、中村河川国道事務所管内の樋門や排水機場の操作員の方を対象に実施いたしました。

 

○研修会は平日の昼間であるにも関わらず、78人もの方に参加していただきました。

 

○研修会では、今年度から新たに操作員になった方は勿論のこと、昨年から継続している方にも樋門操作の操作要領、連絡方法、点検の方法等について説明し、出水時の適切な操作・対応のための知識や理解を深めてもらうことを目的に実施しております。

 

○今年度も、ゲリラ豪雨や九州北部豪雨のような異常な大雨が各地で発生しております。梅雨明けとは言いますが、今後も台風等、大雨の危険があります。

 

○今後も樋門操作員の方との連携を図りながら、残りの出水期も適切な河川管理に努めたいと思います。

 

 

2.「防災システム稼働講習会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○平成24年6月7日(木)「国土交通省徳島河川国道事務所」において、防災システム稼働講習会を行いました。

 

○当日は、当事務所内各課、及び出張所の水防担当者20名が参加し出水時に必要な機器操作説明を受けました。

 

○その後、マルチビジョンシステム(大型画像装置)、洪水予報システム、洪水予報等作成システム(気象台との通信装置)、遠隔樋門操作システム等の操作訓練を行いました。

 

○本格的な出水期に向け迅速な対応が行えるよう水防担当者一同万全の備えを行っていきたいです。

 

 

3.「渡川水系横瀬川周辺の環境保全(植物編)勉強会及び意見交換会」を開催  (中筋川総合開発工事事務所)

 

○平成24年7月4日(水)に、中筋川総合開発工事事務所で「渡川水系横瀬川周辺の環境保全勉強会及び意見交換会」を開催しました。今回は植物をテーマにしました。

 

○講師に高知県立牧野植物園 企画広報課 小松加枝さん、研究・教育普及部 田邊由紀さんをお迎えして、牧野植物園の取り組みの紹介や参加者の質問に基づく回答、意見交換を行いました。牧野植物園の方をお迎えした勉強会は今回で2回目になります。

 

○意見交換会では、事前に事務所職員から寄せられた貴重種保全や外来種の扱い方、幡多地方の植物についての疑問・質問に、講師の方からご回答・助言をいただきました。活発な質疑応答がなされ、有意義な意見交換会になりました。

 

○また、当事務所で環境保全対策として実施している貴重植物の屋外実験の実演を行い、チシャノキ種子播種作業や水田表土の撒きだしを体験しました。

 

○この会を通じて、横瀬川周辺の環境について有用な知識を学ぶことができました。今後の環境保全の取り組みに反映し、事業の推進に役立てていきます。

 

 

4.「水生生物調査」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○平成24年7月4日(水)「美馬市穴吹町穴吹新橋上流の穴吹川河川敷」において、徳島河川国道事務所主催の水生生物調査を行いました。

 

○当日の参加者は、地元の穴吹小学校18人と阿波市吉野町の柿原小学校30名が参加して、穴吹川の水生生物を採取し、水質を調査しました。

 

○吉野川水系穴吹川は、平成7年から16年連続で水質四国一の川です。生息する水棲昆虫もカワゲラやカゲロウのようなきれいな水に棲む水棲昆虫が多数採取できました。

 

○また、試薬による水質検査も同時に行い、穴吹川の水質の良さを確認しました。

 

 

5.「ツルの自然体験学習会」を実施  (渡川水系(四万十川水系) 高知県)

 

○平成24年7月4日()四万十川・中筋川流域での「ツルの里づくり」の一環として、地元の子どもたち(四万十市立東中筋中学校、東中筋小学校児童生徒35名)がツルのえさ場づくりを体験しました。

 

○「四万十つるの里づくりの会」が主催するこの取り組みは、地域の学校と連携して平成18年度から実施されており、毎年恒例の行事となっています。

 

○この日、子どもたちは、流域に飛来する野鳥についての説明を受け、四万十市にはツル類をはじめ、ヘラサギやオオハシシギなど珍しい水鳥が飛来すること、また全国的に激減しているスズメやツバメもまだ見られることに触れ、さまざまな野鳥が多数飛来する当地の自然環境の豊かさを学びました。

 

○しかし、ツル類は毎年訪れるものの当地での越冬は平成20年以来確認されていない現状があり、えさの確保が課題となっています。そこで、ボランティアでモミ撒きや休耕田の再生を行っていることも説明を受けました。

 

○その後、中村河川国道事務所が整備した中山地区の湿地に移動し、小学生はモミ撒き、中学生は稲の苗植えを行いました。稲の苗植えは今回初めての試みでしたが、子どもたちに好評であり、田んぼや湿地の環境が「ツルの里づくり」にとって非常に重要であることを学びました。

 

 

 

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