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四国河川ニュース

6/16(土)〜6/22()555

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                                                                                                                                                              2012.6.25発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.219

    ○徳島県 穴吹川 総合流域防災事業(情報基盤)  徳島県西部総合県民局県土整備部副部長 伊藤 好美

    ○治水安全度の向上と自然環境との調和  徳島県美馬市長 牧田 久

 

○今週のニュース

    ○仁淀川・物部川・高知海岸水防連絡会を開催  (仁淀川水系、物部川水系 高知県)

    ○仁淀川・物部川水質汚濁防止協議会を開催  (仁淀川水系、物部川水系 高知県)

    ○吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会の開催  (吉野川水系 徳島県)

    ○吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会【下流部会】  (吉野川水系 徳島県)

    ○排水ポンプ車による実排水操作訓練を実施  (香川河川国道事務所、四国技術事務所)

    ○平成24年度 横瀬川ダム事業費等監理委員会を開催   (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.219

 

1.徳島県 穴吹川 総合流域防災事業(情報基盤)  徳島県西部総合県民局県土整備部副部長 伊藤 好美

 

○穴吹川は、剣山を源流とし美馬市を流れ吉野川へ注ぐ、流域面積約200km2、流路延長約42kmの一級河川です。穴吹川は、四国の一級河川の中で、16年連続で河川水質ランキング1位となっており、夏季を中心に県内外から多くの方が、デイキャンプなどで訪れております。

 

○しかし、近年、気候変動などにより、局地的集中豪雨(ゲリラ豪雨)が、全国各地で発生し、多くの被害が発生しております。これに加えて、穴吹川は、99%以上が山地であるという流域特性であるため、出水時には、河川の水位が短時間で急激に上昇する恐れがあります。そこで、穴吹川の中でも、利用者の多い河川敷に河川警報装置の設置を行いました。

 

○この装置は、穴吹川の流域で大雨または洪水の注意報、警報が発令されると、自動的に赤色回転灯とスピーカーで、河川敷利用者に注意を呼びかける装置です。また、看板を設置し、注意を促すとともに、QRコードを利用した徳島県ホームページの水位情報もお知らせしております。

 

○河川敷利用者の方には、これらの装置、看板を活用し、急な増水による水難事故防止に努めていただきたいと考えております。また、我々が、小学生を対象に行っている「河川環境学習〜川を学ぼう〜」をとおして、河川環境や水難事故に関する啓発活動に取り組んで参りたいと考えております。

 

 

2.治水安全度の向上と自然環境との調和  徳島県美馬市長 牧田 久

 

○美馬市は徳島県西部に位置し、四季折々の風情が美しい日本百名山に数えられる剣山をはじめ大滝山、竜王山などの山々や、日本三大河川の一つで四国三郎の異名を持つ「吉野川」そして、16年連続水質四国一の清流「穴吹川」など豊かな自然に囲まれた風光明媚なまちであります。

 

○また、古い商家のたたずむ「うだつの町並み」や歴史情緒あふれる「寺町」また、四国最大級の前方後円墳である段の塚穴などに象徴されるように、古来より県西部の政治経済の中心地として栄えてきました。

 

○剣山をはじめ吉野川、穴吹川は、普段は観光名所として、沢山の観光客を集め、私たちの心にいやしややすらぎを与えていますが、いざ出水時になると毎年のように河川の氾濫や地すべり、山腹崩壊が発生するなど地域住民にとって大きな脅威となっていました。

 

○特に穴吹地域は、昭和50年、昭和51年の台風において、土石流や大規模な地滑りが発生し、多数の家屋が流失、全壊するなど未曾有の大災害となりました。

 

○しかし、この災害を教訓に治水の重要性というものが改めて認識され、国や県のご配慮をいただき、市民の安全・安心を守るための砂防堰堤をはじめ渓流保全工、床固工、護岸工など砂防施設の整備やデイキャンプなどで利用者の多い河川敷に河川警報装置を設置するなど、穴吹川の治水安全度の向上が図られてきました。また現在進められている穴吹川総合流域防災事業では、生態系や景観に配慮した魚道整備等の治水事業を推進するなど、住民が親しみやすい自然環境との調和ある取り組みは、将来型の体験といやしが得られる観光地として大きな期待を寄せているところです。

 

○このほか、美馬市には「川を治めるにはまず山を治めるべし」我が国の近代砂防の祖と称されたオランダ人技術者ヨハネス・デ・レイケの「水害は河川流域の森林伐採による土砂の流出によって引き起こされる」という理念を基に明治20年頃に築堤されたデ・レイケの堰堤があり、その技術の確かさから現在でも大谷川の治水に寄与しています。

 

○最後になりましたが、誰もが住みたくなるまち『四国のまほろば美馬市』を目指し、これからも「共創・協働」を基本理念に市民一人ひとりが主体となったまちづくりを推進してまいりたいと考えておりますので、関係機関の皆さまにおかれましては、なお一層のご支援、ご協力を賜りますようお願いいたします。

 

 

今週のニュース

 

1.仁淀川・物部川・高知海岸水防連絡会を開催  (仁淀川水系、物部川水系 高知県)

 

○高知河川国道事務所では、水防月間活動の一環として平成24年5月25日(水)に「仁淀川・物部川・高知海岸水防連絡会」を開催いたしました。

 

○この連絡会は、仁淀川・物部川・高知海岸における水害を防止し、又は軽減するために水防に関する連絡、調整の円滑化を図ることを目的としています。 また連絡会を通じて国、県、市町村で行っている水防に関する取り組みついて情報提供を行うことで参加を促し、水防技術の向上、連携の強化を図っています。

 

○今年は総勢20名の関係職員に参加していただくことができました。

 

○連絡会では重要水防箇所の確認、水防資材の確認、災害対策支援について説明を行い、各機関との情報共有、お互いの出水に対する共通認識を持つ良い機会になりました。

 

 

2.仁淀川・物部川水質汚濁防止協議会を開催  (仁淀川水系、物部川水系 高知県)

 

○平成24年5月25日(水)に、事務所会議室において仁淀川、物部川の水質汚濁防止連絡協議会を開催しました。

 

○この協議会は仁淀川流域においては、高知県、愛媛県、高知市、土佐市、いの町、仁淀川町、佐川町、越知町、久万高原町、日高村、大渡ダム管理所、高知河川国道事務所により組織しており、物部川流域は、高知県、南国市、香美市、香南市、高知河川国道事務所により組織しています。

 

○協議会では規約の確認後、水質事故発生時の対応連絡体制、緊急資材の保有状況などについて、事務局からの提案を基に討議されました。また、平成23年度水質測定結果や、平成23年4月以降の水質事故について報告しました。

 

○本協議会においては、仁淀川水系、物部川水系における水質事故発生時における迅速かつ的確な情報連絡や、関係機関相互の連携協力体制などについて再確認することができました。

 

 

3.吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会の開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○平成24年6月11日(月)に、徳島河川国道事務所において、吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会が開催されました。

 

○会議には国や県、流域の市町、水資源機構の担当者51名が出席し、吉野川流域でのホテイアオイ等の水草対策について、連絡体制の確認や各機関の取り組みに対する情報交換等が行われました。

 

○旧吉野川、今切川では平成20年に大量の水草が発生し、その対処に大変な労力を費やしましたが、近年はその経験を元に早期発見・早期除去に努めており大量発生を未然に防いでいます。

 

○会議では、参加者より昨年度の取り組み状況及び今年度対応予定の報告のほか、昨年度の取り組みの一つとして、水草に係る処理や活用方法について、四国地方整備局四国技術事務所で検討された「水草の異常繁殖対策」の検討結果が紹介されました。

 

○水草は水温などの環境条件によって、夏場に大量発生する場合があり、今年も繁殖シーズンを迎えることとなりますが、早期発見・早期除去に努め水草の大量発生を未然に防いでいきたいと考えています。

 

 

4.吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会【下流部会】  (吉野川水系 徳島県)

 

○平成24年6月11日(月)に、徳島河川国道事務所において、吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会【下流部会】が開催されました。

 

○本会は、吉野川水系の「徳島県、香川県、関係市町村(六市九町一村)、水資源機構」の29名の委員で構成され、緊急時の連絡体制の整備、水質資料情報等の交換、水質汚濁防止対策の推進等を目的に毎年1回程度開催されているものです。

 

○会議では、「水質事故の連絡体制」や「水質事故等対応様式」について確認し、昨年度の水質事故発生状況及び各関係機関の水質保全に関する取り組み状況について報告し、意見交換を行いました。

 

○吉野川水系における水質事故発生時における迅速で的確な情報連絡や、関係機関相互の連携・協力体制等について、質疑応答など活発な意見が交わされ、有意義な会議となりました。今後も、水質汚濁防止に向けて関係機関と連携を図っていく所存です。

 

 

5.排水ポンプ車による実排水操作訓練を実施  (香川河川国道事務所、四国技術事務所)

 

○平成24年6月14日(木)に、高松市東植田町の公渕(きんぶち)池において「排水ポンプ車操作訓練」を実施しました。

 

○訓練は、香川河川国道事務所及び四国技術事務所保有の排水ポンプ車(30m3/min 軽量水中ポンプ式)2台を使用し、整備局職員、作業を担当する建設業者など総勢60名が参加しました。

 

○今回の訓練では、初めて排水ポンプ車を操作する建設業者の方も多く、整備局職員の指導のもと、操作手順や設置作業のノウハウを習得すべく、熱心に取り組んでいただきました。

 

○また、訓練会場には池の管理者である四箇池土地改良区の方々や地元住民の方々が訓練状況を熱心に見学されておりました。

 

○梅雨入り後の本格的な出水期を迎え、いざというときには訓練の成果が十分に発揮できるものと考えております。

 

 

6.平成24年度 横瀬川ダム事業費等監理委員会を開催   (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○平成24年6月15日(金)、中筋川総合開発工事事務所会議室において、「横瀬川ダム事業費等監理委員会」を開催しました。(大年委員長:高知大学教授、那須委員:高知工科大学学科長、石井委員:高知県土木部長)

 

○本委員会は、横瀬川ダム建設事業における適切な事業執行の観点から、コスト縮減策やその実施状況、事業執行等について、意見・提言を行うことを目的としています。

 

○委員会では、「現在のおかれている状況の中で周辺環境に対応しつつ、コスト縮減にも取り組まれており、適切に執行されている。今後はダム検証をできるだけ早く進めることを期待する。」とのご意見を頂きました。

 

○頂いたご意見を踏まえ、今後、より一層のコスト縮減に努めるとともに、引き続きダム検証を進めていきます。

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 建設専門官  柳 忠和

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(柳) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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