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四国河川ニュース
《5/26(土)〜6/1(金)》552号
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【2012.6.4発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.217
○愛媛県 久万川の鉄道橋・道路橋緊急対策事業 愛媛県中予地方局建設部長 真田 憲高
○傍示川と坊っちゃんスタジアム〜オールスターゲームagain〜 愛媛県松山市長 野志 克仁
○今週のニュース
○「波介川河口導流事業通水式」の開催 (高知河川国道事務所)
○平成24年度 徳島南部災害情報協議会(幹事会)の開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○平成24年度 那賀川水防技術講習会を開催 (那賀川水系 徳島県)
○「大渡ダム操作訓練」を実施 (大渡ダム管理所)
○「平成24年度 排水ポンプ車操作訓練」を実施 (高知河川国道事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.217
1.愛媛県 久万川の鉄道橋・道路橋緊急対策事業 愛媛県中予地方局建設部長 真田 憲高
○二級河川大川の支川である久万川は、愛媛県松山市衣山に源を発し、伊予灘に注ぐ延長5.65km、流域面積7.8km2の中小河川であり、平坦地を流れるため、河床勾配が緩くその線形は蛇行しています。
○久万川では昭和18年の集中豪雨による被害(床上浸水20戸、床下浸水500戸、浸水面積43.0ha)を始め、浸水被害が度々発生しています。これらの浸水被害の解消を目的として、愛媛県では、昭和52年度から現在まで国庫補助事業の広域河川改修事業を活用し、河口から支川新の3.28km間の整備を行っています。
○しかしながら、流域内は宅地開発が進み、それに伴う雨水川との合流点まで貯留機能の減少による河川への流入量が増大することにより、同じ降雨でも思わぬ出水となることも少なくない状況となっており、近年各地で頻発しているゲリラ豪雨による浸水被害の発生も懸念されています。
○特に流下能力が著しく不足している河口から約1.8km上流にある鉄道橋(予讃線伊予和気・三津浜間久万川橋りょう) 付近については、平成19年度から国庫補助の鉄道橋・道路橋緊急対策事業を活用して鉄道橋を架け替えすることにより、流下に支障となっている橋脚等の撤去を行い、流下に必要な断面を確保しました。
○なお、工事に当っては、列車運行に支障がないよう、既設線路の横に新たに線路を造る別線方式を採用し、トラブルを生じることもなく、円滑な事業推進ができました。
○これにより、治水上最大のネックとなっていた区間が解消されたことから、浸水被害が軽減されるものと期待されております。
○今後、広域河川改修事業の整備を引き続き進め、地域の安全・安心な暮らしの確保と地域の発展のため、早期完成を図って参ります。
2.傍示川と坊っちゃんスタジアム〜オールスターゲームagain〜 愛媛県松山市長 野志 克仁
○『心をひとつに。力をひとつに。』今年のプロ野球オールスターゲームのテーマです。日本中のスポーツファンの「夢の球宴」として、また、被災地に長く心を寄せ、被災者の方々とともに復興への道を歩む野球界の思いを表現しています。
○その第2戦が改装された松山・坊っちゃんスタジアムで7月21日に開催されます。22万人の署名を通じて市民の皆さんの熱烈な気持ちを受け止めていただいた前回から10年、再び松山で開催されることを喜ばしく思うと同時に、野球王国の名に恥じないよう、皆様と一緒になって、この素晴らしいイベントを成功に導きたいと思っています。
○さて、そのスタジアムのある松山中央公園の中を東西に流れる川が一級河川重信川水系傍示川です。この傍示川は松山市南部の石手川と重信川に挟まれた地域に位置し、近年の急速な都市化に伴い浸水被害が増大しているため、松山市が昭和61年に準用河川に指定し、国の補助事業で浸水被害を解消すべく改修を進めてきております。現在、延長1,955mのうち1,700mが改修済であり、市民の皆様が「誇れる」まちの安全・安心で笑顔になれるよう災害に強いまちを目指し、今後も継続的に事業を実施してまいります。
○中央公園内の河川計画は、公園計画に合わせて策定しました。護岸は、自然素材の中で最も堅固で重く、自然景観の中に溶け込みやすい自然石(1.0t内外)を使った巨石積(張)護岸や緑化ブロック護岸とし、その上部は張芝を施し、水生昆虫や水際に住む小動物にとって良好な生息空間となるよう緑豊かな河川環境の創造に努めるとともに、既存の水路で使われていた自然石も護岸の一部として再利用し、コスト縮減を図りました。また、済美平成中等教育学校の生徒さんが、最近行った調査によりますと、坊っちゃんスタジアムの北側の植物群落周辺でドジョウ、スジエビ、メダカなどが確認されているとともに、上流未改修のコンクリート護岸に比べると水質が良かったという結果が出ています。この結果からみて、松山中央公園整備事業の当初の目的の1つであった「緑の拠点を創出し都市環境機能を充実させる」ことに少しずつ貢献できていると思っています。
○前回のオールスターゲームは、4対2でオールパシフィックが勝ちました。今年はどうでしょうか。今から楽しみです。皆様のご来場を心からお待ち申し上げます。
今週のニュース
1.「波介川河口導流事業通水式」の開催 (高知河川国道事務所)
○高知県土佐市の市街地周辺の浸水対策として整備を進めてきた波介川河口導流路の完成を迎え、5月19日(土)土佐市新居緑地公園において、約200人の出席のもと通水式を開催しました。
○式典では、川*四国地方整備局長の式辞から始まり、佐藤国土交通省技監の挨拶、その後尾*高知県知事や地元選出の国会議員4名による祝辞を賜りました。さらに、野仲高知河川国道事務所長の工事経過報告の後、波介川潮止堰の通水ボタン操作や地元小学生の皆さんにも参加頂いたくす玉開披を行い、最後に地元代表の板原土佐市長から謝辞の言葉を頂きました。
※ *は、「崎」の右上部を「大」に代えて「立」とする文字です。
○式典後は、同会場で土佐市主催のセレモニーが行われ、土佐市光の村の皆さんによる太鼓演奏や記念碑除幕、もち投げが開催され、地元の方々など多くの方々に参加を頂きました。
○この波介川河口導流路の完成により、災害に強い街づくりが進められ、地域の生活基盤の安定と、良好な生活環境の確保に大いに貢献するものと確信しております。
2.平成24年度 徳島南部災害情報協議会(幹事会)の開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○平成24年度徳島南部災害情報協議会(幹事会)が、5月22日(火)に那賀川河川事務所別館会議室で開催されました。
○構成機関は、徳島県南の1市4町(阿南市、那賀町、美波町、牟岐町、海陽町)、徳島県、徳島地方気象台、徳島河川国道事務所、小松島港湾・空港整備事務所、那賀川河川事務所の10機関でした。また、オブザーバーとして陸上自衛隊、四国地方整備局からの参加もあり合計23名の出席を得て開催しました。
○議事内容は下記のとおりです。
1.各市町から防災の取り組み状況と、防災情報の広報の取り組み状況について報告
2.各機関から、防災に関する情報提供
○意見交換では、東南海・南海地震津波対策としての話題が多く関係機関の施設の耐震化の状況、避難路・避難施設・備蓄資材等の整備、情報伝達のあり方などが話し合われ、関係機関との情報共有が十分に図られたと感じました。
○日頃から各機関の方々との情報交換を密に行い、気軽に情報交換し合うことができるように、今後も連携を深めていきたいと思います。
3.平成24年度那賀川水防技術講習会を開催 (那賀川水系 徳島県)
○5月27日(日)に、徳島県阿南市富岡地先(桑野川右岸5k/6付近)の桑野川防災ステーションにおいて、本格的な出水期を迎えるにあたり、水防に必要な知識及び技能の修得のため、水防指導職員、防災エキスパートの指導のもと、徳島県、阿南市消防署、阿南市消防団(富岡分団、見能林分団、中野島分団)、河川災害応急復旧協定締結業者など総勢107名が参加して「平成24年度那賀川水防技術講習会」を開催しました。
○講習会では、水防に関する基礎知識、水防工法の基礎技術であるロープワーク及び土のうづくりを参加者全員で体験しました。また、水防工法体験では、那賀川において使われる可能性の高い水防工法「月の輪工」、「シート張り工」、「改良積土のう工」の工法について、手順を一つ一つ確認しながら各班に分かれて実施しました。
○那賀川河川事務所では、出水時における水防活動が円滑に実施されるよう、水防団員等の水防技術の向上及び伝承を図り、地域の防災力向上に努めていきたいと思います。
4.「大渡ダム操作訓練」を実施 (大渡ダム管理所)
○大渡ダムでは、台風等の出水期を迎えるに当たり職員の意識や知識レベルの向上を目指し組織全体のスキルアップを図ることを目的に、5月29日(木)に管理所全職員を対象に「大渡ダム操作訓練」を実施しました。
○当ダムは、仁淀川河口より66km地点に位置し、集水面積約690km2の多目的ダムです。大渡ダムの洪水貯留操作(洪水調節)は、ダム流入量が2100m3/sを越えてから一定率一定量で行います。
○昨年度の台風15号の際には、平成19年以来4年ぶりに洪水貯留操作(洪水調節)を実施しました。近年では年に何回も洪水貯留操作(洪水調節)を実施するようなことはありませんでしたが、平成16年度のように年間5回もの洪水貯留操作(洪水調節)を実施した例もあり、職員一同で毎年訓練を実施しているところです。
○今年度の訓練ではダムコンの訓練装置を使用し、貯水位維持操作から特例操作(ただし書き操作)までの一連を経験するため、計画規模を超える水文データを用いて実施しました。
○訓練装置でダム諸量の数値が大きくなるにつれ、出水時の危機感を擬似体験できました。例えば、10分毎のゲート操作時において、ゲート開閉操作の一連に想像以上の時間がかかり、シミュレーションの波形どおりの操作が難しいものであることを実感しました。つまり、状況に応じた一瞬の判断がいかに重要で、適切なものでなくてはならないかを再確認することができました。
○これから出水期を迎えますが、万全の体制でダム管理を実施していきたいと考えております。
5.「平成24年度 排水ポンプ車操作訓練」を実施 (高知河川国道事務所)
○平成24年5月31日(木)に、高知県高知市春野町仁西地先の仁淀川左岸高水敷において、排水ポンプ車の操作訓練を実施しました。
○現在、高知河川国道事務所では150m3 /min×1台、60m3 /min×1台、30m3 /min×4台の計6台の排水ポンプ車を保有しており、全てのポンプ車にて操作訓練を実施しました。
○当日の訓練には、実際に操作を行う委託業者および自治体等の関係機関を含めて約60名の参加がありました。
○訓練では、作業員が1つ1つの作業を確実に行うとともに、排水ポンプ車の状態が万全の確認をしました。また、排水ポンプ車付き連絡員(職員)は、クレーン車と排水ポンプ車の位置関係や、現場での設置位置を想定に入れながら見学を行いました。
○これから出水期を迎えるにあたり、防災関係者一同万全の備えを整えて臨みたいと考えています。
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