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四国河川ニュース

4/7(土)〜4/13()546

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2012.4.16発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.215

    ○高知県萩谷川中部圏域総合流域防災事業  高知県中央西土木事務所長  永野 善清

    ○漁港背後地集落(宇佐地区)における萩谷川整備と防災対策  土佐市長 板原 啓文

 

○今週のニュース

    ○「重信川自然再生・保全プロジェクト」(第1回自然観察しながら泉を清掃しよう)を開催 (重信川水系 愛媛県)

    ○「那賀川源流碑開き」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.215

 

1.高知県萩谷川中部圏域総合流域防災事業  高知県中央西土木事務所長  永野 善清

 

○ 萩谷川は、高知県中央部に位置する土佐市南東部の土佐湾に面した宇佐地区を石亀地先山地から南東に向かって流れ、途中宇佐市街地手前で二級河川新町川へ分流し、分流後、西に向きを変え、宇佐町福原で浦ノ内湾へ注いでいる二級河川であり、その規模は、河川延長2.6km、流域面積2.43km2となっています。

 

○ これまでに宇佐地区では、昭和45年台風10号災害により床上浸水793戸、床下浸水335戸を記録し、近年でも平成10年9月に床上浸水151戸、床下浸水290戸、平成13年5月には、床上浸水4戸、床下浸水18戸を記録するなど浸水被害が頻発しています。

 

○ このため、昭和45年の台風10号に伴う高潮と浸水被害を契機に、高潮対策事業並びに災害関連事業として河口の防潮水門及び下流部の河道改修を行い、さらに、平成16年度からは床上浸水対策特別緊急事業及び総合流域防災事業の採択を受け、萩谷川本川の未改修区間1487mと派川新町川310mを併せた1797m区間の河道拡幅及び河床掘削を実施しています。

 

○ この事業の完成により、流下能力が改善され、平成10年9月豪雨での床上浸水被害が解消される規模となることから、地元住民からは早期完成が望まれております。

 

○ 平成23年度事業をもって、河道拡幅、掘削工事は完了となり、出水期を控え、治水効果の発現が期待されます。

 

 

2.漁港背後地集落(宇佐地区)における萩谷川整備と防災対策  土佐市長 板原 啓文

 

■流域の概要

○ 土佐市は、高知県のほぼ中央部に位置し、日本一の清流仁淀川河口に広がるまちで、東に高知市、西に須崎市、北にいの町、日高村、佐川町と隣接しています。そして南は黒潮洗う太平洋に面したまちです。市域は東西16キロ、南北12キロで面積は91.59平方キロメートルで、地形は、平野、山、海と起伏に富んでいますが、殊に横浪半島の五色ノ浜の海岸には、四万十帯とよばれる海洋プレートの地層が、プレートが沈み込む際の付加作用で混じり合ったメランジュと呼ばれる地層になって分布しています。この地層は世界に先駆けて陸上で初めて証明され、平成23年2月7日に「五色ノ浜の横浪メランジュ」として国の天然記念物に指定されるなど横浪三里の景観は美しく、また、ジョン万出漁の地で知られる宇佐地区は県内屈指のマリンスポーツやホエールウォッチングなどレクリエーションの場として親しまれています。

 

○ さらに温暖な気候と豊かな自然の恩恵を受けた多角的近代農業のほか、仁淀川の伏流水を活用した製紙工業や、沿岸漁業、水産物加工など多彩な産業で成り立っています。特に宇佐地区は、近海マグロ延縄、かつおの一本釣り漁業等の拠点であります。土佐節という鰹節発祥地でもある宇佐町は、多くの種類の鰹節やウルメの干し物等を生産する加工場が多く立地しています。

 

○ また、土佐市西部、戸波地区は土佐文旦発祥地であり、山の斜面を利用した文旦作りが盛んで県内外への出荷等を行っています。

 

■治水事業の概要

○ 宇佐地区の中央部を流れる萩谷川は、下流低平地部の河床勾配が緩いことから、これまでに台風など集中豪雨と高潮により頻繁に家屋等への浸水被害を受けてきました。地区住民からの早期改修の声が高まるなか、平成16年度から国土交通省の深いご理解を賜り、高知県営で「萩谷川床上浸水対策特別緊急事業」による念願の河川整備に取り組んで頂き、平成23年度事業をもって概ね完成する事となりました。また、この事業と併せて今後想定される南海地震時の津波による避難経路として活用が期待される、漁業集落環境整備事業の集落道等と河川改修を一連で整備して頂き大変感謝しております。当区間の完成を受け、宇佐漁港背後集落の住民におきましては、地震による津波発生時の避難経路としての活用のみでなく、消防車や救急車等緊急車両通行の困難箇所の解消にも繋がると共に様々な利便性向上を図ることができると考えています。

 

○ 現在、市におきましては、平成23年3月11日の東日本大震災の現状を目の当たりにしたうえで、地域住民が津波から命を守るための施設整備の重要性が再認識されたところであります。今後は、地域住民と共に防災意識を高め、ソフト・ハード両面の対策を早急に進め、避難対策を充実していきつつ流域全体のさらなる治水安全の向上を図り、安全で安心して暮らせるまちづくりを目指していきます。

 

○ つきましては、国土交通省・高知県をはじめ関係機関の皆様方の、さらなるご指導、ご協力のほどよろしくお願い致します。

 

 

 

今週のニュース

 

3.「重信川自然再生・保全プロジェクト」(第1回自然観察しながら泉を清掃しよう)を開催  (重信川水系 愛媛県)

 

○ 4月14日(土)に、「重信川の自然再生・保全プロジェクト実行委員会」が主催、「重信川の自然をはぐくむ会」も協力し「第1回 自然観察しながら泉を清掃しよう」が行われました。

 

○ 水をきれいにする会武井代表の進行により、再生された重信川松原泉及び重信川周辺にある夫婦泉、一番泉をめぐりながら、ゴミを拾い、自然観察を行うもので、地域住民等約100名の参加により実施されました。

 

○ 武井代表が説明しながら泉やその周辺をめぐり、生息・生育する植物や鳥類などを観察しながら、レッドデータブックに掲載された重要種や外来生物をチェックリストで確認しました。

 

○ 参加者からは、「今まで知らなかった動植物の観察ができて良かった」、「外来種の多さに驚いた」などの感想が聞かれました。

 

○ 参加者が集めたゴミは、燃えるゴミ(紙、ペットボトル、プラスチックトレーなど)20袋、燃えないゴミ(缶、ビン、金属など)2袋、粗大ゴミ(かさ、バイクのマフラー、自転車のタイヤなど)2袋が収集され、公園内は比較的きれいなものの、樹木の影や、河川の中から多くのゴミが集められました。また、公園に犬のフンが多いことにも驚かされました。

 

○ 今回のイベントに続き、5月12日(土)9:00〜11:30に松山東雲短期大学松井教授(植物学)の指導により、「第2回 外来種について学び、美しい泉のある重信川を取り戻そう」が、6月2日(土)9:00〜11:30に俳句集団いつき組組長、夏井いつきさんの進行による「第3回 句会ライブ!」が実施されます。参加を希望される方は以下ホームページ(41愛媛)をクリック! http://aquafes.jp/top/

 

 ※「重信川の自然をはぐくむ会」:環境悪化が進む重信川の保全・再生を目指し、地域の大学、学生、NPO、行政の協力・連携を図るため平成15年1月に設立された団体。

 

 

4.「那賀川源流碑開き」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 平成24415()、剣山系ジロウギュウを望む徳島県那賀郡那賀町木頭北川付近において、「那賀川アフターフォーラム」主催、「ゆきかう那賀川推進会議」後援による「那賀川源流碑開き」が開催されました。

 

○ 当日は晴天に恵まれ、那賀川下流域の新野小学校や上流域の北川小学校、木頭中学校の児童・生徒など、約150名の参加がありました。

 

○ 「那賀川源流碑開き」では流域の安全を祈願し、源流碑及び源流モニュメント周辺の清掃活動、上下流域の子供たちによる「上下流交流会」、小学生による那賀川源流の水質調査などを行いました。

 

○ 「上下流交流会」では、当日居合わせていた中学校OBも飛び入りで参加するなど、和気藹々とした雰囲気でした。

 

○ 那賀川河川事務所では、今後とも地元の取り組みや上下流の連携・交流が促進されるよう、支援していきたいと思います。

 

 

 

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