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四国河川ニュース

2/11(土)〜2/17()538

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○四国・水こぼれ話談話室Vol.211

  ○高知県高岡郡津野町 白河瀬川通常砂防事業 「高知県で実施した『里山砂防』について」 高知県土木部防災砂防課長 加藤 仁志

  ○源流点の郷から 高知県 津野町長 池田 三男

 

○今週のニュース○

  ○「重信川フォーラム」、「重信川の自然をはぐくむ会総会」を開催 (重信川水系 愛媛県)

  ○「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

  ○河川の維持管理(土砂問題)に関する勉強会の開催 (四国地方整備局) 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.211

 

1.高知県高岡郡津野町 白河瀬川通常砂防事業 「高知県で実施した『里山砂防』について」 高知県土木部防災砂防課長 加藤 仁志 

 

○ 高知県高岡郡津野町の白河瀬川通常砂防事業におきまして、砂防堰堤工事とあわせて、森林整備の行き届いていない流域内に存在している、将来流出が予測される倒木や枯木などの「支障木」の除去や、その切株や切除木を利用した木柵を設置し、斜面を安定させることによって、表層土や倒木等の流出を削減し、土石流被害を軽減させるための砂防事業を実施しました。

 

○ 支障木を流域外へ搬出するのが流木対策には最良と思われますが、莫大なコストと労力と時間が必要となります。そこで、流域内の切株や支障木を有効利用した木柵を設置し、斜面を安定させることによる流出土砂の削減や、木柵の背後に、倒木や落下した枝葉を流出しないよう配置することによるコストや労力の削減、搬出する際に生じる産業廃棄物処分費の削減により、コストと労力などを削減した事業効果の早期発現ができたと思われます。また、整備後の現地調査では、下草植生範囲の拡大が確認でき、表層土の流出削減やCO2の削減にもつながっていると思います。

 

○ 間伐等の森林整備と一体となった砂防事業が進むことによって、中山間地域における林業事業の活性化、雇用促進、間伐材の流通、山林の健全な保全、良好で安定した水源の確保等を検討していき、地域の住民が、安全で安心できる生活空間を少しでも早く創出することを実現させていきたいと思います。

 

2.源流点の郷から 高知県 津野町長 池田 三男

 

○ 津野町は、東に新荘川、西には四万十川の清流が流れ両河川の源流点を擁す自然豊かな清流の郷であります。

 

○ なかでも、四万十川流域の景観や建造物及び暮らしや歴史文化が、平成21年2月に、流域の5市町がそろって国の重要文化的景観として指定を受けました。この「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川の最上流部の津野町では、景観や河川環境を守るため道路改良や農地整備等にコンクリ−トから石積工法や、自然巨石で自然護岸に配慮した工法を取り入れる一方で、水質浄 化対策では高度処理合併浄化槽を町営で推進しています。

 

○ 新荘川流域では、最近問題になっております葦が河原全域に広がり子供たちが水辺に親しむ機会が減少していることから、葦を撤去して本来の河原を取り戻す事業を推進し、河川環境の整備に努め、春から秋にかけ特に夏場にはたくさんの親子さんたちが訪れて水泳や水遊び、キャンプを楽しんでいます。

 

○ また、津野町全体面積のうち、林野が占める割合は89,5%であり、森林の荒廃による渓流の土砂の流出等の危険から、麓で暮らす住民の安全安心な生活を守るため治山や砂防工事を県に実施していただきながら、この森林の適正な整備を図る目的で、「環境先進企業との協働の森づくり事業」を進めるため、高知県と環境先進企業の3者で「龍馬の森パートナーズ協定」を結び、間伐の促進によるCO2吸収や協定森林を活用した体験型環境教育や研修活動を行い、森林の持つ多面的機能の発揮や水源涵養の保全にも努めています。

 

○ このような中、平成17年に河川の源流域に位置する自治体が、森林環境保全や源流の郷への国の特別支援対策を求めて、「全国源流の郷協議会」が設立されております。

 

○ この協議会では「全国源流サミット」が開催され、それぞれの町や村と情報交換を図り環境保全や暮らし歴史文化の保存発展に努めております。津野町も平成22年に正式加盟をしており、本年は津野町でこの「全国源流サミット」を10月に開催する運びとなっておりまして、全国に情報発信をすべく現在準備を進めています。

 

○ ぜひ皆様も源流の郷にお越しください、お待ちしております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.「重信川フォーラム」、「重信川の自然をはぐくむ会総会」を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

○ 2月10日(金)に、「第15回重信川フォーラム」と「第13回重信川の自然をはぐくむ会総会」を、愛媛大学内のメディアホールで開催しました。

 

○ 重信川フォーラムは、重信川の現状や自然保護・再生について考える機会を創出し、多くの住民の方に情報提供をすることや、参加者の意見を幅広く聞くと共に、相互交流や情報交換を通じてお互いのネットワークを構築し、重信川の自然再生に向けた活動の拡大・発展すべく、各分野の学識者、学生、行政が発表する会で、平成15年1月より年に数回開催しています。

 

○ 今回は、浮穴小学校児童によるホタルをとばす取り組み、伊予農高の生徒による重信川河口ヨシ原再生のモニタリング、重信川エコリーダーの取り組み、水をきれいにする会の武井代表による泉てくてくめぐり、重信川美化推進の会の武智代表による土木遺産マップの紹介に加え、松山東雲短期大学松井先生による、重信川の植物について破壊と攪乱が起こりながら安定を保っているお話し、水産研究センター清水先生による、重信川のドジョウも人為的な移入により遺伝子的に2つに別れているお話し、など幅広く発表いただきました。

 

○ 発表とともに意見交換も活発に行われ、都市部にありながら豊かな自然環境を残す重信川ですが、外来生物が多く生息・生育するなど、課題も多くあり、重信川の自然環境保全に向けた活動が必要であることが再認識されました。

 

○ フォーラム後に重信川の自然をはぐくむ会の総会が行われ、今年度の取り組みを振り返り、来年度も更なる活動に向けて関係者が連携して実施していくことを確認しました。

 

4.「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 2月11日(土)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で、「みんなで体験!〜竹を使おうDAY!〜」を開催致しました。

 

○ 石手川ダムの水源地域における「放置竹林」について、竹の有効活用の取り組みとして、竹林の間伐を行い、間伐した竹を使用して竹加工教室等により有効活用を行い、水源地域の自然環境の向上を目指すものです。

 

○ 今回の催しには、公募による松山市内等の親子連れら28名に参加して頂きました。

 

○ はじめに、竹の生長年数や切り出し方等の説明を受けて、5班に分かれて竹林の間伐作業を行いました。次に、切った竹を使った竹細工教室では竹のプランター・食器等を作成し、昼食には竹串を使い炭火で焼くツイストパン作りを行いました。最後に事前に作っておいた竹炭を炭窯から参加者で取り出し、持ち帰っていただきました。

 

○ 今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。

 

5.河川の維持管理(土砂問題)に関する勉強会の開催 (四国地方整備局)

 

○ 2月9日(木)〜10日(金)に、四国地方整備局、四国四県の職員120名が参加し、河川の維持管理(土砂問題)に関する勉強会を開催しました。

 

○ 1日目は、サンポートホール高松において、中央大学研究開発機構の福岡教授から「水面形の時間変化から、洪水時の河床変動、流砂量を推定する」 と題して基調講演がありました。講演後には福岡先生と聴講者との活発な質疑応答が繰り広げられました。また、高知高専の岡田准教授、香川高専の渡辺講師、徳島河川国道事務所からは、当勉強会で進めている研究の中間成果の報告があり、福岡先生より貴重なご意見を頂きました。

 

○ 2日目は、香川県内の2級河川新川、本津川、香東川の現地視察を行いました。

 

○ 四国地方整備局では、1日目、2日目を通して頂いた福岡教授からのご指導を踏まえ、今後も継続的に勉強会を開催することとしています。

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html