*******************************************
四国河川ニュース
《11/12(土)〜11/18(金)》525号
*******************************************
【2011.11.21発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.204
○香川県綾川(坂出市)の治水事業 『綾川広域河川改修事業』 香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄
○談話室「安全安心のまちづくり」 香川県坂出市長 綾 宏
○今週のニュース○
○平成23年度 第2回公益活動推進会議(松山河川施設管理部会)との合同巡視を実施 (重信川水系 愛媛県)
○平成23年度 柳瀬ダム維持工事 株式会社久保組 (吉野川ダム統合管理事務所 柳瀬ダム管理支所)
○平成23年度 仁淀川堤防維持工事 高陽開発(有) (仁淀川水系 高知河川国道事務所)
○平成23年度 長安口ダム堆砂除去(その1)工事 (株)東和 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.204
1.香川県綾川(坂出市)の治水事業 『綾川広域河川改修事業』 香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄
○ 綾川は、香川県中央部に位置しており、その源を竜王山に発し、綾川町を経て坂出市内を流れ、瀬戸内海に注ぐ流路延長約38km、流域面積約138kuの二級河川です。
○ その流域は、四国有数の工業地帯である番の州工業地帯を擁する坂出市をはじめとし、綾川町にわたり、社会・経済・文化の基盤をなすとともに、多様な自然環境を有しています。
○ 本水系においては、昭和初期より河川改修事業として河口から約8km間の築堤工事などを実施するほか、洪水調節及びかんがい用水補給のため昭和28年に長柄ダム、平成2年に支川田万川において田万ダムを整備しました。また、昭和41年には府中ダムが完成し、番の州工業地帯へ工業用水を供給しています。
○ これまでに綾川では、流下能力不足のため、度々台風などの大雨によって氾濫を繰り返し、浸水被害が発生してきました。特に香川県全域に甚大な浸水被害をもたらした平成16年台風23号出水では、綾川沿川の坂出市府中町等において425戸の浸水被害が発生しました。
○ このような現状において、概ね70年に1回程度発生する規模の洪水を安全に流下させることを目標として、昭和59年度から府中ダム下流の8.7km間を坂出工区として、河道掘削及び護岸整備を行っており、平成22年度末現在で河口から約7kmまでの間の整備が完了しています。
○ 坂出工区の特徴として、水辺の動植物の生息・生育環境の保全や周辺環境との調和に配慮しながら人と川とのふれあいの場が確保できるよう、自然石を用いた護岸や階段工など親水機能も向上させる整備を行っています。
○ 平成23年度は、取水堰を完了させるとともに、護岸整備や市道橋である綾坂橋の架け替えに向け、坂出市や地元関係者と協議を行っています。
○ 今後も環境に配慮しつつ、平成16年台風23号出水時に発生したような浸水被害を早期に軽減できるよう、綾川の河川改修に取り組み、災害に強い快適な郷土を目指します。
2.談話室「安全安心のまちづくり」 香川県坂出市長 綾 宏
○ 坂出市は、香川県のほぼ中央に位置し、東は史跡と眺望に恵まれた五色台を境に高松市に接し、西は聖通寺山を隔てて宇多津町に、南は讃岐富士と呼ばれる飯野山を境に丸亀市に接し、北は風光明媚な瀬戸内海国立公園を臨む面積92.46Ku、人口約5万5千人の市であります。
○ 古くは塩の町として栄えた本市も時代の変遷と共に、かつての塩田は工業用地、住宅地、農地へと変貌し、沿岸部の番の州地区には火力発電所、石油精製プラント、造船所等の企業が進出しており、昨年は四国最大のLNG基地が完成し運転を開始しました。また、中心市街地では予讃線坂出駅付近連続立体交差事業の完成に併せて、平成9年にスタートした坂出駅周辺整備主要プロジェクト事業による地下駐車場、高架側道、駅前広場、区画整理事業等が平成17年度に完成し、坂出駅を核とした中心市街地の再開発により四国の玄関都市としてふさわしい施設が出来上がりました。さらに平成21年4月には高松自動車道府中湖スマートICが本格運用し、利用者の利便性向上に寄与しています。
○ ところで、市域東部の平野部を南北に流れる綾川は竜王山に源を発し、途中府中ダムを経由し瀬戸内海に到る2級河川で普段はゆっくりと流れ、沿線の人々に貴重な親水空間を提供していますが、県下全域に未曽有の災害をもたらした平成16年の台風23号による異常降雨では様相は一変しました。台風の接近と共に河川水位は急速に上昇し、上流部での越流により400戸余りの家屋が浸水被害を被りました。また、坂出市全域に亘り家屋の損壊、土砂崩れ、道路の寸断等が発生し、その被害は非常に甚大なものとなりました。
○ 幸いにも人命被害はなかったものの、坂出市ではこれを貴重な教訓として異常気象時に住民が速やかに対応できるよう、浸水想定区域や指定避難場所を記載した洪水ハザードマップを作成しました。また、市民と行政の協働により地域の防災力を向上させるため、自主防災組織の結成促進に取り組んでいます。一方県におかれては、綾川の流下能力増強を図る河床整備工事が急ピッチで進められており、併せて橋脚10基を有する綾坂橋(昭和52年架設)の架け替えも計画されており、工事完成後は浸水被害が大幅に軽減されるとともに橋梁の安全性が確保されるものと期待しております。
○ 自然災害は避けて通ることが出来ないものであり、今後も地域住民と共に防災体制の構築に取組み、安全・安心が実感できる街づくりを実現してまいりたいと考えております。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.平成23年度 第2回公益活動推進会議(松山河川施設管理部会)との合同巡視を実施 (重信川水系 愛媛県)
○ 11月11日(金)に、重信川において「公益活動推進会議」(松山河川施設管理部会)と、松山河川国道事務所の河川担当職員等による、平成23年度第2回重信川合同河川巡視を実施しました。
○ 「公益活動推進会議」の松山河川・道路施設管理部会は、国土交通行政の各分野で培った豊富な実務経験を生かし、社会貢献出来るような活動(ボランティア活動)を行うために、平成22年に発足され、この設立を機に重信川合同河川巡視が始められました。
○ 今回の重信川合同河川巡視は、「公益活動推進会議」(松山河川施設管理部会)会員7名、松山河川国道事務所の河川担当職員等20名の計27名が参加し、職員等が日頃問題意識を持っている樋門及び低水護岸を重点に巡視を行いました。
○ 今回、参加頂いた「公益活動推進会議」(松山河川施設管理部会)会員の皆さんは、以下の方々です。
高橋徹馬部会長
岡田周三副部会長
上岡兼二事務局・副部会長
原田重信
濃野千秋
河野睦朗
中城康圓
○ 巡視中は、樋門や低水護岸の問題点などのご指摘をはじめ、改修時の工夫や河川管理の仕方についてわかりやすくご指導・ご助言頂きました。
○ 巡視後、今回の点検箇所について、部会員、職員等により活発な意見交換を行いました。会員の皆様にはこの場をお借りましてお礼申し上げます。
4.平成23年度 柳瀬ダム維持工事 株式会社久保組 (吉野川ダム統合管理事務所 柳瀬ダム管理支所)
○工事名 平成23年度 柳瀬ダム維持工事
○工期 平成23年4月1日〜平成24年3月31日
○受注者 株式会社 久保組
○工事場所 愛媛県四国中央市金砂町小川山地先〜寒川山地先
○工事概要
本工事は、柳瀬ダム管理区間において除草工、堆砂除去工、応急処理工、坂路舗装工を実施する工事です。
○現場の目標
今年は水位の高い状況が続いており、堆砂除去及び坂路舗装については第4四半期に作業が集中することとなります。特に堆砂除去については、工事の大部分を占めており、土砂運搬車の台数も増加し、山間部の工事であるため冬期には積雪も予想されますが、一般道路通行時など特に安全運転に留意するとともに法令を遵守し、無事故・無災害で工事を完了したいと考えています。
また、掘削した堆砂については、農業用客土や埋立造成事業への利用を計画しています。
5.平成23年度 仁淀川堤防維持工事 高陽開発(有) (仁淀川水系 高知河川国道事務所)
○工 事 名 平成23年度 仁淀川堤防維持工事
○工 期 平成23年4月1日〜平成24年3月31日
○請負業者 高陽開発 (有)
○工事場所 仁淀川:0k〜14.8k
波介川:仁淀川合流点〜4.2k
宇治川:仁淀川合流点〜3.2k
日下川:日下川放水路呑口
(高知県高知市、土佐市、いの町、日高村)
○工事概要
本工事は仁淀川の維持管理を目的として、堤防の除草、塵芥処理、河川巡視、応急処理等を行う工事です。
○現在の施工状況
現在、堤防除草(年2回)の2回目を、年内での除草完了をめざして実施中です。除草完了後は、出水後の堤防点検を仁淀川出張所、事務所職員で実施予定です。
○現場の取り組み
堤防除草で刈り取った草は、梱包機械でロール状にして現地に仮置きし、そのほとんどを希望する地元農家の方に持ち帰っていただき、処分費を削減しております。また、今年は台風が多く発生したことから、仁淀川においても大量の流木、塵芥が発生しました。その処理については、高知県とも協力し適切に処理をしたところです。
過去に宇治川で大量に発生したホテイアオイについては、上流区間の管理者である高知県と協力し、上流区間で発生を抑制しているため、今年度は直轄管理区間ではまだ発生しておりません。今後も引き続き関係者と協力し対策を講じていきたいと思います。
6.平成23年度 長安口ダム堆砂除去(その1)工事 (株)東和 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○工事名 :平成23年度 長安口ダム堆砂除去(その1)工事
○工 期 :平成23年6月30日〜平成23年12月23日
○請負業者名 :(株)東和
○工事場所 :徳島県那賀郡那賀町十二社地先
○工事概要
本工事は、長安口ダムの貯水池容量を確保するため、ダムより約6.5km上流に位置する十二社地先に堆積した土砂を搬出する工事である。
○現在の進捗状況
現在の工事進捗状況は11月末で完成間近となっています。
○現場の取り組み
本工事は、まさに出水期間中の河川内工事であり今年の9月は度重なる出水に見舞われるといった悪条件での施工でした。また、土砂搬出に関しては工事の最盛期には10tダンプが25台/日となりましたが、主要な県道193号などでの交通法規の遵守はもとより過積載防止、地元車優先を徹底させ搬出に努めました。
残り少ない工期でありますが、無事故無災害で工事完成を向かえたいと考えています。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 藤田 博史
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
──────────────────────────────────────────
四国地方整備局 ホームページURL(河川)
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html
四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html