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四国河川ニュース

11/5(土)〜11/11()524

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2011.11.14発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.203

  ○徳島県 つゆ谷 通常砂防事業 徳島県西部総合県民局 県土整備部長 元木 幸男 

  ○安全・安心な福祉のまちづくり 徳島県三好市長 俵 徹太郎

 

○今週のニュース○

  ○中筋川ダム見学会を開催 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

  ○富岡東中学校で出前講座「みんなの桑野川」を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

  ○平成23年度 第2回公益活動推進会議(香川河川施設管理部会)との合同巡視を実施 (土器川水系 香川県)

  ○平成22−25年度 鹿野川ダム工事用構台設置工事 清水建設株式会社 (山鳥坂ダム工事事務所)

  ○平成23年度 大渡ダム主放流設備整備外工事 株式会社IHIインフラ建設 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

  ○平成22−23年度 大和橋下部第2工事 (株)ノバック (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.203

 

1.徳島県 つゆ谷 通常砂防事業 徳島県西部総合県民局 県土整備部長 元木 幸男 

 

■事業概要

○ 吉野川水系つゆ谷は、三好市井川町の大佐古地区に位置する土石流危険渓流Tです。当流域内には、災害時要援護者施設である、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、在宅介護支援センター、さらに緊急輸送路である国道192号、JR徳島線があります。近年、上流部の荒廃が著しく、出水時には、渓床堆積物の流下や突発的な山腹崩壊による土石流等により、流域内のこれらの重要施設や人家に甚大な被害を及ぼす恐れがありました。

 

○ このため、平成21年度より通常砂防事業による整備に着手し、これまでに、下流堰堤を完成させ、現在、上流堰堤において本堤工のコンクリート打設の進捗を図っているところです。

 

○ 平成21年7月に発生した、山口県防府市の老人福祉施設が被災した土砂災害を受け、本県では災害時要援護者関連施設に係る土砂災害対策を推進することとしており、砂防堰堤等の施設整備を実施するとともに、土砂災害警戒区域等の指定による危険箇所の明示及び警戒避難体制の整備を促進するなど、ハード・ソフト一体となって重点的な土砂災害対策に取り組んでまいります。

 

■事業内容

 砂防堰堤2基

 上流部(透過型H=14.5m L=54.5m) 

 下流部(H=5.0m L=18.4m

 

■事業期間

 平成21年度〜平成25年度(予定)

 

2.安全・安心な福祉のまちづくり 徳島県三好市長 俵 徹太郎

 

○ 三好市は、平成18年3月、三野町、池田町、山城町、井川町、西祖谷山村、東祖谷山村が合併し、721.48平方キロメートルという四国一広大な面積を有する自治体として誕生しました。四国のほぼ中央に位置し、古くからこの地域は交通の要衝として、また、県西部での社会、経済、文化、観光の中心として発展してきました。

 

○ 本市には、大歩危峡や黒沢湿原、紅葉の名所・竜ヶ岳、四国第二の高峰・剣山、スキー場のある腕山といった豊かな自然や、四国霊場第66番札所・雲辺寺、平家落人伝説の残る祖谷のかずら橋など歴史的文化遺産があります。

 

○ 人口は、約3.1万人で、18歳以下が約13%、65歳以上が約37%と少子高齢化が進んでおり、山間部においては、限界集落も増えつつあります。

 

○ つゆ谷のある井川町大佐古地区は、吉野川の清流・美濃田の渕と阿讃の山々を展望する閑静な高台にあり、特別養護老人ホームみのだ苑、デイサービスセンター、養護老人ホーム敬寿荘、等の施設があり、高齢者の「ふくしの里」となっています。

 

○ しかし、平成16年10月の台風23号の豪雨により、当施設上流のつゆ谷から大量の土砂が流出し、国道192号が一時通行止めとなるなどの被害が発生したことから、施設の入所者や周辺住民が、自主避難を余儀なくされました。緊急避難により人的被害は免れましたが、その後も、台風シーズンを迎えると、大雨のたびに不安な日々を送っておりました。

 

○ その後、徳島県により平成21年度から通常砂防事業による整備に着手していただきました。現在、つゆ谷の砂防事業は着実に進捗しており、周辺住民も一日も早い完成を願っております。

 

○ 事業の実施にあたりご尽力いただきました各関係機関の方々にお礼を申し上げますとともに三好市井川町地域の福祉の拠点である当地区の安全・安心の向上のため、今後ともご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.中筋川ダム見学会を開催 (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○ 中筋川ダムでは10月18日(火)に、宿毛工業高校建設科土木専攻の2年生(6名)を対象にダム見学会を実施しました。

 

○ 中筋川ダムの働きや諸元等の説明のあと、ダム操作室にて遠方操作卓やマルチビジョン等、ダム堤内にて放流施設、計測機器等を見学してもらいました。

 

○ 土木専攻ということもあり、学生達は担当者の説明を熱心に聞いていました。質問の中には、ダム施設へのもののほかに、仕事の内容ややりがいなどに関するものもあり、国土交通省の仕事内容にも興味を持っているようでした。

 

○ その後は管理所の展示施設内でダム建設のビデオを見てもらい、ダム建設について理解を深めてもらいました。その中でも、ダムのコンクリートの粗骨材の大きさ(150mm)には驚いていました。

 

○ また、10月21日(金)には、近隣3市(宿毛市、四万十市、土佐清水市)の幼稚園児(75名)がダム見学にきてくれました。

 

○ 3幼稚園合同ということで、初めて逢う他園のお友達との挨拶を済ませたのちに、ダムの働きや大きさについての説明をさせてもらいました。その後、3幼稚園混合のグループに分かれてダム探検をしてもらいました。

 

○ 園児達はダムの中が寒いことや電気を消すと真っ暗なことに驚いていました。

 

○ 当日はあいにくの悪天候で、ダム直下の見上げ橋から大迫力の中筋川ダムを見てもらえなかったのは残念でしたが、資料室にあるダム模型の前で記念撮影をしてもらいました。

 

○ また、今回初めてダム職員が小さな虫かごを使って手作りしたダム模型に、ジョウロで雨を降らせる洪水調節の実演を実施しました。実演には園児達も興味津々で、順番に雨を降らせて洪水調節を楽しんでもらいました。

 

4.富岡東中学校で出前講座「みんなの桑野川」を開催 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○ 那賀川河川事務所は、10月31日(月)に徳島県立富岡東中学校(阿南市領家町)の1年生32名を対象に、出前講座「みんなの桑野川」を開催しました。

 

○ 今回の出前講座は、富岡東中学校1年生の「総合的な学習の時間」を活用して「桑野川の工事と環境について」と題し講義を行いました。講義中、桑野川に関する素朴な質問が飛び交い、わかりやすい言葉で説明する難しさを痛感させられました。

 

○ 最初の1時間で、パワーポイントを使った講義を行い、後半の1時間で質問コーナーを開設し、班毎に個別質問を受け付けました。3〜4人の班に分けられた生徒たちは、真剣な眼差しで様々な質問を用意しており、回答者もたじたじでした。

 

○ 那賀川河川事務所からの説明内容については、以下のとおりです。

 (1)四国地方整備局のしごとについて

 (2)むかしの那賀川について

 (3)桑野川の洪水について

 (4)桑野川の工事について

 (5)那賀川・桑野川の生き物について

 (6)桑野川の環境整備について etc・・・・

 

○ 質問コーナーでは、「防災工事と自然環境を守る事の両立について」、「堤防により環境が悪くなった点」、「河川の過去・現在・未来の姿を知りたい」等の質問があり、問題を生徒たちと一緒に考え、必要なデータの調べ方などを紹介し自分たちで考えるためのお手助けをしました。

 

○ その後、11月2日(水)に那賀川河川事務所で、もう一度質問コーナーを設置したところ24人の生徒たちが事務所に訪れ、班別討論で疑問に思ったところを再確認していました。

 

○ 多くの生徒たちが講義を熱心に受講し、疑問を持った事で、以前に比べて河川についての理解が深まったと思います。今後も、将来をになう子どもたちに、今ある那賀川の環境について理解を深めてもらえるよう、引き続きこのような環境学習の場を提供していきたいと考えております。

 

5.平成23年度 第2回公益活動推進会議(香川河川施設管理部会)との合同巡視を実施 (土器川水系 香川県)

 

○ 11月7日(月)に、土器川において「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)と、香川河川国道事務所の河川担当職員等による、平成23年度第2回土器川合同河川巡視を実施しました。

 

○ 「公益活動推進会議」は、国土交通行政の各分野で培った豊富な実務経験を生かし、社会貢献出来るような活動(ボランティア活動)を行うために、平成18年に設立されました。設立以降、平成18年に1回の土器川合同河川巡視を行い、平成19年からは毎年2回行っています。

 

○ 今回の土器川合同河川巡視は、「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)会員15名、香川事務所の河川担当職員等14名の計29名が参加し、土器川上流部を3班に分かれ【3班が祓川橋〜満濃大橋、1班が満濃大橋〜長炭橋、2班が長炭橋〜炭所大橋】、以下の3点を重点巡視項目として実施しました。

 

  @河川管理施設の機能点検、許可工作物の管理状況、公園等の安全利用点検(占用地の管理状況)、不法投棄・不法占用など、河川管理・利用上の問題点を総合的に巡視する。

  A樹木枯死処理の事後確認をする。

  B今年度は出水が多かったので、管理上問題が生じていないか巡視点検する。

 

○ 今回、参加頂いた「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)会員の皆さんは、以下の方々です。(部会長、副部会長を除き、五十音順)

 

  第1班(4名)  三谷  健  氏(部会長)

            伊井 貞博 氏

            川田  通  氏

            中條 徳翁 氏

 

  第2班(6名)  村上 光男 氏(副部会長)

            伊藤 数馬 氏

            則   勢  氏

            藤岡 康男 氏

            三好 規雄 氏

            山地 忠孝 氏

 

  第3班(5名)  藤本 久雄 氏(副部会長)

            亀山  忠  氏

            竹島 和司 氏

            山下 久男 氏

            吉成 隆二 氏

 

○ 巡視中は、重点巡視項目に関するご指摘をはじめ、改修時の工夫や出水による被災メカニズムなどをわかりやすくご指導・ご助言頂きました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

 

○ 今後、春に行った巡視結果と、今回の巡視結果を取りまとめて、報告会を行うこととなっています。

 

6.平成22−25年度 鹿野川ダム工事用構台設置工事 清水建設株式会社 (山鳥坂ダム工事事務所)

 

○事務所名 :山鳥坂ダム工事事務所  鹿野川監督官詰所

 

○工事名 :平成22−25年度 鹿野川ダム工事用構台設置工事

 

○工  期 :平成23年2月11日 〜 平成25年5月31日

 

○請負業者 :清水建設株式会社

 

○工事場所 :愛媛県大洲市肱川町山鳥坂地先

 

○工事概要

 A構台:構台面積(上部工)1929u 支持杭(鋼管杭)177本

 B構台:構台面積(上部工)1164u 支持杭(鋼管杭)100本

 河床浚渫:1式

 

○工事の目的

 平成16年5月に策定された、「肱川水系河川整備計画」おいて定められた鹿野川ダム改造事業のメニューの1つとして、「トンネル洪水吐【トンネル延長約457m(内径11.5m】」の新設があります。

 トンネル洪水吐の新設により、下流地域への洪水流量の低減を図ることができます。この工事では、呑口部(ダムサイト上流側)を施工する際に必要な工事用構台の設置を行います。

 

○現在の施工状況

 工事全体の進捗率は9月末で約20%となっており、引き続き、施工を進めているところです。

 

○現場の取り組み

 本工事においては、鹿野川ダム貯水池内に工事用構台を設置することから、施工による貯水池内への濁水低減を図るとともに、湖面利用者や漁業関係者への影響を及ぼさないように細心の注意を払いながら進めています。

 また、付近住民へ環境対策、安全対策など万全の体制で施工しています。

 このまま無事故無災害で工事完成となるように、安全管理には特に留意して現場を進めていきたいと考えています。

 

7.平成23年度 大渡ダム主放流設備整備外工事 株式会社IHIインフラ建設 (仁淀川水系 大渡ダム管理所)

 

○ 大渡ダムでは、ダムの洪水調節時に機能している主放流設備(コンジットゲート)について設備の老朽化により、機能維持を目的に分解整備を行います。

 

○ 大渡ダムの主放流設備(コンジットゲート)は、5.0m×5.6mの大規模な高圧ラジアルゲート5門を有しています。(1門当たり約800m3/sの放流能力)

 

○ 主放流設備(コンジットゲート)を構成している油圧シリンダ等の機器については、設置後30年以上経過しており、昭和62年のダム管理開始以降初めての分解整備作業となります。

 

○ 今年度から1年1門のペースで分解作業を行う予定です。作業の流れとしては、ダム堤体内より油圧シリンダ等の機器を搬出し、工場にて整備を行います。

 

○ ダム堤体より搬出する時期は、平成23年12月中旬頃を予定しており、工場にて分解整備後、平成24年2月頃再度ダムへの設置を行います。

 

○ ダム管理に万全を期すため、今回の分解整備で設備の老朽化している箇所の整備を十分行い、ダム管理を通じて広く地域の方々に貢献していきたいと思います。

 

8.平成22−23年度 大和橋下部第2工事 (株)ノバック (肱川水系 大洲河川国道事務所) 

 

○工事件名:平成22−23年度 大和橋下部第2工事

 

○工期:平成22年10月6日〜平成24年3月31日

 

○工事場所:肱川水系肱川 愛媛県大洲市長浜町下須戒地先   

 

○工事概要:

 本工事は、「土地利用一体型水防災事業」の関連事業として現大和橋の桁下余裕高不足および径間長不足(橋脚数過多)を解消し、出水時の災害を未然に防ぐため、新大和橋(仮称)への架け替えを行っています。

 

○ 本工事は、仮締切りの目的も兼ねた鋼管矢板基礎を用いて橋脚を施工しています。河川内の常時水が流れている場所での施工であり、濁水をはじめ出水時における対応等を求められる作業条件の非常に厳しい現場です。

 

○ 現在(10月31日時点)において進捗率約87%で鋼管矢板杭井筒内に支保工を設置しながら、ボイリング(噴砂)等に細心の注意をはらい慎重に掘削を進めています。

  

○ なお、本工事は受注者:()ノバック 四国支店により、平成24年3月31日の竣工に向けて鋭意施工を進めているところです。

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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