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四国河川ニュース
《10/29(土)〜11/4(金)》523号
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【2011.11.7発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.202
○徳島県 新池川 地震高潮対策河川事業 徳島県
東部県土整備局 副局長 大和 章人
○「新池川排水機場のポンプ増設に期待すること」 徳島県鳴門市長 泉 理彦
○今週のニュース○
○中筋川治水対策に関する意見交換会を開催 (渡川水系 高知県)
○大規模地震・津波図上訓練(仁淀川下流・海岸地域)を開催 (仁淀川水系、高知海岸 高知県)
○銅山川において第3回社会実験(弾力的管理試験)を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○第15回吉野川上下流交流大会を開催 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○「近畿府県合同防災訓練」に参加 (本局・四技・那賀川・砂防・徳島)
○「那賀川源流コンサートの開催」 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.202
1.徳島県 新池川 地震高潮対策河川事業 徳島県 東部県土整備局 副局長 大和 章人
■事業概要
○ 新池川は、鳴門市の中心部を流れ、撫養川に流れ込む河川延長4.6km、流域面積7.3km2の低平地河川であります。鳴門市の中心部は低平地が広がり、ここを流域とする内水河川は、高潮時に海水の逆流により洪水が流下できなくなることで浸水被害を引き起こします。
○ 昭和36年の第2室戸台風の被害をはじめ、古くから高潮や内水による甚大な浸水被害に繰り返し見舞われてきました。
○ 昭和49年度から高潮対策事業により、高潮を防護するための水門、及び内水排除のため排水機場の整備を進め、昭和58年に概成し、浸水被害の軽減に効果を発揮しておりました。
○ 平成16年の台風23号の来襲により再び大きな浸水被害を受け、排水機場における内水排除能力の増強が必要となり、平成21年度から新池川排水機場(既設ポンプ2台で毎秒8.5m3)に毎秒4.5m3のポンプを増設する工事に着手し、平成23年7月に完成しました。
○ このポンプ増設により、より一層の浸水被害の軽減が図られるものと考えております。
■施行箇所 徳島県鳴門市
■施行期間 平成21年度〜平成23年度
■施行内容 ポンプ増設1基(毎秒4.5m3)
2.「新池川排水機場のポンプ増設に期待すること」 徳島県鳴門市長 泉 理彦
○ 鳴門市は、徳島県の東北部に位置しており鳴門海峡をへだてて淡路島に対峙し、本州と結ぶ四国の東玄関をなしています。特に北部は瀬戸内海国立公園に指定され、北に播磨灘、東に紀伊水道をのぞみ、鳴門海峡の急流と逆巻く渦潮でその名を知られた景勝地であります。
○ 新池川は、撫養川の水位に影響を受け、高潮時には強制排水のみに頼らざるを得ないのが現状であり、大雨のたびに洪水被害が発生していました。特に甚大な被害が発生した平成16年の台風23号につきましては、記録的な降雨により異常出水となったもので、当排水ポンプ場の排水能力を上回る増水があり、周辺地区におきましては、多数の床下、床上浸水が発生しました。このように、治水事業の推進は、当市にとって最重要課題でありましたところ、県におかれては地震高潮対策河川事業による新池川排水機場のポンプ増設に、ご努力をいただき平成23年7月にポンプ1基(毎秒4.5m3)の増設が完了いたしました。この度の、平成23年の15号台風におきましては、平成16年の23号台風以上の記録的な降雨にもかかわらず、浸水被害を軽減する効果を発揮しています。今後も、消防団及び自主防災組織との連携を強化するとともに、住民の防災意識の高揚を図り、市民の皆様が、安心して暮らせるまちづくりを目指し、尽力していきたいと思いますので、関係機関の皆様方には、引き続きご指導、ご協力をお願い申し上げます。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.中筋川治水対策に関する意見交換会を開催 (渡川水系 高知県)
○ 10月20日(木)に、「中筋川治水対策に関する意見交換会」が宿毛市平田町で開催されました。
○ この意見交換会は、中筋川の治水対策に関して、四万十市、宿毛市の呼びかけにより、中筋川流域内の関係する四万十市、宿毛市の区長、副区長16名と中筋川総合開発工事事務所、中村河川国道事務所、高知県、四万十市、宿毛市の各行政機関の計39名の出席により行われました。
○ 意見交換会では、各行政機関より横瀬川ダムの現在の状況、中筋川の事業・改修状況、中筋川ダムの管理状況、東日本大震災における四国地方整備局の取り組みの説明等を行った後、質疑が行われました。
○ 区長、副区長から、ダム事業に関する質問をはじめ、治水、利水面での要望などが出され、活発な意見交換がなされました。
4.大規模地震・津波図上訓練(仁淀川下流・海岸地域)を開催 (仁淀川水系、高知海岸 高知県)
○ 10月28日(金)に、高知県の春野総合運動公園体育館において、東南海・南海地震により、被害の発生が想定されている仁淀川下流・海岸地域を対象とした、大規模地震・津波図上訓練を開催しました。
○ 本訓練では、各関係機関における現状の課題と対応の在り方、今後の連携した災害対応等について情報共有を図るとともに、防災関係職員の危機管理能力の向上を図ることを目的としており、地域に精通した防災関係機関の職員の他、アドバイザーとして高知大学の大年教授、徳島大学の中野教授にご参加頂きました。
○ 訓練項目としては、「迅速確実な避難」と「速やかな被害情報収集、啓開、排水」であり、東日本大震災の状況を考慮して、従来想定よりも高い津波が発生した状況で訓練を行いました。また、訓練にあたっては、高知市班と土佐市班に分かれた訓練参加者が、検討図面を囲んで課題や対応のあり方等について意見交換を行いました。
○ 訓練終了後、アドバイザーの先生方による講評において、「迅速確実な避難に関しては一般論的な議論が多かったが、道路啓開や排水等に関しては地域色が出た議論ができた。」、「情報共有手法、安全な避難所の設定方法等、多くの課題が出されたので、これらを踏まえてさらに考える場を作って頂きたい。」等のご意見を頂きました。
○ また、土佐市市長からは、「今回の演習により、対象地区における重大な課題を浮き彫りにする事ができ、非常に貴重な機会を頂いたと感じている。」、「災害時はマニュアル通りにはいかないため、臨機応変な対応を可能にするためにも今後も訓練を継続していきたい。」等のご感想を頂きました。
○ 今回の訓練結果については、取りまとめ結果を参加された関係機関へフィードバックし、今後の地震・津波対応の参考として頂きたいと考えています。
5.銅山川において第3回社会実験(弾力的管理試験)を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○ 銅山川では、新宮ダム下流の河川環境をさらに改善するために、新宮ダムから下流への放流量を増量する「社会実験(弾力的管理試験)」として平成22年度から実施しています。今回は10月28日(金)から29日(土)の約2日間にかけて、影井堰からの放流量を約2.0m3/sに増量して行いました。(放流前は約0.04m3/s)
今回までの社会実験経緯は以下の通りです。
・第1回目 平成22年8月21日〜22日(影井堰からの放流量3.0m3/s)
・第2回目 平成23年8月18日〜21日(影井堰からの放流量1.0m3/s)
○ この「社会実験(弾力的管理試験)」は、今後の効果的な放流方法を検討していくため、地元の方々に放流による河川の状況変化を見ていただき、アンケート調査などを通してご意見や感想をお伺いするものです。
○ アンケート調査場所である、宮川堰、吉之瀬橋、大野小学校裏の3地点では、水面幅・水深・水量感の増加や白波が激しく立っている箇所なども多々確認でき、多くの方が現地に足を運ばれ、ご意見や感想をいただくことが出来ました。
○ 今後もより効果的な放流方法を検討していくため、放流パターンごとの河川の状況変化やアンケートを分析し、実験を重ねていくこととしています。
6.第15回吉野川上下流交流大会を開催 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)
○ 平成23年10月29日(土)に、黒沢(くろぞう)湿原(徳島県三好市池田町漆川)において第15回吉野川上下流交流大会を開催しました。主催は、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」で、国、四国4県、嶺北4町村、三好市、いの町(旧本川村)、水資源機構などで構成しています。
○ 吉野川上下流交流大会は、「受益地域の人々が感謝の気持ちを込めて水源地域への貢献と水源地域との交流」を基本理念として実施することとしており、受益地域の方々に水の源を訪れていただき、自然や樹木などに親しんでいただくことによって、参加者間の交流を行うと伴に水源地域に対する理解を深めることを目的に開催しています。
○ 大会は、四国三郎(吉野川)ふれあい会議会長である俵徹太郎三好市長のあいさつより開始し、四国4県から参加いただいた約80名の方々に黒沢湿原の檜林の間伐、湿原内の葦刈りを体験していただきました。参加者からは、ヤマミミズをヘビと間違えて悲鳴をあげたり、間伐した檜を輪切りにしてコースターを作ってお土産にしたりと随所に笑顔が見られました。
また、黒沢湿原での作業後、池田ダムにおいてダム見学を行いました。
7.「近畿府県合同防災訓練」に参加 (本局・四技・那賀川・砂防・徳島)
○ 10月30日(日)に、徳島県の小松島港赤石ふ頭東地区とその周辺で、近畿2府7県の合同防災訓練が開催され、四国地方整備局からは、本局を始め各近隣事務所の職員が参加しました。
○ 今回の防災訓練は、近畿2府7県が毎年持ち回りで実施しており、今年は徳島県で実施したもので、参加者は約3,000人でした。
○ 防災訓練は本番さながらの雨模様でしたが、陸海空を舞台に大規模な訓練が実施されました。
○ 整備局からは本局:ヘリ(あいらんど号)、四技:ラジコンバックホウ、那賀川:照明車、砂防:降雨体験装置・土石流体感シアター、徳島:排水ポンプ車・ヘリテレ・ロープワーク体験や、TEC-FORCEの出動訓練などを行いました。
○ また、東日本大震災のパネル展示や、当時のヘリ画像の上映により、防災の必要性を参加者等に再認識して頂きました。
○ 今後も機会あるごとに防災訓練等に参加し、自己研鑽とPR活動等に務めたいと思います。
8.「那賀川源流コンサートの開催」 (那賀川水系 那賀川河川事務所)
○ 平成23年10月30日(日)に、徳島県那賀郡那賀町の四季美谷温泉において、「那賀川アフターフォーラム」が主催し、「ゆきかう那賀川推進会議」の後援による「那賀川源流コンサート」を開催しました。
○ このコンサートは、那賀川における流域内交流の活性化、上下流連携の推進による地域振興を目指して行っているもので、今回で4回目の開催となります。
○ 例年は那賀川源流付近(源流碑広場)で開催していましたが、今年は源流碑広場に至る道路が、台風12号などによる被災によりバスの通行が不可能であったため、急遽少し下流に位置する四季美谷温泉で開催する事となりました。
○ コンサートは、那賀町の北川小学校・木頭小学校・木頭中学校(5名)の「上流の小さなピアニストたち」によるピアノ演奏、阿南市長生小学校生(14名)の「パワー全開長生キッズ」による童謡の斉唱、阿南市在住の「すう@じい」さんによるアコースティックギターの弾き語り、「パウンドケーキ(2名)」によるピアノとチェロによるバンド演奏、相生森林美術館の「童謡を歌う会」による合唱、「阿南第九の会」による合唱が行われました。
○ 当日は小雨模様の天気でしたが、この6組による一生懸命な演奏や歌声に、会場全体は、暖かい雰囲気につつまれ、最後に、参加者全員(約200名)で 「ふるさと」を合唱して締めくくり、すばらしいコンサートとなりました。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 藤田 博史
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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