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四国河川ニュース

9/24(土)〜9/30()518

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                                                                                                                                                           2011.10. 3発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室はお休みです。

 

○今週のニュース○

  ○台風15号出水対応状況報告 (四国地方整備局)

  ○銅山川において社会実験(弾力的管理試験)を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

  ○「河川水難事故防止啓発講座」を開催 (渡川水系 高知県)

  ○重信川エコリーダーによる水生生物調査 (重信川水系 松山河川国道事務所)

  ○「鳴門警察署ロープワーク訓練」を開催 (吉野川水系 徳島県鳴門市)

  ○吉野川現地(フィールド)講座「干潟観察会シオマネキに会いに行こう!」を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

 

今週のニュース

 

1.台風15号出水対応状況報告 (四国地方整備局)

 

○ 9月13日(火)21時に日本の南海上で発生した台風第15号は、北に進んだ後、西に向きを変え、20日(火)21時には中心気圧が940hPa、最大風速が50m/sの非常に強い台風となりました。その後台風は、速度を速めつつ四国の南海上から紀伊半島に接近した後、21日(水)には静岡県浜松市付近に上陸し、日本列島を縦断するように北東へ進みました。四国では台風がまだ離れていた17日(土)に南からの湿った空気が流れ込み、高知県の中筋川では雨が降り始め、台風が接近してきた20日(火)からは、四国の北西側で激しく雨が降りはじめました。

 

○ 四国地方整備局では、台風接近に伴い9月20日(火)17時には警戒体制に移行し、情報の収集を続けました。降雨は愛媛県や徳島県を中心に四国全域で降り続け、初めに高知県の中筋川ではん濫注意水位を超え、その後愛媛県の肱川や重信川、徳島県の旧吉野川や吉野川でもはん濫注意水位を超えました。

 

○ 特に肱川については上流の野村ダム、鹿野川ダムが早い時期から洪水調節を開始していましたが、鹿野川ダムにおいては、ただし書き操作開始水位の寸前まで流量が増加したため、下流にある東大洲地区の暫定堤防箇所では、越流する危険が出てきました。そのため大洲市からは、浸水の危険のある数カ所で避難勧告が発令されました。

 

○ 肱川の治水基準地点である大洲第二水位観測所では、はん濫危険水位(5.8m)を超過して、21日(水)0時50分には最大の6.20mを観測しました。東大洲地区の暫定堤防箇所では21日(水)0時過ぎから越流が始まり、その後越流は3時間程度続きましが、上流ダムの放流量カットの効果もあって越流量は少なく、二線堤内の浸水にとどまりました。また同時に他の暫定堤防の数カ所でも越流があり、大洲市内全体では浸水面積約524ha、浸水家屋143戸の被害が報告されています。

 

○ また、吉野川水系旧吉野川や吉野川上流でも降雨が多く、旧吉野川の大寺橋でも20日(火)午後11時頃に避難判断水位(2.90m)を超え、最高水位は3.99mを観測しました。そのため旧吉野川周辺の低地などで広範囲に浸水被害が発生し、周辺自治体では避難勧告が発令され、板野町では避難指示が発令されました。

 

○ 四国地方の直轄ダムでは、肱川水系の野村ダムと鹿野川ダム、仁淀川水系の大渡ダムで洪水調節を実施しました。

 

(野村ダム・鹿野川ダム)

○ 野村ダム流域では、9月19日(月)の午後2時から台風15号の影響による雨が降り始め、21日(水)の午前4時にかけて累計雨量182mmの大雨となりました。最大時間雨量は22mmでした(20日午後3時から4時)。

 

○ 鹿野川ダム流域では、9月19日(月)の午後2時から台風15号の影響による雨が降り始め、21日(水)の午前3時にかけて累計雨量233mmの大雨となりました。最大時間雨量は31mmでした。(20日午後5時から6時)

 

○ 今回の洪水では、大洲第二水位観測所(肱川の治水基準地点)での最高水位が、はん濫危険水位5.80mを上回る6.20mでした。なお、野村ダム・鹿野川ダムの洪水調節の実施と、下流河川の水位上昇を緩和するため事後貯留を行い、大洲第二水位観測所で約0.5m※の水位低下の効果がありました。※計算値

 

○ 【野村ダム地点】

      ・最大流入量・・・・・・・・・・・ 423m3/s (20日 午後6時16分)

      ・最大流入時放流量・・・・・ 296m3/s

      ・洪水調節流量・・・・・・・・・ 127m3/s (ダムの調節効果)

 

  【鹿野川ダム地点】

      ・最大流入量・・・・・・・・・・・ 1442m3/s (20日 午後7時40分)

      ・最大流入時放流量・・・・・  876m3/s

      ・洪水調節流量・・・・・・・・・  566m3/s (ダムの調節効果)

 

(大渡ダム)

○ 大渡ダム流域では、9月19日(月)の午後2時から台風15号の影響による雨が降り始め、21日(水)の午前6時にかけて累計雨量約305mmの大雨となりました。最大時間雨量は20.6mmでした。(20日午後2時から3時)

 

○ 今回の洪水では、伊野水位観測所(仁淀川の治水基準地点)での最高水位は6.02mでした。なお、大渡ダムの洪水調節により伊野水位観測所で、約0.2m※の水位低下の効果がありました。 ※計算値

 

○ 【大渡ダム地点】

      ・最大流入量・・・・・・・・・・・ 2622m3/s (21日 午前0時00分)

      ・最大流入時放流量・・・・・ 2331m3/s

      ・洪水調節流量・・・・・・・・・  291m3/s (ダムの調節効果)

 

○ 今年は避難判断水位を超える出水は今回で3回目となり、氾濫注意水位を超えた出水の回数は今回で6回目となりました。これは平成19年以来の出水の多い年となっています。

 

○ 今回の台風の特徴は前線を伴った台風のため、瀬戸内海側の河川において降雨が多く、内水被害等の被害が出たことが特徴となっています。出水期間もあと少しとなりましたが、今後も出水対策に万全を期したいと思います。

 

2.銅山川において社会実験(弾力的管理試験)を実施 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○ 銅山川では、新宮ダム下流の河川環境をさらに改善するために、平成22年度から「社会実験(弾力的管理試験)」を実施しており、今回は8月18日(木)から21日(日)の約4日間にかけて、影井堰からの放流量を約1.0m3/sに増量して行いました。(放流前は約0.17m3/s

 

○ この「社会実験(弾力的管理試験)」は、河川環境の改善に効果的な放流方法を検討していくため、地元の方々に試験放流による河川の状況変化を見ていただき、アンケート調査などを通してご意見や感想をお伺いするものです。

 

○ アンケート調査箇所である、宮川堰、吉之瀬橋、大野小学校裏の3地点では、水面幅・水深・水量感の増加や、白波が激しく立っている箇所なども確認でき、前回よりも多くの方が現地に足を運ばれ、ご意見や感想をいただくことが出来ました。

 

  今後もより効果的な放流方法を見い出していくため、放流パターンを分析し、実験を重ねていくこととしています。

 

3.「河川水難事故防止啓発講座」を開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 7月の『河川愛護月間』の取り組みと連携し、『河川水難事故防止週間(7月1日〜7月7日)』の一環として、8月21日(日)に「四万十川流域住民ネットワーク(西内燦夫代表世話人)」が主催し、「渡川(四万十川)水系水難事故等防止連絡会(構成:国土交通省中村河川国道事務所、高知県幡多土木事務所、四万十市、四万十消防署、中村警察署)」が連携して、水難事故を防ぐため小学生に啓発講座を行いました。

 

○ 啓発講座の講師は、四万十市体育指導委員や、四万十消防署及び中村警察署で、参加したのは小学校4から6年生の14名です。

 

○ 最初に、救助されるための命綱を結ぶため「ロープワーク」を行った後、川の楽しさも知ってもらうため「シュノーケリング教室」を実施しました。父兄等の大人には「自動体外式除細動器 (AED)による救助法」の体験参加がありました。

 

○ その後、「高知県防災航空隊のヘリコプター(くろしお号)による救出」の説明と見学を行い、「中村警察署の発射銃及びスローバッグによる救出」の見学とスローバックの体験し、友達が流された時の救助法として「ペットボトル等を使った救出」を教わり、その体験をしました。

 

○ また、万が一、川で流された場合の「安全な流され方」を教えてもらい、トラブル無く啓発講座を修了しました。

 

○ 今回の啓発講座を通じて、水難事故を防ぐための危険回避方法や救助の仕方を習得してもらえたと思います。

 

4.重信川エコリーダーによる水生生物調査 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 8月25日(木)に、重信川エコリーダー(愛媛大学生)が、重信川流域(市坪橋、中川原橋、重信橋、拝志大橋、山之内)5箇所で、水生生物調査と水質パックテストを実施しました。

 

○ 当日は元エコリーダーであり、大学院2回生で河川生物・生態系を研究している酒井先輩が講師となり、私達エコリーダーの後輩に水生生物の採取方法や、水生生物の判別方法などを熱心に指導していただきました。

 

○ 中には、2回、3回と継続して参加しているエコリーダーの学生もいましたが、始めて取り組む学生にも解りやすく指導して頂き、1日5箇所の調査をテキパキとスムーズに実施することが出来ました。

 

○ 石手川や重信川中下流域では、ヒルやミズムシなどのきたない水の指標生物、セスジユスリカなどの大変きたない水の指標生物が確認され、生活排水による影響を受けていることを学ぶとともに、上流域ではカワゲラ、サワガニ、ヒラタカゲロウなどのきれいな水の指標生物を確認し、重信川の水質の現状を水生生物により体感しました。

 

○ また、水質パックテストにも取り組み、試薬の色が時間とともに変化する様子をジーッと観察して水質の判定を行っていました。

 

○ 重信川エコリーダー達は、この体験を基に今度は小学生児童等に伝えていってくれるものと思います。

 

5.「鳴門警察署ロープワーク訓練」を開催 (吉野川水系 徳島県鳴門市)

 

○ 鳴門警察署職員を対象としたロープワーク訓練を、8月25日(木)に徳島県鳴門市の鳴門警察署において開催しました。

 

○ 国土交通省徳島河川国道事務所の職員が講師として、鳴門警察署職員の約40名が参加し「ロープワーク訓練」を行いました。

 

○ 訓練では、水防工法の基本の結び方である「いぼ結び」や、「もやい結び」を中心に5つのロープワークを実施しました。

 

○ このような水防訓練は、近年の我が国の災害発生の傾向から、水防活動がますます重要になるとともに、地域間や関係機関の連携協力が必要となって行くことから、今後も継続していきたいと考えています。

 

6.吉野川現地(フィールド)講座「干潟観察会シオマネキに会いに行こう!」を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 8月27日(土)に、第2回吉野川現地(フィールド)講座「干潟観察会シオマネキに会いに行こう!」を、吉野川大橋下流の南岸干潟(距離標右岸2k/8付近)で開催し、親子連れら約40名の方々が御参加くださいました。

 

○ 今回の講座では干潟に生息している貴重なカニを観察し、吉野川の環境現状を知ってもらい、豊かな自然にも親しんでいただくことを目的として行っております。

 

○ 開催にあたっては、四国大学名誉教授の酒井勝司先生(河川・環境渓流アドバイザー)を指導員として御協力いただき、講座の始めにタカアシガニの標本による構造のしくみや、吉野川河口干潟に生息する甲殻類について説明していただきました。

 

○ 参加者の皆様には、残暑厳しい中、熱心に観察していただきシオマネキ・ハクセンシオマネキ・アシハラガニといった約10種類のカニを観察することが出来ました。

 

○ 終了後に行ったアンケートでは、「自然と触れ合うことが出来て良かった」 「色々なカニが観察できて良かった」など御意見をいただきました。

 

○ 今後もこの様な機会を通じ、吉野川の現状を知り自然に親しんでいただくと共に、河川愛護精神を育んでいただけたらと思います。参加者の皆様ありがとうございました。

 

 

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