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四国河川ニュース

8/20(土)〜8/26()513

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2011. 8.29発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.199

  ○高知県摺木海岸津波・高潮危機管理対策緊急事業 高知県須崎土木事務所長 木椋 康博

  ○安心安全につながる防災対策 高知県 須崎市長 笹岡 豊徳

 

 

○今週のニュース○

  ○中国野菜(エンツァイ)植え付け会 (肱川水系 野村ダム管理所)

  ○第5回波介川河口導流事業環境調査委員会を開催 (仁淀川水系 高知県)

  ○河川管理施設の安全利用点検を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

  ○水難事故防止出前講座を開催 (物部川水系 高知県)

  ○物部川・仁淀川・高知海岸の一斉清掃を実施 (仁淀川・物部川・高知海岸 高知県)

  ○「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえそう〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.199

 

1.高知県摺木海岸津波・高潮危機管理対策緊急事業 高知県須崎土木事務所長 木椋 康博

 

<地域の概要>

○ 摺木海岸は、高知県のほぼ中央部の須崎市浦ノ内に位置している延長460mの海岸です。背後には人家、地区集会所、県道須崎仁ノ線が控えており、これまで昭和21年の南海地震による津波被害や、昭和45年の台風10号に伴う高潮被害などを受け、また、今後高い確率で発生する東南海・南海地震でも津波による被害が懸念される地域です。

 

<事業の概要>

○ 前述のとおり当海岸の背後には人家、地区集会所、県道須崎仁ノ線が控えており、摺木水門は防災対策上非常に重要な役割を果たしています。

 

○ しかしながら当水門は昭和53年度に築造されたもので、自重降下機能がないため水門操作を受託している地元住民は、台風等の高潮発生時や津波注意報及び警報が発令された際には建屋へかけ上がり、発電機を起動し閉鎖するまでの一連作業に約15分を要していました。

 

○ このため津波等における円滑な操作を確保し、水門を確実に閉鎖し津波等の浸入を防ぐことを目的として、平成22年度に津波・高潮危機管理対策緊急事業で当水門の改良を実施しました。

 

○ この改良により屋外操作盤の押ボタンで門扉が自重降下し、約2分で閉鎖可能となり、受託者による操作時間の大幅な短縮及び労力の軽減が図られ、当事業完成後に発生した7月の台風6号の際には安全で速やかな操作ができました。

 

○ 今後も引き続き地元住民と一体となって、地域防災の推進に努めたいと考えています。

 

2.安心安全につながる防災対策 高知県 須崎市長 笹岡 豊徳

 

○ 須崎市は、高知県のほぼ中央部に位置し、県都高知市から西に約37qにある高幡地域の中核をなしている地域です。

 

○ 高知県は全般的に山岳丘陵地帯が多く、市の西部を流れる新荘川は、1974年に日本で最後にニホンカワウソの生息が確認され、又、きき鮎日本一になったこともあるほどの澄み切った水量豊かな清流としても有名です。

 

○ また、東部に位置する浦ノ内湾は土佐市との市界を湾の入り口とし、入り江を形成し自然豊かなリアス式海岸となっており、鯛やカンパチの養殖が盛んに行われています。湾の南には黒潮ラインが半島を縦走しており、眺めは秀逸で、南にはくろしお踊る太平洋が見渡せ、北に目を転じると静かな横浪三里の浦ノ内湾の眺望が楽しめます。

 

○ 前述のように須崎市は自然豊かな地域ですが、その一方で、地形的な特性から津波の影響を受けやすく、これまでにも684年の白鳳地震以来、歴史に残るだけでも9回の地震津波により尊い生命や財産が奪われるなど甚大な被害が発生しています。

 

○ また、3.11の東日本大震災におきましては、人的な被害はなかったものの住宅の床上浸水などの被害が発生し、漁船の転覆、養殖こわりが破損、流出するなどして28億円もの大きな漁業被害が発生しました。そのほか、津波が河川を遡上し浸水するなどの被害の報告もあったことから、水門の重要性を改めて認識し、津波発生後、県に対し桜川と押岡川の河口下流部に水門の設置をお願いいたしました。

 

○ それに合わせ、これまで取り組んできた津波漂流物対策についても、あらたに漁船を漂流物にしないための対策を検討するため、須崎市津波防災・漂流物対策専門委員会を開催し、10月を目処に方向性を決めることとしています。

 

○ 水門、門扉の開閉点検は毎年6月初旬に実施しておりますが、今回、浦ノ内摺木の水門の改良により開閉の電動化がされたことから、管理委託を受けた住民が短時間で操作完了でき、津波や台風、高潮時等において迅速な対応ができることから地域住民にとっても非常に心強く感じられ、安心して生活できる地域になっていくと考えています。

 

○ また、須崎市としても地域の安心安全につながるような防災対策を行っていきたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.中国野菜(エンツァイ)植え付け会 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○ 7月5日(火)に野村ダム湖の水質改善の取り組みとして、中国野菜であるエンツァイの植え付け会を開催しました。

 

○ 植え付け会には、肱川流域の一般住民団体や地元高校、関係機関等の皆さん、約50名が参加しました。

 

○ 野村ダムでは、平成16年からこの取り組みを開催し、今年で8年目になります。

 

○ この取り組みは、ダム湖にイカダを浮かべ、そこに中国野菜のエンツァイ(クウシンサイ)の苗を植え付け水栽培するものです。エンツァイの苗は、ダム湖の水に含まれている富栄養化の原因となる窒素やリンを吸収し生育します。そして大きく育ったエンツァイを収穫し食材として利用します。このようにして、ダム湖で課題となっているアオコの発生抑制や軽減を期待するものです。

 

○ 今年は、イカダ1艘あたり50株のエンツァイを植えることとし、イカダは合計12艘で600株のエンツァイを植え付けました。

 

○ 収穫は8月後半より10月頃まで、ひと月に2回程度は可能です。植え付け会に参加された方には、随時収穫していただきたいとお願いしています。また、植え付け会の参加者から、エンツァイの収穫後、料理して試食するようなイベントを、開催して欲しいとの有り難い積極的な意見もいただきました。

 

○ 今後も、水質改善に向けた取り組みを精力的に実施し、ダムに関する理解が広がるように努めていきたいと思います。

 

4.第5回波介川河口導流事業環境調査委員会を開催 (仁淀川水系 高知県)

 

○ 7月7日(木)に、第5回波介川河口導流事業環境調査委員会を、土佐市新居コミュニティセンターにて開催しました。

 

○ 波介川河口導流事業は平成23年度通水を目指し、現在工事の最盛期を迎えており、現時点での環境調査(モニタリング)の状況及び結果、水環境影響検討について委員会に報告を行いました。

 

○ 波介川導流路の水環境影響検討について、導流路の進捗状況とこれまでの水質観測結果等を踏まえた施設の操作方法を提示し、水環境の影響評価を報告しました。

 

○ モニタリング結果として、現時点では各項目とも環境への大きな影響は出ていないことを報告し、委員からは山の開削に伴い周辺地域への影響が懸念されている気温・風向・風速の変化のまとめ方を、もっと工夫することなどのご意見を頂きました。

 

○ モニタリング調査の項目について、これまでの観測で変化がなく工事の影響がないと考えられる項目の削減、また、供用後についても調査継続すべき項目の追加の提案を行いました。

 

○ 今後も周辺環境への影響を及ぼさないような措置を継続して行い、平成23年度の完成を目指し、安全に工事を進めて参ります。

 

5.河川管理施設の安全利用点検を実施 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 松山河川国道事務所では、7月8日(金)に重信川、石手川ダムの6箇所の河川管理施設を対象に安全利用点検を実施しました。

 

○ 近年、河川の水辺は都市化の進展等により、水と緑の貴重な空間として、安らぎや憩いを求める場、スポーツやレクリエーション活動等の場として多くの人々に利用されているところです。

 

○ 従来から、河川巡視や堤防等の河川管理施設点検を実施してきたところですが、今回は河川に大勢の人が集まる夏休み前に、一般の利用者が安心して川に親しむことができるように、河川管理者と占用者と河川愛護モニターの方が一緒に点検しました。

 

○ 今回の点検により、利用する上で危険と考えられる箇所については、危険箇所の周知及び応急的な措置として、立入禁止柵及び注意看板等の設置を行いました。

 

6.水難事故防止出前講座を開催 (物部川水系 高知県)

 

○ 高知河川国道事務所と高知県では、『河川水難事故防止週間(7月1日〜7月7日)』の取り組みの一環として、7月8日(金)に香美市立舟入小学校の協力を得て、水難事故を防ぐために子供たちへの出前講座を行いました。(後援:香美市教育委員会)

 

○ 今回の出前講座の講師は、福山平成大学の小谷先生(以下、先生)で、出前講座に参加したのは、香美市舟入小学校の5年生19名です。

 

○ 出前講座は、最初に先生による講義で、川の楽しさ・怖さや水難事故に関する注意点などを学びました。子供たちは終始元気いっぱいで、講座の中で「川に行ったときに守らなければならない事」を、先生と子供たちが一緒になって大きな声で復唱しました。

 

○ その後プールに移り、スローバッグや身近なもの(ズボン、ペットボトルやビニール袋等)を使った救助方法の実演を見るととともに、二人一組でペアを組んでスローバッグの投げ方や受け取り方を体験しました。

 

○ 今回の講座を通して、日頃から川を安全に利用していただくための知識や、水難事故の回避方法を習得していただくことができたと感じています。

 

7.物部川・仁淀川・高知海岸の一斉清掃を実施 (仁淀川・物部川・高知海岸 高知県)

 

○ 高知河川国道事務所では、物部川(6会場)・仁淀川(10会場)・高知海岸(11会場)の一斉清掃を、7月10日(日)早朝に関係市町村と共催で行いました。

 

○ 当日は、両河川の会場に約1,200人、海岸の会場に約1,500人、合計約2,700人の地域のボランティアが集まり清掃活動を行いました。

 また、一部の会場では地域の首長さんにも参加していだだき、代表としてあいさつを頂きました。

 

○ この清掃は、7月の河川愛護月間・海岸愛護月間の取り組みの一つとして、様々な人々に広く利用されている河川及び海岸環境を守り育て、積極的に活用していただくための輪を広げることを目的として、毎年行っているものです。

 

○ 「ゴミは以前よりも少なくなった」という意見も聞きますが、約1時間の清掃で両河川においては400袋を越える量のゴミが収集されました。これは、昨年度に比べて2割程度増えており、依然としてゴミの投棄がなくならない河川及び海岸利用者のマナーの悪さに、地域住民も迷惑しているようでした。

 

○ ゴミをなくし、河川及び海岸の良好な環境の保全・再生を推進していくためには、適正な管理は当然のことながら、利用者一人一人の意識の向上が必要だと思います。

 

○ また、いの町主催で宇治川一斉清掃も同日に行っており、高知河川国道事務所の職員も、その中の是友会場に参加させていただきました。

 

8.「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえそう〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 7月10日(日)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で、「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえそう〜」が行われました。

 

○ 今回は2月に実施した、オオムラサキの幼虫探しの一連の取り組みとして開催致しました。

 

○ 今回の自然観察会には2月の参加者を中心として、松山市内等の小中学校から児童・生徒ら約75名に参加して頂きました。

 

○ 当日は、講師として東雲女子大学の石川和男名誉教授に、オオムラサキの生態系のお話、五明小学校中尾校長先生の、幼虫から成虫になるまで(羽化の様子等)のお話、そして愛蝶会の窪田代表からは、愛蝶会の活動についてのお話しをしていただきました。

 

○ その後、飼育小屋(五明小学校オオムラキハウス)でオオムラサキの観察を行い、五明小学校のグラウンドより8頭のオオムラサキの放蝶を行いました。

 

○ 今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。

 

 

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