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四国河川ニュース

7/30 (土)〜8/5()510

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2011. 8. 8発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.197

  ○香川県 局地的集中豪雨対策事業 『急な増水による水難事故防止のための警報システム』 香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄 

  ○「誰もが住みよい、住み続けたい町づくりを目指して」 まんのう町長 栗田 隆義

 

                                   

○今週のニュース○

  ○吉野川リバーカウンセラー連絡会(第1回)を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

  ○「堤防決壊時の緊急対策シミュレーション訓練」を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

  ○平成23年度 徳島南部災害情報協議会(幹事会)の開催 (那賀川水系 徳島県)

  ○排水ポンプ車操作訓練を実施 (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

  ○「県管理河川における河川維持管理状況等に関する調査」の実施について (四国地方整備局 河川部)

  ○「角ノ瀬排水機場見学会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.197

 

1.香川県 局地的集中豪雨対策事業 『急な増水による水難事故防止のための警報システム』 香川県土木部河川砂防課長 阿部 孝雄

 

○ 近年、地球温暖化に伴う気候変化などにより、「ゲリラ豪雨」とも呼ばれる局地的集中豪雨が、全国各地で甚大な被害をもたらしています。

 

○ 香川県では、こうした状況を踏まえ、局地的集中豪雨対策として公園やキャンプ場などの親水施設のある河川で、特に利用者の多い19河川27箇所に水難事故の注意を促す看板を設置しました。

 

○ また、そのうち、年間の利用者が多く、過去に急な増水が発生している8箇所(造田運動公園、美霞洞親水広場他6箇所)を選び、急な増水を河川利用者にいち早く知らせ、迅速な避難ができるように警報装置の設置を行っています。

 

○ この装置は、周辺の34箇所の雨量計や上流の水位計の観測値が一定の基準に達すると、川で遊んでいる人に、赤色灯やサイレン、スピーカーで危険を知らせるシステムで、設置後には地元の小学校において警報装置や水難事故防止の説明会を行っています。

 

○ また、急な増水による水難事故を防止するためには、日頃から県民の防災意識を高めることが重要であり、河川砂防課のホームページでの水難事故防止のPRや、県内の市町や学校などに「水辺の安全ハンドブック」や、安全啓発ポスターの配布などさまざまな手段を活用し、局地的集中豪雨による水難事故防止の啓発活動に取り組んでいます。

 

2.「誰もが住みよい、住み続けたい町づくりを目指して」 まんのう町長 栗田 隆義

 

○ 香川県の南西部に位置する本町は、平成18年に近隣の琴南町、仲南町、満濃町の3町が合併し、新まんのう町として出発しました。人口は約2万人、面積は194.33kuとなり町の南西部には町の名前の由来にもなっている日本一の灌漑用ため池である満濃池をはじめとして、町内に大小900ものため池が点在しています。町の南には標高1000mを超える竜王山、大川山を主峰とする阿讃山脈が連なっており、その麓を県下で唯一の一級河川土器川が町の中央部を流れており、ため池と同様に田畑を潤しております。

 

○ 気候は瀬戸内式気候であり、年間を通じて温暖少雨で日照時間が長く、降水量は年間1,000〜1,400o前後で降雨は梅雨期と台風時に集中し、その他の時期は少ないため干害が起こることもあります。その対策として古くからため池が作られています。

 

○ 琴南地区においても、今まで数々の台風災害に見舞われていましたが、平成16年災害では満濃地区と同様に道路、河川に大きな被害を受け、幸いにも住宅には被害は少なく、増水による河川の改修の要望が多く出されています。

 

○ また、唯一の一級河川である土器川の琴南地区においては、香川県により親水公園として整備された、土器どき広場(運動公園)があり、オートキャンプ、スポーツ、各種イベント等に県内外から沢山の利用者があり、水と親しめる場所として幅広い層に活用され喜ばれています。また、上流にはその昔、平賀源内が紹介したと言われる良質の泉源があり、美霞洞温泉の湯として利用されており、美霞洞温泉の近くには自然環境に恵まれた渓谷もあり、水と親しむ憩いの場所として、ふるさと砂防事業により河川整備がなされ多くの人々に利用されています。これらの施設には急な増水による利用者の安全確保を図るため、県により警報装置が設置されより安全が図られています。

 

○ また、平成16年災害では山腹が崩壊し、田畑を荒らし人家の近くまで土砂が押し寄せたり、増水により家屋に浸水するなど多大な被害が発生し、河川改修については多くの住民の方々から要望を受けており、関係者の協力を頂きながら河川改修に取り組んで行きたいと考えております。

 

○ 災害は何時発生するかわかりません。国、県と協議しながら、町の貴重な財産である緑あふれる自然、歴史、文化を大切にしながら誰もが「いつまでもここで暮らしたいと」思える災害に強い、安全、安心のまちづくりを目指して参りたいと考えております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.吉野川リバーカウンセラー連絡会(第1回)を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 6月22日(水)に、平成23年度第1回吉野川リバーカウンセラー連絡会を、徳島河川国道事務所にて開催しました。

 

○ リバーカウンセラー制度は、四国内の一級河川の調査・計画・工事・管理において、各水系の抱える技術的な課題の解決に向けた、共同研究、意見交換、啓発活動を行うことを目的としています。

 

○ 連絡会には、吉野川のリバーカウンセラーとして徳島大学教授の武藤裕則先生と、徳島大学大学院准教授の田村隆雄先生の2名にお越し頂きました。

 

○ 今年度一回目の会合でしたので、まず徳島河川国道事務所における河川事業の概要を説明した後、地震津波対策についての取り組みを紹介しました。

 

○ その後意見交換を行い、リバーカウンセラーからは津波の襲来に備えて「旧吉野川及び今切川の河口堰や、第十堰の取り扱いについての検討が必要ではないか」「道路の対空標識に標高も入れてはどうか」などの貴重なアドバイスを頂きました。

 

○ 今後も徳島河川国道事務所では、これらの検討課題も含め、リバーカウンセラーからの技術的アドバイスを頂きながら、事業に取り組んでいきたいと考えています。

 

4.「堤防決壊時の緊急対策シミュレーション訓練」を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 平成23年6月23日(木)に徳島河川国道事務所において、「堤防決壊時の緊急対策シミュレーション訓練」を実施しました。

 

○ 当日の訓練には、徳島河川国道事務所の河川担当各課・出張所及び、災害復旧協定業者(2業者5名)も含めた24名が参加し、堤防決壊を想定して現場条件等も踏まえた対策工法等の検討を行い、最後に検討内容についての意見交換を行いました。

 

○ 堤防決壊等の重大災害は全国的にも事例が少なく、職員の経験も不足しがちな中、危機意識の保持と対策技術の習得・伝承・向上を図るうえで、本訓練は大変有意義なものでありました。

 

○ 昨今の気象状況を鑑みると、いつどこで重大災害が発生してもおかしくない状況にあり、今後もこのような訓練等により、有事の際に備えていきたいと考えております。

 

5.平成23年度 徳島南部災害情報協議会(幹事会)の開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 平成23年度徳島南部災害情報協議会幹事会が、6月23日(木)に那賀川河川事務所別館会議室で開催されました。

 

○ 参加機関は、徳島県南の1市4町(阿南市、那賀町、美波町、牟岐町、海陽町)及び、徳島県、徳島地方気象台、徳島河川国道事務所、小松島港湾・空港整備事務所、那賀川河川事務所でした。また、オブザーバーとして四国 地方整備局からの参加があり、参加人数は計22名となりました。

 

○ 議事等内容は下記のとおりです。

 1.協議会規約改正(案)について

 2.市町からの報告事項について

 3.関係機関からの情報提供について

 

○ 今回、幹事会開催にあたり、幹事会メンバーに防災に関するアンケートを事前に実施することにより、意見交換がスムーズに行えるよう工夫いたしました。

 

○ 意見交換では、東日本大震災を受けて各関係機関の防災業務の見直し等、非常に苦労している等の発言が多くありました。幹事会メンバーからは、それぞれの立場で解決策を提案し合い、大変有意義な会議となりました。

 

○ また、関係機関からの情報提供では、徳島県からは「潮位情報システムの運用開始について」、徳島地方気象台からは「徳島県の地震・津波対策について」、四国地方整備局からは「TEC−FORCEの概要について」、「東日本大震災における四国地方整備局の取り組みについて」、「改正土砂法について」、徳島河川国道事務所からは「対空標識の取り組みについて」、「東日本大震災に伴う、四国地方整備局現地調査団派遣報告について(徳島河川国道事務所班)」、那賀川河川事務所からは「那賀川地震津波対策の検討について」、「那賀川防災情報メールについて」、「出水時のライブ映像の提供について」、「災害対策用機械(排水ポンプ車等)の出動要請の具体の手続きについて」等が紹介されました。

 

○ 日頃から各機関の方々との情報交換を密に行い、気軽に相談し合うことができるように、連携を大切にして行きたいと思います。

 

6.排水ポンプ車操作訓練を実施 (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○ 平成23年6月24日(金)に、高知県高知市春野町仁西地先の高水敷において、排水ポンプ車の操作訓練を開催いたしました。

 

○ 高知河川国道事務所では、150m3 /min×1台、60m3 /min×1台、30m3 /min×4台の計6台の排水ポンプ車を保有しており、そのうち、30m3 /minの2台を除いた4台が操作訓練を実施しました。

 

○ 当日の訓練には、実際に操作を行う委託業者および関係機関を含めて約60名の参加がありました。 また、自治体からも12名程度の参加がありました。

 

○ 訓練では、作業員が1つ1つの作業を確実に行うとともに、排水ポンプ車の状態が万全であるかも確認しました。また、担当になっている職員は、クレーン車と排水ポンプ車の位置関係や、現場での設置位置を想定に入れながら見学を行いました。

 

○ これから出水期を迎えるにあたり、防災関係者一同万全の備えを行っていきたいと考えております。

 

7.「県管理河川における河川維持管理状況等に関する調査」の実施について (四国地方整備局 河川部)

 

○ 本調査は、四国地方整備局、四国4県の担当者が県管理河川の現場において、河川改修事業、災害復旧事業により整備された、河道及び堤防等の施設の維持管理状況の把握及び、効果的・効率的な維持管理手法の検討等を行うことを目的として、平成21年度より実施しており、平成23年度は下記の日程で実施しました。※(一):一級水系、(二)二級水系

  高知県6/22(火)(一)宇治川、(二)安芸川

  徳島県6/24(金)(一)第二大谷川、(二)日和佐川

  香川県6/30(木)(二)香東川、(二)大束川

  愛媛県7/6(水)(二)須賀川,7/7(木)(二)中山川

 

○ 調査方法は、各県の全体的な河川管理諸元の説明に続き、各河川の河川維持管理計画に基づき、河川巡視、縦横断測量、堤防・護岸等河川管理施設点検、堤防除草等の詳細な維持管理実施状況の内容確認を行った上で、現地確認を行いました。

 

○ 調査結果は、定点写真撮影による河道状況の把握、地域住民と行政が一体となり堤防除草を実施している河川があり、工夫して良好な河川管理を行っている河川もありました。

  また、現地確認結果として、出水期を迎え、早急に対応が必要な下記事項について、整備局より技術的な助言を行いました。

  ・樋門周辺の堤防陥没について、早急に確認の上、対応を行う必要あり

  ・樋門導水路の土砂等の堆積があり、早急に撤去を行う必要あり

  ・河川堤防への不法耕作、高木繁茂について、撤去等対応を図る必要あり

  ・量水標の設置位置改善、定期的な観測データと現地量水標水位の確認

  ・堤防、樋門(許可工作物)周辺が未除草である為、点検、緊急時の樋門操作等へ支障を来しており、早急に対応を行う必要あり

 

○ 今回確認された上記事項については、各県より改善検討する旨連絡を受けています。

  県管理河川の維持管理については、各県の管理河川の延長が長いこと、予算や人員の制約などにより、堤防の高さや背後地など重要性を考慮し、優先的な箇所を設定して鋭意実施されている状況であり、今後更なる改善が望まれるところです。

 

○ 今後は、調査結果を踏まえ、整備局、各県の担当者による維持管理検討会を開催し、効果的・効率的な維持管理手法の検討を行うこととしています。

 

8.「角ノ瀬排水機場見学会」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 6月26日(日)に、吉野川市上浦公民館より約25人の方が来られて、徳島市にある角ノ瀬排水機場の見学をしました。

 

○ 今回の見学会は、上浦公民館の防災啓発行事として行われたもので、吉野川市を流域に抱える飯尾川の洪水防御施設として、角ノ瀬排水機場の見学を要望されたものです。

 

○ 参加者には、通常見ることの出来ないポンプ設備や、操作盤などを直に見学頂き、四国でも最大規模の排水ポンプ設備を間近で見られ、非常に喜ばれました。

 

○ 合わせて、本年5月末に完成した角ノ瀬樋門の耐震補強工事をご見学頂き、東南海・南海地震への備えについても説明を行いました。

 

○ また、併設されている導水路のゴム堰(徳島県管理:堰高4.7mで、完成当時日本一の規模)も、場内の見学に合わせて見て頂きました。

 

○ あいにくの小雨模様でしたが、排水機場の設備を一通り見て頂き、設備の内容にご理解を頂いたものと思います。

 

○ 同様の見学会は、昨年度は吉野川市の川島排水機場においても実施しており、今後も見学会などの機会を通じて、地域防災の一助に務めたいと思います。

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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