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四国河川ニュース

7/2(土)〜7/8()506

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○四国・水こぼれ話談話室Vol.193

 

  ○『愛媛県 土砂災害危険箇所避難誘導支援協働モデル事業』 愛媛県中予地方局建設部長 真田 憲高

 

  ○清流とほたる 砥部焼とみかんの町 砥部町「安心安全を実感できる町づくり」 愛媛県 砥部町長 中村 剛志 

 

○今週のニュース○

 

  ○第13回日本水大賞を受賞して (特定非営利活動法人 新町川を守る会 理事 新居 直)

 

  ○平成23年度 水防技術講習会を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

  ○ホタル鑑賞会および土器川ホタルまつりの開催 (土器川水系 香川県)

 

  ○平成23年度 肱川水防工法訓練の開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

  ○河川技術伝承会 防災士養成 所内研修について (中筋川総合開発工事事務所)

 

  ○「肱川を美しくするお花はん」による植栽会の実施について (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.193

 

1.『愛媛県 土砂災害危険箇所避難誘導支援協働モデル事業』 愛媛県中予地方局建設部長 真田 憲高

 

○ 「土砂災害」は、近年増加するゲリラ豪雨や本県の脆弱な地質条件などにより、いつ、どこで起きてもおかしくない、むしろ「身近な災害」になったと考えています。

 

○ このような中、災害を100%防ぐことは不可能ですが、土砂災害は、突発的に発生する地震や津波災害と比べ気象情報や前兆現象から、あらかじめ安全な場所に避難することが可能です。

 

○ また、東日本大震災を目の当たりにするまでは多くの方は、“これまで災害に遭ったことがない”という経験から、「自分は、大丈夫。今後も大丈夫。」と考え、災害に遭う可能性を低く見積もる傾向(=“非現実的楽観主義”)があったのではないでしょうか。

 

○ そこで、土砂災害から私たちの生命を守るため、「防災から減災へ」をキ−ワ−ドとして、『私たちは何をすれば良いか』を、「地域のみなさんと一緒に考えてみよう。」を合言葉に、住民の自主避難を円滑に進めるための土砂災害対策のソフト事業として、平成22年度に「土砂災害危険箇所避難誘導支援協働モデル事業」を実施しました。

 

○ 砥部町頭ノ向地区と東温宮之段地区の2地区の地域住民の方々の参加・協力のもと、土砂災害危険箇所の周知と避難誘導の体制づくりに取り組みました。

 (1)懇談会の実施

  2つの地区において、地域住民の方々を主体とした懇談会をそれぞれ4回開催し、土砂災害危険箇所を現地で確認したり、避難経路などを検討し、「土砂災害避難マップ」を作成しました。    

 (2)看板の設置

  懇談会で作成した「マップ」をもとに、地区毎に3枚(計6枚)の看板を設置しました。

 

○ 以上のようなプロセスを通して、参加者の皆さんに自分の身は自分で守るという意識が生まれ、自助・共助・公助の連携が一層図れ、地域防災力の向上につながりました。また、何より地域コミュニティ−の「絆」がより深まる一助になれたと考えています。

 

○ なお、この事業の取り組みをまとめたガイドライン(案)を作成し、県中予地方局のホ−ムペ−ジで公開しています。

 

○ 最後に、土砂災害から県民の生命・財産を守るため、施設整備に加え、警戒避難体制の強化など、ハ−ド・ソフト一体となった土砂災害対策に一層取り組んでまいりたいと考えています。         

 

2.清流とほたる 砥部焼とみかんの町 砥部町「安心安全を実感できる町づくり」 愛媛県 砥部町長 中村 剛志

 

○ 砥部町は、愛媛県の中央に位置し、北部地域は中央を流れる砥部川沿いに南北に開け、江戸時代以降、焼き物の町として名を成しました。

 

○ 北部地域は、県都松山市のベットタウンとして発展し、西日本屈指の規模を誇る県立「とべ動物園」や、遊びと創造のシンボル「えひめこどもの城」「県総合運動公園」などがあります。

 

○ 南部地域は、豊かな森林資源や自然景観が美しい山間地で、高原野菜や自然薯(じねんじょ)の栽培が盛んです。

 

○ 気候は、地域ごとに異なっており、北部は年間を通して温暖な気候ですが、南部の山間部では、冬季には15p程度の積雪も見られます。全体的には良好な気候となっており、災害の少ない居住に適した町です。

 

○ このように人と自然が共存する魅力ある町ですが、平成17年の梅雨前線豪雨では、人的被害こそありませんでしたが、大規模な山腹崩壊が発生し、住宅一棟が全壊したほか、農道や橋梁、水路などにも大きな被害を受けました。

 

○ 近年は、渇水かと思えば、時間30ミリから40ミリの豪雨に見舞われるなど、地球規模の気象の変化を感じております。

 

○ これら土砂災害から住民の皆さまの生命財産を守るためには、対策工事などのハード対策だけではなく、警戒避難体制などの整備を図るソフト対策が求められています。

 

○ 平成22年度において、土砂災害警戒区域の指定を受けた頭ノ向地区において、県の土砂災害危険箇所避難誘導支援協働モデル事業を利用し、地域の危険箇所や避難経路を示した「土砂災害避難マップ」を作成するなど、避難体制の充実に努めました。

 

○ 災害対策は、家庭や地域、町、みんながそれぞれの役割を果たし、連携することで大きな効果を上げるものと思います。

 

○ 今後も引き続き自主防災組織の育成に努めるとともに、関係機関の皆さま、地域の皆さまのご協力をいただき「安心安全を実感できる町づくり」を進めてまいります。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.第13回日本水大賞を受賞して (特定非営利活動法人 新町川を守る会 理事 新居 直)

 

○ 「水辺に人が集まるまちづくり〜吉野川をはさんだ水際交流拡大プロジェクト〜」が、第13回日本水大賞を受賞いたしました。

 

○ 当会が発足してから20年、河川清掃活動を基本に、無料遊覧船の運航や堤防の除草、また修景、そして今では通年行事となったラブリバーイベントなどを行ってまいりました。平成13年には、第3回日本水大賞 国土交通大臣賞を受賞し、現在も、行政・企業・各種団体と連携、協働を深めながら、「できる時に・出来る人が・出来る事を」をモットーに、川と地域の再生を続けています。

 

○ 今回は、平成19年より始めた「撫養航路」復活プロジェクトで応募し、これまで20年間の活動を含めて今回の大賞をいただきました。

 

○ 6月21日(火)の授賞式には、当会会長の中村英雄を筆頭に12名の関係者が会場に参列して、秋篠宮殿下の署名入り賞状をいただきました。

 

○ 授賞式が終わって、秋篠宮殿下並びに同妃殿下をエレベーターにお見送りした時には両殿下がお声を掛けて下さり、我々の川への取り組みを大変評価して下さいました。

 

○ 表彰式後の懇親会では、阿波踊りを会場で披露し、おおいに四国徳島をアピールしてきました。

 

○ 今後も、大賞受賞の栄誉に恥じないよう、水環境保全・川からのまちづくりに取り組んでいきたいと思っています。

 

○ 今回の受賞にあたり、関係者の皆様にお礼を申し上げるとともに、今後もご協力をお願い申し上げます。

 

※日本水大賞は、安全な水、きれいな水、おいしい水にあふれる21世紀の日本と地球をめざし、水循環系の健全化に寄与する活動を顕彰する賞で、秋篠宮さまが名誉総裁を務めます。

 

4.平成23年度 水防技術講習会を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 本格的な出水期を前にして、6月5日(日)に徳島県阿南市富岡地先(桑野川右岸5k/6付近)の桑野川防災ステーションにおいて、水防に必要な知識及び技能の修得のため、水防技術講習会を開催しました。

 

○ 講習会には、防災エキスパートの5名(山本邦一氏、阿部正利氏、本田敏雄氏、田村猛氏、桝田久雄氏)を講師として招き、国土交通省那賀川河川事務所、徳島県、阿南市消防署、阿南市消防団(羽ノ浦分団、那賀川分団、見能林分団、富岡分団、福井分団)、災害時の応急復旧協定業者、あわせて約150名が参加しました。

 

○ 講義では、山本邦一氏から「水防に関する基礎知識」や「現状と課題」、阿部正利氏からは改良したポリ桶を使って、迅速で使用する土のう数を減らせることができる「改良釜段工」の紹介をしました。

 

 

○ 実技では、参加者全員によるロープワーク、土のう作りを実施した後、5班に分かれて、実際に各分団で使われる可能性の高い水防工法(月の輪工、シート張り工、改良積土のう工、木流し工)を、手順を確認しながら実施しました。

 

○ 当日は、各班に分かれての水防工法実施頃から雨が降り出し、本番さながらの講習会となりました。那賀川河川事務所では、出水時における水防活動が円滑に実施されるよう、水防団員等の水防技術の向上及び伝承を図るため今後も継続を予定しています。

 

5.ホタル鑑賞会および土器川ホタルまつりの開催 (土器川水系 香川県)

 

○ 今年も6月5日(日)に、土器川生物公園で「ホタルまつり」を開催しました。

 

○ 本イベントは、土器川ホタル同好会が主催し、「きれいな川の象徴であるホタルを復活させよう」という同好会主旨のもとに、平成9年よりほたる鑑賞と土器川河川愛護並びに美化啓発を目的に開かれているもので、今年で15回目となります。

 

○ 「ホタルまつり」では土器川生物研究会の協力を得て、ホタルの鑑賞や生態説明と共に、土器川に生息する水生生物の展示・紹介を行う「ホタルの一生・魚類探検コーナー」や、網を張ったテントに放しているホタルが何匹いるかを当てる数当てクイズ、水風船のヨーヨー吊り、楽しみながら水の循環について学ぶ体験型ゲーム、サイコロゲーム、香川県内の「水辺の88カ所」の紹介や、土器川の現状についての展示パネルなど様々な催し物を行いました。

 

○ また、今年は東日本大震災の緊急災害支援隊として、東北へ派遣された排水ポンプ車・照明車の展示や、支援状況のパネル展示を行いました。

 

○ 今年は台風の影響で日程が変更になったにもかかわらず、家族連れを中心に約800名もの参加者を迎えたイベントとなりました。

 

○ また、6月3日(金)と6月4日(土)の19時30分〜21時までの間では、土器川出張所で「ホタル鑑賞会」を開催し、約250名の地域住民方々が来場されました。

 

6.平成23年度 肱川水防工法訓練の開催 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○ 平成23年6月5日()に、大洲市若宮の肱川防災ステーションにおいて、国、愛媛県、大洲市、大洲地区広域消防事務組合、大洲市消防団、大洲市自主防災組織(13地区)の総勢約180名が参加し、水防工法訓練を実施しました。

 

○ この訓練は、5月の水防月間にあわせて毎年実施しているもので、平成13年に防災ステーションで合同訓練を行うようになってから、今回で11年目になります。

 

○ 訓練は、大洲河川国道事務所長と大洲市消防副団長の挨拶の後、工法訓練を開始しました。

 

○ 訓練では、消防署、消防団、自主防災組織と行政機関の各班に分かれ、約1時間半にわたり改良積み土のう工Uや月の輪工等水防工法の実践、水防工法の基本となるロープワークの習得、土のうの作り方などを、4名の防災エキスパートの指導を受けながら実施しました。

 

○ 水防工法訓練は、近年の災害発生の傾向から水防活動が重要になっており、水害被害の軽減や未然防止のための対策を、事前に関係機関や地域住民と合同で行うことで、本番の水防活動に万全の体制で臨むことを目的としています。

 

7.河川技術伝承会 防災士養成 所内研修について (中筋川総合開発工事事務所)

 

○ 中筋川総合開発工事事務所では、6月6日(月)に防災士(達人)養成のための所内研修を行いました。

 

○ 講師は、4月上旬に土木学会四国支部の東日本大震災現地調査団に、同行された(財)日本建設情報総合センター JACIC 松尾裕治 四国地方センター長をお招きして、東日本大震災の現地調査結果を新聞・テレビの報道を交えて、「東日本大震災と過去の災害から学ぶローテク防災術」という題でご講演いただきました。

 

○ 東日本大震災現場での映像を交えながら、その時感じられた事などのお話をして頂きました。瓦礫しかない風景を見ると、津波の被害がいかに大きかったか、まざまざと感じさせられました。

 

○ また、ニュースでは報道されにくい、被害が少なかった地域が、なぜ被害が少なかったのかという理由として、過去の災害の教訓であったり、日頃からの避難訓練の効果などを挙げられ、聞いている私達として、日頃からの防災意識の重要性を感じました。

 

○ 「稲むらの火」の教えのように防災教育が重要だという事、津波から身を守る方法として三陸地方に伝わる「津波てんでんこ」の効果など、昔ながらの知恵が今回の震災で「釜石の奇跡」(児童、生徒約3000人のほぼ全員が無事に避難出来た)をもたらした事を通じて、南海地震の大津波が目前に迫る四国が今何をするべきなのか等をお話し頂き、今後の防災事業を進めていく中で勉強になる研修でした。

 

8.「肱川を美しくするお花はん」による植栽会の実施について (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○ 平成23年6月7日(火)に、平成23年度第1回目の「お花はん」によるひまわりの種まきを肱川の高水敷(畑の前橋下流)にて、10団体の団体会員を含む86名で実施しました。

 

○ 「お花はん」の活動としては、平成15年度より「肱川を美しくするお花はん」として、会員の皆さまとともに、肱川や矢落川を美しくする活動を進めており、今年で9年目を迎えます。

 

○ 一般の方にも大洲市の広報誌を通じてご案内を行い、広く募集致しました。

 

○ 作業は、参加いただいた方で班分けを行って担当の範囲を決め、約3,300m2の範囲に班単位で、ひまわりの種まき及び肥料まき等を行いました。

 今後は、各班単位で愛情をもって草引き等の世話を行っていく予定です。

 

○ また、ひまわりの開花時には、毎年大勢の方が訪れて、市民の憩いの場になっています。真夏に大きなひまわりの元気に咲く姿が見られることを、会員一同楽しみにしています。

 

○ 今後の予定としましては、来年の3月に開催される「菜の花フェスタ」に向けた菜の花の種まき等の、平成23年度第2回植栽会も秋頃に予定しております。

 

 

 

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