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四国河川ニュース
《6/25(土)〜7/1(金)》505号
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【2011.7. 4発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.192
○緊急輸送路の土砂災害からの保全 徳島県県土整備部河川局 砂防防災課長 津田 修
○安心して暮らせる町を目指して 徳島県東みよし町長 川原 義朗
○今週のニュース○
○渡川(四万十川)水系 水質汚濁防止連絡協議会【幹事会】 (渡川(四万十川)水系 高知県、愛媛県)
○渡川(四万十川)水系 水難事故等防止連絡会 (渡川(四万十川)水系 高知県)
○重要水防箇所現地説明会 (仁淀川・物部川水系 高知県)
○排水ポンプ車操作訓練(香川地区)を実施 (四国技術事務所)
○「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催 (重信川水系 愛媛県)
四国・水こぼれ話談話室Vol.192
1.緊急輸送路の土砂災害からの保全 徳島県県土整備部河川局 砂防防災課長 津田 修
○ 徳島県では、災害発生時における人命の救助や生活物資・資機材等の広域的な緊急輸送を行うため、徳島自動車道をはじめとする55路線を「緊急輸送路」として指定し、災害に対する強度の調査を行い、必要な整備の検討を進めています。
○ 砂防関係事業におきましても、人的被害の軽減を図るために、円滑な人命救助などの応急活動を確保するための「緊急輸送路の保全」に、重点的に取り組んでいます。
○ 徳島県は、地形が急峻であり地質も脆弱であることから、緊急輸送路に被害が及ぶ危険性のある土砂災害危険箇所が797箇所(土石流危険渓流T(※1)292渓流、地すべり危険箇所174箇所、急傾斜地崩壊危険箇所T(※2)331箇所)存在し、平成22年度末で252箇所が対策を概成しています。
○ 美濃田1号谷(東みよし町)は、人家やJRのほか緊急輸送路である国道192号に被害が及ぶおそれのある土石流危険渓流であり、平成16年には小規模な土石流が発生し、国道とJRが一時通行不可能となりました。このため、平成19年度から通常砂防事業により砂防堰堤の整備を進めており、本年度に概成する予定であります。
○ 今後も引き続き、ハード・ソフト一体となった的確な土砂災害対策を進め、県民の皆様の安全・安心をしっかり守って参りたいと考えています。
(※1、※2は保全対象5戸以上の箇所)
2.安心して暮らせる町を目指して 徳島県東みよし町長 川原 義朗
○ 東みよし町は、面積122.58km2(可住地面積26.88km2、可住地面積割合21.9%)、世帯数5,153世帯、人口約1万6千人の町です。日本列島の中心点{北緯34度、東経134度の特異点(緯度・経度の下2桁が同じ点)があり、しかも、この地点が日本列島に21ある特異点の真ん中になります。}があり、徳島県の西北部、四国のほぼ中央部に位置し、北は香川県、東はつるぎ町、西・南 は三好市と接しています。町の中心部には、西から東へとかつては「四国三郎」と呼ばれた日本三大「暴れ川」である吉野川が流れ、北に阿讃山脈、南に四国山地と急峻な山々に囲まれ、豊かな水と緑に恵まれた町です。
○ また、吉野川に沿って広がる肥沃な平野部の南岸には国道192号、JR徳島線、北岸には徳島自動車道、県道鳴門池田線がほぼ平行に走り、その周辺部を中心に街並みが形成されています。
○ さらに、徳島自動車道吉野川ハイウェイオアシスには、ETC専用インターチェンジの設置も完了し、今後中・四国はもとより近畿圏域との交流連携の拠点として発展が期待されています。
○ しかし、町の中心を流れる吉野川は、時に洪水となり大きな被害をもたらしてきました。平成16年には度重なる台風の襲来に川の氾濫及び内水による浸水被害が多く発生しました。現在、国県の協力を得ながら、堤防の建設また内水被害の軽減を図るため、新たな用排水路の建設及び拡張を行っています。
○ また、近年の異常気象や東日本大震災のような地震といった災害に対し、避難所等防災施設の整備を図るとともに、自主防災組織の結成を進めています。昨年度は、徳島県西部総合県民局との共催により災害時用援護者支援事業として、講演会、大雨を想定した各地区での要援護者避難支援訓練、また要援護者の支援方法等を体験すると言った、ソフト対策も進めてきたところです。今後も地域住民と一体となり、防災力の強化に努めていきたいと考えています。
○ 最後に、更なる住民の安心安全のため国及び県と連携しながら地域防災計画の充実を図り、災害に強いまちづくりを推進してまいりますので、関係諸機関の皆様方には、今後ともご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.渡川(四万十川)水系 水質汚濁防止連絡協議会【幹事会】 (渡川(四万十川)水系 高知県、愛媛県)
○ 平成23年6月2日(木)に、中村河川国道事務所会議室において、渡川(四万十川)水系 水質汚濁防止連絡協議会【幹事会】を開催しました。
○ 幹事会は、渡川(四万十川)水系の「高知県、愛媛県、関係市町村(三市七町一村)、土佐清水海上保安署」の25名の幹事で構成されています。
○ 本会は、緊急時の連絡体制の整備、水質資料情報等の交換、水質汚濁防止対策の推進等を目的に開催しています。
○ 本会では、「水質事故の連絡体制」や「異常水質汚濁連絡要領」、「機関別水質事故対策資材保有状況」を確認し、また、「広報(案)『水質事故とは?』」 や「水質事故対策の原因者負担の手続き(案)」について討議するとともに、昭和46年以降の「水質経年変化」について報告しました。
○ 渡川(四万十川)水系における水質事故発生時の、迅速で的確な情報連絡や、関係機関相互の連携・協力体制等について、質疑応答など活発な意見が交わされ、有意義な会議となりました。今後も、水質汚濁防止に向けて関係機関と連携を図っていく所存です。
4.渡川(四万十川)水系 水難事故等防止連絡会 (渡川(四万十川)水系 高知県)
○ 平成23年6月3日(金)に、中村河川国道事務所会議室において、渡川(四万十川)水系水難事故等防止連絡会を開催しました。
○ 連絡会は、渡川(四万十川)水系の下流地区である「高知県幡多土木事務所、四万十市(総務課、教育委員会)、四万十消防署、中村警察署」の6名の 委員と、オブザーバー(四万十川流域住民ネットワーク)で構成されています。
○ 本会は河川利用者が、安全・安心して利用できる河川空間の創出によって生じる、水難事故等の防止を目的に開催しています。
○ 本会では、「事故発生時の連絡体制」を確認し、「近年の水難事故等」について報告を行い、啓発講座『四万十川水中探偵団』(7月24日(日)10時から12時、百笑町小畑地先(赤鉄橋上流約500m)で開催予定)の取組について討議しました。
○ 渡川(四万十川)水系における水難事故発生時の、迅速で的確な情報連絡や、関係機関相互の連携・協力体制等について、質疑応答など活発な意見が交わされ、有意義な会議となりました。今後も、水難事故等防止に向けて関係機関と連携を図っていく所存です。
5.重要水防箇所現地説明会 (仁淀川・物部川水系 高知県)
○ 梅雨や台風シーズンの出水に備えて、6月1日(水)、3日(金)で、仁淀川・物部川の重要水防箇所の巡視を、流域市町村などの関係機関と合同で行いました。
○ 本説明会は、国や市町村、水防団などの関係機関が、合同で重要水防箇所などの現地を確認することによって情報を共有し、いざという時の水防体制の充実を図るものです。今年は東日本大震災の影響か、例年以上の参加者が集まりました。
○ 重要水防箇所とは、洪水時に堤防が崩れたり、洪水が堤防を越えるなどの水害を受ける恐れがあり、重点的な見回りや点検が必要な箇所のことです。今年は例年になく梅雨入りが早く、台風も5月に接近していることから、特に注意が必要と考えています。
○ 巡視は下記の日程で行われました。
6月1日 仁淀川(高知市、土佐市、いの町、日高村)の重要水防箇所
6月3日 物部川(南国市、香南市、香美市)の重要水防箇所
○ 巡視に参加したのは、仁淀川・物部川・高知海岸の水防連絡会を構成する下記の機関です。
【仁淀川重要水防箇所巡視の参加機関】
高知県、高知市、土佐市、いの町、日高村、国土交通省など。
【物部川重要水防箇所の参加機関】
高知県、南国市、香美市、国土交通省など。
○ 今後も、このような水防体制の充実に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。
6.排水ポンプ車操作訓練(香川地区)を実施 (四国技術事務所)
○ 6月3日(金)に、高松市東植田町の公渕(きんぶち)池において「排水ポンプ車操作訓練」を実施しました。
○ 訓練は、四国技術事務所保有の排水ポンプ車(150m3/min水中ポンプ式,30m3/min 軽量水中ポンプ式)2台を使用し、整備局職員、作業を担当する建設業者など総勢58名が参加しました。
○ 今回の訓練では、初めて排水ポンプ車を操作する建設業者の方も多く、整備局職員の指導のもと、操作手順や設置作業のノウハウを習得すべく、熱心に取り組んでいただきました。
○ また、訓練会場には東日本大震災の支援に出動した、災害対策用機械の活動状況を写したパネルを展示し、東北地方における四国地方整備局の対応を紹介しました。
○ 梅雨入り後の本格的な出水期を迎え、いざというときには訓練の成果が十分に発揮できるよう期待しています。
7.「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)を開催 (重信川水系 愛媛県)
○ 6月4日(土)に、「重信川の自然をはぐくむ会」の主催で、10回目となる「重信川クリーン大作戦」(清掃活動)が行われました。
○ 「重信川クリーン大作戦」は、平成17年1月に重信川エコリーダー(愛媛大学生)の呼びかけにより開催され、年に1〜2回継続的に実施しており、今回が節目の10回目となりました。
○ 清掃場所は、下流左岸【松前町】(重信川河口)、中流右岸【松山市】(重信橋周辺)、上流左岸【東温市】(拝志大橋周辺)の3箇所で約370名の参加があり、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「粗大ゴミ」別に集められ、約450袋のゴミが回収されました。その中には、古タイヤ・自転車・電線管等の不法投棄もありました。
○ 今回の清掃は、先週の台風2号の出水により大量のゴミが河口に押し寄せられたこともあり、河口部でペットボトル等のゴミ収集数が群を抜いて多い状態でした。
○ また、下流左岸において、重信川エコリーダーによるプロジェクトWET(水に関する教育)が実施され、高校生と大学生がグループになり、様々な水の利用(人間による消費、かんがい、エネルギー開発、生態学的価値etc.) についてゲーム感覚で学習を行いました。
○ 中流右岸では、外来種であるスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)や、オオキンケイギクの除去も試験的に行いました。
○ 参加者からは清掃後のきれいになった重信川を見て、すがすがしい気分となりましたが、集められた多くのゴミを見て、重信川の美しい河川環境を守 り育てていくために、一人一人がゴミを捨てないようにする意識の向上や、工夫が必要であるとのご意見を頂きました。
※「重信川の自然をはぐくむ会」:環境悪化が進む重信川の保全・再生を目指し、地域の大学、学生、NPO、行政の協力・連携を図るため平成15年1月に設立された団体。
※ 「重信川エコリーダー」:松山在住の大学生の環境学習等を実施しているサークルであり、「重信川の自然をはぐくむ会」の構成メンバーで子供と大人を繋ぐ橋渡し的な存在。
「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。
■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 藤田 博史
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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