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四国河川ニュース

6/18(土)〜6/24()504

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○四国・水こぼれ話談話室vol.191  

 

  ○高知県における地域防災力の向上を目指した取り組み 『こども防災キャンプ』 高知県土木部防災砂防課長 加藤 仁志 

 

  ○『地域防災力の向上で目指す災害に強いまちづくり』 高知県 南国市長 橋詰 壽人 

 

○今週のニュース○

 

  ○災害対策用機械類の操作訓練(香川・徳島地区)を実施 (四国技術事務所)

 

  ○野村ダム見学会【大和田小学校】 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

  ○市場地区漏水対策工事現場見学会を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

  ○後川樋門運用開始式を開催 (物部川水系 高知河川国道事務所)

 

  ○排水ポンプ車訓練を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.191

 

1.高知県における地域防災力の向上を目指した取り組み 『こども防災キャンプ』 高知県土木部防災砂防課長 加藤 仁志 

 

○ 高知県においては、土砂災害危険箇所が約18,000箇所あり、全国で第7番目の数の多さとなっています。

 

○ そこで本県では、土砂災害からの犠牲者ゼロを目指す取り組みを『Missionゼロプロジェクト』と名付け、ハード対策・ソフト対策が一体となり、土砂災害を防止し、早期・安全な避難を実現する取り組みを重点的に行っています。

 

○ ソフト対策については、土砂災害警戒区域の指定を促進するとともに、土砂災害に関する防災学習会の開催や、テレビ・ラジオ等マスコミを通じた広域的な啓発活動を継続的に行っています。

 

○ その中でも特に重点的に実施しているのが『こども防災キャンプ』です。この『こども防災キャンプ』は平成18年より実施しており、土砂災害警戒区域が指定された市町村の小学校で開催し、年間2〜3校のペースで現在まで行っています。

 

○ 『こども防災キャンプ』は、「感受性が強く知識の習得が高い児童期(小学生)を対象」にした「授業形式による体験型学習」です。

 

○ 『こども防災キャンプ』を通じて、(1)子供達が自ら自分の命を守る力を身につけてもらう。(2)子供達の防災意識の向上を図る。(3)子供から家庭、家庭から地区へ、さらに地区から地域へと『地域防災力の向上』をつなげて行く。といった大きな狙いがあります。

 

○ また開催は、参観日とあわせ、土日のうちの1日を開催とし、保護者や地域住民も巻き込んだ形で実施することで、地域のつながりの強化にもなると考えています。

 

○ 体験メニューとしては、土砂災害関係の降雨体験や土石流3D映像体験にとどまらず、地震体験、消火訓練、津波学習、救急訓練、気象学習など多種多様となっており、まさに『総合的な防災体験』が出来る場となっています。

 

○ 今年3月に発生した東日本大震災でもハード対策の限界、津波から逃れるために高台に避難するなどの、ソフト対策の重要性等が改めてクローズアップされています。

 こういったことを踏まえ、高知県としては、今後も積極的に地域へ出向いて「地域防災力の向上」に努めて行きたいと考えています。

 

○ 体験・学習した子供たちの声

 ・どせきりゅうがほんとにあったらこわいな。(1年生)

 ・つなみがきたらできるだけ早くつなみからにげたいとおもいました。(2年生)

 ・いろいろなものをそろえなきゃいけないと思いました。(3年生)

 ・本当におこった時に、学んだ事をいかして自分の命を守りたいと思いました。(4年生)

 ・お父さんやお母さん達が、災害で命を落とさないよう、このことを話そうと思いました。(5年生)

 ・一番しなければならない準備は、いつも校長先生が言っている心の準備なんだと実感しました。(6年生)

 

2.『地域防災力の向上で目指す災害に強いまちづくり』 高知県 南国市長 橋詰 壽人 

 

○ この場をお借りしまして、東日本大震災で被災された方々に、心からのお見舞いを申し上げますとともに、救助・救援活動等に懸命に取り組んでおられる多くの方に心より敬意を表します。

 

○ 南国市は、高知市の東隣に位置し空の玄関、高知龍馬空港と高知自動車道南国I.Cを有する広域交流拠点都市です。地形は北に山間部、南に沿岸部、そして中央には県内トップクラスの穀倉地帯を形成した温暖で自然豊かな土地柄です。

 

○ 自然の恵みを受ける反面、風水害や地震など自然の猛威にも遭遇してきました。特に山間部は市面積の約47%にもなり、1998年高知豪雨の土砂災害で犠牲者が出たことは忘れられない記憶です。市全体の土砂災害危険箇所は389箇所あり、平成20年から土砂災害警戒区域の指定・周知活動も始まっています。

 

○ 今回の「南国市こども防災キャンプin久礼田」の取り組みは、南国市が目指す災害に強いまちづくりの核である、自助・共助・公助の一体となった学校・家庭・地域・関係機関が連携しての体験訓練でした。地震・気象・土砂災害などの学習や体験、救急・炊き出し・バケツリレー・灯り作りなどの取り組み通じて感じたことは、@災害発生前〜復旧まで一連事象体験・学習をする。A小学生、保護者、自主防災会、防災関係機関など地域を形成する多くの人が連携する。B自ら考え、命を守る方法を身につける。ことにより、地域防災力の向上に必要な力を培っていくことにつながるものでした。

 

○ 学校からは自然災害の恐ろしさや迅速な避難行動の大切さ、災害時の対応方法などに大変役立っていると報告もあり、その後、自発的に計画・運営された地元企業・消防団・消防署の連携による、地震速報システムを使った地震・火災避難訓練は、「こども防災キャンプ」の取り組みが防災意識の醸成につながったものと感じております。

 

○ 今後予想される南海地震対策である小中学校の耐震化は完了しましたが、その他公共施設や住宅の耐震化、防災行政無線の整備、津波避難施設や誘導灯・避難路の整備などのハード対策とともに、自主防災組織の結成や防災学習・訓練など活動支援と連合組織化、防災マップなどのソフト対策を進めながら、市民とともに災害に強いまちづくりを目指して参りたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.災害対策用機械類の操作訓練(香川・徳島地区)を実施 (四国技術事務所)

 

○ 四国技術事務所において、5月31日(火)に「災害対策用機械類及び情報通信システムの操作訓練(香川・徳島地区)」を整備局職員・自治体職員・建設業者を対象として実施しました。

 

○ この操作訓練は、平成9年度より毎年実施しており、四国地方整備局が保有する災害対策用機械及び情報通信システムの操作方法を習得すると共に、現地で作業員に的確な指導が行える、官民の人材育成を目的として行っています。

 

○ 訓練には計73名が参加し、照明車、衛星小型画像伝送装置(Ku-SAT)など6種類の機械の操作を行いました。

 

○ 四国地方は5月26日(木)に梅雨入りし、また訓練前日には台風2号が接近するなど、災害発生の危険性も増してきていることから、今回の訓練の成果を生かし、万全の初動活動を期待したいと考えております。

 

4.野村ダム見学会【大和田小学校】 (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○ 5月12日(木)に今年度初めての野村ダム見学会を開催しました。

 

○ 見学に来たのは、地元小学校である大和田小学校の生徒44名でした。

 

○ 野村ダムでは、ダムの事を理解していただくため、積極的に見学会を開催しています。平成22年度の見学会実績として延べ496名、開催回数16回を行っています。

 

○ 今年度は更に理解を深めていただくために6種類のチラシを作成し、配布説明しています。

 ・通常の仕事編

  「みんな元気にがんばっています。ふだんの管理所のお仕事」

 ・出水時の仕事編

  「大雨の時はもっとがんばります。洪水時の管理所のお仕事」

 ・出水時のダムの役割編

  「もし、大雨が降ったら・・・、大雨の時のダムの役割(洪水調節機能)」

 ・放流警報時の避難編

  「急いで川からはなれましょう。みなさんへのお知らせ(ダム放流警報)」

 ・水力発電編

  「流れ込んでくる水で電気も作っています。水の力を使った発電(水力発電)」

 ・ダムと自然調和編

  「自然にやさしいダムなのです。自然への気くばり(エコへの取り組み)」

 

○ 授業形式での説明を基本に小学生に聞きたい事柄を選んでもらい、それについて丁寧に理解しやすいよう気を付けながら説明しました。

 

○ 初めての資料での初めての見学会であったので、反応が気になりましたが、引率教員から「こどもにも解りやすい説明をありがとうございました」とお礼をいただきました。今後も、ダム見学会を精力的に実施し、ダムに関する理解が広がるように努めていきたいと思います。

 

5.市場地区漏水対策工事現場見学会を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 6月2日(木)に、阿波市市場町香美地先(吉野川左岸30k/0付近)の漏水対策工事現場において、所内職員を対象にした現場見学会を開催しました。

 

○ 近年、当事務所では堤防の強化(漏水対策)を実施していますが、この市場地区においては現在6件、延長約2.6kmが工事の最盛期を迎えています。

 

○ 見学会当日は事務所、出張所の若手職員を中心に、施工業者等を含め約60名が参加しました。

 

○ 見学会では、各現場の特色や創意工夫について受注業者から説明を行ったほか、3件で実施中の情報化施工(盛土の出来形管理をTS[トータルステーション]で実施)のデモや、各種新技術機器のデモ(低騒音転圧機、ソーラーLEDバリケード)等を行いました。

 

○ TSによる出来形管理技術は、平成25年度一般化に向けて現在急速に普及が図られている技術で、出来形管理、帳票作成、丁張り設置等の作業が、迅速確実に行えることから非常に有用な技術であると感じています。

 

6.後川樋門運用開始式を開催 (物部川水系 高知河川国道事務所)

 

○ 今世紀前半に発生する可能性が高いといわれている、東南海・南海地震等のプレート境界型の地震等も含めた対応として、平成20年度から後川樋門の改修を行ってきました。

 

○ 同樋門は、老朽化が著しく構造的に強度が不足し、樋門の背後地には、高知空港や家屋等の資産が集積していることから、地震動による崩壊や閉扉操作への支障が生じた場合、津波や地震後の洪水の侵入により浸水被害の発生が懸念されていました。

 

○ このため、後川樋門の全面改築により耐震化するとともに、ゲートの高速化、自動化、遠隔操作化を平成22年度末までに完成させました。

 

○ 5月22日(日)には「運用開始式」を南国・香南の両市長、市・県議会議員や地元の地区長、施工業者等をお招きして開催しました。

 

○ 式では、高知河川国道事務所長の式辞、南国・香南両市長のご挨拶の後、熊岡河川副所長の工事経過報告が行われました。また、後川樋門の銘板の揮毫をして下さった、大湊小学校6年生の浜田菜々子さんに感謝状が授与されました。

 

○ 最後に、列席者代表の方々がゲート操作のボタンを押し、樋門の自重降下操作を行いました。今後は、地域の安心・安全を守る河川管理施設として運用されます。

 

7.排水ポンプ車訓練を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 平成23年6月1日(水)に、吉野川市鴨島運動場において、排水ポンプ 車の操作訓練が、国土交通省・徳島県合同で開催されました。

 

○ 当日の訓練には、実際に操作を行う建設業者および、関係機関を含めて126名の参加がありました。

 

○ 訓練では作業員が1つ1つの作業を確実に行うとともに、排水ポンプ車の状態が万全であるかも確認しました。

 

○ 国土交通省徳島河川国道事務所では、現在までに7台の排水ポンプ車を導入配備しています。

 

○ 排水ポンプ車が出水時の内水被害軽減に有効であることは、行政の災害担当者や内水被害を経験したことのある住民の間で、広く知られているところです。

 

○ また、3月11日(金)に発生した東日本大震災の被災地において、津波により浸水した被災地の排水作業に、徳島からも3台(四国全体で最大9台)が被災直後から派遣され、関係業者の協力のもと、震災後の復興に役だっていることが実証されています。

 

○ 出水期中におきましても、防災関係者一同万全の備えを行っていきたいと考えております。

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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