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四国河川ニュース

6/4(土)〜6/10()502

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○四国・水こぼれ話談話室Vol.189○

 

 ○徳島県 正木ダム堰堤改良事業 徳島県県土整備部 東部県土整備局 局長

  澳津 康賀

  注)澳津康賀様におかれましては平成23年3月31日付けでご退職され、後任には平成23年5月1日付けで石本昇様が局長に就任されております。

 

 ○持続可能な地域社会づくり 徳島県 上勝町長 笠松 和市 

 

 

○今週のニュース○

 

 ○那賀川の春渇水の取り組みについて (那賀川水系 徳島県)

 

 ○長期放置船舶簡易代執行の実施について (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

 ○「第4回広瀬霞自然観察会」を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

 ○銅山川3ダムの取水制限を全面解除 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)

 

 ○野村ダム放流警報周知会を開催しました (肱川水系 野村ダム管理所)

 

 ○第20回朝霧湖マラソン大会は今年も盛況 (肱川水系 愛媛県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.189

 

1.徳島県 正木ダム堰堤改良事業 徳島県県土整備部 東部県土整備局 局長 澳津 康賀

 

○ 正木ダムは、昭和52年に完成し33年を経過しております。ダム建設時に建てられた管理所は、現在の耐震基準を満足しておらず、また、ダム放流操作時に必要な情報処理装置(ダムコン)や放流警報設備(テレメータ)は、更新後20年ほど経過し、故障時の部品調達の対応等が困難となってきていました。

 

○正木ダムの概要 

 @目的   洪水調節,河川環境の保全,かんがい,工業用水,発電

 

 A河川名 2級河川 勝浦川水系 勝浦川

 

 B諸元  重力式コンクリートダム

         堤高:67.0m 堤体積:248,8003

      総貯水容量:15,050 千m3

         集水面積:94.7km2

 

○事業の概要・効果 

 近い将来に起こるとされる南海地震への備え、洪水調節時に必要なダム放流操作の信頼性向上のために、平成22年度にダム管理所の耐震補強と情報操作処理装置(ダムコン)の改良を行い、併せて、放流操作の支援となる河川流出予測システムを導入しました。今後も老朽化したダム諸設備の改良を進め、ダム管理の適正化及び効率化を図っていきたいと考えております。

 

○事業概要

 事業費   全体 890百万円(平成22年度迄 390百万円)

 事業期間  平成20年度〜平成25年度 

 事業概要  ダム情報処理設備改良(管理所耐震補強含),テレメータ・放流警報設備改良、主ゲート放流設備改良

 

2.持続可能な地域社会づくり 徳島県 上勝町長 笠松 和市 

 

○ 上勝町は四国山脈の南東部、徳島県庁から南西方向に約40km(車で約5 0分)のところに位置し、美しい連山の間には東流する勝浦川があり、総面積109.68km2、内88.5%が山林で、その内の83.5%が杉を主体とした人工林と、わずかの1.2%の土地には急峻な田畑樹園地、また、標高100700mの間に55の集落が点在しています。

 

○ 町の産業は、かつては木材、温州ミカンが主な産物でしたが、輸入自由化などにより採算が合わなくなり、さらにS52に正木ダム完成、河川改修や県道改良の事業推進、公共施設の建築など公共事業を中心とした産業に変わっていきました。その中で、S562月にはマイナス13度という局地的な異常寒波で主産物のミカンがほとんど枯死し、本町特産の香酸柑橘である「ゆこう」「すだち」も枯死寸前となり農業は大打撃を受けました。

 

○ しかし、これを契機として、農家はもちろん、農協、町、普及所等が軽量野菜を中心に農業再編成に取り組む中で、S61年には現在ヒット商品となっているいろどり農業が生まれ販売開始、H3年からH7年に5つの第3セクターを設立し、就業の場も多くなりました。H13年ゴミ35分別開始。H15年に焼却・埋め立てによるゴミの処理を限りなくゼロに近づける「ゴミゼロ(ゼロ・ウエィスト)」を日本で初めて宣言。H17年「日本で最も美しい村」連合設立に参画し、すばらしい地域資源を持った過疎の町が「日本で最も美しい村」を宣言することで、自らの地域の誇りを持ち将来にわたって美しい地域づくりを行うなどにより地域の活性化を図りながら、観光的付加価値を高め、地域資源の保護と地域経済の発展を推進しています。H18年木質チップボイラ−導入。H222月には重要文化的景観「樫原の棚田」に選定等による景観づくり、また、明るい夢のある「いろどりの里」の実現に向け知識と知恵を使っての若い世代が定住できる自ら考え自ら行う地域づくり『いっきゅう運動会』を 展開し町づくり、人づくり に取り組んでいる過疎と高齢社会の町です。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.那賀川の春渇水の取り組みについて (那賀川水系 徳島県)

 

○ 那賀川水系にある長安口ダムの上流においては、平成231月以降少雨が続き、1〜3月の降水量は、過去40年間で最小を記録しました。

 

○ このため那賀川上流のダム貯水率が低下したことから、4月4日(月)に「第一回那賀川利水者会議」と「第一回那賀川渇水調整協議会」を開催し、節水に取り組むこととしました。

 

○ 節水の取り組みは、 4月5日(火)の自主節水に始まり、4月12日(火) には取水制限に切り替え 、4月24日(日)には農業用水60%、工業用水60%の取水制限に移行していきました。

 

○ 利水者は、工場内での回収水の再利用率を増加させたり、農業用水を地区ごとに配水する「番水」を実施して節水に努めましたが、ダムの総合貯水率は、最大13.8%まで低下しました。

 

○ その後の降雨によりダム貯水率が徐々に回復し、5月14日(土)をもって取水制限を解除し自主節水に切り替え、5月25日(水)に全面解除しました。

 

○ 今回の渇水では、8回に及ぶ利水者会議と渇水調整協議会を開催し、利水者全体の早め早めの対応によりダム貯水率0%を回避できました。今後とも那賀川の水利用に関しまして、ご理解とご協力をお願いします。

 

4.長期放置船舶簡易代執行の実施について (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

◯ 平成23年5月26日(木)に、那賀川及び派川那賀川において長期放置船舶簡易代執行を実施しました。

 

○ これは、那賀川及び派川那賀川において、所有者情報不明の長期放置船舶 (FRP船及び木船)の撤去保管を、河川法第75条に基づき行われたものです。

 

○ 所有者情報不明の船舶は、緊急時の措置やトラブルの是正等の指示をすることが出来ないなど、河川管理上の支障が大きいため、簡易代執行の手続きをとったものです。

 

○ 当日は、午前9時より執行責任者の撤去作業開始宣言のあと、那賀川本川8隻、派川那賀川1隻の計9隻を順次作業場所において積み込み、保管場所へ移動し仮置きを行い、午後3時に撤去作業を終了しました。

 

○ この後半年間保管し、所有者が引き取りに来ない場合、河川法75条第10項の規程により所有権は国に帰属することとなります。

 

○ 那賀川河川事務所においては、過去においても2〜3年に一度(不定期)実施しており、今後も適正な河川管理を行っていきたいと考えています。

 

5.「第4回広瀬霞自然観察会」を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

○ 5月16日(月)に、広瀬霞において、松山河川国道事務所、重信川の自然をはぐくむ会の主催で、4回目となる「広瀬霞自然観察会」が周辺住民の方々、重信川の自然をはぐくむ会会員、行政関係者等57名の参加により開催されました。

 

○ 重信川中流にある広瀬霞(松山市南高井町)は、周辺環境の変化等により 湿地環境が喪失したことで、セイタカアワダチソウなどの外来種が繁茂し、ゴミが投棄されるなどして生物環境として悪くなっていたものを、従来の自然豊かな湿地環境に再生しようと平成18年度に事業着手し、平成19年度に完成したものです。

 

○ 4回目となる今回の自然観察会では、湿地(池)の周りには植物が生え、魚類・水生生物も数多く帰って来ましたが、ブラックバス・ブルーギル・オオカワヂシャなどの外来動植物の進入の問題や、流入水の水質が家庭排水で汚れている問題、流入してくるゴミの問題があることから、地域・NPO・行政で連携して対応していくことを確認しました。

 

○ また、湿地(池)にツルヨシが繁茂し、このまま放置しておくと水面がなくなり、魚類や水生生物に影響を及ぼすことが考えられるため、参加者で試験的にツルヨシの伐採を実施しました。

 

○ 植物などの自然観察に加え、清掃・除草・樹木管理・ツルヨシ伐採などの作業を参加者全員で実施し、きれいになった広瀬霞を、今後もモニタリングしながら地域と連携して適切に管理していきたいと考えています。

 

 ※霞堤:霞堤とは、急流河川において洪水時に上流側の不連続部分から溢れた水が限られた範囲の堤内側に湛水し、下流に流れる洪水流量を減少させる効果のある不連続な堤防を言います。

 

6.銅山川3ダムの取水制限を全面解除 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○ 銅山川3ダム(富郷ダム、柳瀬ダム、新宮ダム)では、昨年10月から約 8ヶ月の間続いていた取水制限を、5月30日(月)0時をもって全面解除しました。ここで、これまでの概要を紹介します。

 

○ 平成22年の秋頃から平成23年春にかけての今回の銅山川における渇水は、流域の月平均降雨量が平成22年8月が103.4o(平年の28.2 %)、同9月が114.6o(平年の30.6%)と極端に少なかった上に、それ以降の月平均降雨量も、平年を上回る降雨が記録されず(平成22年12月のみ平年を上回った)、長期間に及ぶ少雨が原因となって発生していたものです。

 

○ 平成23年3月から4月の間にかけての貯水率は、富郷ダムが完成した平成13年度以降では、過去最低だった平成19年をも下回る率を推移する等、非常に深刻な状況となり、5月2日(月)0時からは、工業用水40%カット、上水道用水10%カットする、第5次取水制限を実施するまでに至りました。

 

○ そうした中で、台風2号と梅雨前線の影響で、銅山川3ダム上流域では、5月27日(金)から降り出した雨が29日(日)頃にかけて非常に強くなり、29日(日)15時までの総雨量が200oを超えました。

 

○ また、降り始めの27日(金)0時には、銅山川3ダムの合計確保貯水率(以下「貯水率」)は39.4%でしたが、29日(日)15時時点での貯水率は63.0%まで回復し、その後もさらに上昇する見込みとなっていました。

 

○ このような状況を受けて、銅山川渇水調整協議会(会長:吉野川ダム統合 管理事務所長 大澤敏之)は、持ち回り協議により、5月30日(月)0時 をもって取水制限を全面解除することを決定しました。

 

○ 5月としては珍しく台風が接近し、また例年に比べて早く梅雨入りする等によるまとまった降雨で、今回の渇水は解消となりましたが、これからの本格的な出水期を迎えるにあたり、今後も引き続き関係機関等との連携や協力のもと、適正なダムの統合管理(洪水調節、低水管理等)に努めていきたいと思います。

 

○ 今回の銅山川3ダムの渇水における取水制限等の経緯は以下でした。

 ・平成22年9月22日から、自主節水(工業用水10%カット)開始

 ・平成22年10月5日から、第1次取水制限(工業用水20%カット)開始

 ・11月22日から、第2次取水制限(工業用水25%カット)に強化

 ・平成23年1月28日から、第3次取水制限(工業用水30%、上水道用水5%カット)に強化

 ・2月14日から、第4次取水制限(工業用水35%、上水道用水10%カット)に強化

 ・5月2日から、第5次取水制限(工業用水40%、上水道用水10%カット)に強化

 ・5月27日から、第3次取水制限(工業用水30%、上水道用水5%カット)に緩和

 ・5月30日0時、取水制限の全面解除

 

7.野村ダム放流警報周知会を開催しました (肱川水系 野村ダム管理所)

 

○ 愛媛県西予市にある野村ダムでは、出水期を迎えるにあたり、ダムからの放流について理解していただくために、関連する地方自治体、地元の警察、消防、報道機関などの各関係者を対象に放流警報周知会を行っております。

 

○ 平成23年度は、4月28日(金)に行い、12名の方に出席いただき、野村ダムの概要や昨年の降雨と放流実績の説明、放流の際の通知方法等について、約1時間の説明を行いました。

 

○ 野村ダムでは、平成22年度は11回の放流を実施し、その内1回洪水調節を行いました。また例年、6月16日からの洪水期を迎えるまでに数回の放流を行っており、関係機関の皆様に、早めに放流警報に関する周知会を実施させていただいています。

 

○ 放流警報は、夜間・早朝になることも予想されますが、今後もご理解・ご協力をいただきながら、適切なダム管理に務めていきたいと思います。

 

8.第20回朝霧湖マラソン大会は今年も盛況 (肱川水系 愛媛県)

 

○ 平成23年5月3日(火)、「朝霧湖マラソン大会」(主催:朝霧湖マラソン実行委員会)が行われ、県内外から昨年参加者を500人ほど上回る約1900人のランナーが参加し、5qコースとダム堤体天端も使用した10qコース、ハーフマラソンのそれぞれのコースで健脚を競いました。

 

○ 当日は、昨年の猛烈な暑さとは打って変わって、曇り空で涼しく、ランナーにとってはとても走りやすい天候でした。また、地元野村中学校より給水等のボランティア約150名が参加し、大会を一層盛り上げてくれました。

 

○ 今年は、参加賞や上位入賞者への表彰に加え、飛び賞や抽選会の景品なども用意し、大会後も大いに盛り上がりました。

 

○ 参加した方々からは、「上り下りを繰り返す高低差150mのトリッキーなコースは癖になる」、「地元の人たちの応援と可愛らしい中学生たちのボランティアに感動した」などといった声がよせられました。

 

○ 今後も「のむらダムまつり」とあわせて、春の野村ダムに関連するイベントとして地域活性化を図る1つとして、盛大に行われることを期待しております。

 

 

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