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四国河川ニュース
《2/26(土)〜3/4(金)》489号
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【2011.3.7発行】
○四国・水こぼれ話談話室Vol.187
○高知県 松崎海岸の津波・高潮危機管理対策緊急事業 (高知県 幡多土木事務所 宿毛事務所 堀本 義男 所長)
○「災害から学ぶ防災に強い町づくり」を目指して
(高知県 大月町 柴岡邦男 町長)
○今週のニュース○
○「自然観察会〜オオムラサキの幼虫を探そう〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○「留学生友好の森(日浦夢桜の森)づくり」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○銅山川の渇水状況 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)
四国・水こぼれ話談話室Vol.187
1.高知県 松崎海岸の津波・高潮危機管理対策緊急事業 (高知県 幡多土木事務所 宿毛事務所 堀本 義男 所長)
<地域の概要>
○ 松崎海岸は高知県西部の幡多郡大月町に位置し、昭和30年4月1日に足摺国定公園に指定され、昭和47年11月10日には国立公園に格上げ指定された足摺宇和海国立公園の、足摺岬や竜串といった景勝地で有名な足摺地域のほぼ中央にあります。特に、大月町には西南端に浮かぶ、四国と2本の橋で結ばれた周囲約4qの柏島や、ダイナミックな自然と碧い海のコントラストが美しく、日本の秘境100選にも選ばれた大堂海岸があり、また、隣接する土佐清水市の足摺岬等とあわせ、観光名所や海洋資源を求めて、遠地ながら観光客やスキューバダイビング、釣り客が数多く訪れています。
○ 当海岸は延長440mを有し、背後地には観光道路でもあり災害発生時の緊急輸送路となる国道321号があります。また海岸と平行して走る月灘海岸線は、地域の中心漁村である大浦地区と国道321号を結ぶ重要な町道であるとともに、古来から土佐清水市の38番札所金剛福寺から宿毛市の39番札所延光寺に至る遍路道として、お遍路さんより愛されてきました。
<事業の概要>
○ 当海岸の背後には、前述の通り災害緊急輸送路である国道321号及び、大浦地区から国道へアクセスする生活道である町道が控えており、地区の孤立防止及び災害発生時の緊急輸送路確保の観点からも、非常に防災対策上重要な役割を果たしています。
○ しかしながら、既存の防潮堤は昭和37年から昭和56年にかけて築造されたもので、約50年近く経過しています。また重点点検では、表のり被覆工・裏のり被覆工・天端被覆工に多数のひび割れが確認されていることから、今後、高い確率で発生が予想されている南海地震では、大規模な被害も想定されます。
○ ひとたび破堤し通行不能となれば、物流が遮断されるため、地元大月町は当然のことながら他の地域への影響も想定され、早急な破堤防止対策が求められていました。
○ このことから、津波や高潮の来襲に対し、護岸の防災機能を維持するため、津波・高潮危機管理対策緊急事業を取り入れ、表のり被覆工・裏のり被覆工・天端被覆工について、堤防破堤防止工といった護岸の補強を平成21年度に施工し、背後地及び住民の安全確保に努めました。
○ 本事業は完了しましたが、引き続き地域防災の推進に努めたいと考えています。
2.「災害から学ぶ防災に強い町づくり」を目指して (高知県 大月町 柴岡邦男 町長)
○ 平成10年8月、町長に就任して以来3期12年間、この町のリーダーとして町政発展のため邁進して参りました。平成22年8月に町民の4度目の信任を得て、引き続き町政をお任せいただき、更なる発展にと決意を新たにしております。
○ この間培った豊富な経験と実行力で、町政の課題でありました行財政改革や各種社会インフラ整備、特に道路整備・総合交通体系の確立・水資源確保・教育施設・高齢者福祉施設等々、住民生活の向上のために各種施策を積極的に推進して参りました。
○ 一方、今後高い確率で発生が予想される東南海・南海地震対策は引き続き最重要課題であります。地震や津波から人命・財産を守る十分な環境整備を図るために、平成21年度より古満目・平山地区を対象に漁業集落環境整備事業によって、避難路・避難広場・避難誘導灯などの整備を進めており、平成23年6月には完成となります。
○ 本町において未曾有の被害を及ぼした、高知県西南豪雨災害を契機として住民間の防災意識は高まり、特に太平洋側及び宿毛湾側に多くの集落を有する半島のような本町では、35地区すべてにおいて消防団、女性防火クラブ等による自主防災組織を立ち上げ、主に南海地震対策における啓蒙啓発活動や防災訓練を重ね、住民の防災意識及び組織の更なる向上に努めております。
○ 本年は、懸案でありました情報通信基盤整備にも着手いたし、地域情報格差の解消と住民が安全・安心な生活を確保できるようIP告知端末を全世帯に設置することにより、緊急地震速報や津波情報を瞬時に伝達し、防災に強い町づくりを進めております。
○ 私のモットーであります『時代を嘆かず、時代を創る』の下、今後も「真に住民が住みたい、住める、住んでよかった」町づくり実現に向けて頑張って参りますが、最後に「最低限絶対必要な各種社会インフラ整備なくして、地域社会では人が住めない」という言葉を添えさせて頂きます。
○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。
http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html
今週のニュース
3.「自然観察会〜オオムラサキの幼虫を探そう〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○ 2月26日(土)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で、「自然観察会〜オオムラサキの幼虫を探そう〜」が行われました。
○ 昨年度に引き続き、五明小学校のオオムラサキの飼育の取り組みと合わせて開催致しました。
○ 今回の自然観察会には、松山市内等の小中学校から児童・生徒、保護者ら約100名参加して頂きました。
○ 当日は、始めに五明小学校中尾校長先生により、クイズ形式でのオオムラサキの紹介、続いて東雲女子大学の石川和男名誉教授に生態系のお話、愛蝶会の林さんにオオムラサキの見つけ方のお話をして頂きました。
○ その後、班別にオオムラサキの幼虫探しや落ち葉の下の虫の採集を行いました。また、オオムラサキの幼虫や落ち葉の下の虫などのスケッチも行いました。
○ 今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。
4.「留学生友好の森(日浦夢桜の森)づくり」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)
○ 2月25日(金)、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」、「愛媛大学」、「日浦小中学校」の主催で「留学生友好の森(日浦夢桜の森)づくり」が行われました。
○ 石手川ダムの水源地域では、放置竹林の拡大や森林の荒廃により、自然の多様性が乏しくなってきています。そこで留学生に水源地域の自然環境を知ってもらうだけでなく、普段交流の機会の少ない水源地域の小中学生と一緒になって手を取り合い、汗を流して植樹を行うことにより、自然環境の向上と国境を越えた交流を図るものです。
○ 愛媛大学からの留学生約20名、日浦小中学生等約120名が参加して頂きました。
○ 当日は、日浦小学校にて児童と留学生の交流会を開き、一緒に昼食後、児童と留学生が力を合わせ記念植樹、補植作業(桜60本)を行いました。
○ 今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。
5.銅山川の渇水状況 (吉野川水系銅山川 吉野川ダム統合管理事務所)
○ 3月4日(金)0時現在、1〜3月の月降雨量は、銅山川流域で108.5mm(平年値315.7mm)となっています。それに伴い、利水確保率は、銅山川ダム群で35.9%(平年値71.0%)と平年値を大きく下回っている状況になっています。
○ 銅山川においては2月14日(月)より第4次取水制限(工業用水35%、上水道用水10%節水)を行っています。
○ 今後も引き続き、関係機関等との連携や協力もなお一層強化し、渇水対策に努めていきたいと思います。
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■連絡先■ 四国地方整備局 河川部 河川管理課 課長補佐 藤田 博史
〒760-8554 高松市サンポート3番33号
TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp
FAX 087-811-8417(河川計画課)
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