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四国河川ニュース

2/12(土)〜2/18()487

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                                                                       2011.2.21発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.186

 

  ○愛媛県 野々江上林川(今治市)の砂防事業 『現場発生土を有効活用した砂防堰堤の築造』 (愛媛県東予地方局今治土木事務所 今井 良計 所長)

 

  ○安全で豊かなコミュニティあるまちづくり (愛媛県 今治市 菅 良二 市長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○平成22年度 肱川堤防維持第1工事 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

  ○平成22年度 井関地区高水敷整備外工事 (那賀川河川事務所)

 

  ○平成22年度「河川愛護月間」”推進標語”及び”絵手紙”募集に係わる入賞者への表彰伝達式を実施 (香川県)

 

  ○吉野川水系の渇水情報 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.186

 

1.愛媛県 野々江上林川(今治市)の砂防事業『現場発生土を有効活用した砂防堰堤の築造』 (愛媛県東予地方局今治土木事務所 今井 良計 所長)

 

○ 野々江上林川は、今治市大三島町野々江を貫流する流域面積0.15kuの土石流危険渓流です。当渓流では渓床堆積物が厚く、縦断勾配も急であることから出水時に侵食されやすく、集中豪雨時には土石流が発生する恐れがあります。流域直下には民家等が密集しており、土石流発生時にはこれら民家等に甚大な被害が及ぶ恐れがあることから、本県では平成19年度より砂防事業に着手いたしました。

 

○ 当地区は平地の少ない島嶼部にあって民家が扇頂部にまで散在しており、その通路も狭小であるため、従来の重力式のコンクリート堰堤では、掘削残土の地区外への搬出やコンクリート打設のための重機搬出入等、通路の利用頻度が多く、地域住民に与える影響が大きいと予想されました。このため、地山掘削により発生する土砂とセメントを混合し、必要強度を満足させた材料(INSEM材)を堰堤の中詰め材として利用する「INSEM−SBウォール工法」を採用しております。

 

○ 当工法は構造物としての安定を満足することはもちろんのこと、現地発生土を有効に活用することによりコスト縮減、環境負荷の軽減を図ることができる工法ですが、中詰め材の品質が直接、砂防堰堤の安全性に影響することから、中詰め材の配合試験や施工後の強度試験等で品質管理を徹底しました。特に土砂の含水比管理やセメント混合状態の確認は現場で行うことから、細心の注意が必要となりました。

○ 当工法の採用により、地元からは騒音や振動等の苦情もなく堰堤の完成を見ることができました。

 

○ 現在までに砂防堰堤1基と渓流保全工120mが完成しており、本年度末には残りの渓流保全工62mが完了する見込みとなっています。これにより、安全で安心な地域づくりに大きく貢献するものと考えております。

【事業概要】

・事業名 : 野々江上林川 総合流域防災事業

・施工位置 : 今治市大三島町野々江

・事業期間 : H19 H22

・主な砂防設備 : 砂防堰堤1基 渓流保全工182m

・堰堤型式 : INSEM−SBウォール工法

・堰堤規模 :  H=10m L=45.5m

・保全対象 : 人家32戸 道路400m

 

 

2.安全で豊かなコミュニティあるまちづくり (愛媛県 今治市 菅 良二 市長)

 

○ 今治市は、古くから海上交通の要衝として栄え、日本一を誇る海事産業、タオル製造業など愛媛経済の中心地として発展してきました。平成17年に12市町村による広域合併をはたし、人口規模約17万1千人の県下第2の市となっています。また、平成11年に西瀬戸自動車道が開通し、当市と瀬戸の島々を縫って、広島県尾道市が結ばれました。“瀬戸内しまなみ海道”であります。今治インターからしまなみ海道に乗り、眼下にひろがる瀬戸内海の多島美を満喫しながら、小半時ほど走りますと瀬戸内海のほぼ中央、広島県との県境に見えてきますのが今治市北端の大三島であります。

 

○ 大三島は、大山祇神社をはじめとする多様な歴史遺産や古くからの伝統行事を多数有するロマンの島であります。今回ご紹介する野々江地区は、大三島インターから西へおよそ10qほどのところに位置する200戸余りのおだやかな農業集落であります。ここには、地域の人々とのコミュニケーションを図りながら田舎の農業体験ができる“ラントゥレーベン大三島”(滞在型農園施設)があり、都会暮らしの方の、安らぎの場となっています。

 

○ しかしながら、島嶼部に共通する懸案事項として、地域によっては急峻な山々を背後に抱え、豪雨の際には濁流が一気に流下するという地形的な問題をかかえておりました。

 

○ 今回、ご高配をいただきました野々江上林川の総合流域防災事業により、前述しました問題について安全性が格段に向上する事が期待できます。今後とも、安全で豊かなまちづくりをめざしてまいります。

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.平成22年度 肱川堤防維持第1工事 (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

○ 工事名: 平成22年度 肱川堤防維持第1工事

 

○ 請負業者名: 株式会社 向成建設

 

○ 工事場所: 愛媛県大洲市新谷地先〜愛媛県大洲市柚木地先

 

○ 工事概要

 本工事は肱川上流及び矢落川の維持管理を目的として、堤防の除草・清掃、河道内の樹木伐採、河床整正、護岸の補修、応急処理等を実施する工事です。

 

○ 現在の施工状況

 工事進捗率は1月末現在で78%です。

 2回目の堤防除草(年2回)及び河床整正は全区間完了し、現在は河道内樹木の伐採及び護岸補修(小貝地区)を随時施工中です。

 

○ 現場での取り組み

 堤防除草にて施工した刈草については、機械にて梱包し現地の堤天等に仮置きを行い、そのほとんどを地元住民の方に持ち帰っていただき処分費を削減できました。

 また、河道内の伐採木についても同様に処分費の削減を図るため、伐採木を仮置きして今年の2月から地元住民へ無償提供を実施しております。

 今後は、既設護岸の補修作業を施工していきますが、引き続き安全対策に万全を期し、無事故無災害で完了したいと思います。

 

 

4.平成22年度 井関地区高水敷整備外工事 (那賀川河川事務所)

 

○ 工 事 名:平成22年度 井関地区高水敷整備外工事

 

○ 工   期:平成22年9月17日〜平成23年2月28日

 

○ 施工業者:中幸建設(有)

 

○ 工事場所:徳島県阿南市宝田町井関地先外

 

○ 工事概要:(井関地区)河川土工 1式、法覆護岸工 1式

             高水敷整備工 1式、根固め工 1式

         (横見地区)床版橋工  1式

         (川ハタ地区)河川土工 1式、法覆護岸工 1式

             付帯道路工 1式、排水構造物工 1式 

 

○ 事業の目的等

 那賀川河川事務所では、桑野川流域における環境教育、イベント、レクレーション等の拠点を結ぶことにより地域交流・世代間交流の活性化を図り、かつ地域の「歴史や文化」と融合した「かわまちづくり」を目指しています。

 井関地区の堤内地には桑野川防災ステーションが整備されており、周辺の桑野川は散策等の利用者が多い地区となっています。また、かつては高校生がボート練習に利用されていたこともあり、市民の身近で手軽な「健康づくり・体力づくり」の場の整備がコンセプトになっています。

 

○ 現場の状況

 現在(1月末)の出来高は追加工事の指示もあったことから約70%となっています。

 工事範囲が広く、また複数工区を同時施工していることから、特に安全面には注意し、無事故・無災害で工事を完了したいと考えています。また、完成後は、地域の方々が川に親しみながら健康づくり・体力づくりの場として利用されることを期待しております。

 

 

5.平成22年度「河川愛護月間」”推進標語”及び”絵手紙”募集に係わる入賞者への表彰伝達式を実施 (香川県)

 

○ 昨年12月17日(金)に、国土交通本省において平成22年度「河川愛護月間」”推進標語”及び”絵手紙”に係わる入選作品の決定についての記者発表があり、香川県内からも受賞者がありました。

 

○ ”絵手紙”部門には、全国から1,387作品の応募があり、有識者で構成される選定委員会で審査が行われ、

   最優秀賞     1作品

   優秀賞      6作品

   優良賞      8作品

   審査員特別賞   5作品

   奨励賞    100作品

 の120作品が入賞されました。

 

○ 香川県内からは、以下の16名の皆さんが入賞しました。

   優良賞 観音寺市立観音寺中学校  1年生 荻田 晴加 さん

   奨励賞 観音寺市立観音寺中学校  1年生 石川 瑞希 さん

            〃       1年生 岩田 真美 さん

            〃       1年生 大石 はるか さん

            〃       1年生 大西 優里 さん

            〃       1年生 松原 麻衣 さん

            〃       1年生 吉田 壮壱 君

        高松市立太田中学校   2年生 藤本 淑成 君

            〃       3年生 谷口 絢加 さん

            〃       3年生 浜元 恵  さん

       宇多津町立宇多津中学校  1年生 森田 知加子 さん

       丸亀市立城坤小学校    5年生 安藤 岬  さん

           〃        2年生 安藤 泉実 さん

       丸亀市立城西小学校    2年生 福井 菜乃 さん

       まんのう町立満濃南小学校 5年生 松原 安紀子 さん

            〃       3年生 濱田 有馬 君

 

○ 優良賞を受賞した荻田晴加さんが通う観音寺市立観音寺中学校には、2月17日(木)に香川河川国道事務所から直接表彰の伝達を行いました。伝達式では、伝達者である中山事務所長より、応募のお礼と入賞のお祝いの言葉 を述べられた後、各受賞者に賞状及び記念品の授与を行いました。

 

○ 優良賞を受賞した荻田晴加さんには、事前に感想等を書いてもらっていましたが、「受賞出来てとてもうれしい」「観音寺を流れる財田川と自分の中の空想の人物を描いた」「また募集があれば絶対応募したい」などの感想を頂きました。

 

○ このような活動を通じて、子供たちが川への親しみや、川をきれいにしようという気持ちがさらに強くなればと思います。

 

 

6.吉野川水系の渇水状況 (吉野川水系 吉野川ダム統合管理事務所)

 

○ 2月18日現在、1〜2月の月降雨量は、早明浦上流域で64.7mm(平年値188.5mm)、銅山川流域で66.2mm(平年値161.6mm)となっています。それに伴い、利水確保率は早明浦ダムで58.4%(平年値79.1%)、銅山川ダム群で28.9%(69.8%)と平年値を大きく下回っている状況になっています。

 

○ これに対して、吉野川においては徳島県が4.00m3/s、香川県が0.62m3/sの自主節水を行っています。銅山川においては2月14日より第4次取水制限(工業用水35%、上水道用水10%節水)を行っています。

 

○ 今後も引き続き、関係機関等との連携や協力もなお一層強化し、渇水対策に努めていきたいと思います。

 

 

 

 

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