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四国河川ニュース

12/11(土)〜12/17()478

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                                                                         2010.12.20発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.182

 

  ○愛媛県 蕪崎天満海岸整備事業『津波・高潮危機管理対策緊急事業での護岸補強』  (愛媛県東予地方局 四国中央土木事務所 山田 康晴 所長)

 

  ○「安全・安心に生活できる災害に強いまちづくりを目指して」  (愛媛県 四国中央市 井原 巧 市長)

 

○今週のニュース○

 

  ○平成22年度 ダム技術勉強会を開催 (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

  ○大洲河川国道事務所 工事等安全協議会総会の開催について (大洲河川国道事務所)

 

  ○平成22年度 おそふえ谷堰堤工事 株式会社福田組 (四国山地砂防事務所)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.182

 

1.愛媛県 蕪崎天満海岸整備事業『津波・高潮危機管理対策緊急事業での護岸補強』 (愛媛県東予地方局 四国中央土木事務所 山田 康晴 所長)

 

○ 蕪崎天満海岸は、愛媛県の東端(四国の中央)にある四国中央市の西部に位置し、天満漁港と蕪崎漁港に隣接する延長2,569mの海岸で、背後の堤防天端は区域内唯一の生活道路である市道蕪崎天満海岸線が占用しております。

 

○ また、当海岸は二級河川関川の河口部に隣接しており、潮干狩りができる遠浅の海岸でシーズンには潮干狩り客でにぎわうとともに、海岸線は地元ボランティア等の継続的な清掃活動のおかげで美しい姿を保っています。

 

○ 堤防は海抜の低い人家及び農地を守るため昭和50年代前半に整備されたものであり、老朽化による機能低下が進んでいたことから、かねてより津波・高潮等による破堤等が懸念されており、地元から強い改修要望がよせられていました。

 

○ このため平成20年度に、津波・高潮危機管理対策緊急事業で既設護岸を補強し災害に備えることとなりました。実施にあたっては、老朽化の著しい法覆部前面に補強コンクリート等を施工するとともに、クラック等の損傷の激しい堤防天端胸壁部は、剥落等の発生が懸念されるため撤去再設置しました。

 

○ 工事概要は次のとおりです。

【事業概要】

  事業期間  H20

  工事内容  護岸破堤防止工172

 

 

2.「安全・安心に生活できる災害に強いまちづくりを目指して」 (愛媛県 四国中央市 井原 巧 市長)

 

○ 四国中央市は、その名前の通り四国のほぼ中央に位置し、面積約420平方キロメートル、人口約93千人の市です。瀬戸内海燧灘に面した本市は、津波・高潮危機管理対策緊急事業での護岸補強を取り組んで頂いた蕪崎天満海岸を含む東西に約25キロメートルの海岸線が広がり、その南に細長い市街地が形成されています。さらに南側には急峻な法皇山脈から四国山地と続く山間部を擁し、その豊かな自然から恵まれた豊富な水資源によって製紙・紙加工関連の産業や市民の生活が支えられています。工業統計調査による本市のパルプ・紙・紙加工品製造業の製造品出荷額等は5年連続日本一を誇っています。

 

○ 平成16年に相次いだ台風による集中豪雨により、市内142ヶ所で家屋などの浸水被害が発生しました。翌年から浸水対策プロジェクトを立ち上げ、その全箇所で被災状況調査と分析を行い、水路改良や排水ポンプ施設の整備など、浸水被害の防止・軽減に努めてきました。さらに、これら浸水被害箇所のうち甚大な被害を繰り返している13ヶ所について「浸水対策基本計画」を策定し、整備事業を進めています。

 

○ 今回、紹介する宮川ポンプ場はその計画箇所の中でも、浸水被害が特に広範囲に及んだ箇所です。宮川は、本市の東部に位置する川之江町の市街地を流れ、市管理の準用河川となっており、流域の多くが低地のため、満潮時には海水が逆流することから河口に樋門を設け、昭和29年と48年、55年にポンプ場を整備し、満潮時には、河川から海への排水が可能となりました。しかし、市街化の進展による対象人家の増加や、近年頻発する集中豪雨による浸水被害増大への対応が必要となっていることや、施設の老朽化による事故等を回避するため、施設の能力向上・更新が急務となっておりました。このため、平成216月にポンプの改修工事に着工し、今年8月に完成。自動運転機能も備わり、突発的な豪雨にも対応可能となりました。工事完成後には地域住民への見学会などを開催し、安全・安心への関心を深めました。

 

○ 今後も、浸水対策調査報告書に基づき、過去の災害状況や緊急・重要度などについて総合的に評価し、順次整備を行う予定にしています。

 

○ これからも、市民が安全かつ安心して生活できる災害に強いまちづくりを目指し、浸水対策事業等を実施していきたいと考えています。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.平成22年度 ダム技術勉強会を開催 (肱川水系 山鳥坂ダム工事事務所)

 

○ 121(水)〜122日(木)に山鳥坂ダム工事事務所において、今年度第1回目の「ダム技術勉強会」を開催しました。

 

○ この勉強会は、中堅・若手技術者の育成のため、今年度より実施しているもので、近隣事務所等から25名の参加がありました。

 

○ 一日目は独立行政法人土木研究所 脇坂地質監から講話を頂き、二日目は、日本工営 小俣室長からの講話のあとコア観察の現地指導を頂きました。

 

○ 脇坂地質監からは、「ダム建設における地質学の役割とリスクマネジメント」と題して、4つの視点から貴重な講話を頂きました。

  @ダム建設における地質学の役割

  A地質に関するリスクとは何か

  B地質におけるリスクマネジメントの必要性

  Cダム地質におけるリスクマネジメント

  の以上4点です。現在改造事業をすすめております鹿野川ダムや、非常に複雑な地質とされている山鳥坂ダムにおいて、地質リスクの精度を向上させる事により、事業費リスクを低減させ、最終的には事業費の縮減に繋がることを教えていただきました。

 

○ 小俣室長からは、「地すべりボーリングコアの見方」と題して4つの視点から講話を頂きました。

  @地すべり技術が必要とされる背景

  A地すべり運動に伴う地すべり面の性状

  B地すべり破壊の形態

  Cボーリングコアの観察

  の以上4点でした。日本全国のいろいろな地すべり箇所の紹介をしていただきながらコア観察の留意点、着眼点等についての講話を頂きました。講話の後には、鹿野川ダム地すべり箇所のコアを事務所前駐車場に用意し、実際にコア実物を見ながら観察指導を頂きました。これから、参加者各人がコア観察を行う際での貴重な経験となりました。

 

○ 当所では、今後もダム技術の修得に向け、本局・ダム関係事務所と連携を図り、勉強会を開催していく予定です。

 

 

4.大洲河川国道事務所 工事等安全協議会総会の開催について (大洲河川国道事務所)

 

○ 大洲河川国道事務所では、工事・業務の安全に関する技術の向上を図るため、請負者との間で工事等の安全に関する協議、安全教育並びに安全施工、第三者災害の防止等に寄与することを目的として工事等安全協議会を開催しています。

 

 

○ 本年も12月8日(水)に、工事等安全協議会の総会を51工事業者より91名、44業務業者より42人の参加のもと実施しました。

 

○ 総会では、工事、業務においてこの1年で実施した安全活動の活動報告と活動事例の報告がありました。その後、本年において四国地方整備局管内で12件(平成22年11月末現在)の工事等事故が発生したことの報告がありました。

 

○ 毎年、年度末にかけて事故等が多発しているので、年度末まで無事故で工事・業務を完了させるよう安全教育の徹底を図るよう注意喚起があり総会を終了しました。

 

○ 大洲河川国道事務所管内では、平成21年度に3件の工事等事故が発生しましたが、平成22年度は現在無事故なので、このまま無事故で完了できることを全員で確認しました。

 

 

5.平成22年度 おそふえ谷堰堤工事 株式会社福田組 (四国山地砂防事務所)

 

○事務所名:四国山地砂防事務所 重信川砂防出張所

 

○工事名:平成22年度 おそふえ谷堰堤工事

 

○工期:平成22年8月27日 〜 平成23年3月30日

 

○請負業者:株式会社福田組

 

○工事場所:愛媛県東温市麓

 

○工事概要:(砂防堰堤工事)

 砂防土工:1式、法面工:1式、コンクリートえん堤本体工:約1,500m3

  鋼製枠工:約33t、擁壁護岸工:1式、底張工:1式

 

○事業の目的

 本事業箇所は、直轄砂防事業として重信川流域の保全対策及び、上流の集落の孤立化を防ぐため、土石流対策施設を建設するものです。

 

○現在の施工状況

 現在の工事進捗率は11月末時点で約4%となっています。

 ケーブルクレーンの設置および法面工の施工を順次進めているところです。

 

○現場の取り組み

  現場は工事用道路を付けるのが困難な急峻な地形であるため、ケーブルクレーンによる施工を行います。急峻な地形での施工ですので安全には充分に留意して施工に努めています。

 

 

また、本工事では間伐材の利用促進を図り、地域の活性化や森林の機能向上に資することを目的に、愛媛県産間伐材を用いた木製残存型枠を使用しています。 

 

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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