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四国河川ニュース

11/20(土)〜11/26()475

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                                                                        2010.11.29発行】

 

 

○四国・水こぼれ話し談話室Vol.180

 

  ○災害時要援護者関連施設に対する砂防ソフト対策(啓発活動)   徳島県県土整備部河川局 砂防防災課 津田 修 課長

 

  ○自主防災活動の活発化による土砂災害の防止に向けて    徳島県 那賀町 坂口 博文 町長

 

 

○今週のニュース○

 

  ○「第1回土器川流域学識者会議」を開催 (土器川水系 香川県)

 

  ○第14回 吉野川上下流交流大会を開催 (吉野川水系 四国四県)

 

  ○第2回 高知西南部地域活性化懇談会を開催 (渡川水系 高知県)

 

  ○「自然観察会&ダム見学」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

  ○「石手川ダム上流域清掃」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

  ○平成22年度 大京原漏水災害復旧工事 富岡建設株式会社 現場代理人:生田義隆 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.180

 

1.災害時要援護者関連施設に対する砂防ソフト対策(啓発活動) 徳島県県土整備部河川局 砂防防災課 津田 修 課長

 

○ 本県においては、土砂災害危険箇所が約1万3千箇所あり、これは全国で19番目となっております。平成18年度から指定を進めている土砂災害警戒区域については、現在1,316箇所で、その内、土砂災害特別警戒区域が1,192箇所となっております。

 

○ 昨年実施した「土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設」調査では、平成21年8月末現在397施設があることが確認されました。このうち、ハード対策済み施設は119施設であり、土砂災害警戒区域指定済み施設は36施設となっております。

 

○ 本県では、平成21年中国・九州北部豪雨における災害時要援護者関連施設の土砂災害をうけ、土砂災害のおそれのある施設に係る危険箇所のうち、土石流及び急傾斜地の崩壊を対象とした基礎調査を今年度中に完了させることとしております。また、調査済み箇所の区域指定を優先的に進めることとしており、現在、74施設が区域に指定されています。

 

 

○ また、山口県防府市での特別養護老人ホームでの土砂災害では、施設における警戒避難体制の整備の重要性のほか、施設管理者や職員の方々の土砂災害に対する防災意識の向上も、非常に重要であることが課題としてあげられたところです。

 

○ 本県では、21世紀型の予算スタイルとして、予算措置を伴わない「ゼロ予算事業」などからなる「とくしま"トクトク"事業」を展開しております。この取り組みの一環として、今年度より土砂災害警戒区域に指定された災害時要援護者関連施設に対する啓発活動をスタートさせました。これは、施設の管理者や職員の方々に土砂災害について知っていただき、施設の警戒避難体制の整備拡充を図っていただくために実施しているものです。内容は出前講座形式となっており、@土砂災害の種類や特徴、A土砂災害警戒区域、B土砂災害警戒情報、C平成21年災害での課題、D施設の警戒避難体制整備の必要性、E訓練の重要性などの講習となっており、現在までに約40施設で実施しております。

 

○ これまでの啓発の結果、一部施設においては、近隣の運送事業者や医療提供施設などに対して「いざという時の支援」の要請を行うなど、施設独自の取り組みが開始されつつあるところです。

 

○ また、施設の警戒避難体制整備や要援護者支援には地域住民の協力が非常に重要となりますが、開催にあたって、施設からの案内をうけ、施設に入所されている方のご家族や地域の住民が講座に参加するなど、今後の「施設と地域が一体となった体制の確立」や地域防災力の向上にも寄与しているものと考えております。

 

○ 今後とも、ハード整備の着実な実施とともに、土砂災害警戒区域指定のさらなる促進、また、土砂災害についての啓発活動などを通じ、災害時要援護者関連施設はもとより、県民の安全・安心の確立に向け、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 

 

2.自主防災活動の活発化による土砂災害の防止に向けて 徳島県 那賀町 坂口 博文 町長

 

○ 平成17年3月1日、旧鷲敷町・旧相生町・旧上那賀町・旧木沢村・旧木頭村の5町村が合併して誕生した那賀町は、徳島県の南東部に位置し、東は阿南市、西は高知県、南は海部郡、北は勝浦郡、美馬市、三好市に隣接し、町域面積は694.8kuで、これは徳島県総面積の約17%を占めております。

 

○ 地域の北西部には四国山地、南部には海部山脈等を配しており、標高1,000m以上の山々に囲まれ、かつ中央部には那賀川及び坂州木頭川が流れ、古くから流域住民に育みを与えてきました。また本町の気候は、日本でも有数の多雨地域であり、山間地であるため気温の変動が大きく、年間を通じて昼夜の寒暖差が大きく、内陸性の特徴も持ち合わせています。このような気候から本町では「ゆず」の栽培に適しており、本町の基幹作物「木頭ゆず」が生産されている由縁であります。あと、旧相生地域では「相生晩茶」「おもと」、旧鷲敷地域では「すだち」・「いちご」の生産も盛んです。

 

○ そして、上記で述べた地形と気候が、過去に多数の災害を発生させていることも事実です。本町内には土砂災害危険箇所(土石流、地滑り、急傾斜地)が986箇所あり、県内でも有数の災害多発地域でもあります。最近では、平成16年8月に台風10号による山腹崩壊(上那賀、木沢地域)、同年10月、大雨による床上浸水(鷲敷地域)、平成19年大雨による山腹崩壊(国道195号線・相生地域)、平成21年8月の大雨による床上浸水(鷲敷、上那賀、木沢)が発生しており、特に、平成16年8月の災害は、規模が大きく、多数の避難者・被害者が発生しました。

 

○ このようなことから、本町では合併時から全町的に自主防災組織の結成促進に努めています。公助(役場、消防署、消防団等)だけで対応出来ない部分を、地域自治会単位を中心とした共助でまかなうことにより、より最小限に被害を納めることを目的としております。平成22年3月末で約73%の組織が達成されております。各地域の自主防災組織の活動としては現在、避 難訓練、消火訓練及び防災講座を行い、こうした活動によって、地域住民の防災意識の向上と地域間の連携に繋がり、その結果、災害時において地域住民が公助ばかりに頼らない、「自分達で地域を守る」の実現を目指したいと考えております。

 

○ 今後とも、ハード整備と連携しながら、本町の災害被害とそれによる町民の被害を最小限度にすることにより、町民がより安心に生活出来る環境作りに努めていきたいと考えております。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.「第1回土器川流域学識者会議」を開催 (土器川水系 香川県)

 

○ 11月12日(金)に、第1回土器川流域学識者会議を丸亀市保険福祉センターで開催しました。

 

○ 土器川流域学識者会議は、河川法に基づき土器川において今後20年から30年で整備する内容をとりまとめること、また、土器川河川整備計画を策定するにあたり、多様な分野の学識者より意見をいただくために設置したものです。

 

○ 当日は7名の委員のうち、香川大学より角道准教授、金子名誉教授、白木教授、増田教授(五十音順)に参加いただきました。

 

○ 会議では河川法の枠組み、土器川水系河川整備基本方針の内容、整備計画の目標などについて説明した後、ご意見をいただきました。

 

○ また、会議に先立ち11月26日、12月1日、12月5日の3回に分け、全委員に現地調査を行っていただいております。

 

○ 今後は、学識者の他、流域住民、流域市町長のご意見を伺いながら、土器川河川整備計画の策定を進めていくこととなります。

 

 

4.第14回 吉野川上下流交流大会を開催 (吉野川水系 四国四県)

 

○ 平成22年11月23日(火)高知県土佐郡土佐町において、第14回 吉野川上下流交流大会を開催しました。

 

○ 早朝より各県毎のバスで、135名のボランティアの皆様方が、早明浦ダム湖畔の上吉野川橋下流右岸に集い、「伐木と下草刈り」に心地良い汗を流しました。なお、当箇所は、ダム湖畔周遊の県道17号線沿いにあって早明浦ダムを訪れる人たちの休憩場所になっており、実施後にはダム湖の水面が眺望できる良好な景観スポットとなりました。

  また、「早明浦ダム見学」、「土佐町産業文化祭見学」も併せて実施しました。

 

○ 主催は、「四国三郎(吉野川)ふれあい会議」で、(水源地域の1市4町1村)いの町、大川村、土佐町、本山町、大豊町、三好市、(受益地域の4県)徳島県、香川県、愛媛県、高知県、(独立行政法人)水資源機構吉野川局、池田総合管理所、(国土交通省)四国地方整備局、四国山地砂防事務所、吉野川ダム統合管理事務所にて構成されています。

 

○ 本会議は、平成6年の大渇水を契機に水源地域の大切さが認識され、植樹等を通して水源地域と受益地域の交流が始まりました。これまでは、平成7年に、四国四県の知事等の参加による「早明浦ダム1万本植樹祭」 、平成8年には、「第1回川の日吉野川スポーツ交流大会」を実施するなど、平成20年まで13回実施した「吉野川上下流交流大会」は、四国四県の子どもたちがダム水源地域に集いスポーツを通じ、ダム水源地域と受益地域の交流を目指したものでした。

 

○ 平成22年の今回からは、「受益地域の人々が感謝の気持ちを込めて水源地域への貢献と水源地域との交流」を基本理念として実施することとし、ダム湖畔での「水源林の整備体験」や「ダム見学」などを通じ、吉野川の現状やダムの役割を認識するとともに、水資源の有限性や水資源施設、水源林の重要性について考え、さらに水源地域に対する理解を深めることを目的に開催します。

 

 

5.第2回 高知西南部地域活性化懇談会を開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 11月19日()に四万十市内にて、今年5月28日の開催に引き続き「高知西南部地域活性化懇談会」を開催しました。

 

○ 本会は、高知西南部である幡多地域(宿毛市、四万十市、土佐清水市、黒潮町、大月町、三原村)の商工会議所、商工会、青年会議所、行政等が集まり、特色を活かした地域づくりを目指して講師の方々を交えて意見交換を行いました。

 

○ 講師は前回に引き続き、香川大学の井原健雄名誉教授、元徳島青年会議所理事長で立木写真館常務の立木さとみさん、ヨーガ、ピラティス認定講師の牧野由佳さん、四国地方整備局小池企画部長を迎え、事例紹介やアドバイスをして頂きました。

 

○ 幡多地域は、高規格道路等のアクセスルートの未整備などの問題がある中で、講師の方々からの観光客誘致の事例紹介や、「観光とは光輝く人物を見ること。」などの意見が心に残りました。

 

○ 翌日は、元気回復事業に取り組んでいるダチョウ飼育場、トマト農園などを見学したほか、午後からは、ヨーガで地域を元気にしようと地元婦人会主催のヨーガ教室も開催し、120人を越える参加者が心地良い時間を過ごしました。

 

○ 次回は、今回出された課題に対しての解決策について議論を進めていく予定です。

 

 

6.「自然観察会&ダム見学」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 1120日(土)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催で、「自然観察会&ダム見学」を開催致しました。

 

○ ビジョン主催では、今回が7回目の自然観察会で、今回は越冬のため石手川ダム湖に飛来しているオシドリの観察やダム周辺の落ち葉の下の虫の観察等を行いました。

  また、観察会の後石手川ダムの概要説明や操作室、ダム堤体内の見学も実施しました。

 

○ 今回のイベントには、松山市内等の小中学校から児童・生徒ら、53名が参加して頂きました。

 

○ 講師として東雲女子大学の石川和男名誉教授に、生態系のお話やオシドリの観察等の指導、愛媛大学の久松定智特定研究員に、落ち葉の下の虫のお話や観察の指導等をしていただきました。

 

○ 参加者からは、「なかなか見る機会もないので、すごく興味深かった」等の意見を頂きました。今後もこのような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上や石手川ダムのPRに努めていきたいと思います。

 

 

7.「石手川ダム上流域清掃」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 11月21日(日)に、「松山市公営企業局」の主催で、14回目となる「石手川ダム上流域清掃」が行われました。

 

○ この清掃は、松山市民の飲み水を賄っている石手川ダムの水質保全を図ることなどを目的としています。

 

○ 今回の清掃では、石手川ダム上流地域の住民(日浦・五明・湯山地区)の他、松山市内のライオンズクラブを始め26団体、総勢500名以上の方が参加されました。

 

○ 当日は、出発式が市ノ井手浄水場にて開催され、この清掃活動に10回以上参加された団体等の表彰を行った後、石手川ダム上流の公園等の清掃を行いました。

 

○ これからも地域の方々と共に、石手川ダム流域の美化に努めていきたいと考えております。

 

 

8.平成22年度 大京原漏水災害復旧工事 富岡建設株式会社 現場代理人:生田義隆 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

○工事名  :平成22年度 大京原漏水災害復旧工事

 

○工 期  :平成22年7月24日〜平成23年2月28日

 

○工事場所 :徳島県阿南市那賀川町大京原地先

 

○工事概要 :河川土工 1式  護岸基礎工 1式 法覆護岸工 1式

         坂路工 1式 管理用通路工 1式 構造物撤去工 1式

         (施工延長:294m)

 

○現在の施工状況

 当工事は、平成21年8月の9号台風による漏水災害の復旧を行う工事です。

 当初、高水敷部をブランケット盛土、法面部を遮水シートによる遮水工法で計画されていましたが、近隣地域で良質なブランケット材が確保出来ないため、経済性の面から高水敷部をブランケット盛土と同等以上の遮水効果が期待できる遮水シートに変更して10月中旬より施工に着手いたしました。現在、異常出水への対応と高水敷へ仮置き出来る掘削土量の関係から縦断方向に40m、横断方向に10m(基礎前面より全幅19.55m)を標準施工ブロックとして、高水敷部の掘削、遮水シート張、盛土のサイクルを繰り返しながら、護岸基礎、法覆護岸工の遮水シート張、張コンクリート、覆土ブロック設置を並行作業しております。

 

○現場の目標

 当社の安全スローガンのキャラクター「無事かえる」のもと

          「建設作業は安全第一、顧客地域に安心第一」

                    をモットーに日々安全作業で工事完成を目指しています。

 

 現場は、あごひげアザラシの「ナカちゃん」で有名になった赤池護岸の「ナカちゃんモニュメント」から上流へ700mの大京原橋のたもとが施工起点です。本工事が完成すると、「ナカちゃんモニュメント」から約2.2kmの3割勾配の高水護岸が連続し那賀川の景観をさらに良くしてくれるものと思います。

 なお見学を希望される方は、那賀川河川事務所工務課 電話0884-22-6542

または、富岡建設大京原作業所 電話0884-42-1613まで、お問い合わせください。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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