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四国河川ニュース

10/30(土)〜11/5()472

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                                                                        2010.11.8発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.179

 

  ○『松田川広域河川改修事業』   (高知県幡多土木事務所宿毛事務所 堀本 義男 所長)

 

  ○地域の発展を目指して       (高知県 宿毛市 中西 清二 市長)

 

○今週のニュース○

 

  ○波介川河口導流事業「平成21-22年度 波介川背割先端部築堤護岸工事」  福留開発株式会社  現場代理人:竹田 一久   (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

  ○「平成21ー22年度 山口谷川左岸堤防工事」 ()北岡組   (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

  ○吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催   (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

  ○平成22年度 第2回公益活動推進会議(香川河川施設管理部会)との合同巡視を実施   (土器川水系 香川県)

 

  ○平成21-22年度 不破堤防護岸工事 中山興業株式会社   (四万十川水系 中村河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.179

 

1.『松田川広域河川改修事業』 高知県幡多土木事務所宿毛事務所 堀本 義男 所長

 

○ 松田川は、四国西南部に位置し、その源を愛媛県宇和島市津島町の小岩道(標高814m)に発し、高知県西南地域の拠点都市である宿毛市を縦断して宿毛湾に注いでいます。当河川は、流域面積232.0ku、流路延長51.1qの二級河川です。

 

○ 上流域には足摺宇和海国立公園に指定されている篠山があり、豊かな自然林と高山植物の宝庫となっています。中流域の宿毛市出井地区には、花崗岩の河床に急流が渦巻くことによってできた甌穴群の「出井甌穴」があり、高知県の天然記念物となっています。下流域は農地や宿毛市街地が広がっており、河口付近までの感潮域では多くの鳥類、魚類の生息が確認されているなど自然豊かな河川です。また、下流部には藩政時代に野中兼山により建設された河戸堰を始め、いくつかの堰があり、古くから農業用水に利用され、利水の面においても重要な役割を果たしている河川であります。

 

○ 一方で、流域の年間平均降雨量は約2,000oで夏季に集中して降ることから、過去に幾度となく豪雨や台風により氾濫し、多くの被害を受けてきました。特に大正98月の台風6号に伴う豪雨は3日間で1,000oを超え、宿毛市街地側の堤防が決壊し、死者60人、家屋の流出全壊190戸という大惨事となりました。それ以降においても昭和38年、39年、47年、55年と洪水により大きな被害を受けてきました。このため、松田川の抜本的な治水対策が望まれ、流域の治水効果を高めるため、松田川総合開発事業(松田川広域河川改修事業、坂本ダム建設事業)に着手しました。平成12年度に完成した坂本ダムと平成16年度に完成した河戸堰の可動式への改築は、流域における治水安全度を大きく向上させました。

 

○ 近年では、平成139月の高知県西南豪雨や平成16年、平成17年、平成19年の度重なる台風による洪水が発生しましたが、これまで改修してきた施設により、治水効果は最大限に発現されています。治水安全度の更なる向上を目指し、引き続き、広域河川改修事業により、築堤や河道拡幅等の改修工事を行います。

 

○ 今後も関係機関や地域住民との連携を強化しながら、治水・利水・環境のバランスのとれた河川整備を実施していくことにより、地域の発展に寄与するものと期待しています。

 

 

 

2.地域の発展を目指して 高知県 宿毛市 中西 清二 市長

 

○ 高知県宿毛市は四国の西南端に位置し、全国どこよりも早い桜の開花が示すように、温暖な気候と、海・山・川の豊かな自然に囲まれた、とても暮らしやすいところです。豊後水道に面した宿毛湾は、魚のゆりかご・天然の養殖場、といわれるほど魚種の豊富な海で、ここで取れる魚の味は絶品です。また、磯釣りに適した場所も多く、釣り人にはあこがれの場所でもあります。沖合いの沖の島周辺の海は透明度も高く、珊瑚や熱帯魚が豊富に見られ、全国有数のダイビングスポットとなっています。農林業では、温暖な気候を生かした野菜の露地栽培、ハウスを使った施設園芸、海に面した南斜面での果樹栽培などが盛んに行われ、宿毛の特産品として市場に流通している野菜や果樹が多くあります。歴史的に見れば、貝塚などの遺跡も多く、早くから開けた地域で、豊かな歴史と文化を築く中で、明治以降の日本に多大な影響を与えた多くの人材を輩出しています。

 

○ 松田川流域は、豊かな自然に囲まれ、古くから豊富で良質な水に恵まれた土地で、その水は、灌漑用水や上水道に利用されてきました。ところが、毎年のように襲来する台風や集中豪雨により、ほぼ例外なく浸水被害を受けてきました。

 

○ 近年では、坂本ダム及び河戸堰可動化の完成と周辺整備により、松田川下流域の浸水被害状況は大幅に改善され、市民の生命と財産を守るとともに、幹線道路の機能確保など効果を発揮しています。また、オクラやブロッコリーに代表される露地野菜やビニールハウスを活用したミョウガやニラ、小ネギなどの栽培が可能となり、全国でも有数の産地として出荷できるようになりました。

 

○ 今後は、宿毛市内で製造の始まった芋焼酎の原料となる黄金千貫(サツマイモ)や、ポン酢として利用の始まった直七の栽培を推進するなど、農業所得の向上を目指して環境整備を実行してまいります。農業生産者をはじめ地域住民が安全で安心して生活していくためには、広域河川改修事業の早期完成が不可欠でありますので、関係各位の更なるご尽力、ご協力を賜りますようお願いいたします。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.波介川河口導流事業「平成21-22年度 波介川背割先端部築堤護岸工事」 福留開発株式会社 現場代理人:竹田 一久 (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○工事名 :平成21-22年度 波介川背割先端部築堤護岸工事

 

○工 期 :平成22324日〜平成221224

 

○請負業者:福留開発株式会社

 

○工事場所:高知県高知市春野町西畑地先(仁淀川)

 

○工事概要:築堤工(L=87.3m)、護岸工・コンクリート被覆工(A=1,920m2)

 

○事業の目的等

 波介川河口導流事業は、台風等による土佐市市街地等の浸水被害軽減を目的とし、洪水時に仁淀川と波介川を分流する事業です。その一環として本工事は、仁淀川と波介川を分流する主体構造物である背割堤防の先端部を新設する工事です。

 

○工事の特性

 本工事箇所は、仁淀川の河口付近(仁淀川距離標0k/0付近)に位置し、極めて海岸に近い場所であるため、干満の影響を直に受ける現場環境です。一日の施工サイクルは常に潮汐表との「にらめっこ」であり、台風・大雨のときは、川からと海からの両方による出水・波浪の災害発生の危険性につきまとわれる工事です。

 

○現在の施工状況

 本工事は、4月下旬の根固ブロック製作から始まり、6月初旬の鋼矢板打込み、6月下旬の捨石工の施工と進み、護岸基礎工の始まりとともに本格的な出水期に入りました。しかし、現場での最大の不安要素であった大型台風の襲来もなく、護岸基礎工から盛土工と順調に進み、現在、護岸工(コンクリート被覆工)が約90%出来上がり、12月上旬には工事が完成する見込みです。

 

○工事現場全員の目標

 「より良いもの」を「より早く」「より安全に」という目標で出発した現場でしたが、7月初旬頃からマスコミ報道に「熱中症」という言葉が頻発されるようになりました。今夏は、「熱中症」による死亡者が過去最高のペースで発生しているとのことであり、「より安全に」という目標に、「現場から絶対に熱中症患者を出さない」という目標を追加して、携帯型熱中症計での計測や熱中症予防看板(当日予想される最高気温と湿度を掲載し、注意喚起したもの)の設置、熱中飴等の配布など、いろいろな対策を講じた結果、一人の熱中症患者も出すことなく、異常に暑かったこの夏をのりきることができました。

 本工事現場は仁淀川河口大橋に最も近く、背割堤防先端部のため、一目でおわかりいただけることと思います。

 工事も終わりに近づいていますが、初期の目標を忘れず、最後まで目標を達成できるよう頑張っていきます。

 

 

4.「平成21ー22年度 山口谷川左岸堤防工事」 ()北岡組 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 工事件名:「平成21ー22年度 山口谷川左岸堤防工事」

 

○ 工期:平成22年3月31日 〜 平成23年3月25日

 

○ 工事場所:吉野川水系山口谷川 徳島県三好郡東みよし町中庄地先

 

○ 工事概要:河川土工1式 法覆護岸工1式 付帯道路工1式 水路工1式

 

○ 当現場は、吉野川距離標(右岸62k/2+100付近)で工事を施工しており、現町道が堤防敷にあるため、一般交通に配慮が必要な現場となっています。

 

○ 施工内容としては、主に築堤盛土工で、堤防小段が兼用道路となり、現道確保のために町道を切り回しながら一般交通に影響を及ぼさないよう、道路管理者と協議を進めながら施工しています。

 

○ 当現場の外に山口谷川関連の工事として、現在3件の工事が発注され、今後も工事発注が予定されているため、山口谷地区全体の工事の調整、安全対策を目的とし「山口谷川工事連絡協議会」を設置し、施工を行っています。

 

○ 現場周辺には地区特産品売場「みかもん」もあり、施設の一部をお借りし連絡調整会議の場、工事紹介の場として地域と一体となるような現場を目指しています。

 

○ また、特産品売場にある「みまから」は美馬市の特産品で県内外で人気沸騰中です。辛党の方は是非ご賞味ください。

 

 

5.吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

  平成22年10月31日(日)に吉野川右岸河川敷(六条大橋下流)にて、石井町藍畑地区の住民を対象に、吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を開催しました。

 

○ これは、石井町藍畑地区コミュニティ推進協議会の依頼により、毎年行っている「ふれあい大会」の行事の中で行ったものです。

 

○ 当日は、曇天の中220人が参加し最初に河川清掃を行い、その後で河川環境課長より吉野川の環境について、パネルを使っての説明を実施しました。

 

○ 参加者は熱心に聞かれていたので、吉野川の自然環境に関心を持たれたと思います。これからも、身近な川である吉野川を大切にしていただきたいと思います。

 

 

6.平成22年度 第2回公益活動推進会議(香川河川施設管理部会)との合同巡視を実施 (土器川水系 香川県)

 

○ 11月2日(火)に、土器川において「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)と、香川河川国道事務所・四国技術事務所の河川担当職員等による、平成22年度第2回土器川合同河川巡視を実施しました。

 

○ 「公益活動推進会議」は、国土交通行政の各分野で培った豊富な実務経験を生かし、社会貢献出来るような活動(ボランティア活動)を行うために、平成18年に設立されました。設立以降、平成18年に1回の土器川合同河川巡視を行い、平成19年からは毎年2回行っています。

 

○ 今回の土器川合同河川巡視は、「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)会員13名、香川河川国道事務所・四国技術事務所の、河川担当職員等13名の計26名が参加し、土器川下流部を3班に分かれ【1班が河口〜丸亀大橋、2班が丸亀大橋〜中方橋、3班が中方橋〜祓川橋】、以下の5点を重点巡視項目として実施しました。

 

  @河川管理施設の機能点検、許可工作物の管理状況、公園等の安全利用点検(占用地の管理状況)、不法投棄・不法占用など、河川管理・利用上の問題点を総合的に巡視する。

  A河川利用者が人身事故に遭わないための施設点検を行う。

  B河床低下・河岸浸食による河川管理施設への影響の有無を確認する。

  C河道内樹木の繁茂による流水阻害や河川管理施設への影響を確認する。

  D施工中の工事における仮設工・安全施設及び施工状況を確認し、改善点等を抽出する。

 

○ 今回、参加頂いた「公益活動推進会議」(香川河川施設管理部会)会員の皆さんは、以下の方々です。(部会長、副部会長を除き、五十音順)

 

  第1班(5名) 三谷  健  氏(部会長)

           伊井 貞博 氏

           川田  通  氏

           中條 徳翁 氏

           藤目 信行 氏

 

  第2班(4名) 三好 規雄 氏(副部会長)

           伊藤 数馬 氏

           村上 光男 氏

           山地 忠孝 氏

 

  第3班(4名) 藤本 久雄 氏(副部会長)

           金沢 孝欣 氏

           武智 幹雄 氏

           山下 久男 氏

 

○ 巡視中は、重点巡視項目に関するご指摘をはじめ、改修時の工夫や河川管理施設(水制工)の出水による被災メカニズム、光ファイバーの管理方法などをわかりやすくご指導・ご助言頂きました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

 

○ 今後、今回の巡視結果を取りまとめて、報告会を行うこととなっています。

 

 

7.平成21-22年度 不破堤防護岸工事 中山興業株式会社 (四万十川水系 中村河川国道事務所)

 

○ 工事名  : 平成21-22年度 不破堤防護岸工事

 

○ 工期   : 平成22325日〜平成23218

 

○ 請負業者 : 中山興業株式会社

 

○ 工事場所 : 高知県四万十市不破地先

 

○ 工事概要 : 覆土ブロックによる護岸工事

         覆土ブロック A=33102

          練石張 A=4122

 

○ 事業・工事の目的

  本工事箇所の不破地区は、無堤防であるため、大雨等による河川増水の影響により、道路及び家屋等が冠水してしまいます。そのため、不破地区が冠水被害を受けないよう堤防構築工事を行っています。

 

 

○ 現在の施工状況

 本工事の進捗率は10月末で約40%となっています。工事箇所は1工区〜4工区あり、1工区が完成し、現在は2工区と3工区の覆土ブロック設置及び、練石張を施工中です。

 

○ 現場での取り組み

 現在、3業者により堤防構築工事が進んでいます。他業者との隣接工事になるため安全管理には特に留意し、無事故で工事を進めていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

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