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四国河川ニュース

10/9(土)〜10/15()469

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                                                                       2010.10.18発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.178

 

  ○愛媛県 浅川広域河川改修事業(今治市)  愛媛県東予地方局 今治土木事務所 今井 良計 所長

  ○『21世紀は水の時代』  愛媛県 今治市 菅 良二 市長

 

○今週のニュース○

 

  ○波介川河口導流事業「平成21-22年度 波介川水交番樋門新設工事」 不動テトラ・豊国工業異工種建設工事共同企業体 現場代理人 山田 勝己 (土木工事:兜s動テトラ、機械設備工事:豊国工業) (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

  ○第28回ファミリーハゼ釣り大会開催 (吉野川水系 徳島県)

 

  ○横瀬川ダム仮排水トンネルについて (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

  ○「H21-22年度土器箇所護岸工事」 横田建設() 現場代理人:岡本慶 監理技術者:河内一正 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.178

 

1.愛媛県 浅川広域河川改修事業(今治市) 愛媛県東予地方局 今治土木事務所 今井 良計 所長

 

■事業の概要

○ (二)浅川は、日吉川、山田川などの支川を有し、今治市の市街地を流れる都市河川です。昭和47年7月の集中豪雨により氾濫し、その被害面積は780haにおよび、浸水家屋4,900戸、工場160棟、その他50戸が被害を受けました。これを契機に洪水から地域を守るためには、狭小な断面を拡大し浸水被害の軽減を図る必要があることから、昭和48年度から河川改修事業(6,940m)に着手し、平成13年度からは今治新都市開発整備事業に関連して住宅市街地基盤整備事業を導入し、通常の治水事業と併せて改修を進めています。

 改修延長6,940m(浅川;4,310m、日吉川;2,400m、山田川;230m)、21年度末改修済;4,885m、進捗率;70%

 

○ (二)浅川水系日吉川についても、平成16年10月の台風第23号により、床下浸水32戸、田畑浸水被害33haの被害が発生しており、早急に地域の安全・安心を確保するため、市道宮脇片山線(浅川合流部)から国道196号までの区間(1,200m)を平成11年度に着手し、早期整備区間として、鋭意事業を進めているところです。また、本区間は、住宅地内を流下しているため、河川事業に併せて両岸に今治市道(W=m)の整備を行い、市街地へのアクセス性や周辺地域の利便性の向上など、道路機能の拡充も図ることとしています。

 

○ 平成21年度までには、早期整備区間(1,200m)のうち、245m区間の工事が完了し、555m区間の工事についても既に着手しており、周辺の治水効果が着実に現れるなど、安全で安心な地域づくりに大きく貢献しているものと考えております。

 

 

2.『21世紀は水の時代』 愛媛県 今治市 菅 良二 市長

 

○ 今治市は、古くから海上交通の要衝として栄え、愛媛県の政治・経済・文化の中心地として発展してきました。平成171月に12市町村という大きな枠組みでの新設合併を果たし、人口規模では県下第2位、四国でも県庁所在地に次ぐ第5位、約174千人の市になりました。また、市の中心部を来島海峡が横断するという特異な市域を持っており、島しょ部を通る“瀬戸内しまなみ海道”で、広島県尾道市と結ばれています。瀬戸内海国立公園の中心部に位置し、東洋のエーゲ海ともいわれる多島美やそれらを結ぶしまなみ海道をはじめとする素晴らしい景観、歴史文化遺跡、伝統芸能、美術館や博物館、温泉地などのほか、山海の食材など多彩な地域資源に恵まれています。また、タオル、造船・海事関連産業では、他の地域に類がないほど集積化が進んでおり、石油関連事業、食品産業などを含めた工業生産高では四国一を誇っています。

 

○ このように美しい自然と産業が調和し、発展をし続ける本市ですが、かつて中心市街地を流れる金星川・泉川は七色に変化する川でした。これは高度経済成長期におけるタオル生産量の急増に伴い、綿糸の染色に理想的な軟水が流れる蒼社川を水源とする金星川・泉川流域では染色工場が林立し、大量の染色排水を直接河川へ放流することが原因でした。結果、小魚やエビはいなくなり、地域住民には不快感を与え、市のイメージダウンにも繋がりました。また、下流域では浸水被害が発生し、住民の安全を脅かす状態となっていました。

 

○ そこで河川事業と下水道事業が一体となり、かつての清流復元に向けた事業を進めることとしました。河川事業として、染色排水の専用水路を整備し河川との分離を図り、あわせて親水護岸、漁礁ブロック、河床整備等を行いました。また、下水道事業として浸水対策の雨水バイパス管渠を整備しました。現在では河川本来の水の色を取り戻し、鯉や小魚などが泳ぎ、親水空間を設けたことにより地域住民の憩いの場所となっております。

 

○ 最後に、21世紀は水の時代と言われております。いま一度、人と水との関係を見つめなおし、「21世紀は美しい水の時代」だったと言えるよう、河川、海岸、上下水道等、様々な水問題にアプローチしていきたいと思っております。

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.波介川河口導流事業「平成21-22年度 波介川水交番樋門新設工事」 不動テトラ・豊国工業異工種建設工事共同企業体 現場代理人 山田 勝己 (土木工事:兜s動テトラ、機械設備工事:豊国工業) (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

           工事名 :平成21-22年度 波介川水交番樋門新設工事

 

           工 期 :平成21813日〜平成23331

 

           工事場所:高知県土佐市用石地先(仁淀川)

 

○ 工事概要:樋門樋管本体工1(5.0m×3.6m×4門)、仮設工1(ディープウエル9)、河川用水門設備製作・据付1式(ステンレス鋼製ローラーゲート×4)

 

○事業の目的等

 床上浸水対策特別緊急事業である波介川河口導流事業は、台風等の出水による土佐市街地の浸水被害の軽減を目的とした事業です。その一環として当社が施工する水交番樋門は、現在の合流点付近に新設し、平常時には、現況の水の流れと同じように、波介川の河川水が仁淀川へ流れるようにゲートを開いておきます。出水で仁淀川の水位が高くなった時はゲートを閉めて、仁淀川から波介川への逆流を防ぐことを目的としています。

 

○現在の施工状況

 本工事は、平成2110月より準備工を開始、水替え工法の検討・施工を行い、平成226月より函渠工に着手、天候にも恵まれ10月初旬にて門柱・操作台を除く函渠躯体のコンクリート打設を完了することができました。今後は、門柱・操作台の施工完了後、11月中旬より機械設備(ゲート)の設置を行う予定です。

 

○河川の影響を強く受ける施工環境

 当現場は、波介川と仁淀川に挟まれた、合流地点付近での施工であり、出水による水位上昇はもとより、潮汐の干満においても仮締切内の水位に影響を及ぼします。このため、仮締切鋼矢板による止水のみでなく、深井戸工法を併用して地下水位低下を行っています。施工に際しては、細心の注意を払って行い、9月末時点まで災害0にて施工を行っています。

 

○今後の目標

 当社が掲げるスローガン“安全と仕事を天秤にかけず、安全に仕事をする”をモットーに、無事故・無災害で無事竣工を向かえられるよう努力していきます。

 

○現場見学等問合せ先

 現場見学を希望される方は、波介川監督官詰所 電話:088-856-3629又は、不動テトラ・豊国工業JV 電話:088-803-5075までお問い合わせください。

 

 

4.第28回ファミリーハゼ釣り大会開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 10月10日()に、徳島県釣連盟、徳島市水と緑の推進協議会、四国の水を考える会の共催により、「第28回水と緑のフェスティバル ファミリーハゼ釣り大会」が開催されました。

 

○ 本大会は、吉野川河口から名田橋までの約11kmの区間で釣り上げた、ハゼ10匹の総重量を競うもので、徳島河川国道事務所では毎年後援として協力を行っています。

 

○ この大会では、一般の部(高校生以上)、女性・少年の部(女性及び中学生以下の男子)、ファミリーの部(ファミリー2名以上のハゼ10匹の重量)の3部門に分かれ開催され、総勢456名の参加がありました。

 

○ 当日は晴天には恵まれ、参加者の皆様は、思い思いの場所で大物を狙ってハゼ釣りを楽しまれていました。

 

○ また、本大会では河川の清掃活動も行われ、軽トラック2台分のゴミを拾っていただきました。

 

○ 川と触れ合うことができ、有意義な1日を過ごせたのではないかと思います。

 

 

5.横瀬川ダム仮排水トンネルについて (渡川水系 中筋川総合開発工事事務所)

 

○ 工事名:平成21-22年度 横瀬川ダム仮排水トンネル工事

 

○ 工期:平成21827日〜平成23330

 

○ 請負業者名:岩田地崎建設株式会社

 

○ 工事場所:高知県宿毛市山奈町山田地先

 

○ 工事の概要

 ダム本体工事に先立ち横瀬川の流水を迂回させるための水路トンネル(全長240m、直径3.6mの標準馬蹄形)をNATM工法により施工しています。主な工事内容は、トンネル工(掘削、覆工コンクリート)、呑口・吐口水路工のほか、ダム本体完成時に閉塞予定となる区間のファンカーテン・コンソリデーショングラウチング工です。

 

○ 現在の施工状況

 既に今年の7月19日に貫通しており、覆工コンクリート及びインバートコンクリートを施工中で、10月7日現在で110mが施工済です。

 

○ 工事現場での配慮等

 直径3.6mと断面が小く施工機械(ドリルジャンボ・吹付機械・ズリだしなど)に制限(坑内での旋回・離合ができない)があるため、特殊なズリだし機械(シャフローダ)を使用するなど、効率良い施工に努めています。

 また、周辺は自然豊かな環境を有していることから、発破掘削時には近隣の民家や鳥類などの生態系に配慮した防音対策を行いました。

 

○ 現場見学について【可能】

 11月中旬までは覆工・インバートコンクリートの施工状況が、その後はファンカーテン・コンソリデーショングラウチング工や呑口・吐口水路工の見学が可能です。

 施工事例が非常に少ない小断面の水路トンネル工事現場をご案内させて戴きますので、見学希望の方は事前に工務課(連絡先:0880-66-0142代表)へご連絡くださるようお願いします。

 

 

6.「H21-22年度土器箇所護岸工事」 横田建設() 現場代理人:岡本慶 監理技術者:河内一正 (土器川水系 香川河川国道事務所)

 

○ 工事名 :平成21-22年度土器箇所護岸工事

 

○ 工 期 :平成211112日〜平成23218

 

○ 工事場所:香川県丸亀市土器地先(土器川)

 

○ 工事概要:低水護岸L=197m、根固工A=428u、魚道1箇所、環境施設工1式、階段工2箇所、仮締切工1式、仮設工1式

 

○はじめに及び工事目的

 現在、土器川では河川改修工事として、低水護岸と根固め工事が2工事、根固め工事が1工事の合計3工事が発注・施工されています。これら工事は、暴れ川である土器川の洗掘危険箇所(未対策箇所)に護岸と根固めを設置し、丸亀市中心部の安全・安心に寄与する事を目的としています。

 

○現在の施工状況など

 本工事は、緊急経済対策の補正予算による工事として、設計付工事として発注されています。平成2111月から準備工及び設計を開始、平行して高水敷において根固め製作を進め、4月に設計完了、5月に一部根固めの据え付けを実施し、出水期における一部一時中止(河床部工事の中止)、8月には根固め製作完了、10月からは、出水期開けの工事再開を目指して、仮設工などの準備を進めています。

 これからの予定は、2月のシラス漁期までに低水護岸と根固めを完成させて、高水敷き部分などの残工事を工期までに完了させる事を予定しています。

 

○現場での問題と工夫

 当現場は、丸亀市の市街地にあり周辺住民の散策や、また、堤防裏に城東小学校があるため、周辺環境対策と安全対策に配慮しています。特に小学校前の高水敷きは「みんなの広場」として頻繁に利用されており、利用をしながら安全に工事を実施する事を目指しています。

 

また、5月の施工時にシルトフェンス2重では処理しきれない濁水が発生したため、今期施工では大型沈砂池(延長100m程度)を施工し、環境への影響を減らすことを考えています。

 

○工事現場全員の心構え

 河川構造物として、「住民を洪水から守る事」、そのためには100年経っても壊れない、もしくは壊れても被害が最小限となること、また、復旧するときに簡単で早く・安くできることを目指して、事務所・出張所・施工業者(設計を含む)・施工する労働者など、みんなで頑張っています。

 また、見学を希望される方は、歓迎しますので土器川出張所 電話:0877-22-8318 までお問い合わせください。

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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