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四国河川ニュース

9/25(土)〜10/1()467

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                                                                       2010.10.4発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.177

 

  ○香川県 新川(木田郡三木町)の治水事業『新川広域河川改修事業(三木工区)』 (香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長)

 

  ○『人々が助け合う安全、安心なまちづくり』 (香川県三木町 石原 收 町長)

 

○今週のニュース○

 

  ○波介川河口導流事業「波介川潮止堰新設工事」 大林・丸島アクアシステム異工種建設工事共同企業体 現場代理人:弘間宏二 (土木工事:大林組 機械設備工事:丸島アクア システム)  (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

  ○「H20-22年度後川樋門改築工事」 東洋・西田異工種建設共同企業体  (物部川水系 高知河川国道事務所)

 

  ○「平成21−22年度 上老松仮設道設置工事」 大鉄工業(株) (肱川水系 大洲河川国道事務所)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.177

 

1.香川県 新川(木田郡三木町)の治水事業『新川広域河川改修事業(三木工区)』   香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長

 

○ 新川は、その源を香川県木田郡三木町高仙山に発し、吉田川、春日川等の支川を合わせ、高松市市街地東部の木太町、屋島西町において瀬戸内海に注ぐ、幹川流路延長約18.7q、流域面積約131.9kuの二級河川です。その流域は、香川県高松市、木田郡三木町、さぬき市の21町にまたがり、同地方における社会・経済の基盤をなしています。

 

○ 新川水系の過去の主な災害は、昭和479月の台風20号および豪雨による浸水家屋1,880戸、浸水面積約425haや、昭和6210月の台風19号による浸水家屋4,831戸、浸水面積約703.4haがあり、近年においては、平成1610月の台風23号で、特に支川春日川を中心に浸水家屋6,677戸、浸水面積693haと戦後最大となる甚大な被害を受けました。

 

○ 本河川においては、昭和38年度より中小河川改修事業として河口から築堤、掘削等を実施してきており、昭和6210月洪水による未曾有の大被害を受け、新川河川激甚災害対策特別緊急事業を実施する等、現在に至っています。

 

○ 事業実施により、これまで河口〜高松琴平電鉄長尾線鉄橋付近までの約11.3qの区間の整備が完了しています。しかしながら、上流の未整備区間において、平成1610月洪水などで浸水被害が発生しており、再度災害防止を図るため、高松琴平電鉄長尾線鉄橋上流から約3.6qの平松橋上流までの区間を掘削、河道拡幅、護岸等による河川改修を実施していきます。平成22年度は、工事に先立ち、測量および設計を実施しており、あわせて計画面では、戦後最大流量を記録した平成1610月洪水流量を、安全に流下させることを目標とした新川水系河川整備計画を策定中です。また、当該区間は、水利目的の固定堰が数多く存在し、流下阻害の要因になっていることから、統廃合も含め可動堰化に努めます。

 

○ 河川改修にあたっては、環境に配慮した護岸で整備するとともに、河床は澪筋を確保し変化をもたせ、自然の回復力によって動植物の生息・生育環境の復元を図るよう努めていきます。

 

○ 今後も環境に配慮しつつ、浸水被害を早期に軽減できるよう、河川改修に取り組み、災害に強い快適な郷土を目指します。

 

 

2.『人々が助け合う安全、安心なまちづくり』  香川県三木町 石原 收 町長 

 

○ 三木町は、香川県都高松市の東側に位置し、東はさぬき市、南は旧塩江町と徳島県脇町、北は旧牟礼町とその境を接しており、南北に細長く、総面積75.78ku、人口約28千人の町であります。

 

○ 緑豊かな自然と清らかな河川に恵まれ、温暖な気候風土は人情味あふれる町民性と強い郷土愛を育み、「人と自然にやさしいまち・三木」を基本理念として、緑豊かな自然を守り育て、自然と共生しながら町民だれもが安心して暮らせる活気に満ちたまちづくりを進めております。

 

○ 町内各地域で受け継がれてきた獅子舞を披露する『獅子舞フェスタ』も今年で19回目を数え、郷土の伝統文化を守る一方で、先端技術である希少糖の研究所を小蓑地区で誘致するなど、地域の活性化に努めております。

 

○ また、安全・安心なまちづくりとして、防災面を特に重要と考えております。町内には中央部を新川、東部を鴨部川、西側に吉田川が流れ、その沿線に平坦な低地が広がり、豊かな農地や住宅地が形成されており、特に新川は人と自然とが象徴されます。普段は穏やかな流れですが、台風時にはその姿を一変させ、昭和62年(台風19号)と平成16年(台風23号)には町内に甚大な被害をもたらしました。そのため、高松市境から上流に1.9qが新川河川激甚災害特別緊急事業により改修され、その上流に関しては現在県の方で策定中であります河川整備計画をもとに早急な改修が望まれます。

 

○ 三木町では、台風災害の教訓により、今後の備えとして、洪水ハザードマップ及び防災ガイドブックを作成して、防災意識の高揚と素早い対処方法等を広く周知するとともに、地域ぐるみで協力し助け合う『自主防災組織』を結成して防災訓練を実施しております。

 

○ 今後とも、災害時の被害を最小限に抑えられるよう、地域住民との連携をもとにその活動を充実させ、「安心して暮らせるまちづくり」に努めてまいりたいと考えております。

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.波介川河口導流事業「波介川潮止堰新設工事」 大林・丸島アクアシステム異工種建設工事共同企業体 現場代理人:弘間宏二 (土木工事:大林組 機械設備工事:丸島アクアシステム) (仁淀川水系 高知河川国道事務所)

 

○工事名 :平成21-23年度波介川潮止堰新設工事

 

○工 期 :平成21915日〜平成24330

 

○工事場所:高知県土佐市新居地先(仁淀川)

 

○工事概要:堰柱4基 管理橋橋台2基 制水ゲート2基 調整ゲート1基

      取付擁壁1式 護岸工1式 締切工1式 仮設工1式

 

○事業の目的等

 波介川河口導流事業は台風等による、土佐市の市街地等の内水氾濫を防ぐ目的で実施している事業であり、その一環として波介川潮止堰は、仁淀川河口から波介川導水路へ海水が入るのを防ぐことを目的として設置しています。なお、洪水時にはゲートを開けて波介川流水を流します。

 

○現在の施工状況

 本工事は、平成2110月に準備工事を開始して、12月から締切鋼矢板の打設を行い、平成223月に基礎工の鋼管杭打設が終了しました。可動堰本体は3月末から掘削作業を開始し、4月初旬から本体構造物に着手しました。天候に恵まれ順調に工程を消化し、9月中旬に堰柱操作台のコンクリート打設を行い、約5ヶ月半で無事に可動堰本体工を完了することが出来ました。ゲート設備は9月中旬から戸当り金物の現地設置を開始し、11月初旬にゲート扉体設置を開始する予定です。

 

○工事請負体制の特色

 本工事は、土木工事会社と機械設備会社が共同企業体を結成して建設工事を行う事で、土木工事と機械設備工事が綿密な工程調整、資機材の調達などの打合せを行うと共に、分担施工であるが一体で安全管理を行うことができます。土木工事中に、工場製作を行い、土木工事から機械設備工事へのスムーズな現場施工の移行が出来、工程進捗に無理・無駄がなく施工しています。

 

○現場での工夫

 当現場は、仁淀川右岸0k/150の位置において、鋼矢板で仮締切(幅約100m・上下流方向約130m)を行い、地下水を揚排水処理して可動堰の構造物工事を行っています。鋼矢板打設前に無溶剤型鋼矢板用膨潤止水材(商品名:パイルロックNS型)を鋼矢板の継手に塗布し、乾燥させてから鋼矢板打設を行うことで、鋼矢板継手部からの流入水を防止して、鋼矢板先端からの流入水だけを処理し、周辺地下水位を低下させることなく順調に工事は進捗しています。

 

○工事現場全員の目標

 高知県内でこのクラスの可動堰は初めての施工であり、常日頃から、作業に従事する者全員の目標として、家族・子・孫に自慢できる“いい品物をつくる”をモットーに、ケガなく、竣工までお互い声掛け合って安全に、構造物を完成させることを、毎日祈願しています。

工事現場はよく目立ち、仁淀川河口大橋から見たら、一目瞭然です。右岸堤防上からも十分見学できます。仁淀川河口において景観美がすばらしい、新しいスポットになるでしょう。

なお、見学を希望される方は、波介川監督官詰所 電話:088-856-3629又は、大林・丸島アクアシステムJV 電話:088-828-7055までお問い合わせください。

 

 

4.「H20-22年度後川樋門改築工事」 東洋・西田異工種建設共同企業体 (物部川水系 高知河川国道事務所)

 

○ 後川樋門は、物部川河口部(右岸0k/0)に設置されている逆流防止樋門で、昭和12年、内務省時代に築造されたものです。

 

○ 築後70年以上を経過し、施設の老朽化が著しい上、近い将来発生が予想されている『南海地震』に対し、構造的な強度不足となっているため、全面的な改築を行うこととなりました。

 

○ 工期は平成20年10月から23年3月まで、工事請負者は東洋・西田異工種建設共同企業体です。

 

○ 当現場は、高知龍馬空港滑走路に接しており、現場上空は、航空機の進入面となっています。このため、現場上空を、極めて低空で頻繁に飛行機の離発着が行われています。

 

○ 航空機の安全運行のための「飛行制限区域」が新設樋門の操作台上空約3mに設けられています。従って、通常のクレーン作業でも限られた高さの範囲でしか作業が出来ません。作業高さが制限区域に入るものは、飛行機が運行されていない夜間に作業を行っており、夜間作業が多いのが本工事の特徴です。

 

○ 今年8月末での進捗率は約79%、樋門本体の土木工事は概成し、本年11月からはゲート設備関係の設置、仮設締切堤防の撤去にかかり、来年3月末に完成する予定です。

 

○ 現場周辺は、公園、テニスコート、休憩所等が隣接し、休日には家族連れも多く訪れる所であり、物部川の河口や太平洋の見晴らしも良好です。また、現場上空をかすめるように離発着する飛行機の光景は、マニアに格好のスポットとなっています。空港周辺に来られる際には、是非、完成間近の現場を訪れてみて下さい。 

 

 

 5.「平成21−22年度 上老松仮設道設置工事」 大鉄工業(株) (肱川水系 大洲河川国道事務所) 

 

○工事件名:平成21-22年度 上老松仮設道設置工事

 

○工期:平成21108日〜平成22831

 

○工事場所:肱川水系肱川 愛媛県大洲市長浜町上老松地先   

 

○工事概要:本工事は、「土地利用一体型水防災事業」の一環として、堤防整備に先立ち県道を一時迂回させ一般交通を確保するために仮設道の設置を行っています。

 

○本工事の特徴としまして、新技術SqCピア工法(NETIS登録番号:QS02004 2A)を採用し、世界最大級のバイブロフォンサーを使用し施工をしました。

 

○本工法は他の工法との比較において、低騒音、低振動であり濁水等をほとんど発生させない環境に配慮した工法です。

 

○なお、本工事においては請負者:大鉄工業()四国支店の施工により、平成22831日に無事故で工事を竣工しております。

 

【関連記事】

  @四国地方整備局HP「工事現場等見学ガイド2010」    

   http://www.skr.mlit.go.jp/kikaku/spotguide/top.html

  A四国技術事務所HP「新技術情報提供システム」    

   http://www.skr.mlit.go.jp/yongi/

 

 

 

 

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