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四国河川ニュース

9/18(土)〜9/24()466

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2010.9.27発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.176

 

  ○徳島県 宍喰浦海岸の耐震対策「宍喰浦海岸 海岸耐震対策緊急事業が平成22年に完成」 (徳島県 南部総合県民局県土整備部 池田 一仁 副部長)

 

  ○進む南海地震への備え (徳島県 海陽町 五軒家 憲次 町長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○高知海岸パートナーシップによるアカウミガメ放流会を開催 (高知海岸 高知県)

 

  ○平成22年度 ダム技術勉強会を開催 (渡川水系 高知県)

 

  ○「桜の診断会」を開催 〜鹿野川ダム水源地域ビジョン〜 (肱川水系 愛媛県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.176

 

1.徳島県 宍喰浦海岸の耐震対策「宍喰浦海岸 海岸耐震対策緊急事業が平成22年に完成」 (徳島県 南部総合県民局県土整備部 池田 一仁 副部長)

 

■事業概要

 

○ 宍喰浦海岸は、徳島県南端で高知県との県境に位置し、室戸阿南海岸国定公園に属する景勝地であり、観光のみならず、サーフィン等のマリンレジャーを目的として、県内外からの利用者が年間を通じ絶えない状況となっております。

 

○ 当海岸は、昭和南海地震(1946)において、津波による被災履歴があり、今後30年以内に60%の確率で発生が予測されている南海地震発生時においては、津波高が高く、地盤の液状化により堤防が著しく沈下することが想定されており、津波による甚大な被害の発生が危惧されております。

 

○ そのため、地震時の液状化による堤防の沈下量を最小限にとどめ、最大津波が到達するまでの避難時間を確保することにより、人的被害を軽減することを目的に平成20年度から「海岸耐震対策緊急事業」により耐震対策(矢板工法による液状化対策)に着手し、平成228月に整備を完了いたしました。

                                                       

○ 本事業の完成により、地震発生時には住民の円滑な避難が図られるものと考えております。

 

○ 今後とも南海地震発生時の「死者ゼロ」を実現するため、住民の避難意識の向上を図る等のソフト対策と一体となって、地震・津波対策に取り組んで参りたいと考えております。

 

【事業の概要】

○ 施行箇所  徳島県海部郡海陽町宍喰地先

○ 施行期間  平成20年度〜平成22年度

○ 施行内容  鋼矢板工(液状化対策) L=300m

 

 

 

2.進む南海地震への備え (徳島県 海陽町長 五軒家 憲次) 

 

○ 海陽町宍喰浦海岸は、徳島県南部から高知県室戸市までの変化に富んだ美しい海岸線のほぼ中央に位置しています。近年この宍喰浦海岸、ホテルリビエラ前のビーチでは近畿、中国地方から家族連れ、グループが訪れ、サーフィン、シーカヤック、ダイビングでにぎわいを見せています。また多くの中学生修学旅行団が美しい砂浜でのサーフィン、シーカヤックなどの体験型学習、環境学習プログラム「南阿波よくばり体験」に参加して頂いています。

 

○ このように美しい海岸線ではありますが、海陽町は有史以来幾度も巨大地震、津波により、大被害を被っています。次の南海地震でも海陽町では震度6強の揺れが襲い、津波被害が甚大となると想定されています。

 

○ 平成22年8月、海陽町宍喰地区住民が切望しておりました宍喰浦海岸の「海岸耐震対策緊急事業」が完了いたしました。関係されました皆様に心からお礼を申し上げたいと思います。

 この耐震事業は、地震による堤防の沈下崩壊による津波の襲来から地域住民全員の命を守ることを目的として実施されました。想定される震源地から近い本町にとって心強い、命の堤防となりました。

 

○ 又、この液状化対策の鋼矢板工により補強された堤防上の国道55号は、徳島県南部と高知県東部を結ぶ一本道で、いざという時、緊急輸送路となる重要な道路でもあります。その意味からも、最も早く整備が望まれていた工事です。地震対策としてのこうした工事は、地震が発生するその時まで続ける必要があります。しかしながら、これらハード面の整備はあくまで想定を基準として設計、工事を実施しています。想定を越える規模の地震、津波が起こる可能性もございます。このとき住民一人ひとりの生命が守られるには、住宅の耐震化、避難路の整備、ご近所の地域防災組織力の向上など、さまざまな取り組みを続けなければなりません。

 

○ 将来の安心の為、今後も耐震対策に取り組んで参ります。本工事完成にあたり、ご尽力頂きました関係各位には重ねて感謝申し上げます。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.高知海岸パートナーシップによるアカウミガメ放流会を開催 (高知海岸 高知県)

 

○ 9月5日()に、「高知海岸パートナーシップ」による「アカウミガメ放流会」を行いました。

 

○ 今回は約230人が参加し、200匹を超えるアカウミガメを高知海岸(高知市春野町)で放流しました。

 

○ 「高知海岸パートナーシップ」は、高知海岸南国工区から新居工区にかけた直轄海岸工事施工区域内において、清掃ボランティア活動により、海岸の散乱ゴミ等を取り除き、美しい海岸環境を創る全国で初めての取り組みです。平成17年8月に開始し、現在13団体が定期的に海岸清掃を行っています。

 

○ 海岸ゴミはアカウミガメにとって産卵の妨げとなります。上陸したものの産卵できずに海へ帰ってしまう、ふ化した子ガメが海に帰る際にゴミを乗り越えられず死んでしまう等の影響があります。清掃活動がアカウミガメの産卵環境を良くしており、近年産卵回数が増加しています。

 

○ 今年は昨年の2.5倍にあたる、75回の産卵回数を記録しています。

 

○ 海へと一生懸命に帰っていくアカウミガメの子供たちを見送りながら、「がんばれ!」と参加者からたくさんの声援があがっていました。

 

○ アカウミガメの子供たちはカリフォルニアまで泳いで行き、大きくなって産卵のため再び帰ってきます。何年後かに高知海岸に産卵に来てくれることを期待したいです。

 

○ 高知河川国道事務所ホームページ内「高知海岸パートナーシップ」で、各団体の清掃活動の様子等をご紹介しています。また、「ウミガメ情報局」ではアカウミガメ保護活動についてご紹介しています。高知河川国道事務所は今後も活動を継続し、親しみやすい海岸づくりに取り組んで行きます。

 

 

 

4.平成22年度 ダム技術勉強会を開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 9月16日()、中筋川総合開発工事事務所会議室において、今年度第1回目の「ダム技術勉強会」を開催しました。この勉強会は、中堅・若手技術者の育成のため、従来より実施しているもので、本局や近隣事務所等から40名程の参加のもと、()四国建設弘済会の福田理事長及び、()ダム技術センターの吉田部長からの講演の後、横瀬川ダム仮排水トンネル工事現場や試掘横坑の見学を行いました。

 

○ 福田理事長からは、「パラダイムシフトと建設技術者」と題した講話があり、この中で、講師自らの過去における現場での経験を通して、社会資本整備を担っている技術者としての心構え、例えば、技術者は国民の幸せに繋がる仕事を自分の頭で考えながら行うこと、又、これからは「何をつくるか」から、「何のためにつくるか」へ発想を転換し、地方らしさをアピールした整備を行うことが大切。更に最後には「国民を幸せにするというすばらしい職を手にした職員の皆さんだから、自信を持って。今後とも活躍を期待する。」と激励の言葉を頂きました。

 

○ 吉田部長からは、自らの現場体験を通じて「最近のダムの新技術・新工法」についての講演を頂きました。この中で、ダムの再開発の現状や、巡航RCD工法、グラウチング技術指針の改定に至った経緯、台形CSGダム、平常時は水を貯留しない流水型ダム等の、ダムに関わる最新の知見を踏まえた解説をして頂き、ダム技術者として必要な見識を深めることが出来ました。

 

○ 当所では、ダム技術者の育成に向け、今後も勉強会を開催していく予定です。

 

 

 

5.「桜の診断会」を開催 〜鹿野川ダム水源地域ビジョン〜 (肱川水系 愛媛県)

 

○ 9月18日(土)、鹿野川ダム貯水湖周辺において、「桜の診断会」が開催されました。

 

○ 鹿野川ダムでは平成21年度に、水源地域の自立的・持続的な活性化を進めることを目的として、「環境保全・再生」、「交流促進」、「湖面利用」を3本柱とする「鹿野川ダム水源地域ビジョン」が策定され、その一環として、同年度より、かつて桜の名所であった鹿野川ダム湖畔の桜の再生に向けた取り組みを行ってきました。

 

○ 当日は、愛媛大学農学部生物資源学科江崎次夫教授に桜の診断、ご指導をいただき、地域住民を主体として構成される、ビジョン策定時の分科会メンバーや、大学生の方々にも参加いただき、今年度植樹を行う区域の桜の診断や、昨年度植樹を行った区域の確認などを行いました。

 

○ 今後も、ダム湖畔の桜の再生に向けた取り組みを、継続的に実施していく予定です。

 

 

 

 

 

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