***************************************************

四国河川ニュース

9/28(土)〜9/3()463

***************************************************

                                                                         2010.9.6発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.175

 

   ○『日下川(戸梶川)流域治水対策河川事業』 高知県中央西土木事務所 松田 優 所長

 

   ○人と自然を大切にする共生の里 高知県 日高村 戸梶 眞幸 村長

 

 

○今週のニュース○

 

   ○肱川「いもたき初煮会」が開催 (肱川水系・愛媛県)

 

   ○平成22年度水質事故情報伝達訓練・水質事故処理訓練を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

   ○「重信川・石手川ダムで地元中学生による職場体験学習を実施」 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

   ○河川水難事故防止講習会を実施 (吉野川水系 徳島県)

 

   ○四国地方整備局 総合防災訓練を実施!〜東南海・南海地震を想定し、参集訓練、防災訓練を実施〜 (四国地方整備局)

 

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.175

 

1.『日下川(戸梶川)流域治水対策河川事業』 高知県中央西土木事務所 松田 優 所長

 

○ 日下川は、一級河川仁淀川水系の1次支川であり、高岡郡佐川町から日高村の中心部を(2次支川戸梶川を合わせて)東流して、仁淀川右岸14q地点で合流する延長約10q、流域面積38kuの河川です。

 

○ 日下川は平均勾配が1/1,500と緩やかで、川沿いの平坦地は仁淀川から逆流した泥水が残していった泥土と、流域から流出した風化土壌などが堆積してつくられています。そして、流域の中ほどあたりは湿地として残され、全体として地盤が低い上に川下の方が高く、いわゆる”鍋底形”の地形になっています。

 

○ このため、洪水の時には仁淀川の水位の方が高くなって、日下川の水は流れ出ることができなくなり、平坦地にたまる内水被害が発生します。日下川流域は、昔からこの”内水”と仁淀川からの逆流に悩まされ、洪水のたびに大きな被害を受けてきました。なかでも、昭和50年の台風5号では日高村の平野部のほぼ全域が水没し、死者25名、重傷26名、家屋の全壊71棟、半壊70棟、一部破損1,025棟、床上浸水638棟の甚大な被害を受けました。

 

 

○ 日下川の本格的な治水事業は、昭和21年の南海地震による地盤沈下対策として、派川日下川放水路(昭和36年度完成)が建設されたのがはじまりですが、その後も洪水被害が相次いだため、昭和50年度から中小河川改修事業に着手しました。

 

○ また、同年の台風5号災害への対策として、直轄激特事業による日下川放水路(昭和57年度完成)の建設、広域河川改修事業による日下川調整池(平成10年度完成)の建設が進められてきました。平成15年度に着手し、現在建設を進めている戸梶川調整池(面積:12.2ha、湛水容量30.6万m3)は、これらの治水事業の総仕上げというべきものであり、今年度中の完成を目指しています。完成後は、浸水被害の軽減はもとより、地域の発展に寄与するものと期待しています。

 

 

 

2.人と自然を大切にする共生の里 高知県 日高村 戸梶 眞幸 村長

 

○ 日高村は、高知県のほぼ中央部で、高知市より西に約16kmのところに位置し、北部から東部にかけては石鎚山に源を発する清流仁淀川が流れ、隣接するいの町と境をなしています。

 

○ また、地域の歴史は古く、土佐二ノ宮小村神社史に用明天皇2年(西暦紀元586年)建立とあることからも、上古より開けた旧村であることが覗えます。

 

○ そして、「日高村の歴史は水害の歴史」とも言われるように、過去、昭和50年には台風5号による集中豪雨、翌51年には台風17号による未曾有の大災害を被ったことは、誰もが忘れてはならない記憶であります。村中央部を西から東に貫流する日下川には、「日下川放水路」を始めとし、治水事業に携わられた先人たちの「水害との闘い」の後が刻み込まれています。

 

○ 一方、日高村はその「治水事業」により育まれた豊かな自然環境に溢れ、ホタルの乱舞する小河川、非常に珍しいトンボのミナミヤンマの生息するトンボ公園、絶滅危惧種のメダカの生息する調整池の他、山野においては蛇紋岩地帯特有のドウダンツツジを始めとする貴重な植生、世界的な植物学者の牧野富太郎先生のもっとも愛した、バイカオウレンの生息地などすばらしい環境があり人と自然の共生が保たれ、これらは、後世を担う子どもたちに引き継いで行かなければならない大切な財産であります。

 

○ 最後に、今後においても先人より受け継いだ火を絶やすことなく、更なる「治水事業」の推進に努め、豊かな自然環境との共生を図るとともに、「子育てするなら日高村」、「老後を過ごすなら日高村」と言ってもらえるような日高村にしてまいります。日高村に生まれ育ち、生活を営んで本当に良かったと思える村づくりを地域の皆さまと共に推進してまいります。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.肱川「いもたき初煮会」が開催 (肱川水系・愛媛県)

 

○ 8月27日()夕方、愛媛県内いもたき発祥の地である大洲・肱川(大洲城対岸の肱北河原)で、「いもたき初煮会」が盛大に開催されました。

 

○ 初煮会では、無料で約1,000人分のいもたきが振る舞われ、秋の味覚に舌鼓をうちました。

 

○ 大洲のいもたきは、里芋(大洲地方では夏芋と呼んでいます)や鶏肉を、しょうゆと鶏がらであっさりと甘口に煮込んだものです。いもたきは、江戸時代から伝わる「おこもり」が起源と言われており、仲秋の頃に月明かりのもとで、河原に地域ごとに仲間が集まり食べられてきました。

 

○ 大洲のいもたきは、初煮会を皮切りに、10月中旬まで毎夜(18時30分頃から)開催されます。今年は、初煮会を始め、観月会(9月19日())、元祖いもたきの会(9月22日())など盛大にイベントが開催されます。

 

○ 皆さんも肱川の河辺で、名月とライトアップされた大洲城を見ながら、大洲名産の里芋を使った「いもたき」に参加してはいかがですか。問い合わせは、大洲市観光協会電話0893(24)2664まで。

 

 

 

4.平成22年度水質事故情報伝達訓練・水質事故処理訓練を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

○ 平成22年8月31日(火)に、重信川水系水質汚濁防止連絡協議会による、「平成22年度 水質事故情報伝達訓練及び水質事故処理訓練」を開催しました。

 

○ 水質事故における被害をできる限り抑制するためには、各関係機関との速やかな情報伝達、油等の適切で速やかな処理が必要です。

 

○ 本訓練は、平成22年7月30日(金)に開催された、重信川水系水質汚濁防止連絡協議会(委員会)において決定されました。

 

○ 水質事故情報伝達訓練・水質事故処理訓練をセットにした本訓練は、重信川水系水質汚濁防止連絡協議会においてのはじめての試みです。

 

○ 当日は、『砥部町において、重油タンク撤去作業中にタンク排水口が破損し、A重油40〜50リットルが農業用水路に流れ、重信川支川砥部川に流出した。』との想定のもと、午前10時より水質事故情報伝達訓練、午後2時より水質事故処理訓練を実施しました。

 

○ 水質事故情報伝達訓練は、水濁協連絡系統図に沿って、各関係機関へFAXにより資料を送信し、電話により受信時刻及び受信者を確認しました。関係21機関への所要時間は30分余りでした。

 

○ 水質事故処理訓練は砥部町が主体となって、砥部川(0k/6付近)において、オイルフェンス、オイルマット及び油処理剤散布(訓練としてはバケツの水を撒くのみ)の作業を実際に行いました。

 

○ 重信川流域の市、町並びに国、県の職員55名、維持業者5名、計60名が水質事故処理訓練に参加しました。

 

○ 残暑厳しいなかでの訓練でしたが、多くの方にご参加いただき、参加者からは『今回の訓練により、速やかな情報伝達及び適切な事故処理の手法を体験できて勉強になりました。』と感想をいただきました。

 

 

 

5.「重信川・石手川ダムで地元中学生による職場体験学習を実施」 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 8月26日(木)〜27日(金)に、松山河川国道事務所では、松山市立拓南中学校の2年生の生徒4名による「職場体験学習」を実施しました。

 

○ 8月26日(木)は、事務所の庁舎施設や災害対策室の防災機器の見学を実施した後、石手川ダムに移動して石手川ダムの概要、役割、ダム操作室の機器の説明や通常・洪水時の操作等について説明を行いました。

 

○ その後、ダム管理の体験として監査廊内の徒歩での堤体巡視や、巡視船に乗船しダム湖巡視を行いました。また、巡視船の船上から採水を行い、ダム湖の水の簡易水質検査も体験しました。

 

○ 8月27日(金)は、重信川出張所にて重信川の概要、歴史を学び、重信川河川防災ステーションにて、防災ステーションや排水ポンプ車等の、災害対策機械の機能と役割を理解していただきました。

 

○ また、重信川中流にある広瀬霞に移動し、失われつつある昔の自然豊かな環境をとりもどす為に実施した自然再生事業について学び、完成後2年が経過した現在の状況を観察しました。

 

○ 今後も河川行政の理解を深めてもらいながら、思い出に残る体験学習を実施していきたいと思います。

 

 

 

6.河川水難事故防止講習会を実施 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 8月21日()に早明浦ダム周辺で、8月25日(),26日()に、徳島県美馬市美馬町の四国三郎の郷で、河川水難事故防止講習会が実施されました。

 

○ 21日には親子40人、25,26日にはNPO法人の方など、15人の方に参加していただきました。

 

○ 実施にあたっては、福山平成大学教授の小谷寛二様に講師として来ていただきました。吉野川での河川水難事故防止講習会は、吉野川交流推進会議と徳島河川国道事務所が連携して実施しています。

 

○ 21日は児童を対象とした講習会で、はじめに、川の楽しさや怖さ、水難事故に巻き込まれた場合の対処方法、スローバッグの基本的な扱い方について説明を受けました。その後、講師によるスローバッグや身近なもの(ペットボトルやズボン)を使った救助方法の実演を見学するとともに、受講者全員がスローバッグの投げ方を体験しました。

 

○ 25,26日は、河川水難事故防止の指導者を育成するための講習会であり、一泊二日で行われました。川の特性や、子供達が遊ぶ潜在的な危険箇所など、川と水難事故についての知識や、指導者としての心構えを教えていただきました。また実際に川に入り、水流の把握や浅瀬の危険等を体験し、スローバックを使った救助の実践を行いました。

 

○ 今回の講習会を通して、川の危険箇所や恐ろしさを知ってもらい、水難事故に対し意識の向上を図り、水難事故の回避方法を習得していただくことが出来ました。また、川とふれ合う楽しさも体験していただき、日頃から川を安全に利用していただくための、知識を深めることが出来たのではないかと思います。

 

 

 

7.四国地方整備局 総合防災訓練を実施! 〜東南海・南海地震を想定し、参集訓練、防災訓練を実施〜 (四国地方整備局)

 

○ 今年度も防災週間(8月30日〜9月5日)の行事の一環として、9月1日(水)”防災の日”に、約1,400人(本局、事務所、水機構、四国4県など)が参加し、総合防災訓練を実施しました。

 

○ 訓練は、職員各々が「自ら(リアルに)考え、何が足りないか(課題)を発見し、今後に生かすことができる」ことを目的に、午前7時30分に東南海・南海地震が発生し、四国全域において震度6弱〜6強の揺れ、太平洋側沿岸に大津波警報が発令され、同時多発的な災害が発生するとの想定で、参集・安否確認訓練、新災害フォトシステムを活用した、参集時の身の回り情報の収集訓練、事務所等との施設点検や被害状況等の情報伝達訓練、ヘリコプター(愛らんど号)による災害情報収集訓練などが、午後3時00分頃まで臨場感をもって行われました。

 

○ 事務所においては、CCTV監視ができない想定で、実際に特別巡視を派遣しての災害情報収集を実施したり、高知地区においては、高知河川国道事務所、土佐国道事務所、高知港湾・空港整備事務所が初めて3事務所合同訓練を実施し、昨年度の訓練と比べてより実践的なものとなりました。

 

○ 地震対応は、発災直後の初動体制の整備や、情報収集を如何に迅速且つ的確に行えるかが、その後の地震対応において重要になります。今後は、今回の訓練で判明した課題を、一つ一つ見直し今後に備えてまいります。

 

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  藤田 博史

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(藤田) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html