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四国河川ニュース

7/31(土)〜8/6()459

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                                                                          2010.8.9発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.173

 

  ○香川県 湊川総合開発事業(五名ダム再開発)   香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長 

 

  ○『どこよりも元気なまちを目指して』   香川県 東かがわ市 藤井 秀城 市長

 

 

○今週のニュース○

 

  ○「第24回万代まつり」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

  ○「水の週間in那賀川」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

  ○森と湖に親しむ旬間における「大渡ダム一日所長」の開催 (仁淀川水系 高知県)

 

  ○「重信川の自然をはぐくむ会」川で学び隊の開催(重信川水系 愛媛県)

 

  ○「第23回河川愛護図画展」を開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

  ○石手川ダムで森と湖に親しむ旬間のイベントを実施 (重信川水系 愛媛県)

 

  ○吉野川で水生生物調査を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

  ○「2010吉野川フェスティバル」を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.173

 

1.香川県 湊川総合開発事業(五名ダム再開発)  香川県土木部河川砂防課 尼子 進 課長

 

○ 湊川は、阿讃山脈の東女体山(標高673.6m)に源を発し、東かがわ市(旧白鳥町)を東流し、途中、黒川、正守川、兼弘川を合流した後に北流し、瀬戸内海に注ぐ、流域面積51.6ku、流路延長18.0qの東讃地域を代表する二級河川です。

 

○ 湊川流域は瀬戸内海地方特有の温暖な気候に属し、年平均降水量は、1200o程度で、降雨が多い年は梅雨期及び台風期に集中豪雨が頻発し、災害が発生している一方、少ない年には渇水被害が起きています。

 

○ 湊川流域は急流のため、古くからたびたび洪水による被害を受けており、昭和49年、51年、62年、平成16年と大雨による浸水を繰り返してきました。特に既往最大であった、平成16年の台風23号では、五名ダム上流を中心に最大時間雨量116o、総雨量674oと、いずれも県内最高の降雨を記録し、浸水面積161.8ha、床下浸水116戸、床上浸水44戸、全半壊4戸と、過去に例がないほどの大規模な浸水被害を受けております。また、ほぼ全川において土木施設被害を受けており、特に被害が甚大であった笠屋地区では河川等災害関連事業が採択され、これまでその復旧に努めてきました。

 

○ 一方、平成に入ってからもたびたび渇水対策本部を設置しなくてはならない状況が続いており、平成2年、6年、8年、12年に給水制限を余儀なくされました。特に平成6年には水道水の減圧給水日数が69日間と長期にわたり、農業用井戸からの緊急取水を行うなど、対応に苦慮しました。

 

○ また、東かがわ市の水源の一部を担う香川用水についても、毎年のように給水制限を繰り返していることからも、安定した自己水源の確保が切望されています。

 

○ 五名ダム再開発事業は、湊川総合開発事業の一環として、既設五名ダム下流の東かがわ市入野山地先に多目的ダムを建設するものであり、これらの被害を受けてきた地元の東かがわ市からは、早急な対策が望まれています。

 

○ 県としても治水・利水両面から重要な事業であると考えており、今後とも、事業の効率化を図りながら、五名ダム再開発事業の進捗に努めていきます。

 

 

2.『どこよりも元気なまちを目指して』  香川県 東かがわ市 藤井 秀城 市長

 

○ 東かがわ市は経済、文化、生活の面で古くから深い結びつきがあった、旧引田町、旧白鳥町、旧大内町の三町が合併によって、平成1541日に誕生した人口約35千人、面積153.35kuの香川県東部の玄関都市です。

 

○ 市名からイメージできるように香川県の一番東に位置しており、北は瀬戸内海東部の播磨灘に臨み、西は、さぬき市と接し、南と東は阿讃山脈を境に、徳島県と接する自然環境に恵まれた地域です。

 

○ 瀬戸内海に注ぐ馬宿川、小海川、湊川、与田川、番屋川などの流域に平野部が開け、市街地と田園地域を形成しています。比較的晴天の日が多く、降水量が少ない瀬戸内海特有の温暖で穏やかな気候です。

 

○ 地場産業は、全国シェアの9割を占める手袋産業や世界初のハマチ養殖発祥の地で知られています。そのほか、かつての讃岐三白のひとつ、和三盆糖などの伝統産業も有名です。また観光施設としては、全国でも珍しい公設の人形専用劇場「とらまる座」や参加体験型の「とらまる人形劇ミュージアム」、安戸池周辺の「フィッシュフック」や体験学習館「マーレリッコ」、旧引田町で醤油業を営んでいた、旧家井筒屋を改修した「讃州井筒屋敷」などがあります。

 

○ そのような本市の中心部を流れているのが、二級河川湊川です。湊川は、河床勾配が急であるため、ひとたび大雨に見舞われるとたちまち洪水を引き起こし、過去にたびたび被害を受けております。このため、昭和37年に完成した、五名ダムや昭和42年からは河川改修工事などの治水事業が行われてきました。しかしながら、昭和49年、51年の台風における洪水等により浸水を繰り返し、特に平成16年の台風23号では過去に例がないほどの大規模な洪水被害を受けました。また一方では、平成2年、6年、8年、12年に給水制限を行うなど、深刻な水不足に見舞われており、安定した新たな水源の確保が強く求められています。

 

○ そのような状況を踏まえ、現在香川県において湊川総合開発事業(五名ダム再開発)が進められています。本市においても、治水・利水の両面で必要不可欠な事業であることから「湊川水系ダム建設促進期成会」を結成し、事業推進に向けて支援しています。本事業が、一日でも早く完成することを切望するとともに、関係機関の更なるご支援をお願いいたします。

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

今週のニュース

 

3.「第24回万代まつり」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 7月24日(土)、「第24回万代まつり」(主催:万代まつり実行委員会)が、那賀郡羽ノ浦町の那賀川河川敷で行われました。万代まつりは、万代堤を築造した吉田宅兵衛の遺徳を偲び、昭和63年から毎年河川愛護月間の7月中に行われているものです。

 

○ 今年も那賀川河川事務所主催の、「水生生物調査」及び「住民との協働による水質調査」の他、地元漁業協同組合主催の「こども鮎つかみどり」等のイベントが行われ、猛暑の中、それぞれ地元の小学生らが「水生生物調査等」では約100名、「こども鮎つかみどり」では100名以上の参加がありました。

 

○ 「水生生物調査」は、水生生物の種類を調べることで、河川の環境について考えてもらうことが目的で、そこに生息する水生生物をみつけて、河川の水質がきれいな水かどうか見てもらいました。結果は、カワゲラやヒラタカゲロウなど、きれいな水質に棲む生物が多く確認されました。

 

○ 「住民との協働による水質調査」は、パックテストを使ってCODやpHなどの数値を調べることで、河川の水質がきれいな水かどうか見てもらいました。結果は基準値を十分満足しており、改めてきれいな水質であることが確認されました。

 

○ 「こども鮎つかみどり」は、地元漁業協同組合の主催で開催し、幼児用、小学低学年用・小学高学年以上用の3つのプールに入れた、約2000匹の鮎を素手で掴み取る方法で実施しました。仕切用の網に沿って座り込んだ格好で鮎を掴む慣れた子供ももおり、約1時間かけて水と戯れながら掴み取りを楽しんでいました。

 

○ 今後も、将来をになう子どもたちに、今ある那賀川の環境について理解を深めてもらえるよう、引き続きこのような環境学習の場を、提供していきたいと考えております。

 

 

4.「水の週間in那賀川」を開催 (那賀川水系 徳島県)

 

○ 「水の日(8月1日)」及び「水の週間」(8月1日〜7日)の行事の一環として、7月24日(土)から25日(日)に、水の大切さを啓発するための街頭広報を、「阿南の夏まつり」に合わせて実施しました。

 

○ 那賀川水系では毎年のように渇水に見舞われており、特に「渇水」をテーマに、水の大切さを啓発する街頭広報や、当事務所の広報として平成15年度より那賀川農地防災事業所、徳島県と共に、「水の週間in那賀川」を実施しています。

 

○ 初日の開幕パレードでは、「水を大切に」の横断幕を掲げて行列に参加してのPR、その後は地元商店街の一画をお借りしての、街頭PRキャンペーン(渇水チラシや事業概要の配布、地球温暖化に関するアンケート調査、団扇に絵を書こう、パネル展など)を実施しました。

 

○ 2日間とも暑い夜となりましたが、祭りに訪れた多くの家族連れや子供たちにお立ち寄りいただき、「水の大切さ」について少しでも知っていただけたのではないかと思います。

 

 

5.森と湖に親しむ旬間における「大渡ダム一日所長」の開催 (仁淀川水系 高知県)

 

○ 7月30日(金)に、夏休みイベントとしてダム周辺の小学校(長者・別府・池川・名野川・大崎小学校)の生徒10名に参加して頂き、大渡ダム管理所の所長を体験してもらう「大渡ダム一日所長」を開催しました。

 

○ 当イベントは、大渡ダムの所長を自ら体験し、ダム管理の重要性を理解していただくために、平成18年から開催しており、今回で5回目となります。

 

○ 管理所長より委任状を交付した後、ダムの役割や効果を勉強した後、普段の見学会では行かない湖面や堤体内の巡視などを行い、業務の一部を体験して頂きました。

 

○ 最後は、子供達と昼食を交えながら意見交換を実施して、当イベントは無事終了いたしました。

 

○ また、最近では当イベント以外でも多くの大渡ダム見学者が訪れています。ダムの存在が身近なものとなるよう、今後も引き続き大渡ダムを紹介していきたいと思います。

 

 

6.「重信川の自然をはぐくむ会」川で学び隊の開催(重信川水系 愛媛県)

 

○ 727日(火)に、「重信川の自然をはぐくむ会」は、公募で集まった重信川流域の小学生13名を対象に「重信川まるごと探検隊」〜川で学び隊〜を実施しました。

 

○ 川で学び隊とは、子供たちに川のおもしろさなどを、体験を通じて教えるとともに、川の特性や危険を察知する能力・感覚を身につけてもらうことや、万一水難事故に巻き込まれた場合に、危険を回避する能力を身につけてもらうこと、また、川の魅力を発見することで、良い河川環境への提案をしてもらうことを目的としています。

 

○ 今回の川で学び隊では、川の楽しさと怖さを知る(川の楽しさ、川の怖さ、川に行くときの注意等)・川の危ないところを知る(川の危険な箇所の説明、危険を回避する方法等)・川登り・箱めがね作成、釣り等・川にはまったときの対処、仲間が川にはまったときの対処、スローバッグの投げ方、受け方等講師の先生の説明を受け楽しく学ぶことができました。

 

 

7.「第23回河川愛護図画展」を開催 (渡川水系 中村河川国道事務所)

 

○ 河川愛護図画展は、河川愛護月間行事の一環として、中村河川国道事務所では例年実施しており、今年度も四万十市の小学生を対象に、「ぼくたち・わたしたちの川」をテーマに作品を募集しました。

 

○ 今年は、824点の応募があり、いずれも力作揃いでしたが、その中から99点を選出し、フジグラン四万十において7月20日(火)から24日(土)まで展示を行いました。

 

○ 7月23日(金)には中村河川国道事務所で表彰式を行い、最優秀賞1名、優秀賞21名に、河川担当の熊岡副所長より表彰状の授与を行いました。

 

○ 中村河川国道事務所では、この行事を通じ河川に関心を持っていただき、多くの子供達に川を大切にする心を養っていただければと願っております。

 

 

8.石手川ダムで森と湖に親しむ旬間のイベントを実施  (重信川水系 愛媛県)

 

○ 7月21日〜31日の「森と湖に親しむ旬間」において、石手川ダムでは、「自然と遊ぼDAY!」「ダム見学会」を開催しました。

 

○ 7月26日(月)の「自然と遊ぼDAY!」は、石手川ダム水源地域ビジョン、松山市、林野庁(愛媛森林管理署)、愛媛県、国土交通省(松山河川国道事務所)の主催で、石手川ダム上流の河川公園(せせらぎ公園)において実施し、小学生とそのご家族119名の参加がありました。

 

○ 当日は、松山東雲女子大学の石川和男名誉教授による生態系の話、落ち葉の下の昆虫探索、愛媛大学三宅講師による水中探索、水生生物調査、愛媛森林管理署による間伐材を使った木工品製作教室、松山市東消防署による水難救助の話、その後親子での川遊び等が行われ、1日中、ダム上流域の森林・河川などの自然を満喫していただきました。

 

○ また、7月29日(木)、30日(金)の「ダム見学会」は、松山河川国道事務所の主催で実施し、538名の参加がありました。

 

○ 当日は、ダム堤体内の監査廊、ホロージェットバルブからの放水、操作室などの普段目にする機会のない場所の見学を行い、間近に迫力を感じると共に、ダムの役割、仕組みなどを理解していただきました。

 

○ 今年もイベントは、事故もなく盛況のうちに終わり、参加した方々には、ダムとその周辺の自然を楽しんで頂けたかと思います。今後もこのようなイベントを通じ、ダムや森林等、水資源の重要性をより一層広めていきたいと思います。

 

 

9.吉野川で水生生物調査を実施 (吉野川水系 徳島河川国道事務所)

 

○ 7月23日(金)に、吉野川市の学島橋下流付近と阿波市の西条大橋上流付近で、27日(火)には、美馬郡の美馬橋下流付近にて、水生生物調査を実施しました。

 

○ 当日は地元の小学生など、2日間で総勢59名がご参加くださいました。

 

○ 調査にあたっては、徳山豊先生にご協力いただき、川のきれいさによって棲んでいる生物が違うことの説明や、水生生物の捕まえ方などのご指導をいただきました。

 

○ 参加いただいた児童達には、たくさんの水生生物を捕まえてもらい、カワゲラやヒラタカゲロウなどが多く見られ、きれいな川に棲む生物を見つけることができました。

 

○ また、パックテストを用いた水質の簡易調査も実施し、23日(金)では、CODの平均値が「4」pHの平均値が「7.4」、27日(火)では、CODの平均値が「4.7」pHの平均値が「7.4」と、先日の大雨による影響もあり、少しよごれのある中性に近い水であることを示す数値となりました。

 

○ 今後もこういった取り組みにより、川の自然環境に関心を持っていただけるよう活動していきたいと思います。

 

 

10.「2010吉野川フェスティバル」を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 7月30日(金)〜8月1日(日)にかけて、徳島市内の吉野川橋南岸河川敷広場にて、「川を親しみ、川の魅力を語り、川と遊ぶための3日間」をテーマに「2010吉野川フェスティバル」が開催されました。

 

○ この吉野川フェスティバルは今年で22回目を数え、地元NPOや行政機関からなる、吉野川フェスティバル実行委員会が中心となって、毎年夏に開催しています。

 

○ フェスティバル当日は晴天に恵まれ、吉野川河川敷に設けられた特設会場では、様々なアーティストによるライブコンサートや、バーベキュー、花火大会などたくさんの催し物が繰り広げられ、多くの来場者で賑わいました。

 

○ 徳島河川国道事務所からは「吉野川パネル展」、「建設機械と遊ぼう」の2つのブースを出展し、災害復旧の流れや出水に関するパネル展と、建設機械の搭乗体験を行いました。

 

○ また、本フェスティバルは、ごみゼロを目指した環境配慮のエコイベントであり、31日(土)には吉野川クリーンアップ大作戦が実施され、吉野川橋から河口周辺までの、約4キロの範囲にわたり清掃活動が実施されました。

 

○ この吉野川フェスティバルを通して、ご来場いただいた多くの方々には、河川を美しく利用する気持ちを、持っていただけたのではないかと思います。

 

 

 

 

 

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