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四国河川ニュース

7/10(土)〜7/16()456

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                                                                         2010.7.20発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.172

 

  ○徳島県 北山地区(名東郡佐那河内村)の治水事業「北山地すべり対策事業」   徳島県県土整備部 河川局砂防防災課 津田 修 課長

 

  ○「安全・安心な村づくり」   徳島県 佐那河内村 松尾 肇 村長

 

 

 

○今週のニュース○

 

  ○吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会を開催 (吉野川水系 徳島県)

 

  ○吉野川水系 水質汚濁防止連絡協議会(上流部会)を開催 (吉野川水系 四国四県)

 

  ○平成22年度 水防工法講習会を開催 (仁淀川水系 高知県)

 

  ○「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえす会〜」を開催 (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

  ○那賀川・桑野川一斉清掃を実施 (那賀川水系 那賀川河川事務所)

 

  ○『河川水難事故防止啓発活動』(子供達への出前講座)を実施  (土器川水系 香川県)

 

  ○砂防学習会(名頃・菅生・栗林・古高松小学校)を開催 (四国山地砂防事務所)

 

  ○『平成22年度 河川水難事故防止出前講座』を開催 (肱川水系 愛媛県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.172

 

1.徳島県 北山地区(名東郡佐那河内村)の治水事業「北山地すべり対策事業」  (徳島県県土整備部 河川局砂防防災課 津田 修 課長)

 

○ 本県は、地すべり防止区域が指定地数・面積とも全国2位の多さであり、これまで幾多の地すべり災害により甚大な被害を受けてきました。佐那河内村におきましても、地すべり防止区域が多く存在し、地すべり等防止法制定の昭和33年度より地すべり対策事業を継続して実施しています。

 

○ 平成16年10月の台風23号は、全国的に多くの土砂災害をもたらしましたが、佐那河内村北山地区においては、連続雨量516o、最大時間雨量69oの豪雨により、幅50m、高さ50m、斜面長100mの地すべり(Lブロック)が発生し、斜面下方にある人家10戸が危険な状態となりました。

 

○ このため、佐那河内村と連携して警戒避難体制を構築するとともに、アンカー工、横ボーリング及び水路工の整備を行い、斜面の安全度を高めることとしました。平成18年度にLブロックは対策が完了し、その後は、周辺のブロックにおいても工事を進め、本年度をもって予定していた全ての工事が完了できる見込みとなりました。

 

○ 近年は、局地的な集中豪雨など気象現象が激化する傾向が顕著になっています。一方、土砂災害危険箇所が多い中山間地域では、過疎化や高齢化が進行しています。これらの自然条件、社会条件の変化に対応し、ハード・ソフト一体となった的確な土砂災害対策を進め、県民の安全・安心をしっかり守って参りたいと考えています。

 

 【事業概要】

 ・事業名    地すべり対策事業

 ・事業費    560,000千円

 ・事業期間  平成15年度〜平成22年度

 ・保全対象  人家54戸、国道438号1.6q

 ・整備内容  アンカー工49本、横ボーリング6,490m、水路工780m

 

 

 

2.「安全・安心な村づくり」  (徳島県 佐那河内村 松尾 肇 村長)

 

○ 佐那河内村は、徳島県の中東部に位置し、東西9.5q、南北4.5qの平行四辺形の盆地状を呈しており、総面積は42.3?です。西北は神山町、南は旭ヶ丸を分水嶺として勝浦町、上勝町に界し、東は徳島市に隣接しています。旭ヶ丸に湧水源を持つ園瀬川が村内を東流して、その流域の標高70m付近には小盆地や小平野を形成しており、古くから農業を基幹産業として栄えてきました。現在でも「すだち」、「大福みかん」、「ももいちご」、「しいたけ」、「大川原ねぎ」をはじめとするブランド農産物を生産していますが、農業従事者の高齢化と後継者不足の問題を抱えています。昭和30年代から毎年約30人近い人々が本村から去り、平成17年の国勢調査で総人口2,800人、844世帯となっており、人口の減少や高齢化が進んでいます。また近年、自然保護や生活環境などの問題が大きくクローズアップされており、これらの問題を踏まえ、「キラリ輝くうるおい豊かな村」をテーマに“水・土・里を育む村づくり”を推進しています。

 

○ 佐那河内村における国土交通省・農林水産省の地すべり防止区域は、本村全体の約3割が指定されております。今後30年の間に60%の確率でやってくるといわれている南海地震や、ゲリラ的集中豪雨など、いざというときに備えるため、総合防災訓練を行っています。

 

○ 村消防団は、長雨による水害を想定し、土のう積工法等水防訓練と油圧式災害救助器具を使用した救助訓練を行い、日赤佐那河内分区では避難所設置訓練として大釜を使った炊き出し訓練を行いました。一般参加者に対しても、消火器を使った消火訓練・家庭でも使えるロープワーク講習及び三角巾を使った応急救護講習を行いました。

 

○ さらに、平成21年3月には、土砂災害危険箇所・緊急避難場所及びAED設置箇所等を記載した「佐那河内村防災マップ」を村内全戸に配布し、防災に対しての意識高揚を図っています。

 

○ また、村内47地区の自治会及び各種団体を対象とし、人命救助にも対応できるように、AED講習会を開催しています。

 

○ このように、村、各種団体、さらには一般住民の防災意識の高揚に向けての訓練・啓発をおこない、突然やってくる災害に対応できる、安全で安心な村となるよう努めて参りたいと考えておりますので、関係諸機関の皆様には今後ともご指導、ご協力くださいますようよろしくお願いします。

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会を開催  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 平成22年7月5日(月)10時00分から、徳島河川国道事務所の会議室において、吉野川流域ホテイアオイ等対策連絡会を開催し、会員である国土交通省、徳島県、流域10市町村、水資源機構の担当者約40人が出席しました。

 

○ 連絡会は、吉野川流域に発生するホテイアオイ等の被害を防止し又は、軽減するため、これらに関する情報の交換、処理及び対策等について調整を図ることを目的に毎年開催しています。

 

○ 国土交通省から平成21年度の活動として、効率的な除去方法の検討結果及び、ボタンウキクサの生態の検討結果を、情報共有のために報告をしました。

 

○ また、各機関からは、平成21年度の水草の除去量や、広報活動結果が報告されました。

 

○ 平成22年度も早期発見・早期除去のため、関係機関の連絡体制の強化を行い、積極的な広報活動に努め、水草の効率的な除去方法について検討していくことを確認しました。

 

 

 

4.吉野川水系 水質汚濁防止連絡協議会(上流部会)を開催  (吉野川水系 四国四県)

 

○ 平成22年7月6日(火)吉野川ダム統合管理事務所会議室において、吉野川水系水質汚濁防止連絡協議会(上流部会)を開催しました。

 

○ 上流部会は、四国四県、池田ダム上流域の関係市町村(5市4町1村)、水資源開発機構の委員(24名)で構成しています。

 

○ 本会は、緊急時の連絡体制の整備、水質資料情報等の交換、水質汚濁防止対策の推進等を目的に開催しています。

 

○ 部会では、「水質事故の連絡体制」や「機関別 水質事故対策資材保有状況」を確認し、また、「異常水質の連絡要領(案)」について討議するとともに、平成20年以降の「水質事故」と「赤潮発生」、昭和51年以降の「吉野川(上流)の水質現状」について報告しました。

 

○ 吉野川(上流)における水質事故発生時の、迅速で的確な情報連絡や、関係機関相互の連携協力体制等について、質疑応答等活発な意見が交わされ、有意義な会議となりました。今後とも、水質汚濁防止に向けて関係機関と連携を図っていく所存です。

 

 

 

5.平成22年度 水防工法講習会を開催  (仁淀川水系 高知県)

 

○ 7月11日(日)、高知県吾川郡いの町波川波川北(仁淀川右岸12k/4付近)「波川緑地公園上流」)高水敷において、「水防工法講習会」を開催しました。

 

○ 参加者は、仁淀川流域関係市町村の各水防団、高知県、関係市町村、高知河川国道事務所の防災担当職員を対象とし、約80名の参加により実施しました。

 

○ 講習内容は、防災エキスパートを講師に招き、「水防に関する基礎知識の説明」及び「工法訓練」を行いました。

 

○ 工法訓練は、3班に分かれ、ロープワークや土のう作りの準備工を実施した後、月の輪工、積み土のう工を防災エキスパート9名の指導の下、手順を確認しながら実施し、洪水への対処法を学びました。

 

○ 高知河川国道事務所では、地域の防災リーダー及び水防工法の指導員となるべき国土交通省職員等の、水防技術の習得及び向上を目指すとともに、水防技術の継承を図るため、今後も継続していきたいと考えています。

 

 

 

6.「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえす会〜」を開催  (重信川水系 松山河川国道事務所)

 

○ 7月11日(日)に、「石手川ダム水源地域ビジョン推進委員会」の主催 で、「自然観察会〜オオムラサキを自然にかえす会〜」が行われました。

 

○ ビジョン主催では、今回が6回目の自然観察会で、今回は3月に実施したオオムラサキの幼虫探しの、一連の取り組みとして開催致しました。

 

○ 今回の自然観察会には、3月の参加者を中心として松山市内等の小中学校から児童・生徒ら、約60名が参加して頂きました。

 

○ 当日は、まず、講師として東雲女子大学の石川和男名誉教授に生態系のお話、五明小学校中尾校長先生の幼虫から成虫になるまで(羽化の様子等)のお話、愛蝶会の林さんからは、昆虫等を飼う上での注意事項等についてのお話しをしていただきました。

 

○ その後、飼育小屋でオオムラサキの観察を行い、五明小学校のグラウンドより6頭のオオムラサキの放蝶を行いました。

 

○ 今後も、このような活動を通じて、水源地域の自然環境の向上に努めていきたいと思います。

 

 

 

7.那賀川・桑野川一斉清掃を実施  (那賀川水系 那賀川河川事務所) 

 

○ 7月4日(日)に那賀川・桑野川の沿川住民のご協力を得て、那賀川・桑野川の一斉清掃を行いました。

 

○ 那賀川・桑野川一斉清掃は、河川愛護月間の行事の一環として開催しており、趣旨に賛同して頂ける団体やアドプト団体などに参加を呼びかけ、河川利用の多い箇所やアドプト区間等、約20会場で清掃を行いました。

 

○ 当日は、朝早くから会場周辺の自治会の方や河川利用者など、約1,800名の方が参加され、約29m3のゴミが分別収集されました。昨年と比較すると、参加人数はほぼ同じでしたが、ゴミの量は混合ゴミ、リサイクルできる資源ゴミ、草、それぞれ少しずつ減少しており、アドプト活動の取り組みや、日頃から河川を利用される地域の皆さんの、意識の向上が結果に現れたものと考えています。

 

○ 那賀川では、一斉清掃などの行事を通じて、地域の皆さん一人一人が「ゴミを捨てない」「河川を汚さない」「ふるさとの川を大切にする」などの、モラルの向上を図っていきたいと考えています。

 

 

 

8.『河川水難事故防止啓発活動』(子供達への出前講座)を実施   (土器川水系 香川県)

 

○ 7月9日(金)に、丸亀市立飯山南小学校のご協力を得て、香川河川国道事務所、香川県の共催で、水難事故を防ぐために子供達への出前講座を行いました。

 

○ 一昨年に発生した神戸市の水難事故を始め、全国で水難事故が多発しているため、昨年度より河川愛護月間中に「河川水難防止週間」(7月1日〜7月7日)が設けられました。

 

○ 今回の丸亀市立飯山南小学校への出前講座も、その取り組みの一つとして実施したもので、昨年のまんのう町立琴南小学校に続いて2回目の開催です。

 

○ 今回の出前講座の講師は、福山平成大学教授の小谷先生で、出前講座に参加したのは、丸亀市立飯山南小学校の4年生78名です。

 

○ 出前講座は、最初に、小谷先生(以下、先生)による講義で、水に関するの歴史や水難事故に関する注意点、スローバッグ(水難事故発生時の救助用ロープ)の使用方法などを学びました。

 

○ 講義の初めは通常の授業と異なるため(昔の先生のような口調)か、少し緊張気味の生徒さんもいましたが、後半の「川に行った時に守らなければならない事」を先生と生徒さんが復唱する場面では、息も合い、生き生きとした生徒さんが印象的でした。

 

○ その後、プールでの実技に移り、「水難事故時の対処方法」を先生から学びましたが、実践を何度も繰り返すことにより、生徒達も体で理解していました。

 

○ 今回はプールでの実技となりましたが、排水ポンプ車の点検を兼ねた流水プールを作ったことにより臨場感があり、生徒さん、そして先生も大変満足していました。

 

○ 今後も引続き、「水難事故防止啓発活動」に取り組み、地域の人々が水難事故に遭わないよう努めていきます。

 

 

 

9.砂防学習会(名頃・菅生・栗林・古高松小学校)を開催 (四国山地砂防事務所)

 

○ 砂防学習会を、平成22年6月24日(木)に徳島県三好市東祖谷の名頃小学校で、7月6日(火)〜9日(金)は高知県土佐郡大川村にある、朝谷山腹工管理棟にて実施しました。

 

○ 6月24日(木)は、小学校の児童(2名)と先生(3名)、菅生小学校の児童(5名)、先生(4名)の合同で開催され、7月6日(火)、7日(水)は、香川県高松市の栗林小学校5年生(約170名)の参加、7月8日(木)、9日(金)は、香川県高松市の古高松小学校の5年生(約70名)の参加で開催されました。

 

○ 「砂防学習会」とは、土砂災害防止に対する地域の方々の理解と関心を深めるとともに、土砂災害に関する防災知識の普及等を推進し、土砂災害による人命・財産の被害軽減に努めるために開催しているものです。

 

○ 名頃小学校の学習会では、教室にてスライドを使用して、「土砂災害の概要」、「近くで発生した土砂災害事例」、「土砂災害防止施設の説明」、「土砂災害の前兆現象と早期の避難」という内容で、土砂災害の恐ろしさと土砂災害に対して、どのような点に気を付ければ良いのかについて講義を行いました。土砂災害の映像などを交えて、視覚的にも分かり易く説明を行いました。

 

○ その後、グランドにて「土石流3D体感シアター」と「降雨体験装置」を使い、土石流の映像と激しい降雨を実際に体験してもらうことによって、身をもって土砂災害の恐ろしさが、勉強出来たのではないかと思います。

 

○ また、朝倉谷山腹工管理棟での学習会では、土石流3D体感シアターと朝谷山腹工管理棟を見学していただきました。前回と同様に、土石流体感シアターは、児童たちに大変好評でした。

 

○ どの学習会においても児童や先生方からは、身近に起こりうる土砂災害について学習ができ大変勉強になり良かったとの感想を頂きました。

 

○ 今後も四国山地砂防事務所では、「砂防学習会」を随時開催していき、砂防・地すべり防止事業の理解及び、地域の防災意識の向上を図っていきたいと考えています。

 

 

 

10.『平成22年度 河川水難事故防止出前講座』を開催 (肱川水系 愛媛県)

 

○ 7月12日(月)に大洲市立菅田小学校において、河川における水難事故防止出前講座を開催しました。

 

○ これは、河川利用者の水難事故防止を目的に、肱川水系安全利用推進連絡会の活動の一環として、福山平成大学の小谷教授を講師に迎え、菅田小学校の5、6年生約60人を対象に実施しました。

 

○ はじめに体育館で「川の楽しさと怖さ」や「川に行くときの注意」について学びました。

 

○ プールで予定していた実習は、大雨と雷のため急遽、体育館で行うことになりました。

 

○ ライフジャケットを身につけた子供たちは二人組で、「バディ」と呼び合い手を取って人数を確認しました。

 

○ また、川に流された人を救助するためのスローバッグの投げ方の練習では、相手を通り越すように下流側に投げることを学びました。

 

○ この講習会で、川には楽しい所が沢山ある反面、危険な所も沢山あるということ、そして、もしもの時の対処法を身につけてもらえたのではないかと思います。皆さんが安心して安全に河川を利用し、楽しい思い出を沢山残していただきたいと思いました。

 

 

 

 

 

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