********************************************************

四国河川ニュース

2/27(土)〜3/5()438

********************************************************

                                                                          2010.3.8発行】

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.163

 

 

  ○『国分川広域河川改修事業』高知県中央東土木事務所 池上 忠雄 所長

 

  ○河川改修事業の完成を受けて 高知県 香美市 門脇 槇夫 市長

 

 

○今週のニュース○

 

  ○「平成21年度 ダム技術勉強会(第3回)」を開催 (渡川水系 高知県)

 

  ○土器川生物公園でホタル幼虫や稚魚の放流 (土器川水系 香川県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.163

 

1.『国分川広域河川改修事業』高知県中央東土木事務所 池上 忠雄 所長

 

【流域の概要】 

 

○ 国分川は県内有数の降雨地香美市土佐山田町繁藤地区に隣接する甫喜ヶ峰を源に発し、北側斜面は一級水系吉野川第一次支川穴内川へ流れ、本川は南側の山地斜面を流下して休場ダムで貯留され通称新改川として農業基盤の発達した香長平野北部の香美市及び南国市を縦断後、県都高知市(青柳橋)の浦戸湾に注ぐ流域面積A=157.8km2・幹線流路延長L=21.1qと県下第3番目の流域をもつ二級河川です。

 

【治水事業の概要】

 

○ 国分川改修事業は中小河川改修として昭和26年度に着手後、昭和47年の集中豪雨による破堤を契機とした計画高水流量の見直しを経て高知市側より改修整備が図られています。

 

○ また、記憶に新しい平成10年9月の未曽有豪雨といわれた「98高知豪雨」により甚大な浸水被害を受け、なかでも国分川で被害の大きかった高知市(青柳橋)から南国市(比江)延長L=11.98q間が『激甚災害対策特別緊急事業』に指定を受けて、抜本的な改修工事に着手し平成16年度完成しています。この激甚災害対策特別緊急事業(事業費C=215億円)の集中投資により国分川河川改修計画は大幅な工期短縮と整備促進が図られました。

 

○ 激特事業完了後の平成16年度からは、事業の波及効果拡大を目指して、さらに上流に新規工区(広域河川改修事業)を設定し事業着手しました。

 

 

○ 特に、この工区の下流(約1.0q)区間は、香美市が市街地整備の基盤として早期供用を目指す都市施設(雨水下水道事業)の放流先河川の未整備により地元から放流規制を受ける等、都市施設機能が発揮出来ず放流先の改修整備が懸案となっていたが、県下的に河川事業費が減少するなか重点投資を行うことにより広域河川改修事業は完了しました。

 

○ 昭和26年度の事業着手以来、半世紀以上の歳月と総事業費C=278億7千万円(内激特事業C=215億円)を要した国分川改修事業は、流域の治水安全性向上と住民による河川環境整備活動の活性化や香美市土佐山田町市街地の都市基盤となる雨水下水処理機能の大幅な改善と浸水被害の軽減等地域発展に大いに寄与するものと期待しています。

 

○ 最後に用地提供をして頂いた地権者の皆様をはじめ、事業に協力を頂いた地域住民の皆様関係機関の方々に心から感謝申し上げます。

 

 

 

2.河川改修事業の完成を受けて 高知県 香美市 門脇 槇夫 市長

 

○ 香美市は、平成18年3月物部川流域にあって古くから政治、経済、文化等の様々な面で密接なつながりのある、土佐山田町・香北町・物部村の3町村が合併して誕生しました。市域の約9割を森林が占めており、県内では、唯一海岸線を持たない市です。県都、高知自動車道南国IC、高知龍馬空港へは、それぞれ30分以内でアクセスできる好立地にあり、高知工科大学、アンパンマンミュージアム、龍河洞等本県を代表する文化、観光施設を有しています。

 

○ 主だった河川として一級河川・物部川、一級河川・吉野川水系穴内川、二級河川・国分川が流れており、水源に恵まれ古くから農林業を基幹産業に発展を遂げてきました。反面、これら豊かな水を要する本市は、台風銀座とよばれる本県の例に漏れず、古くから水害に悩まされてきました。

 

○ 土佐山田町地区の市街地には集中豪雨によって短時間ではありますが、水路が溢れ、浸水被害の発生する地域があります。また、生活様式の近代化、ベッドタウン化に伴う宅地開発等で都市排水が急激に増減するため、公共下水道事業で雨水排水施設を整備しており、これら排水は二級河川・国分川水系の土生川に流れ込みます。この土生川への排水は土佐山田町地区の市街地整備の重点課題でしたが、下流の国分川の改修が終わらない状況では、上流部への排水に対して反対がありました。

 

○ こうした中、土生川の改良は、農地の圃場整備に合わせてなるべくコンクリートを使わない近自然工法で整備されてきましたが、‘98年高知豪雨の際、国分川上流部に当たる平山地区で日雨量1000mm近くの降水があり、大変な被害が発生しました。この災害を契機に急ピッチで河川改修が進み、土生川の合流点までの改修が完了し、今年度の土生川の改良では、都市排水・排水口の上流部に農業用の堰が移設されました。こうした工事の完成により、予定水量14t/sが放流できることとなりました。

 

○ 「水の世紀」と言われる21世紀を向かえ、今後とも国、県のご助力をいただきながら、治水事業を進めて参りたく存じますので、関係各位におかれましては、ますますのご協力をお願いいたします。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.「平成21年度 ダム技術勉強会(第3回)」を開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 2月26日(金)、昨年の5月、8月の開催に続き、今年度3回目となる「ダム技術勉強会(中筋川総合開発工事事務所主催)」を本局にて開催し、四国地整河川・ダム関係職員を中心に約20名が参加しました。

 

○ 今回は「ダムコンクリートを考える」「コンクリートの歴史〜施工技術は進歩したか〜」の2テーマにて勉強会を行い、講師には()水資源協会 大藪 勝美 専務理事をお招きしました。

 

○ 勉強会の「ダムコンクリート」では、マスコンクリートとしてのコンセプ ト「セメントを極力減じたコンクリートを打設する。」が揺らぎつつあることを踏まえ、材料(セメント、混和材、骨材等)、配合設計、施工方法の観点から、留意すべき点について説明して頂きました。

 

○ 「コンクリートの歴史」では、エジプト時代、ローマ時代からのコンクリートの歴史について教えて頂くとともに、過去にはコンクリートに関しての技術やノウハウがうまく伝承されず、コンクリートが使用されなくなった経緯がある。今一度、技術者としてコンクリートに関する知識やノウハウを再認識し、現場できちんとした対応を図っていくことが重要との説明を頂きました。また、コンクリートは現場で出来る製品であり、現場の技術者が施工監督をしっかり行う必要があるなどのお話を頂き、「技術者としての誇りも持て!」など、技術者としてどうあるべきかという熱いお話しもいただきました。

 

○ 本勉強会は、中堅・若手技術者の育成をテーマに行われております。今回も若手に分かるように配慮していただいた講義であり、若手からも「コンクリートの施工に興味を持った。現場でよく見てみたい。」などの意見が聞かれました。現場をあまり経験していない若手にとって本勉強会だけで技術力がついたとはいえませんが、技術力を鍛えるきっかけになったと思います。

 

○ 来年度も「ダム技術勉強会」を開催していく予定です。今後の内容として、「ダムの基礎掘削、原石山について」「ダムのグラウチングについて」「ダムの埋設物、付属設備、湛水工について」などを予定しています。参加にあたっては、講師から一方的に教わるのではなく、職員の皆さんからの意見・質問もお待ちしております。四国地整全体のスキルアップを図るため積極的な参加をお願いします。

 

 

 

4.土器川生物公園でホタル幼虫や稚魚の放流 (土器川水系 香川県)

 

○ 土器川ホタル同好会では、土器川に「ホタル」を復活させよう。そのために、少しでも土器川の環境を良くしたいとの思いから、平成8年からホタルまつり・ホタル養殖やホタル幼虫の放流などの活動をしています。

 

○ 平成21年度のホタル放流は、2月27日()に土器川生物公園のせせらぎ水路にて、一般公募の小学生と近くのひつじヶ丘保育園児の43名及びその父兄や先生等の多くの参加により開催しました。

 

○ 内容は、土器川や生物公園の概要説明の後、ホタルの生態説明、川魚の展示説明を行った後、ホタル幼虫約600匹とホタルの餌になるカワニナを「大きくなってね」と祈り放流しました。

 

○ また、隣接する生態園の池に丸亀市淡水組合より提供頂いた、フナ、メダカ、ワキン、モロコ等約5000匹を放流しました。

 

○ その後、参加親子共に水循環ゲームにて水循環とホタル・魚について勉強しました。

 

○ 前日の大雨でヤキモキしましたが、当日は晴れ間ものぞき元気に子供達が楽しんでもらって良かったです。これを契機に少しでも「水」や「環境」の事を知ってもらって土器川を好きになってもらえればうれしいです。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html