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四国河川ニュース

11/14(土)〜11/20()424

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                                                                        2009.11.24発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.156

 

  ○徳島県 穴吹川(美馬市木谷平)の治水事業「穴吹川総合流域防災事業」 徳島県県土整備部河川局砂防防災課 平田 優裕 課長

 

  ○「〜災害に強いまちづくりのために〜」 徳島県 美馬市 牧田 久 市長

 

 

○今週のニュース○

 

  ○「平成21年度 河川管理・ダム管理研修」を実施 (四国地方整備局)

 

  ○「平成21年度 四国地方ダム管理連絡会議」を開催 (四国地方整備局)

 

  ○【四国の渇水情報】四国地方整備局渇水対策本部を解散 (四国地方整備局)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.156

 

1.徳島県 穴吹川(美馬市木谷平)の治水事業「穴吹川総合流域防災事業」 徳島県県土整備部河川局砂防防災課 平田 優裕 課長

 

○ 本県は、中央構造線をはじめとする活断層が東西に走り、それらの影響で急峻な地形、脆弱な地質が形成され、加えて台風常襲地帯であることから、過去から幾多の土砂災害が発生しています。

 

○ 近年では、平成16年に相次ぐ台風により県下各地で土砂災害が発生したところでありますが、それ以前の代表的な大災害としては、昭和51年9月の台風17号による災害が挙げられます。総雨量は、剣山(徳島地方気象台)1,837.5o、木頭村日早(四国電力)2,781oに達し、剣山周辺 の地域で土石流や地すべりが発生するなど県下に激甚な災害をもたらし、人的被害25人、家屋被害321棟、床上浸水4,070棟などの被害が生じるとともに、その復旧、復興に長期の期間と多額の費用を要しました。

 

○ 穴吹川においては、上流の富士ヶ池谷において大崩壊が発生し、流出した土砂が木屋平川上地区で氾濫・堆積し、周辺の家屋や農地を埋め尽くし壊滅的な被害が生じました。

 

○ その川上地区で、現在進めている穴吹川総合流域防災防事業は、周辺の自然環境への調和を図りつつ、豪雨時の過剰な流出土砂を河道内に堆積させ、下流の人家密集地を保全することを目的としており、川幅の拡大や緩傾斜護岸・魚道の整備を行っています。

 

○ 近年は、局地的な集中豪雨など気象現象が激化する傾向が顕著になっています。一方、土砂災害危険箇所が多い中山間地域では、過疎化や高齢化が進行しています。今後も、これらの自然条件、社会条件の変化に対応し、ハード・ソフト一体となった的確な土砂災害対策を進め、県民の安全・安心をしっかり守って参りたいと考えています。

 

【事業概要】

 ・事業名  総合流域防災事業

 ・事業費  1,470,000千円

 ・事業期間  平成10年度〜平成22年度(予定)

 ・整備内容  施工延長700m、床固工8基

 

 

 

2.「〜災害に強いまちづくりのために〜」 徳島県 美馬市 牧田 久 市長

○ 美馬市は、徳島県の西部(県都徳島市から約40q)に位置し、西側が三好市、美馬郡つるぎ町、北側が阿讃山脈の山頂で香川県と接し、豊かな自然と数多くの文化財が残る歴史情緒あふれるまちです。市のほぼ中央を東西に四国三郎「吉野川」が流れ、穴吹川など幾多の川が吉野川に流れ込み、その沿岸の平野部が主な可住地となっています。北側の阿讃山脈、南側の剣山を はじめ、ほとんどが山地で、総面積367.38km2の約8割が森林となっており、豊かな水と緑に囲まれた自然美に満ちた、素晴らしい地域です。

 

○ 中でも、市内南部を縦断するように流れる、穴吹川は、14年連続の水質四国一の評価をいただいている清流であります。

 

○ しかし、現在の清らかで美しい市内各河川も数十年前までは、出水時には、毎年のように氾濫を繰り返し、各地域に大きなダメージを与えてきたのも事実であります。

 

○ 特に、昭和50年、51年と連続して大災害を受けた穴吹町においては、当時、早急な土砂災害対策への取り組みが急務であり、国の指導並びに徳島県の協力を得ながら、砂防堰堤や護岸工をはじめとする、各砂防施設整備に力を注ぎ、地域の機能回復と住民の安全確保を図りました。今では、それらの施設も、その機能を十分に発揮すると同時に、近隣住民の安心の杖となっています。また、その後も、被災に対する心構えを怠ることなく、災害対策としての砂防事業において、地域や行政がより一層連絡体制を密にしながら、事業自体が後手に回ることなく、先手先手の諸施策を展開することで、土砂災害に対する地域の安全性や生活クオリティーの向上をもリンクできるよう、流域全体を捕らえた、将来性のある各事業の展開を図るべく計画を行っています。

 

○ なお、美馬市では、近年においての、異常気象の影響で、何時何処で起こるかもしれない、ゲリラ豪雨や土砂災害に対し、各防災施設の整備のみでなく、人的組織の強化にも注目し、自主防災組織の結成や地域消防団との連携、各種防災機器の設置も併せて行うなどしながら、まちぐるみでの、総合力のレベルアップのため努力しているところであります。今後も、各地域の危険区域の調査や実情の把握を十分に行い、地域住民の生命、家屋、生活を守ための砂防事業を注意深く、慎重かつ迅速に進めて行きながら、対象地域の環境面にも配慮した事業を推進していきたいと考えております。

 

○ 最後に、過去の災害のことを忘れることなく、だれもが安心して暮らせる居場所を確立し、常に人々に元気を与えられ続けることができ、更には、明るく、力強く、誰もが住みたくなるまち、『四国のまほろば美馬市』を目指し、尽力したいと考えておりますので、関係諸機関の皆様方には、今後ともご指導、ご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.「平成21年度 河川管理・ダム管理研修」を実施 (四国地方整備局)

 

○ 11月9日(月)〜13日(金)に四国技術事務所において、「河川管理・ダム管理研修」が行われました。

 

○ 研修受講者は、整備局係長、係員10名及び香川県からの研修員2名を合わせて12名で少数精鋭の研修となりました。

 

○ 研修は、許認可(水利権)審査、水防、河川堤防モニタリング、採水・流量観測体験、水防工法実地、ダム管理、洪水の模擬体験を行うロールプレイング等、講義に加えて現場ありの多岐にわたるものとなりました。

 

○ 特に、中央大学研究開発機構福岡教授の「これからの河川管理について」の講義は、日本各地のみならず世界の河川の現状を踏まえて、今後の河川管理(整備)に向けた最新の知見を伺うことができ、興味深いものでした。

 

○ 若手の研修生の皆さんからは、初めて体験すること(許認可審査、採水・流量観測、ロールプレイング等)が多かったこともあり、概ね好評であったと思われます。今後研修生たちが、この研修で得たものを現場で生かせることを願っています。

 

 

 

4.「平成21年度 四国地方ダム管理連絡会議」を開催 (四国地方整備局)

 

○ 11月17日(火)に、高松市内のホテルにおいて、国土交通省、(独)水資源機構吉野川局、四国4県、電力会社3社の四国のダムを管理する所長ら54名が参加し、「四国地方ダム管理連絡会議」を開催しました。

 

○ 本会議は今回が4回目で、ダム管理に関する情報の共有化を図ること、そして現在各ダムが抱えているダム管理上の課題について意見交換して問題解決を図ることを目的として実施しています。

 

○ 今回は、ダム管理に係る最近の近況という事で、全国の平成21年の出水状況、渇水状況、ダム管理の見える化などについて国土交通本省流水管理室資料をもとに紹介の後、各ダムの最近の取り組み事例の紹介を行い、最後に、「ダム効果のPR」、「ダム放流警報の苦情対応」について意見交換しました。

 

○ 各ダムの取り組み事例は、以下の通り。

 

@肱川の渇水について(直轄:鹿野川ダム)                       

A発電停止時における高圧バルブからの放流対応(高知県:永瀬ダム)       

B早明浦ダムにおける温水温存放流操作について(機構:早明浦ダム)

C石手川ダムにおける浮上式フェンスの効果検証及び課題(直轄:石手川ダム)

D野村ダムにおけるユビキタスの取り組み事例(直轄:野村ダム)

E早明浦ダム濁水対策技術の公募について(直轄:吉野川ダム統管)

F木津川ダム総合管理所の洪水操作について(機構:木津川ダム統管)

 

○この会議が、四国地方のダムの、より良い管理に繋がればと考えています。

 

 

 

5.【四国の渇水情報】四国地方整備局渇水対策本部を解散 (四国地方整備局)

 

○ 四国地方では、8月9日の台風9号による降雨以降、少雨傾向が続いていたため、早明浦ダム、銅山川ダム群(富郷ダム、柳瀬ダム、新宮ダム)、大渡ダムで取水制限を実施するとともに、9月11日に四国地方整備局渇水対策本部を設置し、情報収集等監視に努めてきました。

 

○ 11月10日の低気圧に伴う降雨等により、各ダムの貯水率が回復し取水制限が解除されたことから、11月18日9時をもって、「四国地方整備局渇水対策本部(本部長:四国地方整備局長 足立 敏之)を解散しました。

 

○ 各水系における取水制限の概要は以下のとおりです。

 

【吉野川水系吉野川】

・取水制限期間:9月12日9時〜11月18日9時

・最大取水制限:第2次取水制限(徳島用水23.6%、香川用水35.0%)

・早明浦ダムの最低貯水率(貯水量):44.1%(64,765千m3

 

【吉野川水系銅山川】

・取水制限期間:10月1日0時〜11月17日0時

・最大取水制限:第1次取水制限(工業用水20.0%)

・銅山川ダム群の最低貯水率(貯水量):58.4%(40,486千m3

 

 

【仁淀川水系仁淀川】

・取水制限期間:10月16日9時〜11月16日9時

・最大取水制限:第2次取水制限(農業用水50.0%、水道用水50.0%)

・大渡ダムの最低貯水率(貯水量):23.6%(8,035千m3

 

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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