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四国河川ニュース

10/31(土)〜11/6()422

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                                                                       2009.11.9発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.155

 

  ○高知県 吉野川水系 畝田谷川通常砂防事業「災害時要援護者関連施設の保全」   (高知県防災砂防課 加藤 仁志 課長)

 

  ○〜「環境世紀にふさわしい元気な山村」を目指して〜                      (高知県 大豊町 岩ア 憲郎 町長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○第4回吉野川現地(フィールド)講座 吉野川の自然観察について (吉野川水系 徳島県)

 

  ○吉野川流域講座「吉野川の概要について」 (吉野川水系 徳島県)

 

  ○刈草配布試験の実施 (土器川水系 香川県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.155

 

1.高知県 吉野川水系 畝田谷川通常砂防事業「災害時要援護者関連施設の保全」高知県防災砂防課 加藤 仁志 課長

 

<畝田谷川の概要>

 

○ 畝田谷川は、高知市市街地より北北東約25q、四国山地の中央部、吉野川中流域の大豊町津家に位置し、一級河川吉野川本川に流入する土石流危険渓流です。

 

○ 渓流直下には、人家や養護老人ホーム・特別養護老人ホームなどの災害時要援護者関連施設、また、緊急輸送路とっている国道439号があります。

 

○ 流域内は、渓岸浸食や荒廃が著しく、山腹には過去たびたび発生した台風や豪雨による崩壊跡が見られ、現在も渓流内には不安定な土砂が堆積しています。また、谷の勾配も急であることから、降雨によりこれらの不安定土砂が下流へ流出する危険性が非常に高く、土砂災害が発生すれば、地域に多大な被害を与えるおそれがあります。

 

○ 今年7月、山口県内で発生した土砂災害で、特別養護老人ホームが被災し、犠牲者が出たことは記憶に新しく、このことは、人命保全上重要な施設等を土砂災害から守ることの重要さを痛感させられる出来事であったと同時に、当地区における砂防えん堤の必要性を強く感じさせられるものでした。

 

○ これまでに当地区では、平成16年度に事業着手して以降、土石流が発生した場合に下流へ被害をおよぼすおそれのある土石流危険渓流3渓流の内、2渓流において2基の砂防えん堤が完成し、現在、残り1渓流1基について、平成24年度末完成を目指し、事業を実施しています。

 

<畝田谷川通常砂防事業の事業概要>

 

○ 保全対象:人家4戸、養護老人ホーム(定員60名)

            特別養護老人ホーム(定員30名)、

            短期入所生活介護施設(定員10名)、

            国道439号(第2次緊急輸送路)、町道

 

○ 実施内容:砂防えん堤 N=3基

      ・1号砂防えん堤(堤長 21.5m、堤高  6.0m):H18完成

      ・2号砂防えん堤(堤長 36.2m、堤高 10.0m):H20完成

      ・3号砂防えん堤(堤長 40.0m、堤高 12.0m)

      ・渓流保全工 L=235m

 

○ 総事業費:348,800千円

 

○ 事業期間:平成16年度〜平成24年度

 

○ 最後に、事業にご協力いただいた地域住民の皆さま、並びに関係機関の方々に心から感謝申し上げますとともに、今後の事業についても、引き続きご協力いただきますようお願い申し上げます。

 

 

 

2.〜「環境世紀にふさわしい元気な山村」を目指して〜 高知県 大豊町 岩ア 憲郎 町長

 

○ 大豊町は、四国の中央部、徳島、愛媛両県に接し、山村の宿命とも言える過疎、高齢化が急速に進み、全住民の平均年齢が60歳という超・超高齢社会を迎えましたが、がんばるお年寄りに支えられ、少ないながらも子供たちが自然に抱かれのびのびと育つ元気な山村です。

 

○ 町の中央を吉野川の流れが貫流し、峡谷美あふれる激流ではラフティング、支流の渓谷ではキャニオニング、シャワークライミングなど、アクティブなアウトドアライフに年間5〜6万人、また県立自然公園標高1,400メートルの梶ヶ森ではトレッキングなど、年間を通じてお客様をお迎えしています。

 

○ 環境世紀を迎え、本町のような山村が果たしている各種の公益的な機能の重要性がますます高くなる今日、山村の環境を守り、伝えることの重要性、そして取り組みの緊急性が国民的課題として取り上げられております。

 

○ 山村の公益的機能を果たしうる環境は、山村に暮らす我々の日常の生産、生活の営みを通じて守られており、山村に人が安全で安心に暮らすための社会資本の整備、中でも地域住民の生命を守る砂防施設等の整備は特に緊急を要する重要な取り組みであります。

 

 

○ また、こうした社会資本の整備は、今深刻の度合いがますます高まっている地球温暖化においても、適応策、緩和策の両面から大きな効果が期待できます。

 

○ 砂防施設の整備により山村に安心安全に暮らすことが可能となり、結果として森林が守られ炭酸ガスの吸収が進み地球温暖化を緩和する効果が見込まれます。また、災害に強い山村の生活環境を整備することは温暖化による局地豪雨などの異常気象に耐えうる災害に強い地域づくりの面で温暖化への適応策となります。併せて、南海、東南海地震を想定した場合、発災と同時に 始まる復旧活動における水の確保において、大きな被害の想定される平野部のセーフティネットとして背後地に災害に強い山村を整備しておくことの必要性、緊急性から見ても大変重要な社会資本の整備であります。

 

○ このように山村における社会資本の整備は、国土、国民生活を守る上で重要かつ緊急な取り組みであり、今後とも積極的な推進を図ることにより、環境世紀にふさわしい元気な山村を実現するため全力を傾注して参ります。

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.第4回吉野川現地(フィールド)講座 吉野川の自然観察について  (吉野川水系 徳島県)

 

○ 平成21年10月31日(土)に、四国三郎の郷にて地元小学校の児童および保護者約50名を対象に、第4回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川の自然観察について」を開催しました。

 

○ 本講座の開催にあたっては、まず、河川調査課長から吉野川の概要、洪水の歴史、水害防備林等についての説明があり、どの参加者も熱心に説明を聞いていました。

 

○ その後、本講座の講師である長江順次さんに竹を使った遊びの道具の紹介や説明をしていただき、吉野川の竹を使った竹とんぼやお箸・器の作り方についてご指導をいただきました。竹とんぼやお箸・器作りでは、保護者の方々も参加しての竹細工教室となり、みなさん悪戦苦闘を繰り返しながらも竹細工を楽しまれていました。

 

○ 今回の講座を通して、今もなお残っている水害防備林と生活との関わりについて理解していただくと共に、吉野川の自然環境に対する関心を深めていただければと思います。

 

 

 

4.吉野川流域講座「吉野川の概要について」 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 115日(木)に徳島大学において、留学生7名を対象に、吉野川プロジェクトの一環として吉野川流域講座「吉野川の概要について」を実施しました。

 

○ 講座の前半では、吉野川の概要や洪水の歴史、改修整備などの説明があり、講座の後半では、吉野川の利水や環境などについての説明が行われました。

 

○ 留学生の皆さんは、熱心に両講師の説明を聴いており、吉野川にとても興味があるようでした。

 

○ 講座終了後には、これからもっと吉野川のことを知りたいなどの感想をいただき、この講座を通して、吉野川に対する関心を深めていただけたと思います。

 

 

 

5.刈草配布試験の実施 (土器川水系 香川県)

 

○ 香川県の一級河川である土器川において、国土交通省香川河川国道事務所の主催で土器川堤防の除草作業に伴い発生した刈り草を地域の方々へ配布する試験を実施しました。コスト縮減の対策として、全国的に広がっている刈草の提供ではありますが、これまで土器川では行われておらず、今回初めての取り組みとなりました。

 

○ 試験に当たっては、ロールベーラや梱包機などの機械類のレンタル、及び製作指導として、香川県畜産試験場の協力のもと実施の運びとなりました。

  配布試験は11月5日に実施され、前日4日に除草及び集草を終えた後、5日にロール作業及び配布試験が行われました。配布日である5日は、20名程が刈り草の状況を見学し、刈り草ロールを持ち帰った農家は果樹や畜産など計9農家でした。また、配布と同時に利用者のニーズ調査を目的としたアンケートを実施し、相当数の利用が見込めることも分かりました。

 

○ 今後は、箇所を広げ定期的に実施し、地域の皆様へ土器川の刈り草を有効に利用していただく体制を構築したいと考えています。また、それと同時に、コスト縮減に一層努めて参りたいと思います。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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