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四国河川ニュース

8/29(土)〜9/4()413

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                                                                          2009.9.7発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.151

 

  ○高知県 久礼川総合流域防災事業 〜地域の発展とともに〜  (高知県須崎土木事務所 上野 孝穂 所長)

 

  ○かつおの街の防災事業                                (高知県 中土佐町 池田 洋光 町長)

 

 

○今週のニュース○

  ○「吉野川水系河川整備計画」を公表  (吉野川水系 徳島県)

 

  ○中筋川ダム「火まつりinみはら」開催  (渡川水系中筋川 高知県)

 

  ○アカウミガメの放流式について      (高知海岸 高知県)

 

  ○四国地方整備局 総合防災訓練を実施! 〜東南海・南海地震を想定し、参集訓練、防災訓練を実施〜   (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.151

 

1.高知県 久礼川総合流域防災事業 〜地域の発展とともに〜   高知県須崎土木事務所 上野 孝穂 所長

 

○ 久礼川は、その源を須崎市・旧大野見村との境である檮山に発し、狭流をなして南東に流れ、楠ノ川と合流し山間部に出来た幅200〜300mの谷底平野を縫い流下しています。その後、松ノ川と合流し、国道56号、JR土讃線を横切った後、中土佐町の中心地である久礼地区で長沢川と合流した後、久礼湾に注ぐ流域面積40.7km2、流路延長8.5qの二級河川です。

 

○ 本川下流部は、海に向かって開けた平野の地形で、特に人家が密集した久礼地区は、須崎市と並ぶ県西南地域の高幡広域生活圏の中心地として、さらに今後8の字ルートの一翼を担う高速道路網の整備が進むこともあり、水産業を中心とし今後の発展が期待されている地域です。

 

○ 本川の特徴は、水源から河口までの距離が短く、高低差が大きいことから、その流れは急であり、河岸は浸食傾向となっています。また、下流部に資産が集中しているにもかかわらず、河川改修もほとんど行なわれていなかったため、河道の流下能力も低く、毎年のように河川氾濫し、特に昭和47年に は浸水家屋数85戸(うち床上浸水40戸)、また昭和52年には浸水家屋数46戸(うち床上浸水26戸)と多大な浸水被害が発生しました。そこで、昭和57年に、洪水被害を食い止め、久礼川下流域の発展を期すため、当時の小規模河川改修事業によって、国道より河口までの1440m区間で改修に着手することとなりました。

 

○ この改修区間は平野部に位置するため、特に現在改修中である支流道ノ川との合流点から下流数百mは良好な河畔林とともに、猿猴(河童)伝説のある淵(辨ヶ淵)が残されており、水生生物の生息空間となっています。そういったことから、古くから人々に親しまれており、現在も、釣りや水泳などに利用されています。またその対岸は、現地の植生が、水際から河岸まで横断的な連続性を保った状態で残っていることから、特に河川環境の保全を重視した整備を積極的に進めています。

 

○ 今後はさらに洪水被害を最小限に抑えるため、近年問題となっている予測困難な「ゲリラ豪雨」を含めた防災体制を、地域と連携を取り構築しつつ、河川環境の保全に配慮した良好な水辺空間の確立を目指します。

 

 

 

2.かつおの街の防災事業 高知県 中土佐町 池田 洋光 町長

 

○ 本町は、高知市より国道56号を西へ47qの太平洋岸に面した高知県の中西部に位置する海岸部の旧中土佐町地域と、海抜300m以上の山々に囲まれた日本最後の清流四万十川が流れる台地部の旧大野見村地域とが平成18年1月1日に合併した総面積193.43km2の町です。

 

○ 特に北部を久礼川が貫流する旧中土佐町地域は、北西および西南には山嶺が連なり、海岸線は、典型的なリアス式海岸であるため、その尾根の先端は土佐湾に突出して岬となり壁状に切り立った海岸線を形成しています。したがって、これらの山嶺に源を発する本町の中小河川は急勾配のまま土佐湾に注ぐため、浸蝕力が大きく荒れ川の傾向があります。

 

○ 河口域は漁港、河川流域には平野が散存して耕地をなしており、特に久礼川下流域に広がる久礼地区は、青柳裕介の漫画で取り上げられた「土佐の一本釣り」で有名な「かつお」に代表される漁業や、温暖な気候を生かしたハウス園芸などが盛んで、黒潮本陣や大正町市場、風工房など、県内外に広く名の知られた観光施設や「かつお祭」をはじめとした各種イベントなどにより、元気な町として知られてまいりました。

 

○ さらに、平成22年度には四国横断自動車道が本町まで延伸される予定で、関西地方からのアクセスは車で4〜5時間圏内となります。高速道路時代の到来は、観光や産業振興に大きな変革をもたらすものと期待しており、自然あふれる我が町の強みを生かした取り組みを今後更に進め、少しでも多くの方にこれらの素晴らしさを味わっていただきたいと考えております。

 

○ 一方、土佐湾に面し急流河川が多い本町としては、治水対策の推進が町政発展のため不可欠であります。このため、その整備について、関係機関に要請するとともに、今世紀前半にも発生するおそれがある南海地震、また、それに伴う津波対策や、近年では平成16年に発生した洪水といった大災害が発生した場合には、防災関係機関は総力をあげて対処する方針です。そのような大災害となると、ゆれによる建物の倒壊や道路の寸断、津波の来襲など様々な被害により、通常の場合と同じような消防活動や救助活動を行うことが困難となります。

 

○ そこで、町では、隣近所の人と協力しあい、「自分たちのまちは、自分たちで守る」という意識のもとに、自発的な防災活動を行う自主防災組織の設置にも力を入れています。なかでも自治会や町内会といった生活に密着した組織を軸として、身近な年間行事の中に「防災活動」を取り入れることで、自主防災組織として十分役割を果たすことを目指しています。こういった防災意識の高い地元からは、安全・安心な生活の基盤となる河川改修事業の推進を強く求める声が、途切れることがない状況で、管理者である県に対し大きな期待を寄せています。

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.「吉野川水系河川整備計画」を公表 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 四国地方整備局では8月28日(金)に、吉野川水系において、今後概ね30年間で実施する河川整備の目標と内容についてまとめた『吉野川水系河川整備計画』を公表しました。

 

○ 吉野川水系河川整備計画は、平成21年6月1日に公表した吉野川水系河川整備計画【原案】について河川法に基づき、関係県知事及び関係機関からの意見をお聴きし、この意見をふまえ精査を行った上で、吉野川水系河川整備計画を策定しました。

 

○ 今後、この河川整備計画に基づき、事業を実施してまいります。

 

○ なお、この吉野川水系河川整備計画については、下記ホームページに掲載しています。

 

  吉野川水系河川整備計画HP

      http://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/yoshinoriver/

 

 

 

4.中筋川ダム「火まつりinみはら」開催 (渡川水系中筋川 高知県)

 

○ 周辺の自治体等で組織する「火まつりinみはら実行委員会」は、今年初めての試みとなる「火まつりinみはら」を8月29日(土)に開催しました。

 

○ このイベントは、「ファイヤーストームを通して、水と緑の循環、そして地球環境問題を考えよう」とのキャッチフレーズのもと、中筋川ダム貯水池内の広場として整備された「やまびこ体験ゾーン」を利用して実施されました。

 

○ 当日は天候に恵まれて、広いグラウンドいっぱいに、地元幡多農業高校乗馬部による「馬乗り体験」や、「野鳥巣箱作り」「健康ストレッチ&ビューティー・パワーヨガ」の他、「地元特産品の出店」等が集結しました。

 

○ メインイベントである「ファイヤーストーム」を見ながらの、地元食材を利用したバーベキューは多くの人が堪能したようです。

 

○ 中筋川総合開発工事事務所としては、中筋川ダムが今後も「地域に開かれたダム」として、多くの方々にイベント等を利用してもらえるよう、できる範囲で協力してまいりたいと考えています。

 

 

 

5.アカウミガメの放流式について(高知海岸 高知県)

 

○ 直轄工事区間である高知海岸に、5月から8月にかけて「アカウミガメ」が産卵にやってきます。

 

○ 高知海岸では、8月23日(日)と29日(土)に春野西小学校の4年生約80人と春野東小学校の4年生約90人が合計で約200匹の放流会を行いました。

 

○ アカウミガメは絶滅のおそれがあることや、当海岸では産卵しても高波で流されてしまうため、高知海岸出張所ではウミガメの保護活動を行っている地元の「自然を守る会」と協働で今年は2,920個の卵を学校のふ化場等に移植して保護しています。

 

○ ふ化するまで2ヶ月の間、生徒たちが散水するなど大事に世話をしてきた結果、ふ化率も70〜80%と上々のようです。

 

○ 末永く産卵に訪れることを願いゴミ拾いをしたあと、自分たちが大事に育てた子ガメを放流し元気に海へと帰っていく姿を見た子供たちは貴重な経験をしたようです。

 

○ 放流会の様子は、高知河川国道事務所HP内「ウミガメ情報局」に掲載いたします。生徒たちが子ガメの旅立ちを見守る姿をぜひご覧ください!!

 

○ 高知河川国道事務所 HP内「ウミガメ情報局」

 

  URL  http://www.skr.mlit.go.jp/kochi/sea/umigame/top.html

 

 

 

6.四国地方整備局 総合防災訓練を実施! 〜東南海・南海地震を想定し、参集訓練、防災訓練を実施〜 (四国地方整備局)

 

○ 今年度も防災週間(8月30日〜9月5日)の行事の一環として9月2日(水)に、約1,400人(本局、事務所、水機構、四国4県など)が参加し、総合防災訓練を実施しました。

 

○ 訓練は、午前7時30分に東南海・南海地震が発生し、高知・徳島では震度6強、香川・愛媛では震度6弱の揺れ、太平洋側沿岸に大津波警報が発令、9月5日頃より台風の影響があるとの想定で、参集・安否確認訓練、災害フ ォトシステムを利用した参集時の身の回り情報の収集訓練、事務所等との施設点検や被害状況等の情報伝達訓練、ヘリコプター(愛らんど号)による航空映像の収集訓練、衛星通信車及び情報コンセントを利用した想定被災箇所からの現地リポート訓練などが、午後1時00分頃まで臨場感をもって行われました。

 

○ なお、本年度の訓練において四国地方整備局河川部では、『危機管理支援システム』を使用して、事務所より報告された情報を多くの本部員がリアルタイムで確認できる体制で実施し、一定の成果が得られました。今回の訓練で分かった課題を基に、システムの改良、災害時での活用を図っていきたいと考えています。

 

○ 地震対応は発災直後の初動体制の整備や、情報収集を如何に迅速・的確に行えるかがその後の地震対応において重要になります。

 

○ 今後は、今回の訓練で判明した課題を一つひとつ見直し、本番に備えてまいります。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

          760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

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