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四国河川ニュース

7/25(土)〜7/31(金)》408号

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                                                                         【2009.8.3発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.149○

 

  ○香川県 高瀬川(三豊市)の治水事業『高瀬川総合流域防災事業』  (香川県西讃土木事務所 児玉 学 所長)

 

  ○「『市民力』を発揮した安全・安心なまちづくり」  (香川県 三豊市 横山 忠始 市長) 

 

 

○今週のニュース○

 

  ○「川の通信簿」の実施について              (土器川水系 香川県)

 

  ○中筋川ダムで「第14回蛍湖まつり」を開催       (渡川水系 高知県)

 

  ○平成21年度土器川河川環境モニター会議を開催    (土器川水系 香川県)

 

  ○平成20年 四国管内一級河川の水質現況を公表   (四国地方整備局)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.149

 

1.香川県 高瀬川(三豊市)の治水事業『高瀬川総合流域防災事業』  香川県西讃土木事務所 児玉 学 所長

 

○ 高瀬川は、善通寺市、仲多度郡琴平町、三豊市高瀬町にまたがる琴平山に源を発し、三豊市高瀬町、三野町において支川を束ねながら北西へ流下し、三豊市詫間町で瀬戸内海に注ぐ流路延長約19km、流域面積約67kuの二級河川です。山間部から平野部に入る地点において勾配が急激に変化する地理的特性を持ちます。

 

○ 過去の災害をみると、昭和35年の台風11、12、16号や昭和38年の豪雨による洪水や内水被害が発生しており、最近では、平成2年の台風19号により、三野町北部において浸水家屋24戸、平成16年の台風23号により、浸水家屋6戸(うち床上浸水2戸)の内水被害が発生しています。

 

○ このように度重なる水害を契機として昭和41年度を初年度として河口から大道橋上流までの築堤、引堤掘削等の改修工事に着手し、順次整備を進め、現在、高松自動車道の交差付近まで完了しています。引き続き上流区間の改修工事を進めていくにあたって、平成17年度より、流域単位による包括的な施設整備を目的とした、総合流域防災事業により、近年浸水被害を被った区間(L=約400m)を当面の重点整備区間に位置づけ、狭窄区間の解消や橋梁・取水堰の改築を実施しています。

 

○ 平成15年12月に策定した高瀬川水系河川整備計画においては、大道橋から下流の平野部にわたり、概ね50年に1回の降雨で発生する洪水を安全に流下させることを目標にした流下能力の確保と、瀬や淵の復元や水生生物の移動の連続性を確保するための魚道を設置するなどの自然環境の保全・復元に努めるとともに、人と川のふれあいの場となるよう親水性に配慮した河川改修を実施するものとしています。

 

○ 今後とも地域と連携を図りながら洪水被害の防止または軽減に努めるための必要な治水事業を推進しつつ、河川環境の美化・保全にも配慮した良好な水辺空間の確立を目指します。

 

 

 

2.「『市民力』を発揮した安全・安心なまちづくり」  香川県 三豊市 横山 忠始 市長

 

○ 三豊市は香川県西部に位置し、南は阿讃山脈で徳島県と、北は瀬戸内海の中央部に当たる燧灘と備讃瀬戸に接しており、粟島、志々島、蔦島などの島しょ部も見られる、海から山まで変化に富んだ地形をしています。中央部には三豊平野が広がり、東部から西部に向かって財田川、東部から北部に向かって高瀬川などの河川が流れ、豊かな田園空間を形成しています。また、瀬戸内随一の眺めとの呼び声高い紫雲出山、四国霊場八十八ヶ所の大興寺、本山寺、弥谷寺、国内最大級の窯跡群として知られる国指定史跡宗吉瓦窯跡など、多くの観光資源を有しています。

 

○ 本市には北東から南西方向に高松自動車道、国道11号、377号、JR予讃線が走り、南東部には南北に国道32号、JR土讃線が走っており、幹線交通軸を形成しています。JRの分岐点である多度津駅、高松空港などの結節点にも近く、四国における交通の要衝に近接した恵まれた交通立地条件にあり、さらに海上交通の拠点として、国際貿易港である詫間港、マリンレジャーの盛んな仁尾港の2つの地方港湾を有しています。

 

○ 本市では平成20年に三豊市新総合計画を策定し、『自主・自立』を基本理念として、『“豊かさ”をみんなで育む市民力都市・三豊』をまちの将来像に掲げ、市民・市民組織・民間企業・行政の連携によって生み出される『市民力』を発揮した新しいまちづくりに取り組んでいます。

 

○ さて、本市中央を流れる高瀬川は、普段は瀬戸内式気候のため年間降水量が少なく、穏やかな流れを見せています。しかし平成16年の度重なる台風襲来の際には様相が一変し、特に台風23号による豪雨では護岸が被災するなど大きな被害を受け、中流域から上流域にかけて抜本的な改修の必要性が再確認されました。現在は国、県のご尽力により河川整備が着々と行われており、洪水被害対策が進められております。

 

○ 本市の防災行政では、消防団の育成強化、自主防災組織の充実を図るとともに、市民の安全・安心を確保するため三豊市総合防災マップを作成して各世帯へ配布し、高瀬川、財田川のハザードマップを作成して浸水想定区域内の自治会全世帯へ配布しました。また、情報伝達システムをデジタル防災行政無線に統一するための整備を進めています。

 今後は「自分たちのまちは自分たちの手で守る」という精神のもと、自助・共助・公助の理念に立った地域防災体制を強化し、『市民力』を発揮して地域ぐるみで助け合う安全・安心なまちづくりをめざします。

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。 またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.「川の通信簿」の実施について (土器川水系 香川県)

 

○ 平成21年7月25日(土)に「川の通信簿」作成作業を実施しました。

 

○ 「川の通信簿」は、平成15年から3年ごとに川の親しみやすさを、市民との共同作業によるアンケート調査をすることにより、良好な河川空間の保全、整備をはかって行くための基礎資料とするために実施しており、今回で3回目になります。

 

○ 河川愛護モニターや河川環境保全モニター等の市民約30名と行政関係9名の約40名で実施しました。

 

○ 当日は、あいにく悪天候でしたが、雨にもまけず、現地での熱心な評価をいただきました。アンケート結果は、事務所ホームページ等で公表していき、今後の河川整備・維持管理資料として有効に利用していきたい考えています。

 

 

 

4.中筋川ダムで「第14回蛍湖まつり」を開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 「森と湖に親しむ旬間」中の7月26日(日)に中筋川ダムサイト等にお いて「第14回蛍湖まつり」が開催され親子連れなど約1,100人が来場 し、各種イベントを楽しみました。

 

○ この「蛍湖まつり」は、地元宿毛市、四万十市、三原村の各自治体、商工会議所、観光協会、婦人会等の団体からなる「中筋川の未来を考える会」の幹事会による「蛍湖まつり実行委員会」が主催するもので、平成8年度より毎年この時期に行われており、今年で14回目を迎えます。

 

○ 当日は、前線の影響で雨が降ったり止んだりのあいにくの天気で、祭の進行が危ぶまれましたが、ほぼ予定通り、様々な催し物を行いました。

 

○ 管理庁舎前のメインステージ等では、蛍湖まつり実行委員会会長中山宿毛商工会議所副会頭の開会挨拶に始まり「式典」、「それいけ!アンパンマンショー」、「一条太鼓」、「もち投げ」が行われ、最後にアンパンマン達による「お菓子投げ」で祭を終えました。

 

○ 管理庁舎内では、「ダム内部の見学会」、「児童絵画作品展」、「蛍のアニメ上映」が、ダム周辺では「降雨体験機」、「土石流3D体感シアター」、婦人会による「うまいもの市」、商工会の「物産販売」、建設協会の「陶芸教室」等が、蛍湖周辺では「蛍湖ゴルフ大会」、「蛍湖ゲートボール大会」がそれぞれ開催され、祭を盛り上げました。

 

○ 「式典」では、宿毛市の「田の浦小学校」、三原村の「三原小学校」児童が描いた中筋川ダムの絵画の中から優秀作品として6名の児童が表彰されました。

 

 

 

5.平成21年度土器川河川環境モニター会議を開催 (土器川水系 香川県)

 

○ 平成21年7月27日(月)、丸亀市水防センター及び現地において「平成21年度土器川河川環境モニター会議」を開催しました。

 

○ 本会議は、河川環境の保全、創出及び秩序ある河川利用を図るため、河川環境に関する知識と豊かな川づくりに対する熱意を合わせ持つ方々を「河川環境保全モニター」として委嘱し、定期的にモニター立場から河川事業に対する助言を頂くことを目的に開催しています。

 

○ 今回は、河川環境保全モニター2名の方々に出席いただき、今年度に河川改修を予定している箇所についての生態系等への配慮事項や、河川水辺の国勢調査のとりまとめ方法などについて、現地調査及び会議を通じてご指導をいただきました。

 

○ 香川河川国道事務所では、会議の中で指摘された事項やご指導をいただいた事項について、早速、今年度実施する河川事業や各種調査に反映させることにより、より豊かな河川空間整備を進めていきたいと考えています。

 

 

 

6.平成20年 四国管内一級河川の水質現況を公表 (四国地方整備局)

 

○ 7月31日(金)に、平成20年における四国地方整備局管内の一級河川で調査した8水系54地点(内、類型指定51地点)の水質現況を公表しました。

 

○ 環境基準(河川はBOD、湖沼・海域はCOD:一部の湖沼は河川で類型指定されてるためBODで評価)の適合状況は92.2%で、過去10年間で最も水質状況の良い状態でした。水質の改善が見られたのは重信川、肱川、吉野川、全ての調査地点で環境基準を満たしたのは重信川、肱川、物部川、吉野川でした。

  四国内の河川水質ランキングでは、1位は穴吹川(吉野川水系)と那賀川(那賀川水系)の2河川、3位が仁淀川(仁淀川水系)、4位が吉野川(吉野川水系)、5位が旧吉野川(吉野川水系)となりました。穴吹川は14年連続1位でした。

 

○ 内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)調査は、重信川、土器川の2水系、2地点で実施した結果、土器川(丸亀橋)、重信川(出合橋)ともに重点監視濃度を超える数値が検出(エストロンが土器川で0.00070μg/L、重信川で0.00082μg/L[重点基準濃度0.0005μg/L])されました。

 

○ ダイオキシン類調査は、8水系で実施した結果、全ての調査地点において環境基準値を下回るとともに、要監視濃度値(環境基準値の1/2)を上回る地点もありませんでした。今回の調査で、平成18年秋の調査で要監視濃度値が測定され重点監視地点となった土器川(丸亀橋)が、重点監視地点から解除されました。

 

○ また平成17年より、住民との協働による新たな水質指標による各河川の水質評価も実施しています。評価の視点は、@「人と河川の豊かなふれあいの確保」、A「豊かな生態系の確保」、B「利用しやすい水質の確保」、C「下流域や滞留水域に影響の少ない水質の確保」の4つがあり、@、Aの評価では地域住民と河川管理者が協働で調査しています。平成20年の調査では延べ2,600人を超える住民の方々に参加していただきました。

 

○ 今後も、地域の皆さんの協力を得ながら、河川環境の指標となる水質管理に努めます。

 

 

 

 

※訂正のお知らせ

 

 7月27日発行の第407号の5.(2)『「水の日及び水の週間」のご紹介』文中、水に関する啓発活動の実施機関が四国地方整備局と掲載されておりましたが、吉野川水系水利用連絡協議会としての活動内容であることを、おわびして訂正させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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