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四国河川ニュース

6/13(土)〜6/19(金)》402号

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                                                                       【2009.6.22発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.146

 

  ○愛媛県 出海川放水路事業(大洲市)『地域を水害から守る放水路(出海川総合流域防災事業)』 愛媛県南予地方局 大洲土木事務所 田村 弘文 所長 

 

  ○「出海地区の浸水被害への取り組み」 愛媛県 大洲市 大森 隆雄 市長

 

 

 

○今週のニュース○

 

  ○平成21年度 災害対策用機械類の操作訓練を実施                      (四国技術事務所)

 

  ○出水に備え、吉野川などの重要水防箇所を関係機関と合同で巡視しました (吉野川水系 徳島県)

 

  ○四万十川自然再生事業「アユの瀬づくり事業」の意見交換会を実施      (渡川水系 高知県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.146

 

1.愛媛県 出海川放水路事業(大洲市)『地域を水害から守る放水路(出海川総合流域防災事業)』愛媛県南予地方局 大洲土木事務所 田村 弘文 所長

 

○ 出海川は、大洲市と八幡浜市の境となる天が森、耳取峠に源を発し、途中、浄心山を発する土居川と合流した後、出海地区の中心部を貫流しながら伊予灘へ至る、流域面積3.9km2、流路延長0.97qの二級河川です。流域のうち約9割が山地であり、豪雨時には洪水が一気に流下すること、また、下流の人家連担区域は河道が狭く流下能力が低いことから、たびたび溢水による浸水被害が生じ、特に、平成元年の秋雨前線豪雨では123棟(うち半壊1、床上浸水50)、平成10年の台風10号では32棟(うち床上浸水11)の甚大な浸水被害が発生しました。このため、地域住民から河川改修の強い要望が出されました。

 

○ 河川改修計画の策定に際しては、現況河川の両岸に人家や市道が隣接しており、川幅を広げるには多数の家屋等の移転が生じ多額の費用を要するため、人家連担地を迂回する放水路を計画し、平成15年度から整備に着手しております。

 

○ 現在、放水トンネルを含む全長469mの放水路は完成し、今年度の出水期から運用を開始しています。この事業の完成により、近年発生した浸水被害は解消され、地域の安全・安心の確保に大きく寄与することとなります。

 

 

 

2.「出海地区の浸水被害への取り組み」 愛媛県 大洲市 大森 隆雄 市長

 

○ 大洲市長浜町の出海地区は、愛媛県の西部瀬戸内海伊予灘に面して、八幡浜市(旧保内町)に接する、ちょうど瀬戸内海ベルト地帯にあたります。地形については、無数の山が連なり、山間地に農地が散在し、その間を縫って市道・農道が走っています。また、当地域は瀬戸内海国立公園に位置し、風光明媚な海、山、川と変化に富んだ四季折々に詩情豊かな景観を見せてくれます。

 

○ その一方で、出海川は八幡浜市との境となる耳取峠に源を発し、途中、浄心山を発する土居川と合流した後、出海地区の中心部を流下しながら伊予灘に至る二級河川であり、本川の下流域は河積が狭小で、両岸に人家が密集しているため、度々浸水被害に悩まされてきました。そのため、流域住民は防災への意識が高く、出海川の治水対策事業への要望活動を地域一体となって展開されていた事から、当市においては、旧長浜町より引き継がれた重要課題でありました。

 

○ その背景を受けまして、平成15年度に国土交通省並びに愛媛県において、「出海川水系河川整備計画」を策定され、それに基づき「出海川総合流域防災事業」の事業採択をいただき、5年間という短期間で、ほぼ完成し、治水安全度の向上を確保できることとなりました。

 

○ 今後とも、国、県のご配慮を頂きながら、地域における自主防災組織の育成強化に努めてまいりたいと考えています。

 

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.平成21年度 災害対策用機械類の操作訓練を実施 (四国技術事務所)

 

○ 四国技術事務所屋外試験場において、6月9日(火)・10日(水)に「平成21年度災害対策用機械類及び情報通信システムの操作訓練(香川・徳島地区)」を実施しました。

 

○ この操作訓練は、平成9年度より毎年、梅雨入り前後に実施しており、四国地方整備局が保有する災害対策用機械及び情報通信システムを迅速かつ的確に自ら操作すると共に、現地作業員への的確な指導説明が行える人材の育成を目的として行っています。

 

○ 訓練は、9日が地整の電気通信及び機械担当の専門職員を対象とし、10日には一般職員(TEC-FORCE隊員含む)、自治体職員及び維持業者を対象に行いました。今年は、TEC-FORCEの制度が創設されて災害対応意識の向上もあり、参加者が延べ105人と昨年と比べてかなり多く、10日はあいにくの雨にも関わらず特殊な機械の操作方法を習得しようと参加者全員が熱心に取り組みました。

 

○ 1日目の専門職員対象の訓練では、参加者は毎年操作訓練で講師を担当しており、ほぼ全員が全ての機械の操作方法を熟知していることから今回は少し趣向を凝らし、通常の操作方法以外にも、機械が不具合を生じたときの原因とその対処方法や特殊なアタッチメントを装着した遠隔操縦バックホウの運転方法など、より専門的な内容で訓練を行いました。

 

○ 四国技術事務所は昨年より『防災技術センター』として位置づけられており、今回の訓練も同センターの防災業務活動の1つとして取り組んだものです。

 

○ また、6月19日(金)には、高松市東植田町の公渕池において、香川河川国道事務所と合同で排水ポンプ車の実排水作業訓練を実施しました。

 

 

 

4.出水に備え、吉野川などの重要水防箇所を関係機関と合同で巡視しました (吉野川水系 徳島県)

 

○ 梅雨や台風シーズンの出水に備えて、吉野川などの重要水防箇所の巡視を市町などの関係機関と合同で行いました。 重要水防箇所とは、洪水時に堤防が崩れたり、洪水が堤防を越えるなどの水害を受ける恐れがあり、重点的な見回りや点検が必要な箇所のことです。

 

○ 国や市町村や水防団などの関係機関が合同で重要水防箇所などの現地を確認することによって、情報を共有し、いざという時の水防体制の充実を図るものです。

 

○ 巡視は下記の日程で行われました。

  6月5日  石井町・吉野川市の重要水防箇所の巡視

  6月9日  藍住町・阿波市・上板町の重要水防箇所の巡視

  6月10日 松茂町・北島町・鳴門市の重要水防箇所の巡視

  6月11日 美馬市・つるぎ町・三好市・東みよし町の重要水防箇の巡視

  6月15日 徳島市の重要水防箇所の巡視

 

○ 巡視を行ったのは、吉野川下流水防連絡会と吉野川上流水防連絡部会を構成する下記の機関です。

 

【吉野川下流水防連絡会の構成機関】

  徳島市、鳴門市、吉野川市、阿波市、石井町、松茂町、北島町、藍住町、板野町、上板町、徳島市消防局、鳴門市消防本部、板野東部消防組合消防本部、板野西部消防組合消防本部、徳島中央広域連合消防本部、名西消防組合消防本部、徳島県、国土交通省など

 

【吉野川上流水防連絡部会の構成機関】

  つるぎ町、東みよし町、三好市、美馬市、美馬市消防本部、美馬西部消防組合消防本部、徳島中央広域連合消防本部、国土交通省など

 

○ 今後もこのような水防体制の充実に向けた取り組みを行ってまいります。

 

 

 

5.四万十川自然再生事業「アユの瀬づくり事業」の意見交換会を実施 (渡川水系 高知県)

 

○ 四万十川では、アユの瀬づくり事業やツルの里づくりなどの自然再生事業を平成14年度より、四万十川自然再生協議会や漁業関係者など地域の意見を聞き事業を実施しています。

 

○ 6月16日(火)にアユの瀬づくり事業の意見交換会を、四万十川自然再生協議会と四万十川漁業協同組合連合会等、42名の参加により行いました。

 

○ 会議の中では、毎年アユの漁獲量が少なくなってきている中で、産卵場の調査結果について、西日本科学技術研究所の東氏が過去5年のデータを元に、発表・報告を行い、その中でアユの産卵場を拡大するには河床を攪乱する掃流力が働くことが必要であり、事業の進捗と、今後の出水によりどのような影響・効果をもたらすのかを見守る必要があると発表しました。

 

○ また、四万十川自然再生協議会の役員と四万十川漁業協同組合連合会の方々との意見交換会も行われ、産卵場に関する河原の切り下げ場所の意見や、河原への車の乗り入れ問題等について話し合いました。

 

○ 意見交換会後、入田箇所の現地視察も行い、アユの瀬づくりについてさまざまな意見がありました。

 

○ かつての広い河原を再生しアユの産卵場を拡大するには、地域の皆さんの協力が不可欠で、地域が一丸となって昔の河原を取り戻す取り組みを引き続き行っていきます。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

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