***************************************************

四国河川ニュース

5/29(土)〜6/7(金)》400号

***************************************************

                                                                          【2009.6.8発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.145

 

  ○香川県 坂下川(宇多津町)の砂防事業  (香川県 中讃土木事務所 松岡 辰夫 所長)

 

  ○「安心・安全のまちづくり」           (香川県 宇多津町 谷川 実 町長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○第1回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川河口干潟の海浜植物を守ろう!」開催  (吉野川水系 徳島県)

 

  ○第2回 重信川流域合同水防工法訓練を開催       (重信川水系 愛媛県)

 

  ○「吉野川水系河川整備計画【案】」を公表          (吉野川水系 徳島県)

 

  ○ホタル鑑賞会および土器川ホタルまつりの開催      (土器川水系 香川県)

 

  ○不破堤防事業(上流工区)安全祈願祭・祝賀会の開催  (渡川水系 高知県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.145

 

1.香川県 坂下川(宇多津町)の砂防事業 香川県 中讃土木事務所 松岡 辰夫 所長

 

【被災の状況】

 

○ 平成16年10月20日、台風23号の接近に伴う激しい雨の影響で、香川県中部に位置する宇多津町坂下の坂下川では土石流が発生し、幸い人的被害は無かったものの、人家1戸が全壊、一部破損1戸が生じ、5戸10名が一時避難を行うなどの被害が発生しました。

 

【事業概要】

 

○ このため、平成17年度より坂下川通常砂防事業に着手し、平成21年3月に事業完了となりました。

 

○ ダム地点下流には多数の人家や地域の生活道路となっている県道及び町道等があり、これらを再度の土石流から守り、甚大な被害を防ぐ効果が期待できます。

 

○ 施工にあたっては、渓床勾配が急峻であり、中小出水でも土石流が発生する恐れがあったことから、細心の注意を払いながら実施しました。

 

○ また、上流にある寺院への参道が施工区域と重なることから、参拝者の安全のため、仮設の転落防止柵や迂回路を設置するなどしました。

 

○ 整備施設

   砂防えん堤1基(堤高12.5m、堤長94.0m)

 

○ 事業期間

   H17〜H20

 

○ 効果量

   貯砂量3,100m3、抑止量120m3

 

○ 保全対象

   人家28戸、町道130m、県道170m

 

【おわりに】

 

○ 今後もこのようなハード面での砂防事業の促進を図るとともに、危険箇所の周知、警戒避難体制の整備、住宅等の新規立地の抑制等ソフト面においても充実させるなど、ハードソフト両面からの、総合的な土砂災害対策の推進に努めていきたいと考えています。

 

 

 

2.「安心・安全のまちづくり」 香川県 宇多津町 谷川 実 町長

 

○ 宇多津町は香川県のほぼ中央に位置し、東は坂出市、西は丸亀市に隣接する人口約18,000人、総面積8.07km2の県下で最も狭い町です。7 世紀後半にはすでに、海上交通の港(津)、“鵜足津”と呼ばれる自然港が現れた歴史ある町です。室町時代には将軍足利義満の側近だった細川頼之公の居館が置かれ、四国の政治・経済の中心地として栄え、古くは28ヶ寺が建立されていました。今も旧市街地には四国八十八ヶ寺霊場の一つ郷照寺をはじめとした1社9ヶ寺や町家など往時を偲ばせる古い町並みが残っています。

 

○ また温暖で降水量が少なく、日照時間が長いという瀬戸内海特有の気候を利用して、江戸時代中期から昭和47年の塩田廃止までは、全国屈指の塩の町でもありました。こうして古くから政治、経済、文化の拠点として発展を遂げてきた本町は、臨海部の塩田跡地を土地区画整理事業により、瀬戸大橋架橋を機に、新宇多津都市という新しい町の表情を生み出しました。昨年には町制施行110年を迎え、これを節目にさらに新たな歴史を築こうとしています。

 

○ さて、災害に関しますと、平成16年に多発した台風で、16号、23号の高潮被害や大雨による浸水、土砂崩れ被害など本町が経験したことのない大きな被害を受けたことで、改めて自然災害の猛威を感じました。幸いな事に人的な被害がありませんでしたが、近年、災害の態様は複雑・多様化、大規模化しており、全国各地で大きな災害が発生しています。

 

○ また、昨年8月には約30分の間に50ミリを越える想像を絶するようなゲリラ豪雨に見舞われ、床下浸水家屋54戸という被害も発生いたしました。温暖化が取りだたされるなか、この教訓を生かし、今後の雨水排水対策を講じる必要もあります。

 

○ さらに、近年においては、東南海・南海地震の発生も危惧されていることから、今後は、あらゆる災害に対する備え、また自主防災組織を始めとした地域住民との連携訓練など、防災体制の確立と「安心・安全のまちづくり」を目指して参ります。

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.第1回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川河口干潟の海浜植物を守ろう!」開催 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 5月30日(土)に第1回吉野川現地(フィールド)講座「吉野川河口干潟の海浜植物を守ろう!」を吉野川河口の中洲にて実施し、25名の方々がご参加くださいました。

 

○ 本講座は、吉野川河口の中洲に繁殖している特定外来生物(植物)のナルトサワギクを駆除し、ハマヒルガオ、コウボウシバといった海浜植物などを守ることを目的に実施したものであり、開催にあたっては、徳島県自然保護協会会長の森本康滋先生に指導員としてご協力頂きました。

 

○ まず始めに、指導員の森本先生から特定外来生物(植物)であるナルトサワギクについて説明をいただいた後、参加者全員で駆除作業にとりかかりました。

 

○ 当日は日射しも強く、暑い中での作業となりましたが、参加者の皆様には熱心に駆除作業を行っていただき、ゴミ袋で173袋、約700kgのナルトサワギクを駆除することができました。

 

○ 終了後に行ったアンケートでは、「自然とふれあうことができてよかった」、「思った以上にきつかったが、自然にふれ心身のリフレッシュになった」、などたくさんのご意見をいただきました。

 今後もこのような機会を通して、吉野川の自然に親しんでいただくとともに、河川愛護精神を育んでいただけたらと思います。参加者の皆様、ありがとうございました。

 

 

 

4.第2回 重信川流域合同水防工法訓練を開催 (重信川水系 愛媛県)

 

○ 5月31日(日)に、愛媛県東温市下林地先(重信川左岸15k/8付近高水敷)において、重信川流域内の国、県、市町、自主防災組織等との連携 ・協力の強化や水防技術の向上を目的に、重信川・石手川水防連絡会の主催により、第2回重信川流域合同水防工法訓練を開催しました。

 

○ 訓練参加機関は、国土交通省、愛媛県、重信川流域の松山市、伊予市、東温市、松前町、砥部町の3市2町に加え、愛媛大学、自主防災組織等で、総勢約400名の参加により訓練を実施しました。

 

○ 訓練は、開催市の高須賀東温市長と森山河川部長の開会挨拶の後、東温市の伊賀消防団長の訓練開始の号令により、各水防団が工法訓練に着手しました。

 

○ 工法訓練では、市や町の各班に分かれ、ロープワークや土のう作りの準備工、シート張り工、木流し工、竹流し工、月の輪工、積み土のう工、改良積み土のう工などの対策工を実施し、防災エキスパートの指導の下、手順を確認しながら洪水への対処法を学びました。

 

○ 重信川では従来から各市町個別で水防活動が行われていましたが、近年の我が国の災害発生傾向から水防活動がますます重要になるとともに、地域間、関係機関の連携協力が必要となっており、今後も継続していきたいと考えています。

 

 

 

5.「吉野川水系河川整備計画【案】」を公表 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 四国地方整備局では、6月1日(月)に『吉野川水系河川整備計画【案】』を公表しました。

 

○ 吉野川水系河川整備計画は、平成18年6月23日に【素案】、平成18年12月18日に【修正素案】、平成19年10月16日に【再修正素案】を公表し、「意見を聴く会」等により、学識者・流域住民・流域市町村長の皆様からご意見を伺ってきました。

 

○ このご意見をできる限り反映し作成した、吉野川水系河川整備計画【原案】を平成20年12月24日に公表し、公聴会の開催、学識者及び流域市町村長に対する意見照会、パブリックコメントの実施により、皆様からさらにご意見を伺いました。

 

○ この度、この公聴会等により伺ったご意見をできる限り反映し、吉野川水系河川整備計画【案】を作成しましたので、公表を行いました。

 

○ 今後はこの吉野川水系河川整備計画【案】について、河川法に基づき関係県知事の意見聴取を行うと共に、関係機関の意見聴取を行い、吉野川水系河川整備計画を策定します。

 

○ 吉野川水系河川整備計画HP:

    http://www.skr.mlit.go.jp/tokushima/yoshinoriver/

 

 

 

6.ホタル鑑賞会および土器川ホタルまつりの開催 (土器川水系 香川県)

 

○ 今年も5月22日(金)から5月24日(日)までの間、乱舞するホタルを見ようと土器川ホタル同好会主催の「ホタル鑑賞会」に家族連れを中心に約150名の方が土器川出張所を訪れました。

 

○ また5月30日(土)に土器川生物公園で「ホタルまつり」を開催しました。

 

○ 本イベントは土器川ホタル同好会がきれいな川の象徴であるホタルを復活させようと平成8年より繁殖に取り組み、毎年5月末に開かれているもので、今年で13回目となります。

 

○ 「ホタルまつり」では土器川生物研究会の協力を得て、ホタルの鑑賞や生態説明と共に、土器川に生息する水棲生物の展示・紹介を行う「ホタルの一生・魚類探検コーナー」や、網を張ったテントに放しているホタルが何匹いるかを当てる数当てクイズ、水風船のヨーヨー吊り、楽しみながら水の循環について学ぶ体験型ゲーム、サイコロゲーム、香川県内の「水辺の88カ所」の紹介や土器川の現状についての展示パネル、土器川の維持工事で発生する刈草や伐採木で作った堆肥の無料配布など、様々な催し物を行いました。

 

○ 今年は例年に比べてホタルの数は少なかったのですが、地域住民を中心に約1,300名もの参加者を迎え、近年まれに見る賑やかなイベントとなりました。

 

 

 

7.不破堤防事業(上流工区)安全祈願祭・祝賀会の開催 (渡川水系 高知県)

 

○ 中村河川国道事務所では、四万十川の無堤部対策として、四万十市不破箇所を平成19年度より事業着手し、測量等調査や事業説明、用地調査等を精力的に行ってきました。その結果、地元関係者の合意・協力を得る中で、平成21年度より工事着工の運びとなりました。

 

○ 工事着工にあたり、5月30日(土)に工事安全祈願祭が関係機関及び地元関係者の約40名により行われました。

 

○ また、同日に不破堤防事業(上流工区)祝賀会実行委員会[地元、四万十川改修期成同盟会、中村河川国道事務所]主催により、関係機関及び地元関係者等の約80名により、工事着工を祝うもちまき及び祝賀会が盛大に行われました。

 

 

 

 

 「四国河川ニュース」に関するご意見、ご要望や四国の河川についての資料の要求、また河川に関するニュースなどがありましたら、以下までご連絡をお願いいたします。

 

  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

          〒760-8554 高松市サンポート3番33号

          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川) mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

          FAX 087-811-8417(河川計画課)

  ────────────────────────────────────────── 

       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

          http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

         四国地方整備局 ホームページURL(四国河川ニュース)

               http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/news/news.html