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四国河川ニュース

5/16(土)〜5/22(金)》398号

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2009.5.25発行】

 

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.144○

 

  ○徳島県 福井川 床上浸水対策特別緊急事業   (徳島県南部総合県民局 県土整備部 柳本 敏雄 部長)

 

  ○「福井川の河川整備について」             (徳島県 阿南市 岩浅 嘉仁 市長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○鹿野川ダム貯水量ゼロ!下流の要請を受け「死水容量」の緊急放流を開始!(肱川水系 愛媛県)

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.144

 

1.徳島県 福井川 床上浸水対策特別緊急事業 徳島県南部総合県民局 県土整備部 柳本 敏雄 部長

 

〈事業概要〉

 

○ 福井川は、阿南市南部に位置し、橘湾に流入する流路延長約19km、流域面積約33.7km2の二級河川であります。

 

○ 昭和30年頃までに1次改修を実施し完了済みでしたが、霞堤方式であったため十分な治水安全度とはいえず浸水被害が頻発に起こっていました。

 

○ そのため福井ダム建設と相まって昭和56年より改修事業に着手していますが、本川においては、改修事業が進んでいないため、幾度となく浸水被害が発生している状況でした。

 

○ 特に、平成15年7月19日の豪雨においては、床上浸水44戸を含む浸水被害122戸の甚大な被害を受けました。

 

○ そのため平成16年度から床上浸水対策特別緊急事業により、大原堰から山下橋までの区間の改修を実施し、浸水被害の軽減を図っています。

 

○ そのほか福井川においては、水位情報の周知や浸水想定区域の公表等のソフト対策により、流域住民への防災情報を提供し、浸水被害の軽減を図っております。

 

〈施行箇所〉阿南市福井町

 

〈施行期間〉平成16年度〜平成20年度

 

〈施行内容〉施行延長L=1.04q(河道掘削、築堤、樋門、取水堰堤改築等)

 

 

 

2.「福井川の河川整備について」 徳島県 阿南市 岩浅 嘉仁 市長

 

○ 阿南市は、徳島県の南東部に位置し人口は7万8千余。徳島県南部の産業・経済・文化の中心的役割を担っています。市内の主要な河川には、那賀川、桑野川、福井川などがあり、特徴としては蛇行し、急峻な山間部より市内を流下しています。

 

○ 徳島県南部は、日本有数の多雨地域であり、台風期以外でも他地域に類を見ない豪雨があります。これは、南東海上から流入する湿った空気を直接、山が受け止める地形となっているためで、このため、南東の風が強いときや、雷が発生した場合には、とくに、大雨に対する注意が必要と言われています。

 

○ 1時間降水量の日本記録によると、阿南市福井で昭和27年3月に観測された167mmが第2位となっています。(ちなみに第1位は長崎県長与で昭和57年7月に観測された187mmです。)

 

○ また、1日降水量においても那賀町海川で平成16年8月に観測された1,317mmが第1位となっています。

 

○ 福井川は、徳島県阿南市福井町を流れ、橘湾に注ぐ二級河川ですが、ご紹介のとおり、流域は日本有数の多雨地域にあり、流域面積が小さいうえに急峻な山地の占める割合が大きいという地形特性から、洪水の流出が早く、鉄砲水となり、昔から浸水被害が度々起きています。

 

○ 最近では、福井ダム周辺において、平成20年6月29日の午前1時頃から6時までの5時間に累計で約330mmの激しい降雨があり、市では、午前1時過ぎに警戒本部を設置。福井川の水位は急上昇し、がけ崩れ、道路冠水、家屋浸水の情報が次々と入り、午前5時頃に避難勧告をする等迅速な対応をしたところであります。

 

○ 平成8年3月に福井ダムが完成し、従前にくらべ確実に浸水被害を軽減する大きな効果を発揮していますが、下流域の河川改修が途上にあるため、いまだ浸水被害が発生しております。

 

○ このため、徳島県においては、平成15年7月豪雨を契機とする「床上浸水対策特別緊急事業」など重点的な河川整備を進めて頂いているところであり、これにあわせ、市においても、福井川水系の市管理の河川において、河道修正や河積確保等の計画を行い、事業化に向けて取り組んでいるところであります。また地元小学校の協力により福井川流域の法面に広葉樹の植樹を行い、保水力を高める保護活動に協力をお願いしているところであります。

 

○ 今後、福井川をはじめとする河川の安心・安全対策の推進に向け、堤防の工事などハード整備に加えて、情報の周知、避難体制の確立などソフト対策についても、今後とも総合的に取り組むことが大切と考えておりますので、一層のご支援、ご協力をお願いします。

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

   http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

今週のニュース

 

3.鹿野川ダム貯水量ゼロ!下流の要請を受け「死水容量」の緊急放流を開始!(肱川水系 愛媛県)

 

○ 肱川流域では、4月の降水量が平年の48%、5月の降水量はこれまで(21日)26ミリ(平年値185ミリ)とまとまった降雨に恵まれず、5月23日には鹿野川ダムの貯水量がゼロとなることが確実となったことから、発電事業者により発電放流が停止されました。

 

○ 発電放流が停止された場合、肱川下流の河川環境の悪化や取水障害、観光への影響等、非常に厳しい状況が予想されることから、大洲河川国道事務所・山鳥坂ダム工事事務所・野村ダム管理所では、平成21年5月21日に「肱川渇水情報連絡会」を開催しました。

 

  ※「肱川渇水情報連絡会」の決定事項

   @発電放流停止以降、放水バルブから下流への緊急放流を開始。

   A河川流量の減少にともない河川の巡視、水質監視等の体制を強化。

 

○ このような状況を鑑み、「肱川渇水情報連絡会」では大洲市からの要請を受け、鹿野川ダム最低水位以下の貯留水の活用を決定。発電事業者の同意のもと、5月22日15時から下流への緊急放流を実施しています。

 

○ 鹿野川ダムの貯水量ゼロは、平成9年11月以来、12年ぶり、平成18年に愛媛県から国直轄管理に移管されて、はじめての出来事です。

 

 ※平成21年5月21日15時、大洲河川国道事務所及び山鳥坂ダム工事事務所に渇水対策支部設置。

 

 

 

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