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四国河川ニュース

5/2(土)〜5/8(金)》396号

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                                                                       【2009.5.11発行】

 

 

○四国・水こぼれ話談話室Vol.143○

 

  ○ 愛媛県迫田地区(八幡浜市)の地すべり対策事業 『迫田地区 災害関連緊急地すべり対策工事が平成20年3月に完成』 

                                   (愛媛県 南予地方局 八幡浜土木事務所 宇高 史範 所長)

 

  ○ 「安きに居りて危きを思う」               (愛媛県 八幡浜市 大城 一郎 市長)

 

 

○今週のニュース○

 

  ○ 吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」   (吉野川水系 徳島県)

 

  ○ 美馬市水辺の楽校開校                 (吉野川水系 徳島県)

 

 

 

 

四国・水こぼれ話談話室Vol.143

 

1.愛媛県迫田地区(八幡浜市)の地すべり対策事業 『迫田地区 災害関連緊急地すべり対策工事が平成20年3月に完成』    

愛媛県 南予地方局 八幡浜土木事務所 宇高 史範 所長

 

○ 当事業箇所の存在する八幡浜市は、四国の最西端、日本で最も細長い佐田岬半島の基部に位置し、中央構造線と御荷鉾構造線に挟まれた地域で、風化が著しく剥離性に富み、脆弱な地質で地すべりなどの土砂災害の危険性が高い地域です。

 

○ 今回の紹介事例は、平成18年4月11日の深夜から夕刻まで降り続いた大雨により、八幡浜市八代地内の竹林と柑橘園が混在する谷あい部の斜面において、幅10m高さ40〜50mにわたって発生した地すべり災害に関するものであります。

 

○ 幸い人的被害は回避できましたが、崩壊した土砂が人家まであと僅かのところまで迫り、住民の方が地すべりの再発を恐れて避難生活を送ることとなったため、一刻も早い対応ができるよう、災害関連緊急地すべり対策事業の申請を行い、同年8月に採択されました。

 

○ 工事の概要は、調査ボーリング等で地すべり機構を詳細に検討した結果、地下水及び表流水を排除することが最も効果的であったことから、横穴排水ボーリングや水路工を施工し、その後、木柵及び植栽工により長期にわたる斜面の安定化を図ったものであります。

 

○ 平成20年3月に事業が完了し、動きも観測されていないことから、現在では避難していた住民の方も無事帰宅しており、平穏で安心・安全な生活を取り戻しています。

 

○ 土砂災害危険箇所が多い八幡浜土木事務所管内では、ハード面の対策と併せ、土砂災害防止法による土砂災害特別警戒区域、土砂災害警戒区域の指定等ソフト面からの対策にも積極的に取り組み、災害に強い県土づくりに努めて参ります。

 

 

 

2.「安きに居りて危きを思う」     愛媛県 八幡浜市 大城 一郎 市長

 

○ 八幡浜市は愛媛県西端にある佐田岬半島の付け根に位置し、北に伊予灘・西に宇和海を望み、丘陵地が多く、海はリアス式海岸が続き、温暖で風光明媚な地域です。古くは、九州や関西方面との海上交易が盛んで「伊予の大阪」と謳われ、現在は、年間約50万人近くが行き来する西日本有数の八幡浜港を抱え、四国の西の玄関口、西四国の交流・交易活動の拠点として発展してきました。

 

○ 温暖な気候と地形をいかした柑橘栽培が盛んで、温州みかんの美味しさはひとしおです。また、漁業も盛んで魚市場は四国一の規模を誇り、朝早くからセリの声でにぎわう風景と新鮮な海の幸は当市の名物となっています。

 

○ 自然災害も極めて少なく、昭和18年の記録的豪雨による大水害及び昭和21年の南海地震以降、60年余り大災害のない穏やかで恵まれた市であります。

 

○ 災害の少ない市ではありますが、近い将来発生が確実と言われております、南海地震等あらゆる災害に備えた防災体制を構築することが喫緊の課題であり、様々な支援活動や教育研修を積極的に推進していこうと心がけています。

 

○ 防災対策は、ハード対策とソフト対策が一体となった総合的対策が大切であると考えております。

 

○ 特にソフト対策として、災害の危機意識の乏しい市民の皆様に「防災の心」「防災の知恵や技術」「防災のつながり」といったものをしっかり身に付けて頂くよう、「自主防災組織」の結成促進を行って参りましたところ、公民館等のご協力により組織結成率100%となり、さらに、平成20年1月には自主防災組織間の横断的な繋がりを強化するため「八幡浜市自主防災会連絡協議会」を設立し、住民と行政が協働した防災組織の活性化に取り組んでおります。

 

○ 毎年、全ての自主防災会が市内一斉に防災訓練を実施しており、平成20年の訓練では、268箇所の避難(集合)場所に7,289名が避難(集合)しました。また120箇所の会場で防災講習会を実施し、地域住民に防災啓発を行っています。

 

○ 今後とも、「安きに居りて危きを思う」の考えのもと、国、県をはじめとする関係機関、そして市民と協働しながら、防災対策を進めて参ります。

 

 

 

 

○ なお、標記内容の詳細は、次の四国地方整備局HPにおいても掲載していますので、ご覧下さい。またこのメールは、各市町村長様にもご担当より転送して下さいますよう、お願い致します。

 

    http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/topics/mizukobore/index.html

 

 

 

 

今週のニュース

 

3.吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」(吉野川水系 徳島県)

 

○ 5月3日(日)に美馬市において、吉野川流域講座「吉野川の自然環境について」を実施しました。これは美馬市水辺の楽校の開校に併せて中鳥川周辺の植物や水環境がどのようなものかを知ってもらうために実施したもので、33人の方々がご参加くださいました。

 

○ 前半の植物観察会では徳島県自然保護協会会長の森本康滋先生と徳島県植物研究会会長の木下覚先生にご指導を頂きました。植物の観察方法や中鳥川周辺に生息する植物の概要、吉野川に生息する外来生物等について説明を頂いた後、実際に現地を歩きながら植物の観察を行いました。

 

○ 後半の水質調査では徳島河川国道事務所の職員からパックテストによる水質の調査方法について説明を行った後、実際にパックテストを体験していただき、吉野川及び中鳥川のpHやCODを計測しました。

 

○ 終了後に行ったアンケートでは、「身近にも知らない植物がたくさんあることに気づいた。」、「水質調査を体験したのは初めてで良い勉強になった。」などたくさんのご意見をいただきました。今後も、このような機会を通して吉野川の自然に親しんでいただくとともに、関心を深めていただけたらと思います。

 

○ 参加者の皆さん!ありがとうございました。

 

 

 

4.美馬市水辺の楽校開校 (吉野川水系 徳島県)

 

○ 5月2日(土)9時より、徳島県美馬市美馬町中鳥の中鳥川沿いに完成した自然体験施設「水辺の楽校」で完成記念イベントが行われました。国土交通省では吉野川北岸沿いに約1.7kmと支流の中鳥川両岸約1kmに遊歩道等を整備し、美馬市では炭焼き体験施設、あずまやなどを整備しました。

 

○ 天候にも恵まれ、開校式には約300人が参加しました。

 

○ 開校式には、地元の清重西小学校と幼稚園の児童・園児計114人が木の板に書いた絵を張り付けたモニュメントの除幕式がありました。開校式の後、もち投げが行われ大いに盛り上がりました。

 

○ 2日の開催イベントとして、どろんこ祭りやパークゴルフ大会、少年サッカー教室、気球体験、ウォーキング大会などが行われ、子どもたちの歓声が終日響いていました。

 

 

 

 

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  ■連絡先■  四国地方整備局 河川部  河川管理課 課長補佐  香川 正好

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          TEL 087-851-8061(代)マイクロ88-3753(香川)  mailto:rivers-news@skr.mlit.go.jp

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       四国地方整備局 ホームページURL(河川)

           http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/index.html

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